バイオな学生からみた2012春Ruby合宿

最初に
自分のスペックについて(自己紹介)

  • バイオテクノロジー専攻の学部4年生。研究でコードを書く事は皆無。
  • ホリエモン、小飼弾、web進化論などに触発されて、インターネット関連には興味津々。技術的な話でなければだいたい話にはついていける...?
  • 大学院入試科目にプログラミングが含まれていたため、夏休みの1ヶ月間だけPerlを独学
  • 「モノ」を作った経験は無し。Perlの正規表現などで何となく大量データのソートができるレベル。

こんなにもインフォマティクスに関係なく、プログラミング経験も無い人間が、
「興味がある」という理由だけで参加するのは珍しいのではないかと...

なお、先に書いて置くと、今回の合宿のお題であったシューティングゲームのコードに関して、圧倒的な知識不足/理解力不足のため、自分はBGMの挿入などしかできなかった。
とても「チームの一員として貢献した」と言う事はおこがましいレベル。
それでも、こういうレベルの人間から見た「Ruby合宿の感想」は他の参加者の感想とは違う部分で誰かの参考になるのではないかと思いブログ記事にすることにした。
(コードが書けない私を責めないでっ!)

という前提なので、他の方がブログで書かれている
  ・ バージョン管理の難しさ
  ・ チームで開発するという事の難しさ
  ・ Rubyもっと勉強しないと…!
という技術的な項目に関してはばっさり割愛。他の参加者が書かれた↓エントリーを参考にしてください。
http://www.yantene.net/?p=599
Ruby合宿2012に参加してワイのワイルドワイバーンや!言うてきたでえ - こしし(cauchym史)
Ruby合宿へ行ってきました! | くりぼーのブログ
Ruby合宿〜感想的な〜 | Facebook

おもろいひとはおもろい
スマートな人はほんの少し話すだけでスマートさがバレます。
この合宿ではそういう人が多かった。
しかも、「勉強(プログラミング)ができるのは当たり前、その他にも”何か”持っている」と感じさせる人ばかり。
やたらプレゼン慣れしている人、場を笑いで満たす人、すごく博識なのに同じ目線から懇切丁寧に教えてくれる人、20歳そこそことは思えないキャリアを積んでいる人。魅力的な人が多く、人として尊敬できる人もいた。
人としての魅力に年齢は全く関係なく、経験が多いから魅力的という訳でもない。
まだまだ井の中の蛙だなーとか。自分も工専行けば良かったなーとか。

(蛇足)
日頃から接している道具というだけあってPC関連には並々ないこだわりを持つ人ばかり。
自分は40人近い研究室で唯一のマカーであり、互換性の弊害をモロに受けている。
しかし合宿ではさすが、アンチWinの勢力が強かった。ゲームの中身を決めるときに、班の一員であるアンチWinなモンスターマカーが提案した「IEを叩き潰すゲームは?」に大爆笑した事は研究室では秘密。

Ruby大好きなんです!
もう一つ印象的だったのが、合宿運営側の「Ruby大好きさ加減」について。
Rubyのパパ、まつもとゆきひろさん (Matz) のRubyに対する愛情は置いておいても、この合宿で交流があった企業さん、講師の皆さん、島根県職員の方のRubyへの力の入れ方がハンパナイと感じた。
Matz曰く、Rubyは「プログラマーが気分良く書けることを重視した言語」らしい。
人間様が頑張って機械に仕事をして頂くのではなく、人間様がもっと楽に楽しく機械に仕事をさせることができるのがRuby。
そもそも「技術」というもの自体、それが根源だったはずである。
非効率的なもの/ しんどいものを、技術を使って効率化/自動化し、みんながもっと楽しくhappyになる時間を増やすために技術が生まれたはず。
それに慣れてしまい、いつの間にか「機械に仕事をさせるために人間も頑張る」という変な構造になってしまっている。Rubyは、改めて技術を使うことのhappyさを気づかせてくれる意味でも非常に魅力的に感じた。
そういう所に共感した多くの人が今回のRuby合宿運営に携わられていたのだと思う。
そしてそういう方々により、4泊5日かけてどっぷりと洗脳が完了した合宿生は、日本の各地に輸出され立派なRubyistになっていくのでしょう。
まさに今の自分ですありがとうございました
ルビーダイスキ!

現に松江市は、Rubyでの地域振興を本気で推進しているようです。
世界的に見ても「プログラミング言語で地域を盛り上げよう」なんて都市は無いらしく、海外からも視察が来るそうです。松江市始まり過ぎですね…

個人的なカミングアウトを少しすると、自分は4年間も松江に住んでおきながら、ほんの一年前までは島根が”大嫌い”でした。卒業したらすぐに出て行ってやろうと本気で毎日思っていました。
しかし、Rubyを知り、企業の面白い社会人と話をし、松江市はもちろん、個人レベルからでも「島根を盛り上げよう」とする動きに今では尊敬の念すら抱いています。
島根大嫌いだった学生が今では「自分でも何かできないか」と思うほどです。
こんな田舎から世界に誇る強力なコンテンツが生まれた(正確にはMatzにより、ですが)という不釣り合いな感じも、ものすごく面白いと感じません?

技術を持つ学生はすごい(ゲームの完成度について)
正直舐めてた。「学生がプログラミングを組んで作るゲーム」はもっとチャチなものだと。
が、1班目の発表から頭をぶん殴られる事になる。
グラフィックの綺麗さにビビった!あんなものを2日とちょっとで作り上げる(情報系学部?工学系?)学生に嫉妬しました。
他の班も、「プロの仕事ですか?」と思うほどちゃんとしたゲームの体裁をとっていて驚いた。
他班だけでなく、我が班員のプログラミングと面白いものを作るセンスがかなり高かった。
その笑いのセンスを存分に盛り込んだゲームは追々facebookのRuby合宿ファンページにgithubでゲームのコードが公開されると思うので、興味がある人は是非チェックしてみてください。
「(4班) つくろう 古墳」です ←※シューティングゲームですが何か?

自分がずっと取り組んだバイオテクノロジーの研究テーマも非常に魅力的で楽しかったですが、それとは違う楽しさと魅力がプログラミングにはあるのだと感じました。Matzのスライドの中に、「言語は思考を制限する」という話があったけど、専攻している学問でも人間のタイプは変わってくるのだと思う。バイオとインフォマティクスを専攻する人間はどのように変わっていくのか楽しみだ。

そして、大勢の前で発表できるものが作れる人ってスゴいと思う。それが、絵画であっても音楽であっても、数百行のコードで動くゲームであっても。
インフォマティシャンかっけー!

最後に
おそらく自分は参加者25名のうち、一番プログラミング経験がない人物だったと思う。
確かに、1日だけの講習を受け「じゃあ開発しましょうか」の後は非常に困った。
「え?あれだけでみんなできちゃうの?」とテンパったのは自分一人か...?

それでも、参加して非常に良かったと思う。
それは、講師の方が分け隔てなく根気強く教えてくださり、参加していたみんなの向上心/モチベーションの高さにインスパイアされた部分が大きい。
同年代で、自分より優秀な人を知る事は何よりも刺激になる。
肝心の「Rubyは上達したのか?」については、
スタッフの方にマンツーマンで教えて頂いた甲斐もあり、合宿前よりはわかるようになった、と言いたい。
ただ、独学でgoogle先生とマンツーマンでやるよりは理解のレベルがグッと深かったということは断言しておきたい。
他の参加者のエントリーを読んで始めて気づいたが、確かに合宿中に「ググれ」とは一度も言われなかった。この「教えてくん撲滅時代」に。
講師の方には感謝感謝である。


こんなレベルの人でも「行ってよかった!」と言うのだから、
興味があるけど勇み足を踏んでる人は即申し込みボタンをクリックすべきだと思う。

ただし、
「ちゃんと勉強してから参加する方が賢明」
ということは間違いない。
...間違いない!
この有意義な合宿で、BGMを組み込むだけなのはもったいないノダ!
ちなみに合宿で使用する教材は↓

たのしいRuby 第3版

たのしいRuby 第3版

  • 作者: 高橋征義,後藤裕蔵,まつもとゆきひろ
  • 出版社/メーカー: ソフトバンククリエイティブ
  • 発売日: 2010/03/31
  • メディア: 単行本
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P.S
「なんでうごかないのー!」と一人が絶叫し、「どうしたどうした」とみんなで一つのモニターを囲む光景が個人的に大好きでした。バイオの実験では見られない連帯感が素敵。

Thank you for Team A5O!

あー、もっと勉強してリベンジしに行きたいな。Ruby合宿は複数回参加可能です。

P.SのP.S
そういえば、誰にも聞かれませんでしたが、チーム名のA5Oは班員がA型5人、O型1人という意味です。