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2018-02-20 労働時間等総合実態調査 (2013) の質

こたえあわせ

昨日 (2/19) の新聞報道、厚生労働省からの説明、国会質疑、「働き方改革虚偽データ疑惑」ヒアリングなどでわかった情報と、あきらかにすべきことのリスト を照らし合わせてみよう。

(A) 「平均的な者」とは「最も多くの労働者が属すると思われる時間外労働時間数の層に属する労働者」という定義でよいか。この定義は裁量労働制の労働時間の状況にも適用されるのか。

一般労働者については「最も多くの労働者が属すると思われる時間外労働時間数の層に属する労働者」を「平均的な者」として選ぶよう指示されていたようだ。

裁量労働制については、どうやら調査要領等には 「平均的な者」という以上の指示はなかった ようだ。ただし、前回の2005年調査の時に兵庫局から、労働裁量制の対象労働者の「労働時間の状況」の記入の仕方について疑義があり、それに対して「1日で見て最も多くの労働者が属すると思われる労働時間の層に含まれる労働者の労働時間を書くこととする」と回答したということである。しかし、今回の2013年調査ではそのような指示をおこなった記録は出てきていない。

なお、この兵庫局からの疑義においては「1か月のトータルで見て平均的な者を書くのか、1日で見て平均的な者を書くのか」となっており、そもそも「平均的な者」ということばを「最頻値の階級に属する者」として理解してのものかどうか不明。

また、一般労働者でも裁量制労働者でも、「時間外労働時間数の層」というのが何を意味するのか (たとえば1時間刻みなのか) はわからない。たとえば「ゼロ」と「30分」はおなじ層に属することになるのか、ちがうのか……

(B) 労働時間記録等の確認作業は全事業場でおこなったのか、一部だけか。一部だけとすれば、どのようなケースで、どれくらいの割合か。

これは、全事業場でおこなったということでいいのかもしれない。書類には正確にそう書いてある部分はみあたらないのだが、黒塗りの部分にあるのだろうか?

(C) 「一般労働者」の1日の法定時間外労働のデータには、階級わけしたうえで一定の階級値を機械的にあてはめた数値が混在していると推論できるが、そのような理解でよいか。

厚生労働省の説明を信じるかぎり、データは労働時間の値を ((B) の方法で) 書きとったものであり、その平均が http://d.hatena.ne.jp/remcat/20180214/heikinteki の方法で算出できてしまうのは単なる偶然、ということのようである。

https://www.minshin.or.jp/article/113122 に素データがあるようなので、そちらを分析すればもうちょっと何かわかるかも。

(D) 「母集団に復元」するためのウェイトはどのように算出したか。また、表側のカテゴリーのなかで、サンプル中で過大/過小に代表されていたものはどれか

これはまだ不明。ただ、https://www.minshin.or.jp/article/113120 からリンクされている「「働き方改革虚偽データ疑惑」野党合同ヒアリング 厚生労働省文書」によればつぎのようになっており、ウェイト付きで集計した場合には、週の法定時間外労働は4割に、月の法定時間外労働は7割にそれぞれ減ることがわかる。

1週及び1月の時間数と1日の時間数との間に整合性がないとされていたことについては、1週の2時間47分及び1月の8 時間5分については母集団に復元した値であり、1日の1時間37分については単純集計した値である。仮に1週及び1月の数値を単純集計した値にすれば、それぞれ4時間5分、11時間20分となる
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「働き方改革虚偽データ疑惑」野党合同ヒアリング 厚生労働省文書 (p. 2)

http://htn.to/iBEUNa

つまり「労働時間等総合実態調査」においては一般労働者の平均的な者の労働時間の長い事業場をかなり過大に抽出して調査していた (月の労働時間よりも週の労働時間でその傾向が顕著)、ということになる。どういう調査設計でそうなったのか、また裁量労働制の場合の労働時間についても同様のことがいえるのかは不明である。

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