Hatena::ブログ(Diary)

remcat: 研究資料集 RSSフィード Twitter

2018-06-04 労働時間等総合実態調査 (2013) のデータ重複について

対象数すら管理しない調査。それを根拠に政策を決める政府。

厚生労働省の2013年度「労働時間等総合実態調査」について、5月25日、衝撃のニュースが飛び込んできた。

厚生労働省は25日の衆院厚労委員会理事会で、ミスが相次いで発覚した労働時間調査について、野党側の指摘で新たに6事業所で二重集計するミスがあったと報告した。
-----
共同通信 (2018-05-25)「厚労省調査新たに二重集計のミス」

https://this.kiji.is/372541440460473441

ツイッター上で出回った画像によると、つぎのようなことである。

異なる通し番号でデータがすべて一致しているものについて

平成30年5月25日
厚生労働省労働基準局

○ 異なる通し番号でデータがすべて一致している下記の6件については、コピーの混在により、同一の調査票を二重に集計していた。訂正後の集計結果は別添のとおり。

(通し番号)
・5683 と 5699
・5684 と 5700
・5686 と 5702
・5687 と 5703
・7583 と 8042
・10604 と 10605
-----
2018-05-25 @mu2883 ツイート添付画像から筆者書き起こし

https://twitter.com/mu0283/status/999834195777081344

これまでにさまざまな問題が指摘されてきた「労働時間等総合実態調査」であるが、これはさすがに理解を超えた内容である。「コピーの混在により、同一の調査票を二重に集計」って、まずなぜ「コピーが混在」しうるのかわからない。「異なる通し番号」だということは、「コピーしたあとで別の通し番号をあたえた」ということであろう。それはデータの水増し、というか捏造 (社会調査業界でいう「メイキング」) じゃないのか?

さらに、あがっている6組の「通し番号」をみると、最初の4組が近接した番号にかたまっている。しかも これら4組すべてで番号の差が16 になっている。なにやら規則性がありそうだ。しかし 5683, 5684 ときて、つぎが 5686 となると、「5685 は問題ないのか?」という疑問がわく。

重複データはどのようになっていたのか

素データ (http://tsigeto.info/mhlwdata/) にもどって検討してみた。これは2月19日に厚生労働省から提供されたExcelファイルによるものであり、その後の「精査」などによる変更 は反映していない。また、事業場の基礎的な属性 (業種や従業員数など) と法定時間外労働などの変数しか入っていない。

  • 単に「通し番号以外の全変数の値が一致」という条件だと、2400件の重複がみつかる
  • しかし、これらのほとんどは、法定時間外労働および「労働時間の状況」の変数が全部ゼロか欠損値のケースである
  • 法定時間外労働および「労働時間の状況」の変数のどれかに正の数値が入っているケースだけをこれらから抜き出すと、16件が重複している (ユニークなものが8件で、それらが2回ずつ出現する)

これら16件とその前後をExcelファイル上で色づけすると下のようになる。

f:id:remcat:20180603120602p:image
-----
「労働時間等総合実態調査」(2013) データ (http://tsigeto.info/mhlwdata/ 掲載のExcelファイルを加工)。着色した行が重複部分。空行は、データが省略されていることを示す。


黄と赤の部分が、上記のように厚生労働省が今回の文書で重複を認めたデータ (12件)。緑と青は、それ以外で同一の内容であるデータである (4件)。後者の4件については、裁量労働制の「労働時間の状況」の変数に数字が入っている。おそらく、裁量労働制に関するデータを撤回した ことによって、現在の厚生労働省の解釈ではこれらの部分はすでにないことになっており、したがって今回の検討からもはずされたのだろう。しかし、これらのデータ (通し番号 5685-5701 のペアと 5688-5704 のペア) においても、業種分類や従業員数に加えて、労働時間に関する変数も「14時間30分」「16時間48分」といったこまかいところまで一致しているので、同一データであった可能性は高い。また、5685-5701 ペアは前後2件ずつがほかの重複データにはさまれているし、5688-5704 ペアも直前2件が重複データなので、一連の重複入力に巻き込まれたものと考えておいたほうがよいだろう。以上の推理が正しければ、2013年におこなわれた「労働時間等総合実態調査」においてデータの重複が生じたのは、16件 (=8件×2回) ということになる。

この画像からわかるように、5683-5688 の6件のデータが、16件あとの5699以降にそのまま入っている。それ以外は、7583 のデータが 8042 に、10604のデータがその直後の10605に入っている。

重複が生じた原因

なぜこのようなことになったのか。5月30日の衆議院厚生労働委員会の質疑で、原因について厚生労働省側から説明があった。業者にデータ集計を委託した際に、回収した調査票原票とそのコピーとが混在したものをわたしたとのことである。その結果として、同一の内容をもった原票とそのコピーが重複して入力されたデータが納品されたという。

○山越労働基準局長 今回の25年度の労働時間等総合実態調査でございますけれども、監督官に調査票を配付いたしまして、記入した調査票を各労働局でとりまとめて、それから厚生労働省労働基準局に送られて、それから集計の委託先に送ったという経過になっておりまして、どの時点でそういったコピーが混在してしまったかということは判明しないところでございます。

○尾辻かな子君〔立憲民主党・市民クラブ〕 どういう管理をしたらコピーが混在するんですか。だって、もともと原票なわけでしょう。で、もともとですね、私もきのう聞きましたけれども、調査の調査票というのはA3で3枚物で2つ折りになってホッチキスになっているんですよ。これを調査して、聞き取って、そしてそれを集計して送るわけですよねえ。〔……〕

〔……〕

○山越労働基準局長 この今回の労働時間等総合実態調査でございますけれども、これについては、調査票に記入したその調査票自体を返送していただく、厚生労働省労働基準局に送っていただくという仕組みにしていたわけでございますけれども、そのなかでコピーというものが送られてきたこともあったわけでございまして、そういったなかで、今回、こういった混在が起こったというふうに考えております。

○尾辻かな子君 つまり、原票をかえすように指示していないということですか。

○山越労働基準局長 これは、付表〔調査票〕の回収にあたりましては、各労働局から、原則として付表本体を送付させていたものでございますけれども、原本のコピーが送られてきたケースもあったというふうにきいているところでございます。

○尾辻かな子君 あの、これ全然調査として管理できていないということですよね。原票以外のコピーもゆるすということになったら、どんだけコピーがまぎれていたってわからないじゃないですか。〔……〕

〔……〕

○山越労働基準局長 私ども、この労働時間等総合実態調査でございますけれども、これは、本省への報告は原本が原則であったわけでございますけれども、コピーでも、それは、いけないということではなくて、さしつかえないものであったわけでございます。私どもといたしましては、できるだけ、今回の労働時間等総合実態調査、その調査結果を精査してより正確性を高めるということが大切だと思っておりますので、今おっしゃられたようなこと〔コピーを使ったのが何件あるのか〕について調査をしていくという考えはないところでございます。

○尾辻かな子君 いや、コピーでも可なんてどこに書いているんですか。

○山越労働基準局長 わたしどものとりあつかいでは、これはコピーではいけないというとりあつかいにはしていなかったところでございまして、コピーでも、これは、調査票として、集計の対象となるものでございます。

〔……〕

○尾辻かな子君 調査の基本で、コピーがだめだって書いていなかったらコピーがいいって、おかしいと思いますよ、私、調査として。こんなんだった、だから混入がおこるんです。もともとの調査設計がまちがっているんですよ。だから、こういう混入がおきて、本来コピーしたものと原票なんて混ざるわけがないものが、ここで最初に調査設計をまちがえているからコピー混入しているんでしょう。本当の調査結果とコピーしたぶんがわからなくなるなんて、調査の基本的な設計ができていないということなんですよ。
 で、もう一つ、なぜ事業所がコピーでふえたのにわからなかったのか、ここ明確にこたえてくださいよ。だって、この事業所に、この労働基準監督署に、たとえば100調査しろとおりていくわけでしょう、なのに、101かえってきたらおかしくないですか。なぜここでわからないんですか。

○山越労働基準局長 お答え申し上げます。先ほど申し上げましたように、今般、原本のコピーが本体とあわさってあったケースがあったわけでございますけれども、それがどこで混入したかということはわかってないところでございまして、いまおっしゃられたのは、地方局から本省に、どういうふうに管理をしているかということでございますけれども、その時点で枚数はうけとりのときにおそらくチェックをしていると思いますけれども、そのなかで、どうして、その前なのか後なのかをふくめまして、どのように混入したかというのは現時点ではわかっていないところでございます。

〔……〕

○酒光政策統括官〔厚生労働省 政策統括官〕 先生、すいません、私どものところで再集計のほうをさせていただきましたので、その状況でお答えいたしますと、残っているものでいえば、労働局から送られてきた調査票と調査の枚数というのは、混入がないほうにあっているようなかたちになっている、というふうに考えております。ですから、これははっきりとしたことはわかりませんけれども、混入は本省の作業のなかで生じたんだろうというふうに考えておりまして、なぜそれが起きたかというと、受付のときの処理について、まだちょっと手なれていない職員がとりあつかったからじゃないかというふうには想像しております。
 なぜわからなかったかということにつきましては、データを処理するときに事業場名とかそういうものはもういっさい取っていますので、事業場の受付番号といいますか、事業場の番号ですね、新たに振った事業場の番号で管理していますが、それはあの、混入したコピーも含めてもう番号が振られていたので、集計の段階ではちょっと気がつかなかったということであります。今回先生から御指摘いただいて、おなじものがあるんじゃないかということでいろいろなデータのチェックをしたところ、6件、総数で12件になりますけれども発見した、こういう経緯でございます。

○尾辻かな子君 あのう、ですからね、それ自身が、なぜもともとの事業所の調査にユニーク番号、固有の番号が振られてないのかということなんですよ。で、〔配布資料の〕めくっていただいたところの2ページ目に、ここには32と書いてありますよね。普通、事業所に固有の番号をつけ、それをデータにやっていかないと、これはひもつけられませんよね。今どうやって原票にあたってるんですか。ひもつけどうしてるんですか。

○酒光政策統括官 お答えいたします。今、原票にあたるあたりかたは、そこに書いてある番号にもとづいてあたっているわけなんですけれども、この番号を振られたのが、調査の集計をおこなう機関、委託している機関がございますけれども、そこに送った段階でたぶん振られたというふうに考えております。ですから、送られる段階ですでに混入があったので、混入されたものにも番号がついていたと。〔……〕

〔……〕

○山越労働基準局長 今回のその25年の調査に際しまして、いま統括官からも御説明しましたように、調査票を監督署で配付した時点で何らかの番号を振るということはしておりませんでした。この点については、今後調査をおこなう場合には、まぎれがないようにするという観点からどのように対処するか、反省すべき点であるというふうに考えているところでございます。

○尾辻かな子君 〔……〕 各労働局に、たとえば、おたくは100やりなさいよ、って言うわけですよね。それで、101とか102とか、そういうふうにかえってくるような調査方法になっているんですか。つまり、指定された事業場を調査するのか、それとも数さえあればどんな事業所でもいいのか、そして指定されていない事業所を調査してもいいのか。この辺ね、なぜふえたのにわからなかったのか、っていう理由が私は知りたいんです。なぜふえたのにわからなかったのか、事業場がふえたのに。

○山越労働基準局長 この調査、でございますけれども、業種別・規模別・地域別に事業場の数を勘案して、本省のほうで各労働局ごとの業種別・規模別の調査対象事業数を決定いたしまして、それにしたがって、各労働局で対象となる事業場を抽出して実施しているところでございます。

〔……〕

○酒光政策統括官 今回の調査にあたりましては、調査設計にもとづいて、事業種とか規模別に事業場数を決めて、各労働局で、この規模この業種のこのカテゴリーに相当する事業場をいくつ選べというような指示をしておりまして、その指示にもとづいて、各監督署が台帳を持っておりますので、その台帳から無作為抽出をする、そういうやりかたをしております。ですから、本省で事業場まで指定しているものではない。数は当然管理をしているというものですので、数の管理は、さきほどのかえってきた返送票などによって管理をする、そういうことになります。

〔……〕

○初鹿明博君〔立憲民主党〕 コピーが混在という、なにか混在ということばの使いかたがよくわからないんで確認をさせていただきたいんですけれども、なんでこのね、6つだけコピーが複数あったんですか。

○酒光政策統括官 お答えいたします。あの今となっては本当に正確なところはわかりませんけれども、状況的なことで申し上げますと、調査票を委託会社に送るにあたって、手元にコピーを持ってたほうがいいだろうということでたぶんコピーをしたんだと思います。そのコピーを手元に置くべきところをあやまって業者のほうに送ってしまったということではないかと思っておりまして、業者のほうではそのチェックができてないので、ちがった調査票だということで、これは全部原票だということで処理をした、とまあそういうことだと思っています。

○初鹿明博君 そんなことってあんのかなとまず思いますけれども、件数が何件というのがわかってれば、複数になって計上されていたら、件数ちがうじゃんというので、あらためてみるんじゃないんですかねえ。そこがね、私理解できないです。
-----
衆議院 インターネット審議中継 (2018-05-30) 厚生労働委員会「厚生労働関係の基本施策に関する件」。
〔 〕内は筆者による補足。〔……〕は省略をあらわす。

http://www.shugiintv.go.jp/jp/index.php?ex=VL&deli_id=48224&media_type=fp

厚生労働省からは山越労働基準局長と酒光政策統括官のふたりがでてきて説明しているのだけれども、ふたりのあいだで説明がくいちがっている。

山越労働基準局長の答えは、一貫して、経緯は不明というものである。「どの時点でそういったコピーが混在してしまったかということは判明していない」「原本のコピーが本体とあわさってあったケースがあったわけでございますけれども、それがどこで混入したかということはわかっていない」「枚数は〔本省での〕うけとりのときにおそらくチェックをしていると思いますけれども、そのなかで、その前なのか後なのかをふくめまして、どのように混入したかというのは現時点ではわかっていない」。

一方、酒光政策統括官は、実際の調査にあたった労働局での作業ではなく、厚生労働省に調査票が送られてきたあとの問題だという。「労働局から送られてきた調査票と調査の枚数というのは、混入がないほうにあっているようなかたちになっているというふうに考えております」「はっきりとしたことはわかりませんけれども、混入は本省の作業のなかで生じたんだろう」「なぜそれが起きたかというと、受付のときの処理について、まだちょっと手なれていない職員がとりあつかったからじゃないかというふうには想像しております」「調査の集計をおこなう機関〔……〕に送った段階でたぶん振られたというふうに考えております。ですから、送られる段階ですでに混入があったので、混入されたものにも番号がついていた」「調査票を委託会社に送るにあたって、手元にコピーを持っていたほうがいいだろうということでたぶんコピーをしたんだと思います」等々。もっとも、断定を避けて「……と考えております」「想像しております」「たぶん……というふうに考えております」のような言いかたをしているし、根拠が示されるわけでもない。

つまり、データ重複が起きた経過はわからないのだろう。調査票 (あるいは「付表」) の原票 (あるいは「原本」) とそのコピーの両方が入力されていたということは確かなようであるが、それがいつ起きたのか、なぜ起きたのかは特定できていない。

労働時間等総合実態調査の実施体制

上記の国会答弁からは、そもそも調査のやりかたに大きな問題があったこともわかる。

各労働局から送られてくる調査票について、酒光政策統括官は「数は当然管理をしている」と答えている。しかしその内容は、「返ってきた返送票などによって管理」というものである。「返送票」というのは、調査要領の最後にある「別紙4」のことであろう。

f:id:remcat:20180603191025p:image
-----
厚生労働省 労働基準局長 (2013-03-08)「労働時間に関する調査的監督について」(基発0308第1号) 別紙4
(2018-02-19 衆院予算委員会(昼)理事会提出資料による)。

https://www.minshin.or.jp/download/37459.pdf

ここに書くのは合計の票数だけ。もし各労働局が調査票原票とそのコピーをごっちゃにして送ってきたのだとしたら、そのときの「返送票」には、当然、原票とコピーをあわせた票数が書いてあるだろう。それと実際に送られてきた調査票の件数は、当然のことながらおなじであろう。本来は、各労働局が自己申告してきた調査票数が正しいかどうかを、 本省の側で持っている数値 と照合しなければならないが、そうしたチェックの仕組みがなかったようなのである。

本省で標本設計をして、調査すべき対象数を層別に指定する、というこの調査のやりかたからすると、このような回収票の管理方法は、ふつうはありえない。尾辻議員の指摘のとおり、「100調査しろとおりていくわけでしょう、なのに、101かえってきたらおかしくないですか。なぜここでわからないんですか。」というのが常識的な感覚である。しかしこの調査においては、労働局から「今月分の調査票を101部送ります」という返送票付きで送られてきたら、それはそのまま受けとっているのだろう。すべての月の返送票が出そろってから、調査票の合計数をチェックして標本設計と突き合わせる、という手順が踏まれていたなら、おそくともその時点で、指示したとおりの調査票数が提出されたかどうか確認できるわけであるが。

通常の調査手続きでは、この部分はもっと厳密に、各々の調査対象に固有の番号 (いわゆるID) を振って管理する。どの労働局からどのIDの調査票が返ってくるはずであるかのリストを調査本部に置いておき、受領時にはそれと突き合わせて確認する。さらに最後に全調査票のIDを確認し、どのIDの調査票が回収できていてどれができていないのかをチェックし、回収率を確定する。しかし「労働時間等総合実態調査」はこのような体制をとっていなかったので、標本設計どおりに調査がおこなわれたかどうかを確かめるすべがない。

回収率100%超の調査?

もちろん、労働局から調査票が返送されてきた以降にも、コピーが混入する機会はある。酒光政策統括官はこちらの立場をとっているようである。「今となっては本当に正確なところはわかりませんけれども」という慎重な前置き付きではあるが、「調査票を委託会社に送るにあたって、手元にコピーを持っていたほうがいいだろうということでたぶんコピーをした」「そのコピーを手元に置くべきところをあやまって業者の方に送ってしまったということではないか」と述べている。

まあそういうことなのかもしれない。すでにみたように、問題の「重複」ケース8件のうち6件は、連続した番号のものだった。それらが16件あとにごっそり挿入されたような格好になっている。たとえばコピーを16通ずつセットでとっていたところ、そのひとかたまりのコピーを積む場所をうっかりまちがえて原票といっしょにしてしまった、というようなストーリーを考えるといい。同一規格で印刷・製本されたもので原票を統一しておけば、そうでないものとは見た目ではっきり区別できるから、そういうことが起こりにくくなる。しかし実際には労働局からかえってきた時点でコピーの調査票が混在していたということなので、とりちがえがおこりやすい状況でコピー作業していたわけである。

しかし、仮にそうだとしても、コピーによって件数が水増しされた状態で業者がそのままデータ入力してしまうことはふつう起きない。初鹿議員のいうように「件数が何件というのがわかっていれば、〔……〕件数ちがうじゃんというので、あらためてみる」はずだからだ。入力すべき票数は決まっているのだから、その数に調査票1冊あたりの入力量をかけたものが業者に発注する入力作業の分量である。当然、業者はその票数を念頭に置いて作業工程を組み、見積もりを出したうえで契約を結んでいる。実際に送られてきた票数がちがっていたなら、「受け取った調査票の数が契約より多いんですけど」という問い合わせがくる。

なんらかの事情で、件数が増えていることにそこでは気付かなかったということはあるかもしれない。しかし、 最終的に納入されてきたデータの件数は重複分だけ増える のだから、それを知らなかったということはいくらなんでもありえない。実際、労働政策審議会に提出した資料では、重複したデータをふくめて「11,575の事業場を対象」と書いていたのである (http://d.hatena.ne.jp/remcat/20180319/mhlw2013)。本当に調査の対象としたのはもっとすくないはず (情報が公開されていない (後述) ため不明だが、厚生労働省の担当者は当然知っている) だから、データが増えているのはわかっていたにちがいない。

「労働時間等総合実態調査」の過去の資料をさかのぼると、1997年度調査のみ、回収率が公表されている。これ以外の年度には回収率の記述は見当たらない (http://d.hatena.ne.jp/remcat/20180319/summary)。これは、1997年度以外には、調査対象数と集計データの件数とを突き合わせる作業をやらなかった (あるいは、やった結果、齟齬が出たので情報を隠した) ということなのではないか。

実際、前回の2005年度「労働時間等総合実態調査」においては、集計されたデータの件数が標本規模を上回っている。この調査の調査票や調査要領をふくむ通達「労働時間等に関する調査的監督について」(基発第0311008号 2005年3月11日) は、全国労働安全衛生センター連絡会議のサイト (http://www.joshrc.org/~open/doc/a05.htm) で公開されているが、その別紙3の1「労働時間等に関する調査的監督対象事業者数 (全国)」によれば、調査対象の事業場数は11,663である。しかし労働政策審議会では調査対象事業場数は11,670と報告 (http://d.hatena.ne.jp/remcat/20180319/mhlw2005) しており、7事業場増えている。11,663件の調査対象から11,670件のデータをえたということなら、回収率は100%を超える。このときにも水増しされたデータを使っていたようである。

また、調査対象数を管理していなかったとなると、件数は増えるだけでなく、減る場合もありうる。たとえば、どこかの段階で調査票を紛失すれば、それだけ件数が減る。この場合、出来上がったデータからはそのことはわからない。今回のように重複データが水増しされている場合には、完全におなじ内容のデータが複数あるという奇妙なことが起きるのでそこから摘発できるが、単にデータがなくなっていた場合には、そのような手掛かりはないのである。

さて、2013年度の「労働時間等総合実態調査」の調査票・調査要領は、ほとんどが黒塗りになった読めない状態のものしか公開されていない。標本規模が書いてあるはずの別紙3の1は、つぎのような感じである。

f:id:remcat:20180603120601p:image
-----
厚生労働省 労働基準局長 (2013-03-08)「労働時間に関する調査的監督について」(基発0308第1号) 別紙3の1 (2018-02-19 衆院予算委員会(昼)理事会提出資料 による)。橙色の書き込みは筆者による。

https://www.minshin.or.jp/download/37459.pdf

この「別紙3の1」の様式が 2005年度調査のもの とほとんどおなじだとすると、橙色の楕円で示したあたりに対象事業場数が書いてあるはずだ。その数値はいったいいくつなのだろうか? もしこの値が11,567であれば、そこから8件が重複入力されて11,575になったのだろうということで納得がいく。しかし、事業場数が増えていたにもかかわらず、そのことを隠して「調査は、11,575の事業場を対象に〔……〕実施」という虚偽の資料を作成した経緯については、きちんと説明してもらう必要がある。一方、ちがう値だったとすれば、重複データ入力以外にも合計数がずれる原因が別にあったということだから、そちらも究明しないといけない。

「労働時間等総合実態調査」は、合計の調査対象数すら管理しないという、ちょっと信じられないレベルの杜撰な調査体制でおこなわれてきた。それは2013年に突然そうなったわけではなく、ずっと以前からそうであったと推測できる。そして政府は、調査方法の質を吟味することなく、集計結果を政策立案に利用してきたのである。

標本抽出は正しくおこなわれたのか

厚生労働省「労働時間等総合実態調査」について、5月30日の衆議院厚生労働委員会で、つぎのような答弁があった。

○酒光政策統括官 今回の調査にあたりましては、調査設計にもとづいて、事業種とか規模別に事業場数を決めて、各労働局で、この規模この業種のこのカテゴリーに相当する事業場をいくつ選べというような指示をしておりまして、その指示にもとづいて、各監督署が台帳を持っておりますので、その台帳から無作為抽出をする、そういうやりかたをしております。ですから、本省で事業場まで指定しているものではない。数は当然管理をしているというものですので、数の管理は、さきほどのかえってきた返送票などによって管理をする、そういうことになります。
-----
衆議院 インターネット審議中継 (2018-05-30) 厚生労働委員会「厚生労働関係の基本施策に関する件」。

http://www.shugiintv.go.jp/jp/index.php?ex=VL&deli_id=48224&media_type=fp

http://d.hatena.ne.jp/remcat/20180604/doubling でみたように、この調査ではIDなどで対象事業場の管理をしていない。労働局から調査票が返送されてきた際にも、同梱の「返送票」に書いてある送付部数を確認するだけであって、それが本省から指示したとおりの部数であったかどうかはチェックしていないようである。「この規模この業種のこのカテゴリーに相当する事業場をいくつ選べというような指示」を各労働局に出したということなのだけれど、その指示がどれくらい守られているかは把握していないということだろう。また、対象事業場抽出の指示は労働局ごとに出しているが、抽出のもとになる台帳を持っているのは各監督署ということになると、具体的にどういうやりかたをとっているのかわからない (各監督署から台帳を集めてくるのだろうか? それとも各監督署に抽出すべき事業場数を割り当てたうえで、各監督署の台帳から無作為抽出するのだろうか? このあたりにくわしいかたからご教示いただけるとありがたい)。

さて、「この規模この業種のこのカテゴリーに相当する事業場をいくつ選べというような指示」というのは、おそらく2013年3月8日の通達「労働時間に関する調査的監督について」(基発0308第1号) の別紙3の2のことだと思う。しかし、これは ほとんど全面黒塗りにしたもの しか公開されていないので、具体的な指示内容が不明である。

幸い、前回の2005年度調査については、黒塗りのない資料が公開されている。それによると、たとえば宮城労働局に対する標本抽出の指示は、つぎのような内容であった。

f:id:remcat:20180604232328p:image
-----
厚生労働省 労働基準局長 (2005-03-11)「労働時間に関する調査的監督について」(基発0311008号) 別紙3の2 (宮城局)。
全国労働安全衛生センター連絡会議 情報公開推進局サイトの掲載情報による

http://www.joshrc.org/~open/files/20050311-001.pdf

業種26種類と事業場規模6種類とをかけあわせて156の層をつくり、それぞれに抽出事業場数を割り当てている。対象事業場数の合計は161であり、表の各セルに入っている数値はほとんど1とか2とかである。なお、企画業務型裁量労働制を導入している事業場については、特に各層からとる数が指定されている (抽出事業場の内数として括弧書きで指示)。一方、専門業務型裁量労働制を導入している事業場は、表の外に、抽出数 (9) が指定されている。

これをもとに事業場の台帳から無作為抽出せよといわれても、いろいろ困るような気がする。おおむねつぎのような手順になるだろうけれど:

  • まず企画業務型裁量労働制を導入している事業場について、業種×事業場規模のカテゴリ別にリストをつくり、「別紙3の2」で指示されているとおりの数の事業場を抽出する
  • ついで、専門業務型裁量労働制を導入している事業場のリストをつくり、そこから指示通りの数 (9事業場) を抽出する 【このとき、専門業務型と企画業務型の両方を導入している事業場は、リストにふくめるのかのぞくのか不明】
  • ここまでで抽出された事業場数を、「別紙3の2」の表の各セルから差し引く (たとえば小売業の101-300人規模の事業場は2つ割り当てられているが、その2つとも、企画業務型裁量労働制を導入している事業場となるので、それ以外の事業場の抽出数はゼロとなる)
  • 裁量労働制を導入していない事業場について、業種×事業場規模のカテゴリ別にリストをつくり、必要な数の事業場を抽出する

いずれにせよ、このような指示が全国の労働局宛に出されているわけで、全労働局がそのとおりの抽出作業をおこなっていれば、全国で計画したとおりの調査対象 (標本) がえられることになる。

f:id:remcat:20180604235154p:image
-----
厚生労働省 労働基準局長 (2005-03-11)「労働時間に関する調査的監督について」(基発0311008号) 別紙3の1。
全国労働安全衛生センター連絡会議 情報公開推進局サイトの掲載情報による

http://www.joshrc.org/~open/files/20050311-001.pdf

2005年度調査の場合、調査全体では、上のような標本構成になるはずであった。100人以下の規模の事業場については、ほとんどの業種で、各セル80-83事業場を対象とすることになっている。つまり、156層にわけたうえで、各層から一定の数の事業場を確保する計画だったことがわかる。100人をこえる規模になると、かなりすくない調査対象数のところが出てくる。たとえば「理美容業」や「その他の保健衛生業」(ほとんどは浴場) では301人以上規模の事業場はひとつも調査しないことになっているが、それはこのセルに該当する事業場がほとんど存在しないからだろう。

さて、2013年度調査については、資料が黒塗りになっているので、標本設計の詳細は不明である。しかし、調査全体の規模は2005年と同様であり、比較可能性を重視して設計されているはずだから、上の表とほぼおなじ設計になっているものと予測できる。

実際の標本抽出と調査は、この標本設計に沿っておこなわれたのだろうか?

データと資料

以下では、実際に2013年度「労働時間等総合実態調査」で作成された素データ (http://tsigeto.info/mhlwdata/) を分析する。http://d.hatena.ne.jp/remcat/20180604/doubling でみたように、このデータは、重複して入力された事業場を、おそらく8件ふくんでいるが、この分析ではそれをのぞかず、全11575件を対象としている。

なお、このデータの業種分類は「労働基準局報告例規」による。 http://www.joshrc.org/~open/files2007/20080331-018.pdf の別紙6に基づいて、上記の標本設計が再現できるようにカテゴリーを区分しなおした (下記のコード参照)。

コード (SPSS syntax)

分析に使用したSPSSコードを示す。業種分類については、大分類2ケタと小分類2ケタを結合したものをもとに、2005年度調査の設計にあわせて適宜統合している。

/* *********************************************
* 裁量労働制の変数が有効かどうか
* 	 KS: 企画業務型裁量労働制が有効なら1, 欠損値なら0
* 	 SS: 専門業務型裁量労働制が有効なら1, 欠損値なら0
********************************************** */

recode KS_LONG ( missing = 0 )(else = 1) into KS.
recode SS_LONG ( missing = 0 )(else = 1) into SS.
frequencies KS SS.
crosstabs KS by SS.

/* *********************************************
* 事業場規模 (従業員数)
* 	SIZE: 標本設計で使用されたカテゴリ (たぶん)
********************************************** */

recode SIZE_P
	( 1 thru  4 = 1)
	( 5 thru  9 = 2)
	(10 thru 30 = 3)
	(31 thru 100= 4)
	(101 thru 300=5)
	(301 thru Highest = 6)
	into SIZE
.
frequencies SIZE.

/* *********************************************
* 業種 (労働基準局報告例規)
* 	IND: 標本設計で使用されたカテゴリ (たぶん)
********************************************** */

compute IND = 100*IND1 + IND2 .
recode IND
	( 101 thru 107 = 101 )
	( 108 thru 115 = 108 )
	( 200 thru 299 = 200 )
	( 300 thru 399 = 300 )
	( 500 thru 599 = 500 )
	( 900 thru 999 = 900 )
	(1000 thru 1099=1000 )
	(1100 thru 1199=1100 )
	(1200 thru 1299=1200 )
	(1500 thru 1599=1500 )
	(1700 thru 1799=1700 )
.
frequencies IND.

/* *********************************************
* 標本設計を確認するクロス表
********************************************** */

/* 全体 */
crosstabs /tables=IND by SIZE.

/* 裁量労働制なしの事業場 */

temporary.
select if 0=KS and 0=SS.
crosstabs /tables=IND by SIZE.

/* 企画業務型裁量労働制があるが専門業務型〜はない事業場 */

temporary.
select if 1=KS and 0=SS.
crosstabs /tables=IND by SIZE.

/* 企画業務型裁量労働制はないが専門業務型〜がある事業場 */

temporary.
select if 0=KS and 1=SS.
crosstabs /tables=IND by SIZE.

/* 企画業務型・専門業務型の両方の裁量労働制がある事業場 */

temporary.
select if 1=KS and 1=SS.
crosstabs /tables=IND by SIZE.

結果

以下に出力されたクロス表を示す。なお、業種の名称は適当に省略しているので注意。

全体

まず、データ全体の分布を示す。


コード 業種 300人超 101-300人 31-100人 10-30人 5-9人 1-4人
0101 食料…印刷 490 74 78 86 87 78 87
0108 化学…機械 536 87 92 90 93 82 92
0116 電気ガス水道 354 22 50 69 81 64 68
0117 その他の製造 443 44 70 83 82 80 84
0200 鉱業 285 3 9 46 81 72 74
0300 建設業 484 52 79 95 89 86 83
0401 鉄道水運航空 444 51 72 78 83 81 79
0402 道路旅客運送 457 41 88 85 88 81 74
0403 道路貨物運送 476 54 79 81 102 86 74
0500 貨物取扱業 380 19 54 74 80 78 75
0801 卸売業 483 61 76 98 91 80 77
0802 小売業 520 69 89 85 97 99 81
0803 理美容業 333 1 4 53 89 98 88
0804 その他の商業 460 51 65 95 76 91 82
0900 金融、広告業 499 54 75 96 120 78 76
1000 映画・演劇業 384 11 50 100 71 79 73
1100 通信業 467 68 75 81 84 78 81
1200 教育・研究業 509 82 87 88 94 79 79
1301 医療保健業 493 79 87 80 90 75 82
1302 社会福祉施設 465 23 86 94 110 82 70
1303 その他衛生 319 4 30 73 75 68 69
1401 旅館業 449 45 80 79 86 82 77
1402 飲食店 425 7 68 97 105 77 71
1403 その他の接客 427 12 70 94 100 75 76
1500 清掃・と畜業 479 65 78 84 86 86 80
1700 その他の事業 514 69 94 87 97 84 83
11575 1148 1785 2171 2337 2099 2035

この表からわかるとおり、データ全体の標本構成は、各セルから一定数 (80+α) をとる構成にはなっていない。100人以下の事業場のセルでも、70を切る対象数になっているところが散見される。一方で、100を超えるセルもちらほらある。

事業場規模によるちがいをみると、たとえば10-30人規模の事業場の数 (業種計) は2005年度調査の標本設計では2135だったものが、2013年度のデータでは2337となっており、202増加している。一方で、1-4人規模の事業場は108減少、301人以上の事業場は197減少している。おおむね、中規模の事業場がたくさん選ばれ、小規模・大規模の事業場がすくなくなっている感じである。

業種によるちがいをみると、2005年度調査の標本設計では「電気・ガス・水道業」を (事業場規模計で) 441抽出することになっていたところ、2013年度のデータでは354となっており、87減少している。「その他の保健衛生業」は360から319へと41減少。これら以外は、おおむね同程度か、すこし増加している業種が多い。

裁量労働制なしの事業場

つぎに、裁量労働制を導入していない事業場のデータを検討しよう。


コード 業種 300人超 101-300人 31-100人 10-30人 5-9人 1-4人
0101 食料…印刷 434 65 60 70 80 72 87
0108 化学…機械 344 25 37 52 67 76 87
0116 電気ガス水道 354 22 50 69 81 64 68
0117 その他の製造 419 40 63 74 79 80 83
0200 鉱業 285 3 9 46 81 72 74
0300 建設業 443 49 77 74 79 83 81
0401 鉄道水運航空 443 51 72 77 83 81 79
0402 道路旅客運送 457 41 88 85 88 81 74
0403 道路貨物運送 473 52 79 80 102 86 74
0500 貨物取扱業 380 19 54 74 80 78 75
0801 卸売業 364 46 50 56 65 74 73
0802 小売業 451 62 78 65 81 90 75
0803 理美容業 333 1 4 53 89 98 88
0804 その他の商業 396 44 52 76 65 82 77
0900 金融、広告業 212 16 26 34 43 36 57
1000 映画・演劇業 313 8 30 69 66 70 70
1100 通信業 433 64 73 68 77 73 78
1200 教育・研究業 305 47 30 40 62 57 69
1301 医療保健業 485 76 84 79 90 74 82
1302 社会福祉施設 465 23 86 94 110 82 70
1303 その他衛生 318 4 30 73 74 68 69
1401 旅館業 447 44 79 79 86 82 77
1402 飲食店 420 7 66 96 103 77 71
1403 その他の接客 423 12 68 94 98 75 76
1500 清掃・と畜業 477 65 78 82 86 86 80
1700 その他の事業 276 28 50 39 46 52 61
10150 914 1473 1798 2061 1949 1955

裁量労働制を導入している事業場をのぞくと、分布に多少の変化がある。たとえば「金融、広告業」や「映画・演劇業」では、データ全体では100を超えていたセルがあったが、裁量労働制のない事業場だけに限定すると、それらのセルの事業場数がかなりへる。しかし一方で、「道路貨物運送業」「社会福祉施設」「飲食店」などでは100を超えるセルがある。また、セルによる数のちがいもやはり大きい。

企画業務型裁量労働制があるが専門業務型裁量労働制はない事業場

ここからは、裁量労働制を導入している事業場のデータである。まず、企画業務型のみ導入している事業場。


コード 業種 300人超 101-300人 31-100人 10-30人 5-9人 1-4人
0101 食料…印刷 3 1 0 2 0 0 0
0108 化学…機械 46 11 12 10 12 1 0
0116 電気ガス水道
0117 その他の製造 10 1 5 2 2 0 0
0200 鉱業
0300 建設業 6 1 0 4 1 0 0
0401 鉄道水運航空
0402 道路旅客運送
0403 道路貨物運送 2 1 0 1 0 0 0
0500 貨物取扱業
0801 卸売業 63 5 10 24 18 5 1
0802 小売業 37 3 5 9 11 6 3
0803 理美容業
0804 その他の商業 13 1 4 0 4 2 2
0900 金融、広告業 242 33 44 52 68 34 11
1000 映画・演劇業
1100 通信業 2 0 0 1 1 0 0
1200 教育・研究業 10 3 4 2 0 1 0
1301 医療保健業 4 0 3 1 0 0 0
1302 社会福祉施設
1303 その他衛生
1401 旅館業 2 1 1 0 0 0 0
1402 飲食店 2 0 1 0 1 0 0
1403 その他の接客 1 0 1 0 0 0 0
1500 清掃・と畜業
1700 その他の事業 62 9 8 11 19 8 7
505 70 98 119 137 57 24

企画業務型のみを導入している事業場は、「金融、広告業」に多いことがわかる。データ全体ではこの業種は499事業場であったが、そのうち242事業場 (48%) が該当している。ついで「卸売業」(63) 「その他の事業」(62) などでもこうした事業場が多い。なお、「その他の事業」というのは、派遣業、警備業、情報処理サービスなどである。

企画業務型裁量労働制はないが専門業務型裁量労働制がある事業場

専門業務型のみ導入している事業場ではどうか。


コード 業種 300人超 101-300人 31-100人 10-30人 5-9人 1-4人
0101 食料…印刷 48 6 16 13 7 6 0
0108 化学…機械 80 15 22 21 12 5 5
0116 電気ガス水道
0117 その他の製造 10 1 2 6 0 0 1
0200 鉱業
0300 建設業 30 0 2 14 9 3 2
0401 鉄道水運航空 1 0 0 1 0 0 0
0402 道路旅客運送
0403 道路貨物運送 1 1 0 0 0 0 0
0500 貨物取扱業
0801 卸売業 42 5 11 14 8 1 3
0802 小売業 26 2 6 8 4 3 3
0803 理美容業
0804 その他の商業 48 6 9 16 7 7 3
0900 金融、広告業 36 4 1 7 9 8 7
1000 映画・演劇業 67 3 17 30 5 9 3
1100 通信業 30 4 2 10 6 5 3
1200 教育・研究業 139 7 33 39 29 21 10
1301 医療保健業 2 1 0 0 0 1 0
1302 社会福祉施設
1303 その他衛生 1 0 0 0 1 0 0
1401 旅館業
1402 飲食店 2 0 1 0 1 0 0
1403 その他の接客 3 0 1 0 2 0 0
1500 清掃・と畜業 2 0 0 2 0 0 0
1700 その他の事業 119 9 17 26 28 24 15
687 64 140 207 128 93 55

専門業務型のみを導入している事業場は、「教育・研究業」(139) 「その他の事業」(119) で多い。

企画業務型・専門業務型の両方の裁量労働制がある事業場

最後に、企画業務型と専門業務型の両方のタイプを導入している事業場の数。


コード 業種 300人超 101-300人 31-100人 10-30人 5-9人 1-4人
0101 食料…印刷 5 2 2 1 0 0 0
0108 化学…機械 66 36 21 7 2 0 0
0116 電気ガス水道
0117 その他の製造 4 2 0 1 1 0 0
0200 鉱業
0300 建設業 5 2 0 3 0 0 0
0401 鉄道水運航空
0402 道路旅客運送
0403 道路貨物運送
0500 貨物取扱業
0801 卸売業 14 5 5 4 0 0 0
0802 小売業 6 2 0 3 1 0 0
0803 理美容業
0804 その他の商業 3 0 0 3 0 0 0
0900 金融、広告業 9 1 4 3 0 0 1
1000 映画・演劇業 4 0 3 1 0 0 0
1100 通信業 2 0 0 2 0 0 0
1200 教育・研究業 55 25 20 7 3 0 0
1301 医療保健業 2 2 0 0 0 0 0
1302 社会福祉施設
1303 その他衛生
1401 旅館業
1402 飲食店 1 0 0 1 0 0 0
1403 その他の接客
1500 清掃・と畜業
1700 その他の事業 57 23 19 11 4 0 0
233 100 74 47 11 0 1

企画業務型・専門業務型の両方の裁量労働制を導入している事業場は、「化学、窯業、鉄鋼、非鉄金属、一般機械、電気機械、輸送用機械」(66) 「その他の事業」(57) 「教育・研究業」(55) で多い。

まとめ

以上の結果から、2013年度「労働時間等総合実態調査」のデータは、業種と事業場規模によって設定した層別に一定数ずつを調査する、というかたちにはなっていなかったことがわかる。資料が黒塗りになっているので、各労働局 (および各労働基準監督署、各監督官) にどのような指示が届いていたかは明確ではないが、2005年度調査と同様の指示内容であったとすれば、現場でその指示を無視した標本抽出がおこなわれていたものと考えるべきである。

もうひとつの問題は、裁量労働制導入事業場を優先的に選定したことの影響である。特に、「金融、広告業」における企画業務型裁量労働制を導入している事業場については、2005年度調査の標本設計では122事業場を対象とすることになっていたが、2013年度ではその2倍かそれ以上に増えている。結果として、この業種で裁量労働制を持たない事業場は212しか調査できていないのだが、それは意図した設計だったのだろうか。

そして、はたしてこの調査の対象は無作為に選ばれていただろうか、という疑問がのこる。この調査を実施するための通達では、つぎのような指示がある。

6 実施にあたって留意すべき事項
(1) 本調査的監督は、臨検監督により実施すること。また、労働基準法等関係法令違反等が認められた場合は、所要の措置を講ずること。
-----
厚生労働省 労働基準局長 (2013-03-08)「労働時間に関する調査的監督について」(基発0308第1号)

https://www.minshin.or.jp/download/37459.pdf

事業場に調査に行って問題を見つけてしまったら、指導しないといけないわけである。監督官の立場になってみれば、経験的に問題のすくなそうな事業場を調査対象に選びたくなるのが人情というもの。実際そういうことがどれくらい起こっていたかはわからないのだけれど、調査の性格上、調査対象を恣意的に選択するインセンティブがはたらいてしまうことがきちんと考慮されていただろうか。すくなくとも、標本設計にしたがった調査対象の抽出がなされているかどうかは、その時点できちんと把握するべきだったはずだ。しかし、実際には、調査全体の数が設計どおりのものになっていたかすら確認していなかった のである。

以上の推測が正しければ、労働時間等総合実態調査は、

  • 指定された事業場を調査しなくてもよい
  • 指定されていない事業場を調査してもよい

という調査だったことになる。この調査は、これまでに データ中に論理的に変な値が大量にあった ことが判明しており、その点でデータへの信頼が大きく損なわれている (論理的に変でない部分についても、データが正しいかどうかわからない)。これに加えて、どの事業場を調査するかという対象抽出の段階についても、データが大きくゆがんでいる可能性を考えなければならない。

2018-05-15 労働時間等総合実態調査 (2013) 「精査結果」を受けて

速報

厚生労働省労働基準局が今日発表した「平成25年度労働時間等総合実態調査に係る精査結果について」資料を送ってもらった。

とりあえずわかったこと:

  • 労働政策審議会資料 (No. 2-1)では「表24 1週の法定時間外労働の実績」などとなっていたところ、今回の資料では「表24 1週(最長の週)の法定時間外労働の実績」などと、「(最長の週)」という括弧書きが挿入されている
  • 「1日(最長の日)の法定時間外労働の実績」は、資料末尾に「参考表」として掲載されている。それらの平均値は、〔月間の法定時間外労働が〕「最長の者」については1時間57分、「平均的な者」(定義は http://d.hatena.ne.jp/remcat/20180214 参照) については1時間2分である

データの変更内容はつぎのとおり:

  • 裁量労働制のデータに係る調査事業場1526を削除
  • 明らかな誤記と考えられるもの、理論上の上限と考えられる数値を上回るもの、複数の調査項目間の回答に矛盾があるものを削除(966事業場)

(「当該事業場のデータ全体を母数から削除した」とのことである)

なお、裁量労働制の適用される労働者の「労働時間の状況」が記録されている事業場のほとんどは、一般労働者の法定時間外労働についてもデータがあり、それらのデータは、すくなくとも一般労働者についての「1日の時間外労働」を集計した際には利用されていたはずである(それで計算があうので:http://tsigeto.info/mhlwdata/)。したがって、一般労働者についての集計は、上記の966事業場の削除だけでなく、裁量労働制に係る調査対象の1526事業場の削除からも影響を受けているはず。

http://d.hatena.ne.jp/remcat/20180224 で指摘したとおり、このデータでは、裁量労働制導入事業場においては、そうでない事業場にくらべて一般労働者の法定時間外労働が長い傾向がある。したがって、裁量労働制を導入している事業場を削除すれば、一般労働者の法定時間外労働は、データの上では、必然的に減るのである。このことによる影響がどれくらいあるかは検討しておく必要があるだろう。

関連する報道:

2018-04-13 市区町村ライフプラン冊子

都道府県以外の自治体 (市・区・町・村) のライフプラン冊子 (的なもの) の収集は全然進んでいないのですが、とりあえず記事を書く場所を確保しておきます。今後、この日付 (2018-04-13) のところに適宜エントリを追加していきます。

2018-03-31 都道府県ライフプラン冊子

各都道府県が提供している情報で、妊娠・出産に関する医学的知識を盛り込んだもの、特に変なグラフが出てくるものを集めています。
まだ不完全なのですが、4月1日の勉強会での報告 が迫ってきたので、とりあえず公開します。あとで大幅に加筆すると思います。

情報探索にあたっては、 https://ameblo.jp/lifedesignstructure/ の情報を利用しました。また、Twitter等で目にした情報も参考にしています。この場を借りて御礼申し上げます。

北海道

by: 北海道 保健福祉部 子ども未来推進局 子ども子育て支援課 少子化対策グループ
date: 2016-03
title: 高校生向け少子化対策副読本: 北海道の少子化問題と私たちの将来について考えてみよう
source: https://ameblo.jp/lifedesignstructure/entry-12254492393.html
see: 入札情報: http://www.pref.hokkaido.lg.jp/file.jsp?id=923174 高校生向け少子化対策副読本作成委託業務 平成28年1月29日11時 http://www.pref.hokkaido.lg.jp/hf/kms/nyuusatukekkatoukouhyou230131.htm
see: 入札情報 (2016年度): http://www.pref.hokkaido.lg.jp/hf/kms/kouhyou/h28wakamonokekka.pdf 若者向けライフデザイン情報誌作成委託業務 H28.9.14 http://www.pref.hokkaido.lg.jp/hf/kms/nyuusatukekkatoukouhyou230131.htm

秋田県

uri: http://common3.pref.akita.lg.jp/babywave/n_img/editor/files/fukudokuhon/H29/resize150H29_syoushika.pdf
by: 秋田県 + 秋田県教育委員会
dc.publisher: 秋田県 あきた未来創造部 次世代・女性活躍支援課
title: 平成29年度少子化を考える高等学校家庭科副読本: 考えよう ライフプランと地域の未来
date: 2017-03
source: http://common3.pref.akita.lg.jp/babywave/detail.php?id=1493099802421

f:id:remcat:20180330162543p:image
-----
秋田県 (2017)『考えよう ライフプランと地域の未来』p. 20

http://common3.pref.akita.lg.jp/babywave/detail.php?id=1493099802421

f:id:remcat:20180330162544p:image
-----
秋田県 (2017)『考えよう ライフプランと地域の未来』p. 21

http://common3.pref.akita.lg.jp/babywave/detail.php?id=1493099802421

山形県

山形県 子育て推進部 子ども家庭課『男女ともに考えてみませんか〜妊娠・出産のこと〜』(裏表3つ折り (6頁) リーフレット)

uri: http://www.pref.yamagata.jp/ou/kosodatesuishin/010002/boshihoken/pdf/ninshin01.pdf
by: 山形県 子育て推進部 子ども家庭課
by: 協力= 山形県産婦人科医会
title: 男女ともに考えてみませんか: 妊娠・出産のこと
dc.format: 裏表3つ折り (6頁) リーフレット
date: 2017-03
source: http://www.pref.yamagata.jp/kenfuku/kenko/kenko/7010002ninshin.html

uri: http://www.pref.yamagata.jp/ou/kosodatesuishin/010002/boshihoken/pdf/ninshin02.pdf
by: 山形県 子育て推進部 子ども家庭課
by: 協力= 山形県産婦人科医会
title: 男女ともに考えてみませんか: 妊娠・出産のこと
dc.format: 裏表3つ折り (6頁) リーフレット
date: 2016-02
source: http://www.pref.yamagata.jp/kenfuku/kenko/kenko/7010002ninshin.html

f:id:remcat:20180330165839p:image
-----
山形県 (2017) 『男女ともに考えてみませんか: 妊娠・出産のこと』 p. 3

http://www.pref.yamagata.jp/ou/kosodatesuishin/010002/boshihoken/pdf/ninshin01.pdf

出典はつぎのとおり

f:id:remcat:20180330172929p:image
-----
山形県 (2017) 『男女ともに考えてみませんか: 妊娠・出産のこと』 p. 5

http://www.pref.yamagata.jp/ou/kosodatesuishin/010002/boshihoken/pdf/ninshin01.pdf

福島県

福島県は、2012年度厚生労働科学研究費補助金(成育疾患克服等次世代育成基盤研究事業)「母子保健事業の効果的実施のための妊婦健診、乳幼児健診データの利活用に関する研究」 (研究代表者: 山縣然太朗) によるパンフレット 『知っていますか? 男性のからだのこと、女性のからだのこと:健康で充実した人生のための基礎知識』 を元にした冊子を作成している (2015年)。

uri: http://web.archive.org/https://www.pref.fukushima.lg.jp/uploaded/attachment/146442.pdf
by: 福島県 保健福祉部 こども未来局 子育て支援課
title: 知っていますか? 男性のからだのこと、女性のからだのこと: 健康で充実した人生のための基礎知識
date: 2015-07
dc.format: PDF file (32 pages)
source: https://www.pref.fukushima.lg.jp/sec/21035b/dannseinokaradanokotojoseinokaradanokoto.html

f:id:remcat:20180330172937p:image
-----
福島県 (2015)『知っていますか? 男性のからだのこと、女性のからだのこと: 健康で充実した人生のための基礎知識』p. 11

http://web.archive.org/https://www.pref.fukushima.lg.jp/uploaded/attachment/146442.pdf

f:id:remcat:20180330172938p:image
-----
福島県 (2015)『知っていますか? 男性のからだのこと、女性のからだのこと: 健康で充実した人生のための基礎知識』p. 12

http://web.archive.org/https://www.pref.fukushima.lg.jp/uploaded/attachment/146442.pdf

茨城県

http://www.kids.pref.ibaraki.jp/kids/birth01_3/ に『女性のからだサポートブック: 健やかな妊娠のために』なるものを出版したとの記述とPDF版へのリンクがあるが、リンクが切れていて取得できない。国立国会図書館 WARP に収録されている (2015-07-01)。

uri: http://warp.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/11036460/www.pref.ibaraki.jp/hokenfukushi/kodomo/shomu/documents/support_book_2015.pdf
by: 健やかな妊娠等サポート事業検討委員会; 監修= 茨城県産婦人科医会
title: 女性のからだサポートブック: 健やかな妊娠のために
date: 2015-03
dc.publisher: 茨城県 保健福祉部 子ども家庭課
dc.format: Book (16 pages)
source: http://www.kids.pref.ibaraki.jp/kids/birth01_3/

群馬県

uri: http://smilelife.pref.gunma.jp/pc/e_book/bebisapo/
by: ピアサポーター協議会 (パリッシュ出版)
title: ぐんま妊娠・出産・育児支援ガイド: ベビサポ
date: 2015-03
dc.publisher: 群馬県 少子化対策・青少年課
dc.format: eBook (24 pages) HTML5/Flash
scope: これから、妊娠、出産、育児を迎える人
source: http://smilelife.pref.gunma.jp/pc/pregnancy/bebisapo/
source: http://www.pref.gunma.jp/03/c2900058.html
note: 財源: 地域少子化対策強化事業

f:id:remcat:20180330190542p:image
----
群馬県 (2015)『ぐんま妊娠・出産・育児支援ガイド: ベビサポ』p. 3

http://smilelife.pref.gunma.jp/pc/e_book/bebisapo/HTML/index4.html

3ページに「女性の年齢と卵子の数」グラフが出てくるが、出典不明 (「産婦人科舘出張 佐藤病院」というのはおそらく、下側の「年齢別分娩数と流産率 (平成10〜22年)」だけを指している)。

f:id:remcat:20180330190543p:image
----
群馬県 (2015)『ぐんま妊娠・出産・育児支援ガイド: ベビサポ』p. 4

http://smilelife.pref.gunma.jp/pc/e_book/bebisapo/HTML/index5.html

4ページに「卵巣の老化」「卵巣年齢」ということばがAMHを紹介するコラムとともにでてくるが、説明なし。

埼玉県

埼玉県では特にライフプラン冊子的な出版物はつくっていないようである (すくなくとも今のところ未発見) が、福祉部少子政策課で 「埼玉県 結婚・妊娠・出産・子育て応援公式サイト」 を運用しており、そのなかに「妊娠の仕組み、不妊・不育症」というページがある: http://www.saitama-support.jp/want/32-2

このページからは、「年齢を重ねると妊よう性(妊娠する力)が低下するといわれています」として、 日本生殖医学会 不妊症Q&A へのリンクがある。このサイトができた2014年当時には、 http://d.hatena.ne.jp/remcat/20160430 のグラフが載っていたはずである (現在は、日本生殖医学会サイトのグラフは差し替えられている。)

また、その下には、次のような表「日本の出産女性と不育症例の年齢分布及び年齢別流産率」が載っている

f:id:remcat:20180331001159p:image
-----
埼玉県 (c2014)「妊娠の仕組み、不妊・不育症」(結婚・妊娠・出産・子育て応援公式サイト)

http://www.saitama-support.jp/want/32-2#07

注の「BMJ 320:1708.2000」は https://doi.org/10.1136/bmj.320.7251.1708 参照。

この表には%が3列出てくるが、左側2列は上から下まで足して100%になるが右端の% (BMJ誌掲載論文による流産率) はそうならないというちがいがある。しかも、中央の% (不育症例の年齢構成) はそれ単独でみる意味はほとんどなくて左端の% (出産した母親の年齢構成) といちいちくらべる必要があるという数値なので、予備知識のない読者はまず理解できないのでは。

千葉県

千葉県ではライフプラン冊子的な出版物はみあたらないが、スマートフォン用アプリ「ちば My Style Diary」 を配布しており、そのなかに「妊活コラム」がふくまれている。監修は 関口由紀 (女性医療クリニックLUNAグループ理事長・女性泌尿器科)、水浦裕美 (ライター)。内容はこんな感じである。

f:id:remcat:20180331001201p:image
f:id:remcat:20180331001200p:image
-----
監修= 関口 由紀 + 水浦 裕美 (2017-11-10)「話題のスーパーフードは妊活中にも効果的!」(ちば My Style Diary 「妊活コラム」)

http://mystyle-diary.jp/apps/

f:id:remcat:20180331001203p:image
f:id:remcat:20180331001202p:image
-----
監修= 関口 由紀 + 水浦 裕美 (2017-12-08)「意外と知らない、ビタミンDと不育症・不妊症の関係」(ちば My Style Diary 「妊活コラム」)

http://mystyle-diary.jp/apps/

(※) については、文末に「Human Reproduction 2014年」とあるのみ。

f:id:remcat:20180331001204p:image
-----
監修= 関口 由紀 + 水浦 裕美 (2018-03-09)「妊活中の男性に葉酸が効果がある理由」(ちば My Style Diary 「妊活コラム」)

http://mystyle-diary.jp/apps/

いずれも、上記の「※」をのぞけば、出典の表示はない。

http://mystyle-diary.jp/apps/ の説明によれば、「このアプリは千葉県少子化対策事業の為、「千葉県総合企画部政策企画課」より「日本エンタープライズ株式会社」が受託し、開発したもの」だそうである。内容について

本アプリに掲載されている情報の正確さには万全を期していますが、千葉県は利用者が本アプリの情報を用いて行う一切の行為について、いかなる責任も負いません。また、いかなる場合でも千葉県は、本アプリをご利用されたために被った損害、損失に対して一切の責任を負いません。あくまでご利用される方ご自身の責任により本サービスをご利用いただくことを予めご承諾ください。
-----
千葉県 (2017-11-06) 「スマートフォンアプリ「ちば My Style Diary」の配信について」

https://www.pref.chiba.lg.jp/kosodate/press/2015/mystylediary.html

というのだが、出典の表示もなく掲載されている情報の正確さにどうやって万全を期しているのだろうか。

東京都

東京都は、日本家族計画協会に委託して、冊子『いつか子供がほしいと思っているあなたへ: 実は身近な不妊の話』を作成している。奥付によると、初版は2010-11-05であり、その後2013-02-15 (第4刷)、2013-12-01 (第5刷) で一部改訂したとのこと。現在公開されているのは2014-12-25の第6刷である。

uri: http://www.jfpa-clinic.org/book/itsuka_alt/
by: 日本家族計画協会
title: いつか子供がほしいと思っているあなたへ: 実は身近な不妊の話
date: 2014-12
dc.format: Book (20 pages)
scope: 若い人たち
source: http://www.fukushihoken.metro.tokyo.jp/kodomo/koho/funin201011.html
note: 担当部署: 少子社会対策部 家庭支援課 母子医療助成担当

内容はほとんど漫画。

f:id:remcat:20180331005958p:image
-----
日本家族計画協会 (2014) 『いつか子供がほしいと思っているあなたへ: 実は身近な不妊の話』 p. 7

http://www.jfpa-clinic.org/book/itsuka_alt/pages/07.jpg

このグラフの問題については http://tsigeto.info/17d 参照。なお、グラフそのものの単純な読解としても、「どの年代でも、男性が女性よりも5歳以上の群のほうで妊娠率が下がる傾向にあり」というのはまちがい。

f:id:remcat:20180331005959p:image
-----
日本家族計画協会 (2014) 『いつか子供がほしいと思っているあなたへ: 実は身近な不妊の話』 p. 14

http://www.jfpa-clinic.org/book/itsuka_alt/pages/14.jpg

f:id:remcat:20180331010000p:image
-----
日本家族計画協会 (2014) 『いつか子供がほしいと思っているあなたへ: 実は身近な不妊の話』 p. 15

http://www.jfpa-clinic.org/book/itsuka_alt/pages/15.jpg

神奈川県

http://www.pref.kanagawa.jp/docs/cz6/cnt/f532164/
https://www.youtube.com/watch?v=QYgAdm8yiAc

http://www.okanouenooisyasan.com/knowledge/pregnancy/03/
http://www.okanouenooisyasan.com/knowledge/ovum/01/
http://www.okanouenooisyasan.com/life-plan/

年齢とともに卵子は減少するだけではなく、質も低下するのがわかっています。
若い人の卵子は周囲が鮮明でツヤがあり、ピチピチしています(イラスト左)。
年齢とともに、卵子の表面に凹凸ができているのがわかります(イラスト右)。
個人差はありますが、35歳頃になると卵子の表面的なツヤや弾力性が失われ、カタチもいびつになります。カタチが整っていない卵子は、受精しにくいと言われています。
カラダやお肌が年齢とともに変化するように、卵子も老化します。特に35歳を過ぎると妊娠しにくくなり、妊娠・出産の異常が起きやすくなります。子宮や卵巣の病気、過剰なストレス、偏った食生活、喫煙習慣、睡眠不足などでも卵子の老化が加速すると言われています。お肌ならば手入れ次第で若返ったように見せることはできますが、老化してしまった卵子を若返らせることはできません。
ただ、卵子の老化と生まれてくる子どもの能力や資質とは関係がありません。
-----
神奈川県 (c2015)「卵子は老化する」

http://www.okanouenooisyasan.com/knowledge/ovum/04/

新潟県

新潟結婚・子育てサイト「ハピニィ」
http://www.hapiny.niigata.jp/pregnancy/health-birth/knowledge.html
「体について正しい知識をもちましょう!」

女性の心と体の変化
【思春期(8〜18歳ごろ)】
【性成熟期(18〜45歳ごろ)】
【更年期(45〜55歳ごろ)】
【老年期】

富山県

富山県厚生部健康課 Mie.Net〔みぃねっと〕【女性の健康と妊娠】あんしんトヤマ http://www.pref.toyama.jp/sections/1205/mie.net/
作成年次は不明。
「自分のライフプランについて考えよう」
http://www.pref.toyama.jp/sections/1205/mie.net/4002.html

大切なのは、若いうちから自分の身体を知り、定期的に産婦人科にかかり、子どもを産みたいと思った時に、スムーズに妊娠できる体を準備しておくこと。そのためには、月経の調子を整えるための女性ホルモンの働きを整える「低用量ピル」の服用も有効です。そして、いつ産むか、何人産むか、産まないといったライフプランも一緒に考えていくこと、あなた自身が思い描くことが何より大切なのです。

◆お話をきいた人 / 女性クリニック We!TOYAMA 若杉聡美医師
-----

http://www.pref.toyama.jp/sections/1205/mie.net/4002.html

http://www.pref.toyama.jp/sections/1205/mie.net/images/mie_lifeplansheet.pdf

「女性の健康」はホルモンバランスが大事

uri: http://iss.ndl.go.jp/books/R100000001-I070092581-00
by: 富山県教育委員会
title: とやまの高校生ライフプランガイド
date: 2016-03
source: https://ameblo.jp/lifedesignstructure/entry-12253868586.html

山梨県

山梨県 企画県民部 県民生活 男女参画課
20代のためのライフプランニング「今考える、自分らしい選択」(20代向け)
http://www.pref.yamanashi.jp/kenmin-skt/documents/20daimuke_kaiteiban.pdf

長野県

uri: https://www.pref.nagano.lg.jp/hoken-shippei/boshishika/documents/tekisuto_1.pdf
title: 健やかな妊娠&出産サポートBOOK
date: 2015-02-26 (PDFファイルのプロパティによる)
by: 長野県; 監修= 岡 賢二 (信州大学医学部産科婦人科学教室)
企画制作: 株式会社アドソニック
dc.format: Book (16 pages)

静岡県

uri: http://www.pref.shizuoka.jp/kousei/ko-140/kokatei/documents/130308ninshin.pdf
date: 2013-03
title: いつかはママ。だから今から、知って欲しい。
by: 監修= 金山尚裕 (浜松医科大学医学部産婦人科教授)
dc.format: 裏表3つ折り (6ページ) リーフレット

「いつか」のために「いまから」できること
高校生を主な対象とした
妊娠・出産に関する健康教育補助教材を作成しました!

1 概要
妊娠適齢期や高齢出産のリスクなど、妊娠・出産に関する正しい知識は、まだまだ若い世代に浸透している状態とは言えない状況にあります。平成27年3月20日に閣議決定された「少子化社会対策大綱」の中でも、「きめ細やかな少子化対策の推進」の一つとして「学校教育段階からの妊娠・出産等に関する医学的・科学的に正しい知識の教育」が掲げられています。県では、これまでこれらの知識普及のためのイベントや啓発用リーフレットの作成・配布等を行ってきましたが、より広い対象に啓発活動を行うため、少子化社会対策大綱に先駆けて、高校生を主な対象とした補助教材を作成しました。

2 主な内容
〔……〕
妊娠・出産の現場に携わる産婦人科医の生の声や、衆議院議員 野田聖子氏の体験談を紹介し、妊娠・出産に関する正しい知識を持つことの大切さを伝える。
-----
静岡県知事記者会見 (2015年5月26日)「妊娠・出産に関する補助教材の作成」

http://www2.pref.shizuoka.jp/all/kisha15.nsf/c3db48f94231df2e4925714700049a4e/bf776323cfbada7749257e4c0008ec6a

300部を県内高等学校、市町、健康福祉センター等に配布、とのことであるが、この『「いつか」のために「いまから」できること』が県のサイトにはみつからない。
https://ameblo.jp/lifedesignstructure/entry-12255059838.html に画像がコピーされている。
奥付によると、2014年度作成のものをもとに2016年10月に作成した模様。

uri: http://www.pref.shizuoka.jp/kousei/ko-750/kenkoujouhou/kenkoujouhou2805.html
dc.format: Webpage
date: 2017-03-14
title: 生活習慣病を見直して、女子力・妊娠力アップを目指しましょう!

愛知県

uri: http://www.city.nagoya.jp/kodomoseishonen/cmsfiles/contents/0000075/75739/anatani.pdf
by: 監修=杉浦真弓 (名古屋市立大学大学院医学研究科 産科婦人科学 教授)
by: 愛知県 健康福祉部 児童家庭課
date: 2015-12-17 (PDFファイル プロパティによる)
title: あなたに伝えたい たいせつなこと:からだの中にある、いのちのたまご
裏表3つ折り (6ページ) リーフレット

三重県

uri: http://www.pref.mie.lg.jp/D1KODOMO/sisyunki/000125751.htm
by: 監修=三重県産婦人科医会
title: 将来のために知っておきたい妊娠のこと
dc.format: Webpage

uri: http://www.pref.mie.lg.jp/common/content/000698738.pdf
date: 2017-01-17 (PDF file プロパティによる)
scope: 中学校2,3年生向けパンフレット
title: 思春期のみんなに考えてほしいライフプラン
source: http://www.pref.mie.lg.jp/common/03/ci500004941.htm
dc:format: Book (8 pages)

兵庫県

https://web.pref.hyogo.lg.jp/kf11/shoushitaisaku.html

3 事業内容
(1)普及啓発媒体の作成
 若い世代が妊娠・出産について理解し自ら考え行動することができるよう、学校等における健康教育で活用するための普及啓発媒体を作成する。
 作成にあたっては、保健師、助産師等の専門家にも携わってもらい、連携構築にも資するものとなる。
ア 作成部数:健康マイプランテキスト(ライフプラン編)50,000 部
イ 配布対象:高校生
ウ 内 容:妊娠・出産に関する正しい知識、女性のからだと妊娠、望まない妊娠のリスク、高年齢妊娠・出産のリスク、卵子の老化、男性不妊、ライフプランニングの進め方等について
-----
兵庫県 平成26年度地域少子化対策強化交付金事業 別紙 補足資料 (p. 4)

https://web.pref.hyogo.lg.jp/kf11/documents/h26hosoku.pdf

これに対応する『健康マイプランテキスト(ライフプラン編)』は見つけられていない。

奈良県


uri: http://www.pref.nara.jp/secure/139347/%E3%83%9E%E3%82%A4%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%83%95%E3%83%97%E3%83%A9%E3%83%B3%E5%86%8A%E5%AD%90.pdf
by: 奈良県 医療政策部 保健予防課
title: 今 伝えたい!! 将来のあなたへ
date: 2015-03

urii: http://www.pref.nara.jp/39551.htm
date: 2015-12
title: 今 伝えたい!! 将来のあなたへ (第2版)

http://www.pref.nara.jp/43339.htm

女性達から、政府が作った「妊娠しやすい期間」というグラフが元々の研究文献から随分ずれたものになっているという批判が
-----
平成27年度第2回男女共同参画審議会 (2015/10/27) 議事録

http://www.pref.nara.jp/secure/157713/H27-2gijiroku.pdf

鳥取県

http://www.pref.tottori.lg.jp/secure/531020/otokotoonna.doc.pdf
by: 鳥取県
by: 日本助産師会鳥取県支部
date: 2010-03
title: 女と男の幸せガイド: 健やかなパートナーシップをめざして
dc.publisher: 鳥取県 福祉保健部 子育て支援総室
dc.format: Book (21 pages)
source: http://www.pref.tottori.lg.jp/dd.aspx?menuid=149160

uri: http://www.pref.tottori.lg.jp/80860.htm
by: 鳥取県 福祉保健部 子育て王国推進局
date: 2017
title: LIFE IS DESIGN 自分の未来を自分で描くために: 考えてほしいあなたの将来について
dc.format: Book (42 pages)
note: 妊活等啓発冊子

岡山県

uri: http://www.pref.okayama.jp/page/434203.html
by: 岡山県 保健福祉部 健康推進課
date: 2017-05-10
title: 「未来のパパ&ママを育てる出前講座」について

uri: http://www.pref.okayama.jp/uploaded/life/514246_pdf1.pdf
title: まんがで読む未来への選択肢

title: 知っておきたいシリーズ(1)いのちのはじまりの旅
uri: http://www.pref.okayama.jp/uploaded/life/514246_pdf2.pdf

title: 知っておきたいシリーズ(2)年齢と卵子や精子のかんけい
uri: http://www.pref.okayama.jp/uploaded/life/514246_misc1.pdf

title: 知っておきたいシリーズ(3)妊娠・出産・子育て事情
source: http://www.pref.okayama.jp/page/434203.html

title: 妊娠・出産を希望するあなたに知っておいてほしいこと
uri: http://www.hagukumare.pref.okayama.jp/?c=data&t_cms_data_pk=28&cms_data_pk=31
note: 特に注記していないが、 リンク先は厚生労働省サイト: http://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kodomo/kodomo_kosodate/boshi-hoken/dl/gyousei-01-01.pdf

広島県

by: 広島県
date: 2016-02-25
title: 今から考えてみませんか?妊娠・出産のこと」
uri: http://www.pref.hiroshima.lg.jp/soshiki/248/ninsinsyusan.html

タイトル 「ステキなオトナになるために」〜現在と未来を考えよう!を作成しました! 
 作成:広島県
 監修:一般社団法人広島県医師会,広島県産婦人科医会,一般社団法人広島県助産師会

 内容:
 1部 ステキなオトナになるためにみんなに知っておいてほしいこと
監修 広島県産婦人科医会
 2部 いのちの授業〜未来のために〜
監修 一般社団法人広島県助産師会 

 配布等について:高等学校向けの共通教材(DVD)を作成し,現在,広島県内の学校現場における健康教育事業で活用していただいて おります。
※この教材についてのお問い合わせは,広島県健康福祉局 子育て・少子化対策課 電話082-513-3175まで
-----
広島県 健康福祉局 子育て・少子化対策課 (2017-04-28) 「思春期世代への健康教育について」

https://www.pref.hiroshima.lg.jp/soshiki/248/sisyunki.html

山口県

uri: http://www.pref.yamaguchi.lg.jp/cms/a13300/index/ninshinshulsan.html
note: 不妊症Q&A よくあるご質問(一般社団法人日本生殖医学会ホームページ)へのリンク http://www.jsrm.or.jp/public/index.html

徳島県

uri: https://www.tokushima-hagukumi.net/fs/2/9/0/_/funinfuiku.pdf
by: 監修= 苛原 稔
date: 2013-09
title: 男の子、女の子のみんな! 自分の人生設計 (ライフプラン) 考えよる?

by: 徳島県 県民環境部 次世代育成・青少年課「赤ちゃんがほしい方」
uri: https://www.tokushima-hagukumi.net/shien/ninshin/ninshin/hoshikata.html

愛媛県

title: 妊娠しやすい年齢は何歳くらいですか? (きらきらナビ「ひめコミュ」)
uri: https://www.ehime-kirakira.com/ninkatsu/qa/detail/question_id/378/

title: Life × Design
uri: http://lifedesign-ehime.com/2017/05/07/leafletkanketuban/
date: 2017-05-07

uri: http://ehime-kirakira.com/update/shikokusyoushikakaigi_pamphlet.pdf
by: 四国少子化対策会議
date: 2016
title: ふたり+: 大切なものがふえていく
source: http://www.pref.ehime.jp/h20300/shikokusyoushikakaigi/kekkonsassi.html

高知県

uri: http://www.pref.kochi.lg.jp/soshiki/130401/files/2012112100125/shisyunki_handbook.pdf
by: 高知県 健康政策部 健康対策課
date: 2016-06
dc.format: Book (20 pages)
『思春期ハンドブック』(改訂版)
source: http://www.pref.kochi.lg.jp/soshiki/130401/shisyunnki-soudan.html

uri: http://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I025031674-00
note: 『思春期ハンドブック』初版は男子用だった模様。

福岡県

uri: http://www.pref.fukuoka.lg.jp/uploaded/life/197206_51593725_misc.pdf
by: 福岡県
by: 福岡県看護協会
date: 2014
title: 若いみなさんに今、知ってほしいこと
dc.format: 裏表3つ折り (6頁) リーフレット

uri: http://www.pref.fukuoka.lg.jp/uploaded/attachment/28276.pdf
date: 2017-03
by: 福岡県
title: My Life Design: 人生を豊かに生きるには
http://www.pref.fukuoka.lg.jp/contents/mylifedesign.html

佐賀県

uri: http://www.pref.saga.lg.jp/kiji00334035/3_34035_3_201114141933.pdf
see: http://www.pref.saga.lg.jp/kiji00334035/3_34035_4_201114141952.pdf
by: 佐賀県; 監修=佐賀県医師会産婦人科医部会; 企画制作= NPO法人ウィメンズサポートネットワーク
dc.publisher: 佐賀県 健康福祉本部 母子保健福祉課
title: ファミリープラン: 健やかな妊娠のために
date: 2010-11
source: http://www.pref.saga.lg.jp/kiji00334035/

ファミリープランとは、女性がパートナーと「望む時期に望むだけの子どもを産み育てていけるよう、話し合って妊娠・出産・育児をすること」をいいます。
-----
佐賀県 健康福祉部 こども家庭課 (2011-01-04)「ファミリープラン(家族計画)指導用パンフレットを作成しました」

http://www.pref.saga.lg.jp/kiji00334035/

熊本県

高校生を中心に思春期保健教育講演会を実施するとともに、ライフデザイン手帳を配布し、妊孕性を含めた性と生に関する正しい知識の周知を
-----
熊本県 (2016?) 「子ども・子育て支援に関する 様々な施策」p. 71

http://www.pref.kumamoto.jp/common/UploadFileOutput.ashx?c_id=3&id=18507&flid=94478

大分県

http://www.pref.oita.jp/site/kosodatenotane2/keihatsushi.html

uri: http://www.pref.oita.jp/uploaded/attachment/190725.pdf
by: 平田 京子
by: 大分県
title: 未来へ: ライフデザインを描く
date: 2014-03
note: 漫画

uri: http://www.pref.oita.jp/uploaded/attachment/1023575.pdf
by: 大分県
title: motto未来へ
date: 2016-03
note: 婚学その他

uri: http://www.pref.oita.jp/uploaded/attachment/190212.pdf
date: 2013-07
by: 大分県; 漫画= 福田 素子; 監修= 楢原久司(大分大学医学部産科婦人科教授)(大分県不妊専門相談センター長)
title: 今伝えたい! いつかは子どもを・・・と考えているあなたたちへ: 知っておきたいからだのこと
dc.publisher: 大分県 福祉保健部 健康対策課
dcterms.hasVersion: https://static.oita-ebooks.jp/actibook_data/oe_ken008/
source: http://www.pref.oita.jp/site/funinpotal/karadanokoto.html

2018-03-24 労働時間等総合実態調査 (2013) 一部 (?) 撤回の報に接して

裁量労働制「労働時間の状況」データの系統的誤記入疑惑

データ撤回の報道

厚生労働省「労働時間等総合実態調査」(2013年度) データの問題について、厚生労働大臣が「裁量制に関するデータを撤回すると答弁した」(3月23日国会 衆議院厚生労働委員会) との記事が出ている。

加藤勝信厚労相は23日の衆院厚労委員会で、問題の調査のうち、裁量制に関するデータを撤回すると答弁した。裁量制で働く人の労働時間が「1日1時間以下」と記入されていた25事業所を再調査した結果、実際の労働時間が1時間程度だった事業所はなかったため。
〔……〕
 加藤氏は23日の厚労委で「(調査結果は)実態を反映したものとは確認できなかった。政府として撤回させていただく」と説明した。厚労省は22日の野党ヒアリングでデータの誤りを報告していた。
 問題となったのは「2013年度労働時間等総合実態調査」。厚労省はデータに疑義が生じたことを受け、調査対象となった1万超の事業所のデータ精査を進めている。データ問題を受け安倍晋三首相は裁量制を法案から削除すると表明。一方、データ自体の撤回については国会で「撤回は適切ではない。精査することが大切だ」などと答弁し、加藤氏も同様に拒否していた。
-----
毎日新聞 (2018-03-23) 「厚労相 裁量制データを撤回 労働時間「実態反映せず」」

https://mainichi.jp/articles/20180323/k00/00e/010/277000c

何を撤回したのかはこの記事からはよくわからない。時事通信による同日の記事 「裁量労働のデータ撤回=実態反映せず―加藤厚労相」 では「裁量労働制のデータそのものについては撤回する」となっており、この記事に対する上西充子コメント では「25年度調査のうち、裁量労働制に関する質問項目への回答部分の個票データが撤回された」と解説している。

25事業所再調査報告

この「25事業所を再調査した結果」については、前日 (3月22日) の野党合同ヒアリングで厚生労働省から報告されていたようである。Twitter にあがっていた1枚の画像から書き起こすと、つぎのようになる。

平成30年3月22日
厚生労働省労働基準局

平成25年度労働時間等総合実態調査で裁量労働制の労働時間の状況が1時間以下である25件のデータの調査結果について

○ 原票を確認したところ、誤入力が認められたのは1件であった。(※)
 また、対象事業場のみなし労働時間は最短7時間30分から最長10時間であることが確認された。
 ※ただし、0時間45分を1時間00分を入力していたもの

○ さらに、労働基準監督官が直接事業場に訪問し、担当者からのヒアリングや書面を確認した結果は、以下のとおり。

・調査対象となった25事業場のうち、3事業場は廃止となっており、7事業場においては当時の資料が残されておらず確認できなかった。

・残る15事業場について確認したところ、平成25年4月当時の当該事業場の労働時間の状況 (※) をみる限り、7時間を下回る者はいなかった。
 ※平成24年度下半期に届け出られた定期報告又は平成25年4月当時における労働時間の状況

・また、平成25年4月当時、14事業場においてはみなし労働時間が1つだけ設定されていた。また、1事業場においてはみなし労働時間が2つ設定されていたが、いずれも特段短いみなし労働時間は設定されていなかった。
 当該15事業場すべてにおいて、労働時間の状況が1日1時間程度の対象労働者はいなかったとの回答を得た。

○ 上記の調査結果から、労働時間の状況が1時間以下というデータは、実態を反映したものではなかったと判断せざるを得ない。
----
上西充子 2018-03-22 のツイート写真より田中書き起こし

https://twitter.com/mu0283/status/976702587138224128

話が複雑でわかりにくいのだが、要約するとつぎのようなことだろう:

  • データ中に、裁量労働制の適用される労働者の「労働時間の状況」を調べた数値が4種類 (専門業務型、企画業務型について、それぞれ「最長の者」「平均的な者」) あるのだが、そのなかに1時間以下の数値のある事業場が25あった
  • これらのうち、1件は誤入力で、監督官の手書き原票では「0時間45分」と書いてあったものを、誤って「1時間00分」と入力していた 〔元の45分というのも短すぎて不審なので、以下の再調査の対象になっているはず〕
  • 原票によれば、これら25事業場のみなし労働時間は、最短でも7時間30分であった
  • 25件のうち、10件については、すでに事業場自体がなくなっていたり、当時の資料がなかったりして、実地での確認ができなかった
  • のこる15事業場については、そんな短い労働時間の者は当時いなかったという回答であった
  • 当該事業場からの定期報告やみなし労働時間などの過去の記録によっても、1時間以下の労働時間の者が実際にいたことをうかがわせるデータはない

以上のように、1日1時間以下の労働しかしない労働者がいたという裏付けは全然とれないので、これらのデータはまちがいだろうという結論である。

さて、どうしてこのような変な数値が混入したのか。有力な仮説は、1日の労働時間そのものではなく、時間外労働時間に該当する時間数 (おそらくみなし労働時間との差) を監督官が記入したのではないかということである。現在までのところ、労働時間等総合実態調査の調査票や調査要領はそのほとんどを黒塗りにした状態でしか開示しておらず、全体像がつかみにくいのだが、下記のツイートの写真からは、一般労働者について時間外労働の時間数を記録したあとで、似た形式で裁量労働制の場合の「労働時間の状況」を記録しており、監督官が記入するときに勘違いしやすい仕組みになっていたことがうかがえる。

要は、「労働時間の状況」(右)として、一般労働者の場合(左)と同様に、残業時間を回答していた疑いが強い。
0時間が記入されているものも。
4時間以下120件も同様と考えられる。
----
上西充子 (2018-03-22 のツイート)

https://twitter.com/mu0283/status/976703261469061121

なお、「0時間が記入されているものも」というのは、おそらく、ID=11060 の事業場で、「専門業務型裁量労働制」で「平均的な者」の「労働時間の状況」が0:00 であったケースのことだろう。これは8人の事業場で、専門業務型裁量労働制の「最長の者」の労働時間の状況は6:45になっているのだが、「平均的な者」のほうはゼロ時間になっているのだ。このケースをこの値のままにして、「平均的な者」の労働時時間の状況の平均値をデータ全体について求めると、9:19となり、第104回労働政策審議会 の資料2-1の表50の値 (9:20) より1分短くなってしまう。この 0:00 を欠損値に変更して計算から除外すると表の平均値と一致するので、たぶん集計時にそのような訂正がされたのだろうと私は推測している。現在 http://tsigeto.info/mhlwdata/ で公開している素データ (2018-02-21版) も、この操作を加えたものである。*1

集計結果への影響

上で述べた推測が正しければ、誤記入が生じた原因は、監督官の勘違いによって時間外労働時間に相当する時間数 (裁量労働制の場合には「みなし労働時間」が設定されるので、おそらくはそれと実際の労働時間との差分) を書いてしまったということである。調査票の設計がそういうミスを誘発しやすいようになっており、また、調査実施後にそうした点のチェックもなかったのだろう。

そうとすれば、今回厚生労働省が再調査した1時間以下の数値だけでなく、もっと大きい数値の場合にも、同様のミスが生じている可能性がある。たとえば「10時間0分」と書いてあったとしても、それがそのまま1日の労働時間をあらわしているのか、それともみなし労働時間 (たとえば7時間) を足して1日17時間労働と考えるべきなのかは、判別しようがないことになる。

なかでも、1日2時間や3時間といった短い労働時間が記録されている場合、1日の労働時間としては短すぎるのであり、上記のような記入ミスが起こっているおそれが大きい。http://tsigeto.info/mhlwdata/ の素データ (2018-02-21版) を使って、5時間未満の「労働時間の状況」が記録されているケースを抜き出してみた。専門業務型、企画業務型についてそれぞれ「最長の者」「平均的な者」の2種類が記録されているので、4つの変数が該当する。一方のタイプの裁量労働制だけを採用している事業場ではもう一方は欠損値になっているが、それは下記の出力では ----- であらわしている。

                             (時間:分)
--------------------------------------
   ID     専門業務型       企画業務型
        最長者  平均的   最長者  平均的
--------------------------------------
  300    2:39    2:39   -----   -----
  427   -----   -----    4:00    4:00
  566   -----   -----    2:45    1:00
  609    3:30    1:30   -----   -----
  868    5:00    3:00   -----   -----
  954    5:27    2:17    2:32    2:24
 1210*   7:00    1:00   -----   -----
 1217   -----   -----    5:21    3:47
 1224*   5:30    2:30    7:30    3:00
 1503    2:30    1:00   -----   -----
 1804   -----   -----    2:00    1:00
 1897    3:00    1:30    3:00    1:30
 2208*   6:12    3:45    4:58    4:21
 2421*   6:00    3:00   -----   -----
 2466   -----   -----    3:00    3:00
 2538    2:00    1:30   -----   -----
 2552*  12:00    3:30   -----   -----
 2654   -----   -----    2:30    1:00
 2757   -----   -----    3:30    2:00
 2806    4:45    2:25   -----   -----
 2809   -----   -----    4:30    1:00
 2822   -----   -----    2:30    1:00
 2843    2:05    1:22    1:13    1:13
 2918    3:45    1:00   -----   -----
 3183*   6:00    1:00    2:00    2:00
 3188   -----   -----    4:57    1:30
 3197   -----   -----    4:00    4:00
 3263    1:50    1:00   -----   -----
 3307    3:00    1:00   -----   -----
 3309*   6:15    2:45   -----   -----
 3321*  15:00    1:05   -----   -----
 3347*  12:00    1:00   -----   -----
 3364   -----   -----    5:00    2:00
 3470    4:50    3:24   -----   -----
 3884*  11:15    3:15    4:00    1:15
 3928    4:12    1:41   -----   -----
 4157*   6:30    4:00   -----   -----
 4174*  -----   -----    6:45    1:00
 4179   -----   -----    4:45    1:00
 4222    4:01    2:00   -----   -----
 4356    3:30    1:00   -----   -----
 4412*  -----   -----    6:50    4:47
 4423    3:31    2:21   -----   -----
 4457*  -----   -----   10:30    2:00
 4669    3:30    3:00   -----   -----
 4878    3:18    2:48   -----   -----
 5012   -----   -----    4:15    3:00
 5014    4:00    2:00   -----   -----
 5157   -----   -----    2:00    2:00
 5247    2:00    2:00    4:00    2:00
 5249*   4:30    1:45    6:15    2:00
 5407   -----   -----    3:09    2:54
 5415    3:15    1:15   -----   -----
 5449   -----   -----    3:34    2:35
 5473   -----   -----    2:15    2:15
 5514*  11:45    4:30   -----   -----
 5533   -----   -----    3:45    3:00
 5546    1:00    1:00   -----   -----
 5608   -----   -----    2:00    2:00
 5614   -----   -----    4:45    4:45
 5636    2:00    2:00   -----   -----
 5691    3:24    1:24   -----   -----
 5707   -----   -----    4:00    3:00
 5753    3:00    2:00   -----   -----
 5808    4:30    4:30   -----   -----
 5968    4:45    2:15   -----   -----
 6001    3:40    3:00   -----   -----
 6073*  13:00    1:45   -----   -----
 6186*   2:00    2:00   22:30   12:41
 6274    3:30    3:00   -----   -----
 6281    3:47    3:22   -----   -----
 6333   -----   -----    2:00    1:00
 6415   -----   -----    2:30    2:30
 6534   -----   -----    3:40    1:30
 6552    4:00    4:00   -----   -----
 6691    4:45    1:00    3:45    1:15
 6699*   7:45    4:00   -----   -----
 6798    1:00    1:00   -----   -----
 6800    4:55    3:00   -----   -----
 6996    4:00    2:30   -----   -----
 7022    4:35    3:15   -----   -----
 7023*   6:00    1:00   -----   -----
 7106*   6:00    2:45    4:30    2:30
 7258    3:30    3:00   -----   -----
 7487   -----   -----    4:00    1:00
 7503   -----   -----    3:00    2:00
 7554*   9:30    3:00   -----   -----
 7663   -----   -----    4:10    0:30
 7700    2:06    1:47   -----   -----
 7733    4:30    2:15   -----   -----
 7741   -----   -----    3:40    3:40
 8225    4:10    1:45    3:10    1:35
 8259*   5:00    2:00    6:00    4:00
 8270*  23:00    4:45   -----   -----
 8960   -----   -----    3:45    3:45
 9195   -----   -----    1:40    1:40
 9207   -----   -----    3:00    1:30
 9401    2:14    1:00   -----   -----
 9604    5:40    2:00   -----   -----
10124    4:48    4:06   -----   -----
10344   -----   -----    4:12    1:00
10578    4:00    2:00   -----   -----
10580    3:00    1:30   -----   -----
10672    5:00    2:00   -----   -----
10783    3:00    1:00   -----   -----
10865   -----   -----    2:04    1:08
10920   -----   -----    3:47    3:47
11106   -----   -----    5:15    2:45
11372    2:30    1:30    1:45    1:30
11481*  13:25    2:00   10:25    2:00
11549   -----   -----    2:00    2:00
11551    4:25    3:30   -----   -----
--------------------------------------
ID右肩の * はその行に6時間以上の数値があることを示す

全部で112事業場である。

多くは、たとえば「最長の者」が3時間なのに対して「平均的な者」が1時間などのような感じで、やはり常識に照らして非常に短い時間数であり、残業時間に相当する時間が記録されているものと解釈するのが妥当だろう。その場合、1日の本当の労働時間は、みなし労働時間分 (たとえば7時間) を足して、10時間と8時間、などのように推定できる。

一方で、たとえば「平均的な者」が2時間なのに対して「最長の者」が13時間25分というような例もある。これらについてどう考えたらよいかは悩むところである。特にID=6186 の事業場では、専門業務型では「最長の者」「平均的な者」ともに2時間なのに対して、企画業務型ではそれぞれ22時間30分と12時間41分となっており、統一的に書きまちがえたわけではなさそうである。

上の表では、4つの数値の中に6時間以上の時間数のものがひとつでもある場合には、ID番号に * 印をつけてある。該当するのは25事業場である。これらについては、とりあえず判断を保留しておこう。

のこる87事業場については、すべての数値が6時間未満で、そのうちすくなくともひとつは5時間未満ということになる。これらの事業場については、上記のような解釈で、残業時間相当の時間をまちがえて書いたものとみなすことにしよう。専門業務型の「労働時間の状況」のデータがある920の事業場のうち、55事業場 (6.0%) がこれに該当する。企画業務型の場合は、738事業場のうち47事業場 (6.4%) である。小さい割合のように思えるかもしれないが、これらの事業場についてすべてみなし労働時間 (7時間とか8時間とか) 分だけ短くカウントしているわけだから、全体の平均値などにあたえる影響は存外に大きい。

ためしに、これらの87ケースについて、一律7時間をプラスして、記述統計量がどれくらいかわるかを計算してみた。結果はつぎのとおり。

修正前度数最小最大平均標準偏差
専門・最長920601440758.3 239.2
専門・平均918601440559.5 169.9
企画・最長738731440702.3 204.0
企画・平均738301099556.4 154.7

(単位: 分)

修正後度数最小最大平均標準偏差
専門・最長9201201440783.5 200.8
専門・平均918 601440584.7 130.4
企画・最長7382401440729.0 159.4
企画・平均738 601099583.1 107.8

(単位: 分)

「労働時間の状況」平均値は、専門業務型裁量労働制で25.2分、企画業務型裁量労働制で26.7分増加している。たとえば企画業務型の「平均的な者」の場合には、修正前の元データでは556.4分 (=9時間16分) であったものが、疑わしい数値 (47事業場分) に7時間を足した修正後データでは583.1分 (=9時間43分) に伸びている。

まとめ

今般の労働時間等総合実態調査をめぐる議論の発端となったのは、加藤厚生労働大臣のつぎの発言だった。

また、私どもの平成二十五年労働時間等総合実態調査、これ、厚生労働省が調べたものでありますけれども、平均的な一般労働者の時間が、これは一日の実労働時間ですが、九時間三十七分に対して、企画業務型裁量労働制は九時間十六分と、こういう数字もあるということを先ほど申し上げたところでございます。
-----
国会会議録 (2018-01-31) 第196回国会 予算委員会 第2号。森本真治議員の質問に対する加藤勝信厚生労働大臣の答弁。

http://kokkai.ndl.go.jp/SENTAKU/sangiin/196/0014/19601310014002a.html

この一般労働者の実労働時間と称する「九時間三十七分」という時間数は、おそらく過大である (上西充子 (2018-02-21) 「データ比較問題からみた政策決定プロセスのゆがみ」https://news.yahoo.co.jp/byline/uenishimitsuko/20180221-00081859/ (Yahoo! ニュース 個人) など参照)。そう判断できる主な理由はつぎの3つである。

  • この数値は、法定労働時間外労働の時間が1か月中でいちばん長い日を選んで調べたものである
  • それに一律8時間を足して「実労働時間」を求めている (実際には所定労働時間が8時間より短い事業場が相当数存在する)
  • 法定時間外労働の最頻カテゴリーに入る労働者について調べているが、その選択方法が不明確であるうえに、裁量労働制の場合の「平均的な者」とは選択方法がちがっていた可能性が高い

上記の分析は、これに加えて、調査設計・実施上の問題によって、裁量労働制の場合の労働時間の数値のほうもまちがっていた可能性が高いことを示している。このことを考慮すれば、裁量労働制で働く「平均的な者」の労働時間は1日9時間43分となる。一般労働者の「平均的な者」の最長の日の労働時間を上回る長さである。

*1:このエントリ公開直後の上西充子さんのツイートによると、これは別の件の模様。ID=4174, ID=4179 などで、専門業務型の「労働時間の状況」が「0時間0分」と原票に書かれていたにもかかわらす、電子データでは欠損値になっているというもの。https://twitter.com/mu0283/status/977551227159330816 など参照。なお、これらの事業場では、企画業務型裁量労働制の「労働時間の状況」が1時間と短いため、本エントリの検討対象に入っている。また、このように「0時間0分」が入力の際に漏れたケースがあるとすると、一般労働者の法定時間外労働のデータは大丈夫なんだろうかというのも心配になる点である。