思考の遊戯(雑読雑感の裏側)

2017年07月25日(火)

アーマーモデリング 2016年4月号』

☆☆☆

継続戦争特集。『ガルパン劇場版』の登場がなければ絶対になかったマイナー特集

歴史的背景はばっちり解説されているので、勉強にもなる。

ほぼ全てがソ連のろかく車両で、フィンランドで施された増加装甲と迷彩が特徴である。

中ではKV-1がシャープで格好良い。

巻末のニューキット紹介では、スカッド発射装置とスメーチという二大ソフトスキンが圧巻。特に後者はそのパーツ数からも、製作記事が倍あってもいいくらいだ。

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2017年07月24日(月)

ファイブスター物語(9)』

☆☆☆☆☆

久し振りに再読してみたら、メチャクチャ面白いではないか

まず、デザイン的に面白い。星団歴以前では、ドラゴンなどの永野ファンタジー生物が。そしてスタント遊星に属する超帝国のデザインが凄い。十字架型の宇宙船も素晴らしいが、炎の女皇帝マシンメサイアは、わずか3コマしか登場せず、カラー設定画もないのだが、永野デザインの最高傑作と言っても過言ではない完成度。

スバースの登場する未来ロボットのデザイン、ラストバスターランチャーを構える牛みたいな重マシンメサイア(?)など、とにかくデザイン的な大放出っぷりがとんでもない。そのほとんどに設定画がないということはアドリブ永野氏に脂が乗り切った時期の作品だからか?

ファティマと騎士という、作品の根幹にまつわる設定が明かされるのも本作のファンにとっては知的興奮を抑えられないところ。

このへん、前に読んだ時(十年前かそれ以上?)には、気にならなかった。すなわち、この巻がそれほど重要だという記憶がないのだ。このへんは、『FSSデザインズ』などの副読本で、知識の体系的理解が進んだからかも。まさしくガイドブックであり、参考書。この「作品」は漫画(連載そして単行本が出るたびに買う)だけでは、味わい尽くせない、という証左といえるかも。

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2017年07月22日(土)

重機戦線メカノイド

予備知識なしで、タイトルからは『ロボジョックス』みたいなSF?かと思いきや、C級宇宙人侵略SFだった。

それもそのはずというか、原題は「INVADER」。ロボット要素は、最後宇宙人UFOを頭部にして合体するロボットしかない。

オープニングやモニターグラフィックスはワイヤーメッシュを多用していて、『エアウルフ』を連想させる。そういえば同時期だなぁ…。

現用(もちろん当時の)戦闘機などのシーンは模型を多用していて、特撮関係の爆発もショボイ。こういうのを見ると、円谷特撮映画も実はよくできてるやん?と認識を新たにする。ハリウッドの最高級予算映画作品と比べるからショボく感じるだけだったのか。

ストーリーに関しては、冒頭から諦めていた。

UFOロボ(といってもグレンダイザーではない)のデザインが鳥足だったのがちょっと「おっ」と思ったなぁ…。本作で唯一の収穫かも(^_^;)

あと、F-117を何故かF19と字幕表記していたのが謎だ。


マッドマックス

☆☆

名作というか、様々なところに影響を与えた作品というのは知っていたが、見たことがなかった。『怒りのデス・ロード』を見るための予習として見て見たが、意外と大したことがなかったので逆に驚いた。もっと北斗の拳』みたいな未来の荒廃した舞台イメージしていたのだ(もしかすると、それが進化して『怒りのデス・ロード』とかになった?)

時代場所不明で、低予算バリバリ。考えたら、シリーズ1作めの『ターミネーター』と近い印象。

暴走族と、不条理世界との対立を描くなら、警察サイドはもう少しまともな連中を揃えた方がいいと思うのだが、どちらも大差ないように感じる。日本で言えば、任侠ヤクザ愚連隊、という感じ?

ラストの、車が爆発するまでの10分に、手錠で繋いだ足を切って脱出できるか?という復讐手段そのものは面白いのに、それを敵のボス(その前に殺している)ではなく、最も微妙なやつにしているところ。

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ワーナー・ホーム・ビデオ 2013-12-04

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2017年07月21日(金)

ガンダム・センチネル

☆☆☆☆★

何回読んでも(面白いというより)凄い。

『UC』や『ガイア・ギア』を読んだ後で改めてみても、それらを上回るハードSFにしてミリタリーSF、そしてメカSFであり、ガンダムであるのだ。

幕末歴史を知っていると、ストーリーが分かりやすいのも再発見。これは初読時は全くピンと来なかったなぁ…。

最も好き嫌いが別れるのは、青春ドラマとしての描写だろう。特にオフショーが(^_^;)

カトキ氏の挿し絵は、センチネル後記の、(カクいところスレスレとも言える)尖りまくったシャープフォルムが唯一無二の魅力。

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2017年07月20日(木)

賭ケグルイ(7)』

☆☆☆☆★

生徒会総選挙が開始。どこにいたんだよ!? という百喰一族が登場して選挙に参加するあたり、『男塾』ばりの強引な展開。

今回のギャンブルは、ギロチンに指を入れて、20本の紐を一本ずつ切って行くというシンプルなもの。それを、顔芸だけでもたせるあたりはさすが。夢子のひとことで、いかさまで絶対優位だつた敵がガクブル状態になるあたりが面白い。そのオチは、多少アンフェアだが、ストーリーものとしては、これしかない八方丸く収まるもの。

「バレなきゃイカサマじゃねぇんだよな」っていうのは何のセリフだったっけ…?(@_@)

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2017年07月19日(水)

『午前三時のサヨナラ・ゲーム

☆☆★

本格ミステリの俊英の新作小説だが、本格っぽさはかけらもない。東野圭吾の『超・殺人事件』みたいなバカ小説である。

野球テーマに、純小説から、筒井康隆のようなブラックユーモアまであるが、ほとんどは後者である(^_^;)

「後からプレーを論じて最も面白いスポーツ野球なんです。野球ファンは、時間さえ許せば、たったいま終わった試合について、徹夜で話し込むことだって可能です。」

「仮に優勝するチームでも、勝率は六割程度のもの(略)相撲横綱応援していれば、15日中、少なくとも12、3回は美味しいお酒が飲めた筈なのに、何故最強チームでも10日中4日は酒が不味い思いをさせられ競技を、わざわざ選んでファンになったのか。」

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2017年07月18日(火)

ビックリするほど素粒子がわかる本』江尻宏泰

☆☆☆☆

新書だし、入門書っぽい体裁だと甘く見ていたらとんでもない。そのへんのハードカバー本よりもよほど詳しいし、図解雑学シリーズばりに図が多用されているので、分かりやすい。

本書を読んだ目的である、中間子についてもよく分かった。っていうか、中間子について「陽子中性子を結びつける」以上の説明が書かれていたのは本書が初めて。

要するに、中性の原子から、負の電子が飛び出ると、原子が正電荷になる。それと同じく、中性の中性子から、中間子が飛び出ると、中性子は正電荷陽子に変わるのだ(中間子には正負両方あるのがややこしいが)。

クォーク場合(略)ある程度はなすとゴムひもが切れ、切れ目にクォークと反クォークの対の中間子ができる。その反クォークと、引き離したクォークが合体して、中間子となって外に出る。陽子内に高エネルギー光子を衝突させると、クォークは分離されず、中間子が出る。

クォーク単独で取り出せないのは、N極とS極の対から成る磁石からN極だけを分離できないのと同じだ。」

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2017年07月17日(月)

乾くるみらしからぬ、日常の謎系の短編集。ブラックな要素も、凝った構成もない。

ただし、本書を読むと、不動産を借りるのに躊躇するのはもちろん、買ったり所有する気がなくなることは請け合い(^_^;)

物件探偵物件探偵
くるみ

新潮社 2017-02-22

『内向型のための雑談術』

あなた仕事環境に合わせて、「何か起こったら、それを雑談ネタにする」というように自分なりのルールを決めておくことをオススメします」

雑談で盛り上がっている人たちの輪にはこう加わろう(略)「ところで、さっきは何であんなに盛り上がってたの?」 雑談のなかで「ちょっとした間」が出始めたら、すかさずこのセリフでグッと踏み込みましょう。 これは消えそうになった炎を再び燃え上がらせるための言葉です。」

“内向型”のための雑談術 自分にムリせずラクに話せる51のルール“内向型”のための雑談術 自分にムリせずラクに話せる51のルール
渡瀬

大和出版 2010-06-01

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2017年07月14日(金)

アーマーモデリング 2017年8月号』

☆☆☆★

素材別の加工・塗装法特集。以前の「錆び」特集などと同じく、新作もあるが、ほとんどは再掲載二番煎じもの。

ただし、錆びのウェザリングは施さない人もいるが、木や布は全てのAFVモデラーが避けて通れない。テクニックとして、まとめてくれるのはありがたいことはありがたい。

誌上初という触れ込みの第二特集だが、巻末特集という意味では、土居スーパーバイザー時代の誌面構成を想起させ、あまり斬新さはない。

大物キットをあっさり

高石超級レオパルトは、いよいよミクロ迷宮に…(@_@)私的には、工作編は(達人領域すぎて)参考にならないなぁ…。

Armour Modelling(アーマーモデリング) 2017年 08 月号 [雑誌]Armour Modelling(アーマーモデリング) 2017年 08 月号 [雑誌]

大日本絵画 2017-07-13


モデルグラフィックス 2004年3月号』

☆☆★

新興アジアメーカー特集。いちおう飛行機とかにも触れているが、ほぼAFVのみ。『アーマーモデリング』のドラゴン特集や、新世紀メモリアルキット特集包含される。

扱うキットが、レオパルド列車砲や、カールなど、大物が多い。特に前者は、トランペッタードラゴンランナー比較など、なかなか貴重かも。パーツ数が多いほうのトランペッターをチック斉藤選手がひとりで作っているのはエライ。

MaKの読者作品の発表も。

最も時代性を感じるのが、ガンダムキット。SEEDという作品の良し悪しはおいといて、各パーツのフォルムがひと昔前なのだ最近十年のキットの進化はもちろん、この直前に掲載されたらしき、哀原善行氏のドムが傑出しているかも分かる(『センチネル0079』のガンダムのような、当時のキットとの差。)

なお、目次と特集の一部のモデル(当時の編集方針なのか、『デモンベイン』の等身大キット紹介にも女性モデルが)が、インリン・オブ・ジョイトイなのが 時代を感じさせる(^_^;)

月刊モデルグラフィックス (2004年3月号)月刊モデルグラフィックス (2004年3月号)
大日本絵画

2004

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2017年07月13日(木)

『虚実妖怪百物語(急)』

☆☆☆☆★

相変わらず馬鹿会話が水増ししていて、それがなければ一冊で終わるプロットである。

しかし、それこそがメインストーリーと密接に関連しているのだ。このへんは『うぶめの夏』や『エンディミオン』二部作とも通じる。

クライマックスオール妖怪大激進は、さすがに言及されていないが(近親憎悪?)、『映画妖怪ウォッチ 誕生秘密だニャン』を連想させずにおれない。今、「妖怪」を語るなら、肯定するにせよ否定するにせよ、触れないわけにはいかないはずだが…。あとは、『平成狸合戦ぽんぽこ』とか(´д`)

また、クライマックス後の全ての謎が解ける展開は、伝奇ものだと思っていた読者のドンデンをひっくり返す(馬鹿話だと感想文章もおかしくなるなぁ…)衝撃の結末。

太郎水木しげるの扱いなど、引っ掛かっていた点が伏線であったことが分かってスッキリ

虚実妖怪百物語 急 (怪BOOKS)虚実妖怪百物語 急 (怪BOOKS)
京極 夏彦

KADOKAWA 2016-11-05

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