通常使用権者の登録がなくとも「通常使用権者」となり得る。

取消2006-30692 条文:50条 取消不成立 2007/07/25審決日

被請求人自身が使用しておらずかつ「専用使用権」設定登録されていないが、通常使用権者による使用がなされていることを否定すべき理由もないと判断された事例。

請求人の主張(抜粋)
 被請求人の子会社は、被請求人から本件商標を使用する権限を与えられていない。
 すなわち、本件商標には専用使用権が設定された旨の登録はされていないので、当該子会社は専用使用権者ではない。また被請求人は、子会社が通常使用権者であることを証明する証拠を全く提出していない。

当審の判断(抜粋)
通常使用権は、商標権者が他人にその商標権について使用の許諾をすることにより発生するもの。被請求人は「本商品は、商標権者により米国で製造されたものであり、商標権者の完全子会社により日本国内に輸入され、国内需要者に販売されている。なお、同子会社は本製品の輸入許可を受けている」と主張している。
被請求人の名称の一部を使用したものと認められる子会社(以下「通常使用権者」という。)は、本件商標に関する通常使用権者でないとまではいい得ない。

完全子会社関係だと、登録せずとも通常使用権者と推認され得る確立高し。さらに、子会社と証する会社と親会社の関係がその名称から歴然とすればなおよし(通常親会社の名称の一部が子会社の名称に使われるので)ということらしい。