大収穫

日曜は朝早く起きて西岡公園へ行ってきた。

実は先週も行ってきたのだが、この時は天気が最悪で雨は降るわ風は強いわでカバンからカメラを出すことすらままならない状態で、モチベーションも上がらないまま早々に退散し、澄川の純連でラーメンとチャーハンのW注文の暴食で憂さを晴らすだけで終わってしまったのだ。

しかしこの日は違った。
朝から陽光が降り注ぐ快晴。この時期にしてはかなり暖かい。何となく期待が持てる。

その期待通りに着いて早々にエゾリスを発見。

これまで何度も訪れていたにも関わらず、ここでエゾリスを見たのは実は初めてだったりする。
木の上をあちこち走り回っておりなかなか撮影が難しかったが、ようく見てみると松の木の皮を一生懸命剥いでいる。どうやら巣材を集めているようだ。

この光景は円山では見たことが無かったのでちょっと得した気分になった。

リスを満喫した後は木道を当てもなく歩いていくことに。
この日は一応期待していた目標みたいなものがあってその一つがシマエナガを撮影することだったが、一度だけそのチャンスが訪れる。その結果がこれ。

見ての通り小さい。
遭遇する機会はそこそこあるものの、あちこち飛び回るし小さいしとなかなか難易度が高い鳥だ。

それからまたブラブラ歩いていくと木の幹に止まってるアカゲラがいた。

前日も円山で3羽ほど見かけたが何度見ても可愛い。

それからしばらくここで腰を据えて撮影してたのだが、よく見るとヤマゲラオオアカゲラまでいる。

来て早々のエゾリスといい、このキツツキオンパレードといい、期待以上の成果にすっかり気分が良くなっていたのだが、実はこれはまだ序章に過ぎなかった。

メインイベントは空からやってきた。
コロンコロンコロンというコオロギに少し近いような鳴き声を発しながら飛んでくる黒い謎の怪鳥。
明らかにカラスとも違ったその雰囲気に確信は無かったものの、もしやアレではというほのかな期待が湧きあがる。
怪鳥はそのまま近くの林に下りていった。

ややすると「キョーン」と先ほどとは違った調子で大きな鳴声が聞こえてくる。

「ああ、これはクマゲラだ」

この時点で確信する。以前にネットで調べた鳴き声と同じだ。初めてのクマゲラにちょっと緊張してきた。
しかし声はすれども姿が見えず。
葉が茂る針葉樹の中をあちこち目を凝らしていたところ向こうの方から姿を現した!素早くシャッターを切る!

シルエットしか写ってねえええ!!!!!

空の明るさに引っ張られて肝心のクマゲラが真っ黒!(元々真っ黒という突っ込みは無しで)
「焦るんじゃない俺はクマゲラを撮りたいだけなんだ」と孤独の野鳥観察を演じていると、クマゲラは道を挟んだ反対側の木に移った。

ここでやっとまともな写真を撮影に成功。
ありがとうクマゲラさん。ついでにここでキツツキらしくドスを効かせて木の幹をドラミングしてくださいよと懇願してみたものの、さっさと草むらに下りてしまった。
土の中に餌があるのだろうか必死に穿り返している。

下を向いていたと思ったら

あっち向いて

そっち向いて

こっち向く

こんな感じの動作をずっと繰り返していた。この作業に気を取られているせいか、こちらが数メートルくらいの位置まで近づいているのに全然気にしていない模様。おかげでこっちはカメラを連写しまくり。

その後はまた木の幹に掴まり少し突っついてから遠くへ飛んで行ってしまった。

まさに至福の10分間だった。この広い森の中でピンポイントで自分の方からそばにやって来てくれるとは実に運がいい。
どんぐり眼で素っ頓狂な声を上げるクマゲラさんに自分はすっかり魅了されてしまった。

すっかり満足した自分は上機嫌で足取りも軽く来た道を引き返したが、その途中道端で小さな生き物を見つける。

どうやらエゾヤチネズミのようだ。
気付かれずに踏みつけられそうになったところ必死で走って逃げようとしているようだが、短い手足にまん丸の体は走るのは不向きなようで、落ち葉の上をヨチヨチと不器用そうに動いている。

そのまま少し離れたところで止まったので、しばらくの間じっと眺めてみたが、それ以上は全然逃げる気配もない。
ここでレンズを小さいものに変えてさらに近づいてみるが、それでも逃げない。
だんだん面白くなってきて試しに枯葉で背中をツンツンしてみたが、やっぱり逃げない。

一体何をやっているのかと覗いてみるとどうやら葉っぱを食べているようだ。

動画撮影に切り替えその様子を録画してみる。

それにしてもヨチヨチ歩きしかできないくせに何と警戒心の薄いやつだ。
撮影中に別の個体も見かけたが、それはすぐさま草むらに隠れてしまった。
こっちは逃げた個体よりも体も一回り小さいところを見るとまだ子供で警戒心を持ってないんじゃないだろうか。

この日は、これ以外もニホンカナヘビも久々に見れたし、やはり久しぶりの暖かかさで動物の活動も活発だったのであろうか。
何にしても自分にとっては実りの多い一日であったのだ。