第九を聴いてきました。

東京芸術劇場


沼尻竜典(Con/チェンバロ)、広田智之(Ob)、木野雅之(Vn)
大岩千穂(Sop)、重松みか(Alt)、錦織健(Ten)、泉良平(Bas)、日本フィルハーモニー協会合唱団(Chor)


初めて客席で第九鑑賞。
最初なんか音のバランスとか聴こえ方に違和感がある・・・と思ったら、いつもはオケの後ろで聴いてるからだった。
芸劇の3階は音が遠いので、身を乗り出して聴いてたら肩と腰が痛くなった・・・
あータイ古式マッサージにいきたい。


前プロのバッハは、プログラム解説によると、ほんとはそういう題名の曲はないそうな。
バッハにしてはとても感情表出の激しい曲で、特に2楽章のObとVnが会話するように掛合いながら流れて行くメロディのロマンティックで美しいこと!
なかなかバッハをメインに聴きにいく機会がないので、こういう大曲の前プロなどに名曲を入れてくれると、新しい出会いがあってとてもうれしい。


さて第九は、1〜3楽章はとても良かったです。
コバケンさんの演歌のような第九に比べると、沼尻さんのはわりとテンポもダイナミクスもあっさりとしているんだけど、そのテンポ感が無理がなくて好き。
特に3楽章の3拍子のきもちよ〜〜〜い流れ方は秀逸だと思う。


しかし、3楽章が始まってからあたしはずっとドキドキハラハラしておりまして。
なぜかというと、ソリストが出てこないの!
去年沼尻さんの指揮で合唱した際は、3楽章前に長めに間をとって、そこでソリストが出てきて
3→4楽章はアタッカ*1でやってたはずなのに、
3楽章前でも出てこない、
じゃアタッカをしないで4楽章前に出てくるのかな、と思ってたらそこでも出てこない。
ま、ま、まさかとは思うけど沼尻さん忘れてるとか・・・
そんな最悪なことまであれこれ考えていたら、4楽章頭のオケ部分なんてまったく耳に入ってこなかったです・・・


結局4楽章のテーマの第3変奏のところで、上手の戸が開いて、トロンボーンの前を通ってソリスト登場。
ほっと胸を撫で下ろしていたら、その後にまたもやビッグバンが。
バスソロの音程がおかしい!ドイツ語の発音もなんか変!ええ!変だよ!
他のソロが始まっても、えーなんか変!ソプラノの音程も変!H出てないし!
合唱は、途中の難しいとこではちょっと音が上がりきらなかったりしたけど、ほんと第九は完璧に歌うには無理があるような難しい曲なので、それを考えれば大健闘だったのに、ソロは最後までそんな感じでした。ヒドイ。
どーにも響かないにしきおり氏の声は好きではないんだけど、正直一番マシだと思うほどでした。


色んな意味で身につまされる。
第九はさー、他の演奏会より料金が高いのですよ。第九ってだけで。
あたしの買ってるヤングシートでさえ、普段は?2,700なのに?3,500もするですよ。
なのにこれじゃあなあ・・・
難しいことだけども、もしあたしがオケと一緒に歌う機会を得たとしたら、オケの演奏を壊すような歌だけは歌わないようにしなければ、と心から思った演奏会でした。


たまにはこういうのも必要か・・・

*1:間を開けずに次の楽章を演奏すること