思考の遊戯・続

「雑読雑感」の管理人・レグルスの読書メモ、映画のネタバレ感想など

『腸内細菌と共に生きる』
☆☆☆☆★
共生、つまり寄生虫や腸内細菌の重要性についてよく分かる。
いわゆる善玉菌だけでなく、腸内の共生関係上、悪玉菌すら増やす必要があり、どちらとも言えない日和見菌(土壌菌つまり納豆菌など)も必要。

ただ、どうやって腸内細菌を増やすのかについての、食生活の具体的な食べ物のとりかたについてはそれほど具体的に書かれているいないのが残念。糖質制限と、人工でない発酵食品をとることくらい。

寄生虫がアレルギーを抑えるのと同じことを腸内細菌がやっている(略)つまり腸内細菌が多くなるほどアレルギーにはかかりにくくなり、免疫が正常に機能しやすくなるのです。」

「心が病んでいる100人近くにサナダムシを飲んでもらった経験(引用者注:実験の意味か)があります。その結果、飲んでもらっ4人は全員自殺を思いとどまりました。サナダムシを飲んでから、自殺衝動が強くなったという例は一つもなかったのです。
私自信、サナダムシをお腹の中に入れていると、何となく幸せな感じが続きました。」
本当?という気もする臨床実験だが、科学的に百パーセントという数字は無視できない。
これは
「腸内細菌は、白血球のような免疫細胞と協働して(略)腸内で体全体の免疫の70%くらいを作っています。」
とか
「体内で作られるセロトニンの90%は腸にあって、脳はたった2%です。(略)また脳(引用者注:前後関係から「腸」の誤植)でセロトニンやドーバミンの前駆体が作られ、それが脳に送られていることもわかっています。(略)これらの神経伝達物質は合成する時にビタミンが必要になりますが、それは腸内細菌しか作れないビタミンです。」
という事実もを基に裏付けられている。