思考の遊戯(雑読雑感の裏側)

2018年08月19日(日)

戦略大作戦

☆☆☆

ミリオタ的に、シャーマンを始めとして米陸軍車両活躍するのはいいのだが、ストーリーはまあ、大雑把というか…。

戦略どころか、単なる強盗の話やん(´д`)

米軍兵士である主人公が、ドイツ領内の銀行に金塊が保管されていることを捕虜から聞き出し、自分達だけで独り占めしようとする話。単なる強盗犯の話やん。倫理的にはとても賛成できないし、ピカレスクロマンとしても能天気音楽とか、どうにも…。

タイガーソ連t-34あたりをベースにしていることは足回りと、前寄りのでかすぎる砲塔を見れば一目瞭然。

市街戦で、車を踏み潰したり、塀や壁をぶち壊して進むあたりは迫力。

タイガーはともかく、シャーマンは白ちゃけた理、うっすら塗料が掠れているのが参考になる(^_^;)

戦略大作戦(Blu-ray Disc)戦略大作戦(Blu-ray Disc)

ワーナー・ホーム・ビデオ 2010-07-14

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2018年08月18日(土)

新装版 失楽園(上)』尚村透

賭ケグルイ』作者(作画)の前作だが、圧倒的な画力だった同作に比べると、本作はありきたりのスクエニラノベ?)系の絵柄。普通なら私がスルーするタイプだ。

賭ケグルイ』への片鱗は242ページくらいから出てくる狂気顔くらいで、巻末まで来ても、全体の絵柄はラノベから抜け出ていない。

設定は、男だけのバトル資格者の中で、主人公けが女ながらに資格を持つという、ちょうど『インフィニット・ストラトス』の逆みたいな感じ。学園内の勝ち上がりバトルロイヤルという点でも、とても原作者のあるなしの差があるとは思えないほど似ている。

面白い違いは、『賭ケグルイ』では生徒会が全てのルールを決めたのに対して、本作ではバーチャル言い訳的な設定ながら、そのファンタジー的なバトルの管理体制を、本作では生徒会すら完全に把握していないところ。何しろルールの全てを生徒の1割しか理解していないのにやっているのだ。優秀な進学校どころか、落ちこぼれ高校ヤンキーバトルマンガ的なダメダメさ(^_^;)(*_*)

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尚村透

スクウェア・エニックス 2017-06-22


バルカン超特急』☆☆★

タイトルメチャクチャ格好いいのだが、中身と言えば、白黒の鉄道(国際謀略)サスペンスなのだ

ミステリージャンル的には、鉄道内での人間消失もの。ただし、そこに至るまでに、ホテルでのゴタゴタがあったり、イタリア的なウィットユーモア結構長いので、21世紀の目で見るとかったるい。いきなり鉄道内で始めれば、30分のテレビドラマで十分な内容。

主役かと思われたイギリス紳士たちが偽証するのも、「イギリス流の関わらない主義」とか、当時の世相や民俗を知らないと、ムカつきしか思えない。

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セル・リナ・ホワイト

映像文化社 2013-11-28

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2018年08月16日(木)

ジョジョリオン12)』

☆☆☆★

全体に低迷な第7部ほどではないが、8部は、6部なみに面白い時もある。本巻は当りのほう。

前半は触れた者を極限まで柔らかくする、5部のボスの娘の能力過激にしたようなもの。特徴は、奇形偏執的な荒木マンガらしい人体変形と、指紋手形のスタンドのアートと言っても過言ではない美しさだ。それに引き換え、本体のダサダサっぷりが凄い。

ダサダサと言えば、吉良もつり目が不細工だし、マンガ的な絵柄の変化と言えばそれまでながら、まっとうに美しいデザインなのは康穂や大弥くらいではないか……?

ことに8部は、良くも悪くも、人と違った/変わったことがしたいだけじゃないのか?と思える。肉体の変形がそうだし、コマ割もそうだ。たった隣のページの1割くらいを割り込むために見開きにしたり、会話相手リアクション(主に目であることが多い)を丸いコマでインサートしたり。49話で吉良が港湾倉庫を見張るコマ(ノンブルが皆無なのだ(;´д`))でも、ページめくり的にも吉良を右に奥のが当然なのに敢えて左に置いたり(『夏目の目』的な分析)。

しかし、ジョセフミとのバトルの真っ最中過去、しかも物語の核心に迫るエピソードをぶちこんだり、その過去編も時間が飛び飛び(スキップするだけで、前後したりはしないが)になるなど、やりたいほうだい……なのか緻密な計算なのか……。月刊誌ならではの、気持ちの赴くままに書いているように感じるけどなぁ……。

毎回ではないが、ギャグがある時は、その比率が意外と多いのも特徴。下ネタも同様。その割には直接的な、青年誌的なエロがないのも不思議

基本的には7部以降は、過去登場人物がいなかったのに、スタンド:キラー・クィーンがまんま再登場したのには驚いた。7部のディオは、絵柄が変わったのと、スタンドは別物だったので、そこまでの驚きはなかったのだが。4部の仗助な髪型キャラも、名前が違うのと、リーゼント以外は髪がない(剃り上げ)なので、これまた同上。

あ、そうそう、吉良の母親なるキャラは意外と美人かも(*´ω`*)

しかし、アクション映画的な進展ではなく、モロに輻輳する謎解きだけを全面に出した長編って荒木マンガでは初めてかも……。どこまで緻密に設計されているのか、期待4割、期待はずれ6割くらいの心持ち(これは完結まで読み続けるかどうかの確率でもある)。

ジョジョリオン 12 (ジャンプコミックス)ジョジョリオン 12 (ジャンプコミックス)
荒木 飛呂彦

集英社 2016-03-18

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2018年08月14日(火)

『公正的戦闘規範追記

軌道の環』の主役の名前ジャミラなのだが、どうしても『ウルトラマン』(セブンだったかな?)を連想せざるを得ない。どこでウルトラマンに繋がるのかと、ワクワクしながら読み進めたのだが、結局無関係だった(´д`)こういう変わった、なおかつ特別意味のある名前は使わないで欲しい。

……もしかして、マニアなら、隠された関係に気がつくようになっているとか??

公正的戦闘規範 (ハヤカワ文庫JA)公正的戦闘規範 (ハヤカワ文庫JA)
藤井 太洋

早川書房 2017-08-24

スケールアヴィエーション 2018年09月号』☆☆☆★

期待4割、期待はずれ6割くらいだった本特集結果的には、満足度も、普段特集よりは面白いが、期待を越える部分はほとんどなかった。いつもの、作例(完成形)ばかりで、肝心の「高価格キットと低価格キットの違いと、その差をどう改造する、または楽しむか」の具体例がほとんどなかったのだ。その趣旨に沿ったのはスワン松本と若手モデラーとの対談のみ。それをこそ、作例(製作途中写真解説つき)で見たかったのに……。要するに、特集構成としてはスタート地点に立ったところ。55点なのだ

Scale Aviation 2018年 09 月号 [雑誌]Scale Aviation 2018年 09 月号 [雑誌]

大日本絵画 2018-08-10

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2018年08月12日(日)

ミッションインポッシブル ローグ・ネイション

☆☆☆☆

確かに面白いアクション映画だが、特筆すべき感動ポイントはなかったなぁ……。

本作で評価されているポイントは、全てメイキングの話じゃないのか。もちろん、大前提として、テレビ版『スパイ大作戦』らしいか否か、という判断基準はあるが、そちらに愛着がない私的にはその感慨はないし。

トムの凄いスタントについても、現在では、CGによるスタントマンから画像すげ替えにしない意味はないだろう。(あるとするなら、カンフーアクションくらいでは)

ミステリーとして、ヒロインが敵か味方か、というのも、信頼を得るためとは言え、単なる意外性のためのツイストとどこが違うのか微妙なところ。

イギリス首相の肉声を録る作戦はなかなかよくできていた(CIAだからこそという前提を活かして)。

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パラマウント 2018-03-27



ゾンビマックス』補足

とにかく勢いがあり、無駄なダレ場がないのがいい。感傷的になりそうなシーンもサクサクゾンビ化したり射殺して展開が進んで行く。

邦題は単なる売らんかな的詐欺ではなく、最後に出るタイトルなど、モロにパクりであることを隠していないのだ。

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2018年08月11日(土)

ゾンビマックス! 怒りのデス・ゾンビ

☆☆☆☆

まんま『マッドマックス 怒りのデス・ロード』のパクリタイトルで、いかにも劇場未公開のC級映画、という感じがプンプンする。

……が、意外や意外、これが面白いのだ。『29日後』と『マッドマックスシリーズの、1、2、4を合わせたような感じで、とにかく勢いが良い。スプラッタ描写は『29日後』寄りで、結構頭が吹っ飛んだり、指がちぎれたりと過激

4まで公開されているこの時期になぜ、1まで元ネタとして挙げたかというと、低予算っぷりが似ているから。

特にアメフトスーツを着たりするところは2よりも1を彷彿とさせる。

主人公の妹であるヒロインの側の描写はモロに4で、こちらはほぼ1シーンで展開するためか、画面処理的にかなり凝ったものになっている。

ゾンビを操れる、という設定はかなり御都合主義だが、その際のヒロインが格好良いので許せてしまう。4のフェノロサにも負けず劣らずだ。

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トランスフォーマー 2016-04-02

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2018年08月10日(金)

ミッションインポッシブル ローグ・ネイション

☆☆☆☆



『貞子VS伽耶子』

☆☆☆★

C級の下らないものかとなめていたら、意外や意外、『貞子3D』とかよりよほど初期の『リング』に近い、真面目に作っている。むしろ井口昇作品みたいに、もうちょっとバカバカしいテイストでもいいんじゃないかと思うくらい。

本作オリジナルの要素(『呪怨シリーズは見てないのでそっちに出てるのかもしれないが)として、退魔師男女ペアが出てくるのだが、これがまた胡散臭い……。美少女好きなら(私がそうかどうかは微妙だけど)、長いお下げの女の子が気になるのだが、盲目という設定なので、メガネをかけている上に一度も目を開けない、アップもないという不遇の扱い……(´д`)

二人(二匹?)の対決は最後最後。『エイリアンVSプレデター』が最初から戦ってたのと比べると、こちらは怪獣映画みたいな構成だ。

以下、ネタバレ

本作が面白いのは、主要登場人物がほとんど死んでしまうこと。死んだかどうかはっきりしない(倒れただけ?)なのは退魔師の二人くらいなのだ

しろ『リング』では主人公に当たる教授が中盤に死ぬは、主人公親友は終盤に差し掛かったクライマックス前に死ぬ、おまけに主人公まで最後に死んだっぽい。

因みに、上述の死亡者リストには『呪怨』サイドの人物は入っていない。こちらは、キャスティング的にヒロインを始め、どいつもこいつも魅力に欠けるんだよなぁ……。

ラストでは、貞子と伽耶子が戦って、「勝ったほうが人類の敵になる」目論みは崩れて、合体して融合する、というまさかオチ。こういう二大ヒーローの夢の対決ものの企画では、競演というケース(戦隊ものや、コナンルパン三世など)を除くと、どちらかが勝つケースはあまりなく、引き分け、両者リングアウトという場合がほとんど。今回のように合体してのある種の無効試合というケースは珍しいのではないか。私は基本的に天の邪鬼なので、狙いが裏目に出て、人類の脅威がさらに拡大した、というオチは歓迎。

ただし、これだと『エイリアンVSプレデター』とは違って、『貞子VS伽耶子2』は作れないけど(^_^;)

『公正的戦闘規範藤井大洋

☆☆☆★

コラボレーション』☆☆☆★

作者の本領発揮というか、円城塔的なコンピューターSFアイデアとしては取り立てた目新しいものは何もないが、ディックサイバーパンク的な、小説としてのまとまりが佳品と感じさせる。


『常夏の夜』☆☆★

量子コンピューターを、『ドラえもん』的な発想で未来予知に使った話。というより『ジョジョ』っぽいストーリー展開。これまた量子万能論みたいで好きではない。


『公正的戦闘規範』☆☆☆★

中国テーマにした戦争コンピューターに関する話。『エンダーのゲーム』の逆パターンと書くと、オチが読めてしまうか……?ミステリー的な構成でまとまっている。


『第二内戦』☆☆

宮内裕介の作品と言われても区別できない。内容もほとんど覚えられない。従って面白くなかった。

軌道の環』☆☆☆☆

いささかネタバレ気味になるが、いわゆる「ナノマシン万能論」的な話だ。アイデアそのものは、ハードSF王道的で、材料問題解決ブラックさも好きなタイプではあるのだが……。

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2018年08月09日(木)

餃子の王将社長射殺事件一橋文哉

☆☆☆☆

角川文庫

中国ヒットマンとか、闇社会とか、『世田谷一家殺人事件』との共通点が多く、まるで社会派推理小説シリーズのようだ。というより、そんな事件だから迷宮入りするのだろうが……。

「今の暴力団幹部安易拳銃を発砲したりはしない。詰まらない行為自分逮捕されるだけならまだしも、組長まで捕まってしまうのでは割に合わないし下手して組が解散させられることにでもなれば、大損害になる。」

最終増補版 餃子の王将社長射殺事件 (角川文庫)最終増補版 餃子の王将社長射殺事件 (角川文庫)
一橋 文哉

KADOKAWA 2016-09-22

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2018年08月03日(金)

人魚姫

☆☆☆★

少林サッカー』や『カンフー・ハッスル』みたいな、いつものチャウ・シンチー映画アクションあり、笑いあり、下ネタあり、涙ありの、典型的香港映画とも言える。

ファンタジーあるいは童話、昔話の典型ともいえる『人魚姫』を、現代舞台にして作ったらこうなる、という内容。

人魚族の描写は、『ヘルボーイ ゴールデンアーミー』(をチープにしたような)を連想させる。人魚族にも、美少女だけでなく、普通に男もおばさんも、婆さんまでいる、というリアリズム香港映画的(お笑いセンス)。

お笑いアクションは、子供向けで、大人が真面目に見るにはバカバカしい。『少林サッカー』は笑えたのになあ……。

ラスト大企業人魚族を虐殺するシーンは、単にグロがやりたいだけだろうが、ライブフィルムドキュメントまたはニュース映像)でのイルカ虐殺シーンをオープニングに入れておくことで、エクスキューズとしているあたりは巧みなところ。しかし、チベットウイグルでやっているであろう事を鑑みると、よく中共が公開を許可したよなあ……。

美少女を徹底的にボロボロにさせるあたりも香港映画スタイル

最後人間側の主人公があれで生きてたのはなんだかなあ……。

人魚姫 [Blu-ray]人魚姫 [Blu-ray]

ソニー・ピクチャーズエンタテインメント 2017-07-05


ののちゃん全集(11)』

☆☆☆☆★

大盛り・特濃である。どのページも面白い。ものによっては、見開きで2つ3つ傑作があったり。本当は『ドーナツブックス』くらいのボリュームで充分なのに、その10倍くらいの分量があるのだ。3000円でもいいくらいのお買い得

吉川ロカに続く、いしい4コマを越えた「ひなちゃん」の登場、不条理メタネタ(『燃えよペン』みたい)7076、ある意味では谷岡ヤスジ的ドアップに通じる描き込みの6813は特筆もの。

書く方が写経なら、単行本を読むほうは読経か八十八箇所巡りか……(^_^;)

ののちゃん 11 (GHIBLI COMICS SPECIAL)ののちゃん 11 (GHIBLI COMICS SPECIAL)
いしい ひさいち

徳間書店 2018-07-27

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2018年07月31日(火)

漢字日本語である』小駒勝美

☆☆☆☆★

新潮新書

泣く子も黙る新潮社校閲部の著者が書いた、漢字と日本語についての本。日本語または漢字に興味がある人なら、読まずにはおれないタイプの本であり、実際に中身も面白かった。

エピソードが紹介されているが、それまでの漢和辞典は、あくま漢文を読むためのもので、日本文中の漢字を調べるには使いづらいものだった。それを、あくまでも現代日本人のために『新潮日本語漢字辞典』を作ったというから、読んでみたいではないか。

意味を表す部分を部首にする」

文部省が定めた「々」の正式名称は「同の字点」。パソコンでも「どう」と打ち込んで変換すれば「々」が出てくる。もともとは「仝(どう)」という字が変化してできた記号であることから、この名称になった。」

「この二つの字は全く別の字である。

「斎」(略)この旧字は「齋」(略)「斉」のほうは(略)「齊」」

戦前新聞見出しや、商店看板を見ると、横書き文字右から左へと書かれている。(略)実はあれは、縦書きなのである。どんなに横長でも、縦書きなのだ。」

五行とは「木、火、土、金、水」(略)季節は4つしかないので、五行対応させると、要素が1つ余ってしまう。そこで、春夏秋冬それぞれの季節の間に「土用」という中間地帯を作り、ここを「土」に対応させた。(略)暦の上では、春と夏、秋と冬、冬と春の間にも土用があるのだ。」

戦前は「薯」と書けば「馬鈴薯ジャガイモ)」を指し、「藷」であれば「甘藷(サツマイモ)」だった。「芋」は「里芋」だけたったのである。」

東芝がわが国最初ワープロ「JWー10」を価格630万円で発売したのは78年である」

漢字は日本語である (新潮新書)漢字は日本語である (新潮新書)
小駒 勝美

新潮社 2008-03-01

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