第19期女流王位戦第二局清水石橋-1


清水が先手で始まっています。

もはや珍しくもなくなった△3三角戦法。当然▲3三角成△同桂の進行が後手不満無しなのかは最重要課題。実戦はそう進み、清水が穴熊を目指す。

途中▲7七玉が眼を引く。

後手石橋としては組み合っても美濃囲いからの進展が得とは限らないので△2五桂と桂馬で歩を取り飛び込んでいく。
先手の桂得と歩切れがどう響いてくるかという勝負。なにやら縁台将棋のような手ばかりが飛び出すのが最近のプロ棋界の流行だ。
ここからどういう構想で戦いを広げていくのかじっくり見たいと思います。

先手
清水女流二冠
対局者後手
石橋女流王位

手番

+2
駒割
-2
5攻撃陣6
4守備陣6
11合計10
△3三角戦法
中盤戦33手目

第19期女流王位戦第2局清水石橋-2


先手
清水女流二冠
対局者後手
石橋女流王位

手番

+2
駒割
-2
3攻撃陣7
6守備陣6
11合計11
△3三角戦法
中盤戦38手目


▲8八桂とは。ねばり強い指し手だ。
清水としては、当面の歩切れをどうにか解消できて、石橋の攻めを留めることが出来るなら良し。流れをどうにかゆっくりしたいという手だ。
石橋としては腕の見せ所。

第19期女流王位戦第2局清水石橋-3


先手
清水女流二冠
対局者後手
石橋女流王位
手番

+3
駒割
-3
4攻撃陣5
4守備陣6
11合計8
△3三角戦法
中盤戦49手目

両者苦心の順が続く。
一気に攻めかかりたい石橋とどうにか流れを穏やかにしたい清水と。
清水は受け一方のようだが、しのげればチャンスは充分に回ってくると読んでいる。
▲8八桂と打ったからには▲4七角も手の流れ的には違和感はない。
清水の穴熊は堅くなく、手が着くと早い。
清水の歩切れが解消されているが、対価の桂馬は8八にあり、働いているとも言いにくい。
五分五分の戦いだが、それでは石橋は不満か。激しい順を探してきそうな気がする。

第19期女流王位戦第2局清水石橋-4


先手
清水女流二冠
対局者後手
石橋女流王位
手番
桂歩
+4
駒割
-4
4攻撃陣7
4守備陣6
12合計9
△3三角戦法
中盤戦60手目

二筋を清水が奪回。
けれど中央に転戦したのが好判断で、石橋優勢。
清水の方は二筋を奪回するのに力を掛けすぎて、駒が偏ってしまっている。▲4七角もぼけていて、かなり苦しい。どうにか流れをゆるやかにして▲3八金を左に寄せていきたい。


石橋は桂損ながら駒の働きが良く、玉も美濃囲いで▲8八桂穴熊よりしっかりしている。優勢と言って良いが具体的に攻めが描けないと盛り返される。
さて。

第19期女流王位戦第2局清水石橋-5


先手
清水女流二冠
対局者後手
石橋女流王位

手番
龍桂
+4
駒割
-4
3攻撃陣7
5守備陣7
12合計10
△3三角戦法
中盤戦69手目

押したり引いたりのよくわからない中盤戦。

駒得をしている清水としてはゆっくりしたいわけで、その意味では清水の思惑通りに進んでいると言える。攻めなくては勝てないのが将棋、ではあるのだが、清水の手は一貫していて、▲8八桂▲4七角そして▲2九龍と受けきりに重点を置いているのがあなどれないところ。

石橋が良いかと思ったが容易じゃないなあ。長手数局になりそうです。

第19期女流王位戦第2局清水石橋-6


先手
清水女流二冠
対局者後手
石橋女流王位

手番
馬桂
+4
駒割
-4
4攻撃陣4
6守備陣7
14合計7
△3三角戦法
中盤戦85手目

石橋の攻めが受け止められてしまった。
▲6八馬と引きつけられてしまっては、守りも万全。▲5八歩のように歩が低い一段低いと攻めにくいというのもある。
逆転と言って良いと思う。清水良し。攻めをどう作っていくかは問題だが、どうにかなるだろう。


△5七歩成はどうだったのかなあ。△2八歩とか△2七歩とか味付けすればもっと違う展開になったのではないかなあ。

第19期女流王位戦第2局清水石橋-7


先手
清水女流二冠
対局者後手
石橋女流王位

手番
銀桂
+6
駒割
-6
5攻撃陣3
4守備陣7
15合計4
△3三角戦法
終盤戦114手目

清水が辛抱しているうちに、石橋の見落としで龍が死んだ。
なんとか食いつこうと必死にあがいているが、さすがにこれはひっくり返らないだろう。
一分将棋でも間違えないと思う。
▲8八桂が今更ながら嫌な感じなのが気になるぐらいか。

第19期女流王位戦第2局清水石橋-8


先手
清水女流二冠
対局者後手
石橋女流王位

手番
銀桂
-6
駒割金歩3
+6
5攻撃陣5
3守備陣6
2合計17
△3三角戦法
最終盤155手目

どうやら逆転したようだ。
そうなのかあれが逆転するのか。
まだよくわからないねじりあいが続いているので、まだわからない。

第19期女流王位戦第2局石橋連勝


石橋が冷静に締めた。
長手数のよくわからない戦いだった。やはり受けるだけでは勝てないのかと思わずにいられない。


石橋連勝で防衛に王手をかけた。不調かと思われた石橋だが、攻めの気持ちに運がついてきているようだ。これは次も楽しみだ。