世代交代いろいろ

9/17に民主党の総裁選が行われ、前原誠司衆院議員が管元代表を僅差で破り、新代表になったのは周知の通りで、今回の無残な衆院選惨敗のマイナスイメージをある程度払拭した民主党にとっては最良の選択となった。

そもそも日本人は「若い人や年配の方が特別なことをすると、すごい」的発想をもっているし、メディアを見てもそういう取り上げ方が多い。ゴルフの宮里愛しかり、卓球の愛ちゃんしかり。実力の世界なんだからさと思いながらも、やっぱり日曜日の昼下がりに愛ちゃんがテレビにでているとついつい見てしまう自分に後々になってゲンナリするわけなんですが。一方、日本人が好きな物の見方として、巨大な戦力に立ち向かう無力な存在に対しても同様です。判官贔屓(はんがんびいき)という言葉は頼朝、義経の時代からあった言葉だそうで、元来そういう図式が好きなんだと思う。確かに記憶に新しい、渡辺恒雄 vs 古田 も国民は古田支持だったことを考えても理解できる。今回の衆院選も女刺客たちの見当ぶりを見るにつけても、綿貫、亀井といった方々の人相をみると、vs権力者の様相に見える。
日本人のものの見方は如何なものかというつもりもないし、アメリカ型の勝者のみが礼賛される社会もどうかと思う。


私が言いたいのは物事の良し悪しは別にして、物の見せ方が如何に重要かと言う事である。


一方、9/18にNOAH(プロレス)で現王者 力皇 vs 初代・第5代王者 三沢光晴 のタイトルマッチが行われ、力皇が防衛に成功した。私はテレビで観戦したわけですが、納得いかん。

なぜ納得いかないかというと、そこに何も気持ちを動かされる何かがない訳ですよ。
そもそもプロレスをガチというつもりもないし、様式美の世界、ソープオペラの世界と思うわけですよ。では何を期待しているのか。巨大な相手を前にして、散々苛められた上でそれを乗り越えて勝利することを見て、心を動かされる訳です。


ここら辺で、プロレスをご存知ない方に、構図を説明すると、

三沢光晴・・・NOAH社長兼選手。全日本プロレス(馬場の団体)のころより多数のタイトルを獲得し、団体のエースとして君臨。NOAHではアンタッチャブルな存在。43歳。

力皇・・・元内幕力士。現NOAH GHC王者。現在、34歳くらいで、次世代のエース候補。

http://sportsnavi.yahoo.co.jp/fight/photo/200509/im00022259.html


上記リンクを見て頂ければ、ご理解頂けると思いますが、ベビーフェイスではないだろと。体格を考えると、ヒールでこそ活きる存在であると。
確かに、団体を引っ張ってきた層の高齢化を考えると、この世代への早期の世代交代は重要であると考えるが、そこに何も感動がなければ、実際の客からの支持は集まらないわけで、現在、三沢が一定以上の人気があるのは、ジャンボ鶴田という巨大なチャンピオンを体格で見劣りする三沢が懸命に鶴田の技に耐え抜いて、勝利することにファンは支持したわけでそこんとこを考えろよと一ファンとしては思いますね。


但し、会社経営の面ではどうかというと、今現在の集客力を考えると、プロレス界全体の集客力が落ちる中で武道館をフルハウスにするだけの力があり、体力がある時に次の成長に向けて投資するのは全くもって間違いではない。だから、今の内に本当に強い王者というイメージをファンに植えつけておいて、他のエース候補の壁役として将来考えているのだろう。そうすれば、判官贔屓のファンは力皇の対戦相手になるだろうエース候補に声援を寄せることになるし。


但し、ヒールになるにはベビーフェイス以上にプロレス好者になる必要があり、そうであれば、その片鱗を見せろと。実際に三沢に試合をコントロールされているようではまだまだである。


政治からプロレスに話が飛んだが、何であれ、どのように見られるかそれが問題である。