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2015-04-29 COP21・パリ合意へ向けた国別目標案(INDC)一覧

COP21・パリ合意へ向けた国別目標案(INDC)一覧

12月のCOP21、パリ合意へ向けて、各国がINDC (Intended Nationally Determined Contributions)の提出を始めています。現時点までで、8つの国・地域(EUを含むので)が提出しました。

INDCは、日本語では「約束草案」とか「国別目標案」などと訳します。政府や新聞では前者で統一しているようです。

公式に国連に提出されたものは、国連気候変動枠組条約(UNFCCC)事務局のウェブサイトの下記ページにリストアップされていきます。

これらをベースに日本語でそれぞれを簡単にまとめたものは、CAN-JapanおよびWWFジャパンのウェブサイトでも掲載しています。

おそらく、6月頭の国連会議およびG7の前には、また駆け込みで何カ国か出してくるのではないかと思うのですが、さてどうなるか。

2015-04-28 エネルギーミックスの数字

エネルギーミックスの数字

今年に入ってから開催されていた経産省資源エネルギー庁の下での、いわゆる「エネルギーミックス」に関する案が公開されました。

下記の審議会配布資料の中にある「骨子案」というのがそれです。

昨年に作られたエネルギー基本計画はやや定性的な方針を示した内容ですが、今回のは、より具体的に数字を入れた内容です。

すでに、4月上旬からぽつぽつと内容は漏れていたので、今回の資料そのものに大きな驚きはありませんが、やはりというかなんというか、再エネの数字は物足りない内容になってます。内訳みると、太陽7%で、風力1.7%と、それぞれの業界目標値よりも低いですし。

原発の20〜22%という数字は、そもそも、既存のものの運転期間を40年を超えて運転するか、もしくは新設しないと無理な数字なので、現実味のない数字です。

他方、石炭はほぼ現状の割合を維持する方針。

あと、議論がかなり電力に集中し過ぎてしまったのも、やや課題の大きいところかなと。本来は、エネルギー全体にかかわる話なので、電気だけではないのですが。たとえば、省エネの話についても、電力の17%云々が話題になりましたが、もっと最終エネ消費全体の議論を深堀できればよかったのですが。

他にもいろいろありますが、これをベースにして、今度は30日に温室効果ガス排出量削減目標の案が、別の審議会で出される予定です。

2015-02-19

安倍首相の施政方針演説

今更なんですが、安倍首相の施政方針演説での気候変動・エネルギー関連部分をチェック。ほとんど自分のための備忘録に近いですが。

(エネルギー市場改革)

電力システム改革も、いよいよ最終段階に入ります。電力市場の基盤インフラである送配電ネットワークを、発電、小売から分離し、誰もが公平にアクセスできるようにします。ガス事業でも小売を全面自由化し、あらゆる参入障壁を取り除いてまいります。競争的で、ダイナミックなエネルギー市場を創り上げてまいります。

低廉で、安定した電力供給は、日本経済の生命線であります。責任あるエネルギー政策を進めます。

燃料輸入の著しい増大による電気料金の上昇は、国民生活や中小・小規模事業の皆さんに大きな負担となっています。原子力規制委員会が新規制基準に適合すると認めた原発は、その科学的・技術的な判断を尊重し、再稼働を進めます。国が支援して、しっかりとした避難計画の整備を進めます。立地自治体を始め関係者の理解を得るよう、丁寧な説明を行ってまいります。

長期的に原発依存度を低減させていくとの方針は変わりません。あらゆる施策を総動員して、徹底した省エネルギーと、再生可能エネルギーの最大限の導入を進めてまいります。

安倍内閣の規制改革によって、昨年、夢の水素社会への幕が開きました。全国に水素ステーションを整備し、燃料電池自動車の普及を加速させます。大規模な建築物に省エネ基準への適合義務を課すなど、省エネ対策を抜本的に強化してまいります。

安全性、安定供給、効率性、そして環境への適合。これらを十分に検証し、エネルギーのベストミックスを創り上げます。そして世界の温暖化対策をリードする。COP二十一に向け、温室効果ガスの排出について、新しい削減目標と具体的な行動計画を、できるだけ早期に策定いたします。

*

個人的に気になったのは、上記で赤くしたいくつかの部分。

  • 電力自由化については、かなりはっきりと決意を述べていること。
  • <li<原発依存度低減という方針は変わらないと述べていること。もっとも、これは20%程度でも低減と言えなくもないので、あんまり参考にはならないけれども。</li>
  • 水素社会をあえてとりあげていること。ここ最近、この方向性は確定的になってきましたね。
  • 再生エネ・省エネは「最大限」という言葉遣いが続いている。
  • 大規模な建築物への省エネ基準の適合「義務」が言及されていること。2020年よりも前倒しになるって決まったのだったか。あとで確認しておかないと。
  • 削減目標の策定時期は、「できるだけ早期に」という表現から変わっていない。せめて6月冒頭の会議までには間に合わせたいところだけれども。

2015-02-05 ADP2.8が2月8日〜13日に開催

ADP2.8が2月8日〜13日に開催

今年も気が向いたときだけしか書けないでしょうけど、ぼちぼちと。

ADPの開始

昨年のペルー・リマでのCOP20の決定を受け、いよいよ今年最初の国連気候変動会議(ADP)が始まります。今回はスイス・ジュネーブで、2月8日〜13日の開催予定です。

相変わらず、いわゆるagenda fight*1を避けるために、第2回目から議題は閉じずにそのまま継続しているという形式になっているので、ADP第2回目の第8セッション(ADP2.8)という位置づけです。

ADP共同議長(Co-Chairs)から、今回の会議をどう運営するつもりなのかを記した恒例の「シナリオノート」も公表されています。

今回から、新しいADP共同議長さんたちです。

  • Mr. Ahmed Djoghlaf (Algeria)
  • Mr. Daniel Reifsnyder (USA)

リーフシュナイダーさんの方は、かつてコペンハーゲンまでの交渉の時に、AWG-LCAの議長も務められたことがある方ですね。議長が信頼を得ることができるかどうかって、この交渉ではかなり大事なので、その辺も注目です。

COP20・CMP10のレポート

今回のADPは、当然ながら昨年のCOP20の結果を踏まえて開催されるわけですが、つい先日、COP20とCMP10の正式なレポートが発行されました。

COPやCMPの「レポート」は、決定などがきちんと入れられた国連文書です。COP20での主な決定である"Lima call for climate action" は上記COPの方のAdd.1に入っています。

余談になりますが、私が新人の時に戸惑ったのが、結局、COP等で決まった「決定」文書はどこに行くのかということでした。

これ、なんだかえらく分かりにくいのですよね。だから、後で調べようと思って苦労した覚えがあります。

長年の経験?によって分かったのは、以下の流れ。

COPでは、決定時にLドキュメントという、ドキュメントシンボルにLが付いた文書が作られます。ま、いわば総会での決定前の決定草案としての文書ですね。たとえば、Lima call for climate actionの下書きはFCCC/CP/2014/L.14という番号が振られてました。

この文書は、いわば総会用の草案なので、最終決定ではありません。この後、変わる可能性があります。総会に文書が出てくる時は、だいたい、交渉は終わっていてそのまま採択されるようになっているものですが、時には総会で各国の間でドンパチやらかす時もありますので。

で、総会で決定がされると、最終的にそれが修正されて、決定文書となります。インターネットが貧弱だった時代は、この最終的な議論の推移を把握していないと、けっこう後にならないと最終的な文書がなんだったか、オブザーバーには分からなかった記憶があります。

今では、だいたい決定の翌日ぐらいに、総会で修正があった場合はそれも含めて、決定文書がUNFCCCのウェブサイトにアップされます。その時には、"advance unedited version"などの但し書きが付くことが多いです。

そして、それらが最終的にきちんとフォーマットなどが整えられて、正式な国連文書の記録として残るのが、上記「レポート」です。

で、レポートにも少し癖というか慣例がありまして、一連の文書のうち、最初の"Add.X"がついてない文書は、だいたいがproceedingsで、Add.1以降が実際の決定文書です。なので、その会議で一番大事な決定は、だいたいAdd.1に入っています。これが分かっていると文書の探しやすさが違います。

ちなみに、Addはaddendum、つまり付録・追加部分の意味で、要するに文書が長過ぎる場合に小分けにされるもんだと思って頂ければ。国連文書では、やや特殊な使い方がされますが、それはまたそのうちに。

*1: 議題を採択するだけで数日間もめて交渉時間を無駄にする行為を揶揄して使うようになった言葉