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2018-03-19 労働時間等総合実態調査 (1995-2013) 資料

[2018-03-20 1995年度調査の情報を追加したので日記タイトル変更しました]

厚生労働省 (2000年度以前は労働省) による「労働時間等総合実態調査」について、公表されている資料のまとめ。

これら以外の情報源 (とくに2013年度について) は http://tsigeto.info/mhlwdata/ を参照。

1995年度労働時間等総合実態調査

[このエントリは2018-03-20に作成]

1996年第136回国会において、1995年度調査についての答弁がある:

労働省が行いました労働時間等総合実態調査結果、これは平成七年の五月、六月に実施したものでございますが、これによりますと、週四十時間達成事業場の割合は三八・七%というふうになっているところでございます。
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国会会議録 (1996) 第136回国会 参議院 中小企業対策特別委員会 第3号 (3月15日)。労働省労働基準局賃金時間部労働時間課長の発言。

http://kokkai.ndl.go.jp/SENTAKU/sangiin/136/1800/13603151800003a.html

この第136回国会では、このほか、参議院労働委員会で 2月27日4月9日 に、1995年度調査について、「週四十時間達成事業場の割合は三八・七%」という数値が言及されている。

1996年度労働時間等総合実態調査

1996年度調査について解説した記事・資料はみあたらないが、その後の調査結果をあつかった記事のなかに言及がみられる:

1997年度労働時間等総合実態調査

『労働基準』12号の記事 (1997年12月) に、1997年度調査についての記事がある。

1 調査の概要
(1) 本調査は平成九年五月及び六月に全国の労働基準監督署の労働基準監督官が事業場を訪問する方法により実施したものである。
 なお、調査結果はサンプルをそれぞれの業種、規模ごとに母集団に復元したものである。
(2) 調査対象は、無作為に選定した一六、九三二事業場で、調査票の回収率は一〇〇%である。
(3) 前回調査は平成八年四月及び五月に行った。
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(1997) "週四〇時間達成事業場が前年度より三七・五ポイント増加: 平成九年度労働時間等総合実態調査の結果がまとまる". 労働基準. 12: 12-13.

http://id.tsigeto.info/remcat/1997:AN0018785X:12:12

このあと、「2 調査の結果」として、週所定労働時間についての結果だけが示されている。表1枚 (上段が1996年度、下段が1997年度で、週所定労働時間40時間の達成事業場の割合が、業種 (1-6号, 8-15号, 17号) と事業場規模 (5区分) ごとに表示される)。文章部分では、前年度にくらべての比率の増減がいちいち書かれている (4項目)。

『労使の焦点』205号の記事 (1997年11月) では週所定労働時間40時間の達成事業場の割合が文章と表で示される。上記の『労働基準』12号記事の「2 調査の結果」部分とまったく同一内容である模様。((1997) 平成9年度労働時間等総合実態調査 (所定労働時間): 労働省発表・平成9年10月9日. 労使の焦点. 205: 14-15.)

『女性と労働21』23号に、詳細な報告が載っている。記事はふたつにわかれている。

ひとつ目の記事:

 この調査は、週四〇時間労働制移行後の労働時間の実態を把握することを目的として実施したものである。
 調査及び調査結果の概要は以下のとおりである。

I 調査の概要

1 調査対象は、労働基準法第8条第1号から第6号まで、第8号から第15号までおよび第17号の業種に該当する主として民営事業場のうちから、業種・規模ごとに都道府県に配分した数を基に、各都道府県労働基準局において無作為に選定した一六、九三二事業場 (有効回答率一〇〇%) である。

2 調査は、平成九年五月及び六月に全国の労働基準監督署の労働基準監督官が事業場を訪問する方法により実施し、調査対象期日は、原則として調査実施時点としている。
 なお、調査結果は母集団に復元したものを表彰している。
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(1997) "平成9年度労働時間等総合実態調査 (所定労働時間) 結果 (1): 労働省 平成九年九月". 女性と労働21. 23: 55-57. (p. 55)

http://id.tsigeto.info/remcat/1997/13436902/23/55

このあと、「II 調査結果の概要」では週所定労働時間の状況が報告される (「前年度」の数値を併記している)。

ふたつ目の記事:

この調査は、今後の労働時間法制及び労働契約等法制の在り方に係る検討に資するため、労働時間、就業規則等の実態を把握することを目的として実施したものである。
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(1997) "平成9年度労働時間等総合実態調査結果 (2): 労働省 平成九年九月". 女性と労働21. 23: 58-74. (p. 58)

http://id.tsigeto.info/remcat/1997/13436902/23/58

このあとの「I 調査の概要」の説明は ひとつ目の記事 と同様。

「II 調査結果の概要 (週所定労働時間を除く)」では、一年単位の変形労働時間制、時間外・休日労働に関する協定についての報告のあと、「月間の法定時間外労働の実態」として、「最長の者」「平均の者」についての報告がある。

(5) 月間の法定時間外労働の実態 (最長の者)
 月間の法定時間外労働が最長の者について月間の法定時間外労働の平均は、二六時間三七分となっている。
〔……〕
(7) 月間の法定時間外労働の実態 (平均の者)
 月間の法定時間外労働が平均的な者について月間の法定時間外労働の平均は、一六時間五二分となっている。
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(1997) "平成9年度労働時間等総合実態調査結果 (2): 労働省 平成九年九月". 女性と労働21. 23: 58-74. (p. 68)

http://id.tsigeto.info/remcat/1997/13436902/23/58

「法定休日労働日数の実態」についても同様に「最長の者」「平均の者」についてそれぞれ1項を割いて結果を説明している。

いずれも、「最長の者」についてだけ表が出ている。法定時間外労働を示した表25 (p. 67) では、「10時間以下」「10時間超15時間以下」「15時間超20時間以下」……「80時間超100時間以下」「100時間超」のような区切りで%が表示され、右端に平均時間がある。

法定時間外労働、法定休日労働ともに、「月間」の数値だけが報告されている。「日」「週」「年」などの数値は出てこないが、調査中にふくまれていたのかどうかは不明である。

このふたつ目の『女性と労働21』記事には、1996年度調査の結果は出てこない。

1998年度労働時間等総合実態調査

1998年度調査については、『賃金・労務通信』32号 (1998年11月25日) の記事だけが見つかる。

 昨年4月にわが国の労働時間法制は全面的に週40労働時間制に入った。労働省がこのほどまとめた労働時間等総合実態調査によると、98年度の週所定労働時間は、1事業平均で39時間4分、労働者1人平均では39時間2分となり、それぞれ22分、16分の短縮となった。また、来年3月31日まで週46時間の特例措置の対象となっている1〜9人の商業サービス業4業種の40時間達成割合は6割に達していない状況で、進展が求められる。
〔……〕
調査の内容
 >98年度「労働時間等総合実態調査」は、週40時間制移行後の、その定着状況など労働時間の実態を把握するため労働省 (時間課) が実施。
 >調査対象は労基法第8条の1〜6号、8〜15号、17号 (表2を参照) の業種に該当する民営事業場から一定の方法で選んだ2万930事業場 (うち特例措置対象事業場は8077事業場)。
 >調査は98年4月と5月に全国の労働基準監督署の監督官が事業場を訪問して実施。原則として98年4月1日時点の実態を調査。調査結果は母集団に復元したものである。
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(1998) "40時間達成の特例措置事業場は6割弱: 44時間は8割が達成、労働省が週40時間の達成状況を調査 (98年度労働時間等総合実態調査 (労働省))". 賃金・労務通信. 32: 8-11. (p. 8)

http://id.tsigeto.info/naid/40005087807

結果については、所定労働時間に関する数値だけを掲載している。表中では 1997年度調査 とならべて結果を表示している。文中では、1997年度との比較だけでなく、1996年度 の結果に言及する箇所もある。

2000年度労働時間等総合実態調査

2000年度調査については、『労務事情』『労務管理』『労働基準広報』の3誌に記事が載っている。

まず『労務事情』984号 (2001年4月15日) から:

 標記調査は、中央労働基準審議会 (中基審) における検討用資料として実施されているもので、平成12年度版 (速報) は、昨年10月の中基審で発表された。
 12年度版の調査項目は、(1)週所定労働時間、(2)時間外・休日労働および深夜労働に関する労使協定締結状況、限度基準の適用状況、割増賃金率、(3)賃金台帳の調製、記入状況等々である。
 この種の労働時間に関する大規模調査は、労働省 (現在の厚生労働省) の「賃金労働時間制度等総合実態調査」が一般的であるが、本調査は行政の政策立案・推進のためのデータとして利用することを目的としているため、かなり詳細な調査内容となっている。その分、企業の担当者にとってはズバリ知りたいところが集約されているので利用価値は高いといえよう。以下に全文を紹介する (表は一部抜粋)。
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(2001) 労働省. "[特集資料2] 「1年単位の変形制を導入している」事業場は31.6%: 平成12年度労働時間等総合実態調査結果(速報)" (特集 「新・労働時間管理」マニュアル). 労務事情 984: 22-32. (p. 22)

http://id.tsigeto.info/naid/40003915147

「本調査は行政の政策立案・推進のためのデータとして利用することを目的としている」とあり、単に実態を把握するためのものではなくて政策立案目的であること、具体的には中央労働基準審議会で資料として検討対象になったことがわかる。「中央労働基準審議会 (中基審) における検討用資料として実施されているもので」という表現から、1998年度以前の調査も同様に中央労働基準審議会で利用されてきたことがうかがえる。「全文を紹介する」となっているので、この記事はこの審議会で実際に検討対象となった資料と文章は同一ということであろう。「平成12年度版 (速報)」となっているので、その後に正式の報告書が出た可能性があるが、それは見つからない。

調査の説明はつぎのとおり:

I 調査の概要

1 調査対象
 調査対象は、労働基準法別表第1第1号から第5号まで、第6号のうち林業、第8号から第15号までおよびその他の事業に該当する主として民営事業場のうちから、業種・規模・地域別事業場数を勘案して対象事業場数 (21,079事業場。なお、特例措置対象事業場は全体のうち7,968事業場である) を決定し、具体的な事業場はこれをもとに各都道府県労働局において無作為に選定した。

2 調査方法
 調査は、平成12年5月および6月に全国の労働基準監督署の労働基準監督官が事業場を訪問する方法により実施し、原則として平成12年4月1日時点の実態を調査している。なお、調査結果は母集団に復元したものを表章している。
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(2001) 労働省. "[特集資料2] 「1年単位の変形制を導入している」事業場は31.6%: 平成12年度労働時間等総合実態調査結果(速報)" (特集 「新・労働時間管理」マニュアル). 労務事情 984: 22-32. (p. 22)

http://id.tsigeto.info/naid/40003915147

「II 調査結果の概要」では「週所定労働時間の状況」「時間外・休日労働に関する労使協定」「時間外・休日労働の限度基準の適用状況」「割増賃金率」「賃金台帳」の順に結果が紹介される。これらのうち「時間外・休日労働の限度基準の適用状況」が法定時間外労働の実際の時間を調べた結果であるが、そこに興味深い記述がある。

4 時間外・休日労働の限度基準の適用状況

※「最長の者」とは、調査月における所定外労働時間が最も多かった労働者のことをいい、「平均の者」とは、調査月において最も多くの労働者が属すると思われる所定外労働時間の層に属する男性労働者のことをいう。
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(2001) 労働省. "[特集資料2] 「1年単位の変形制を導入している」事業場は31.6%: 平成12年度労働時間等総合実態調査結果(速報)" (特集 「新・労働時間管理」マニュアル). 労務事情. 984: 22-32. (p. 29)

http://id.tsigeto.info/naid/40003915147

「平均の者」という用語について、「調査月において最も多くの労働者が属すると思われる所定外労働時間の層に属する」労働者とする定義がここではじめて出現する。それだけでなく、ここでは「男性労働者」に限定されている。「最長の者」には性別の限定はないので、「平均の者」だけについて、男性に限定して調査していることになる。そのあとの注釈では「通常の労働者」の定義について、1年単位の変形労働時間制の対象労働者のほか、旧女性保護規定対象者を除く、となっているので、その関係なのかもしれない。さらにそのあとには「なお、平成10年度の数値は、男性労働者について行った調査結果である。」とある (p. 29)。

法定時間外労働については、「1週」「月間」「年間」について、限度基準 (それぞれ15時間、45時間、360時間) を超える割合が、前回 (1998年度) の数値と比較をまじえて、文章で列挙されている。このときの「1週」をどうやって選んだかの説明はない。また「1日」の数値は出てこない。

『先見労務管理』1173号 (2001年3月25日) にも2000年度調査の解説が載っている。上記『労務事情』記事とおなじく、「速報」によるもののようだ。

 週所定労働時間や時間外・休日労働、深夜労働の割増率の状況などの把握を目的に厚生労働省が実施した「平成12年度労働時間等総合実態調査 (速報)」によると、事業場平均の週所定労働時間は38時間38分で、40時間以下である事業場の割合は90.8%に上がることが分かった。また、時間外・休日労働に関する労使協定を締結している事業場は27.9%となっているほか、法定時間外・休日労働に対する増賃金率について、時間外労働は法定どおり「25%」とする事業場は89.9%、休日労働も法定どおり「35%」とする事業場は86.0%などとなっている。
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(2001) "平成12年度労働時間等総合実態調査: 事業場平均の週所定労働時間は38時間38分 (厚生労働省調べ)" (データファイル). 先見労務管理. 1173: 26-35. (p. 27)

http://id.tsigeto.info/naid/40002207263

文章は『労務事情』記事とほぼおなじである。ただし各項目の最初に注目点が太字で書いてあったり、注釈事項を枠で囲って本文と区別するなど、レイアウト上の工夫がある。載っている表はかなりちがう。

『労働基準広報』誌は、1347号 (2000年11月21日)、1348号 (2000年12月1日)、1352号 (2001年1月21日)の3回にわたって、2000年度調査をとりあげている。内容は時間外労働・休日労働に関する労使協定と割増賃金率である。時間外労働の実態に関する項目は言及されていない。

 「平成12年度労働時間等総合実態調査結果」は、週所定労働時間や時間外・休日労働及び深夜業の割増率の状況などを把握することを目的に実施されたもの。このほか、三六協定の締結状況・内容も細かく調査されている。本誌では、調査の中から、三六協定のうち時間外労働に関する締結内容、休日労働に関する締結内容、各割増率を順にとりあげていく。今号は、通常の労働者を対象とした時間外労働に関する締結内容を紹介する。
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(2000) "6割が1年の限度時間を360時間で協定" (労務資料 平成12年度労働時間等総合実態調査結果(1): 三六協定上の時間外労働の上限 (労働省調べ)). 労働基準広報. 1347: 18-21. (p. 18)

http://id.tsigeto.info/naid/40003869066

「平成12年度労働時間等総合実態調査結果」の中から、今回は1年単位の変形労働時間制における時間外労働協定の締結内容と、休日労働協定に関する締結内容をみる。三六協定における1ヵ月 (4週間) の法定休日労働の限度日数をみると、「2日」で協定している企業が最も多く、41.4%となっている。また、平均締結日数は1.8日となっていることがわかった。
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(2000) "4割の企業が法定休日労働を月2日で協定" (労務資料 平成12年度労働時間等総合実態調査結果(2): 三六協定上の法定休日労働の限度日数等 (労働省調べ)). 労働基準広報. 1348: 20-22. (p. 20)

http://id.tsigeto.info/naid/40003869068

 これまで2回にわたり紹介してきた「平成12年度労働時間等総合実態調査結果」の中から、最後に、時間外労働・休日労働・深夜労働の割増賃金率をみてみる。割増賃金率については、法定の割増賃金率を採用している企業割合が圧倒的に多く、時間外労働では89.9%、休日労働では86.0%、深夜労働では87.5%を占めていることが分かった。
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(2001) "ほぼ9割の企業が法定の割増賃金率を採用" (労務資料 平成12年度労働時間等総合実態調査結果(3): 時間外・休日労働、深夜労働の割増賃金率 (労働省調べ)). 労働基準広報 1352: 19-21. (p. 19)

http://id.tsigeto.info/naid/40003869080

厚生労働省作成のパンフレット 『所定外労働の削減に向けて:「所定外労働削減要綱」概要』 (日付記載がないがおそらく2001年) 中で、「所定休日労働の実績 (月間)」のグラフのデータ源が「労働省「平成12年度労働時間等総合実態調査」」となっている。

f:id:remcat:20180319153923p:image
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厚生労働省『所定外労働の削減に向けて:「所定外労働削減要綱」概要』(p. 3)

http://www.mhlw.go.jp/new-info/kobetu/roudou/gyousei/kinrou/dl/040324-8a.pdf

2002年度労働時間等総合実態調査

2002年度調査の情報は『労政時報』3566号 (2002年12月13日) と『労働法令通信』58巻8号 (2005年3月28日) に載っている。

厚生労働省は,労働基準法などの法制度の整備を進めるため,参考資料として「労働時間等総合実態調査」をまとめたので,概要を紹介する。

調査要領
1. 調査対象:民営事業場1万4931事業場を業種・規模・地域別事業場数を勘案して決定,具体的な事業場はこれを基に各都道府県労働局において無作為に選定
2. 調査方法:2002年4〜5月に全国の労働基準監督署の労働基準監督官が事業場を訪問する方法により実施し,2002年4月1日時点の実態を調査
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(2002) "関連資料 1 2002年度労働時間等総合実態調査: 時間外・休日労働に関する労使協定を締結している事業場は21.6%" (労働時間: 年休取得・時間外・割増率等の実態). 労政時報 3566: 46-51. (p. 46)

http://id.tsigeto.info/naid/40005484656

この『労政時報』記事では「時間外・休日労働に関する労使協定」「延長時間の設定状況」「1ヵ月 (4週) の法定休日日数の限度日数」「労働時間数の把握状況」についての結果が図表を中心に示される。時間外労働の実態に関する項目はあつかっていない。

つぎの『労働法令通信』の記事では、「週所定労働時間の状況」「時間外・休日労働に関する労使協定」の結果のあと、「時間外・休日労働の実績」「割増賃金率」がとりあげられる:

4 時間外・休日労働の実績
(1) 一週の法定時間外労働の実績 (最長の者及び平均の者)
〔……〕
(2) 一箇月の法定時間外労働の実績 (最長の者及び平均の者)
〔……〕
(3) 一年の法定時間外労働の実績 (最長の者及び平均の者)
-----
(2005) "<労働時間等総合実態調査> 週所定労働時間四〇時間以下の事業場は九一・一%: 特別条項付き時間外労働に関する労使協定締結事業場は一四・六%". 労働法令通信 58(8): 28-31. (p. 30)

http://id.tsigeto.info/naid/40006673791

「最長の者」「平均の者」の定義や、どの「一週」について時間外労働を調べたのかの説明はない。

2004年9月28日の 第35回労働政策審議会労働条件分科会 資料に「平成14年度労働時間等総合実態調査結果」がふくまれている (資料3-3)。

 本調査は、週所定労働時間や時間外・休日労働及び深夜労働の割増率の状況等を把握することを目的として、実施したものである。
 調査及び調査結果の概要は以下のとおりである。

I  調査の概要
 1  調査対象
 調査対象は、労働基準法別表第1第1号から第5号まで、第6号のうち林業、第8号から第15号まで及びその他の事業に該当する主として民営事業場のうちから、業種・規模・地域別事業場数を勘案して対象事業場数(14,931事業場。)を決定し、具体的な事業場はこれをもとに各都道府県労働局において無作為に選定した。

 2  調査方法
 調査は、平成14年4月及び5月に全国の労働基準監督署の労働基準監督官が事業場を訪問する方法により実施し、原則として平成14年4月1日時点の実態を調査している。
 なお、調査結果は母集団に復元したものを表章している。
-----
"平成14年度労働時間等総合実態調査結果" (第35回労働政策審議会労働条件分科会 資料3-3) (2004年9月28日)

http://www.mhlw.go.jp/shingi/2004/09/s0928-7/e.html

「法定時間外労働の実績」に関する説明はつぎのとおり:

4  時間外・休日労働の実績
※  「最長の者」とは、調査月における所定外労働時間が最も多かった労働者のことをいい、「平均の者」とは、調査月において最も多くの労働者が属すると思われる所定外労働時間の層に属する労働者のことをいう。
1)  通常の労働者に関する法定時間外労働の実績
※  この項の「通常の労働者」とは1年単位の変形労働時間制の対象労働者を除いた者をいう。
(1)  1週の法定時間外労働の実績(最長の者及び平均の者)(表25、26)
 最長の者において、時間外労働時間が限度基準で定める「15時間」以下である事業場割合は85.9%(平成12年度85.0%)となっている。平均の者においては、95.0%(同95.5%)となっている。
(2)  1箇月の法定時間外労働の実績(最長の者及び平均の者)(表27、28)
 最長の者において、時間外労働時間が限度基準で定める「45時間」以下である事業場割合は85.3%(平成12年度85.1%)となっている。平均の者においては、95.3%(同95.0%)となっている。
(3)  1年の法定時間外労働の実績(最長の者及び平均の者)(表29、30)
 最長の者において、時間外労働時間が限度基準で定める「360時間」以下である事業場割合は84.0%(平成12年度82.4%)となっている。平均の者においては、93.0%(同91.4%)となっている。
-----
"平成14年度労働時間等総合実態調査結果" (第35回労働政策審議会労働条件分科会 資料3-3) (2004年9月28日)

http://www.mhlw.go.jp/shingi/2004/09/s0928-7/e.html

2005年度労働時間等総合実態調査

2006年3月15日の 第52回労働政策審議会労働条件分科会 資料に「平成17年度労働時間等総合実態調査結果」がふくまれている (資料 No. 2)。

 本調査は、時間外労働及び休日労働の実態、割増賃金率の状況、裁量労働制の実態等を把握することを目的として、実施したものである。
 調査及び調査結果の概要は以下のとおりである。

I  調査の概要

 1  調査対象
 調査対象は、労働基準法別表第1第1号から第5号まで、第8号から第15号まで及びその他の事業に該当する主として民営事業場のうちから、業種・規模・地域別事業場数を勘案して対象事業場数(11,670事業場)を決定し、具体的な事業場はこれをもとに各都道府県労働局において無作為に選定した。ただし、裁量労働制に係る事業場数を一定数確保するため、専門業務型裁量労働制導入事業場及び企画業務型裁量労働制導入事業場を優先的に選定した。

 2  調査方法
 調査は、平成17年4月から7月に全国の労働基準監督署の労働基準監督官が事業場を訪問する方法により実施し、原則として平成17年4月1日時点の実態を調査している。
 なお、調査結果は母集団に復元したものを表章している。ただし、表47以降の裁量労働制に係る調査については実数に基づく調査結果である。
-----
厚生労働省 労働基準局 監督課 (2006) "平成17年度労働時間等総合実態調査結果" (第52回労働政策審議会労働条件分科会 資料 No. 2) (2006年3月15日)

http://www.mhlw.go.jp/shingi/2006/03/s0315-5c1.html

「法定時間外労働の実績」に関する説明はつぎのとおり:

5  時間外・休日労働の実績
※  「最長の者」とは、調査対象月における月間の時間外労働が最長の者のことをいい、「平均的な者」とは、調査対象月において最も多くの労働者が属すると思われる時間外労働時間数の層に含まれる労働者のことをいう。
1)  一般労働者に関する法定時間外労働の実績
※  この項の「一般労働者」とは1年単位の変形労働時間制の対象労働者及び限度基準適用除外業務等に従事する労働者以外の労働者のことである。
(1)  1週の法定時間外労働の実績(最長の者及び平均的な者)(表27、28)
 最長の者において、時間外労働時間が限度基準で定める「15時間」以下である事業場割合は85.9%(平成14年度85.9%)となっている。平均的な者においては、96.4%(同95.0%)となっている。
(2)  1箇月の法定時間外労働の実績(最長の者及び平均的な者)(表29、30)
 最長の者において、時間外労働時間が限度基準で定める「45時間」以下である事業場割合は85.2%(平成14年度85.3%)となっている。平均的な者においては、95.8%(同95.3%)となっている。
(3)  1年の法定時間外労働の実績(最長の者及び平均的な者)(表31、32)
 最長の者において、時間外労働時間が限度基準で定める「360時間」以下である事業場割合は82.6%(平成14年度84.0%)となっている。平均的な者においては、92.7%(同93.0%)となっている。
-----
厚生労働省 労働基準局 監督課 (2006) "平成17年度労働時間等総合実態調査結果" (第52回労働政策審議会労働条件分科会 資料 No. 2) (2006年3月15日)

http://www.mhlw.go.jp/shingi/2006/03/s0315-5c1.html

裁量労働制にかかわる調査結果の説明はつぎのとおり:

7  裁量労働制
〔……〕
3)  労働時間の状況
※  この項で「労働時間の状況として把握した時間」とは、労働基準法第38条の3第1項第4号又は第38条の4第1項第4号に規定する労働時間の状況として把握した時間をいう。
(1)  専門業務型裁量労働制(最長の者及び平均的な者)(表51、52)
 労働時間の状況として把握した時間の1日の平均時間は最長の者において、12時間38分となっており、平均的な者においては、9時間19分となっている。
(2)  企画業務型裁量労働制(最長の者及び平均的な者)(表53、54)
 労働時間の状況として把握した時間の1日の平均時間は最長の者において、12時間16分となっており、平均的な者においては、9時間24分となっている。
4)  年間の法定休日労働の実績
※  この項で「最多の者」とは、法定休日労働日数の合計が最多の者をいい、「平均的な者」とは、法定休日労働日数の合計が平均的な者をいう。
(1)  専門業務型裁量労働制(最多の者及び平均的な者)(表55、56)
 最多の者において「法定休日労働あり」の割合が33.7%、「法定休日労働なし」の割合が66.3%となっている。
 平均的な者においては「法定休日労働あり」の割合が17.8%、「法定休日労働なし」の割合が82.2%となっている。
 法定休日労働の日数を事業場数の割合でみると、「年2日」が最多の者において14.5%、「年1日」が平均的な者において35.2%と最も多くなっている。
(2)  企画業務型裁量労働制(最多の者及び平均的な者)(表57、58)
 最多の者において「法定休日労働あり」の割合が25.5%、「法定休日労働なし」の割合が74.5%となっている。
 平均的な者においては「法定休日労働あり」の割合が11.3%、「法定休日労働なし」の割合が88.7%となっている。
 法定休日労働の日数を事業場数の割合でみると、「年1日」、「年2日」が最多の者においてそれぞれ21.9%、「年1日」が平均的な者において37.7%と最も多くなっている。
5)  年間実労働日数の実績
(1)  専門業務型裁量労働制(最多の者及び平均的な者)(表59、60)
 年間実労働日数の平均日数は最多の者において254.2日、平均的な者においては240.7日となっている。
(2)  企画業務型裁量労働制(最多の者及び平均的な者)(表61、62)
 年間実労働日数の平均日数は最多の者において243.9日、平均的な者においては234.0日となっている。
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厚生労働省 労働基準局 監督課 (2006) "平成17年度労働時間等総合実態調査結果" (第52回労働政策審議会労働条件分科会 資料 No. 2) (2006年3月15日)

http://www.mhlw.go.jp/shingi/2006/03/s0315-5c1.html

この会議の際の議事録では、2005年度調査についてつぎのような説明がなされている:

○大西監督課長 議論に必要な資料につきましては当然、私どもで、できる限りというか、用意させていただきたいと思います。
 いま、アンケート調査が主体であったというような御指摘がありました。これは私の説明がちょっと具合悪かったのかなと思いますが、資料No.2「労働時間等総合実態調査結果」はアンケートではなくて監督署でやった調査で、私どもが見にいってきた結果です。それをグラフ化して16、17、18頁で「平均的な者」ということで取ってあるわけです。そこのグラフを詳細には御説明しませんでしたが、それぞれのデータはあるということを一つ御理解いただきたいことと、資料の説明は、ちょっと省略させていただいた部分もありますが、一応、監督署における指導事例等も、必要に応じて紹介させていただいております。今後ともそういったことでいろいろなデータを提供していきたいと考えております。
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"06/03/15 労働政策審議会労働条件分科会 第52回議事録" (2006年3月15日)

http://www.mhlw.go.jp/shingi/2006/03/txt/s0315-3.txt

2005年度調査の情報は『労働法令通信』2074号 (2006年4月8日)、『賃金事情』(2006年9月5日)、『労政時報』3688号 (2006年10月27日) に出ている。

 厚生労働省がこのほどまとめた2005年度の労働時間等総合実態調査結果によると、裁量労働制適用労働者数は企画業務型では1事業場あたり平均27.8人、専門業務型では1事業場あたり平均49.1人となっている。次に、企画業務型労働制適用労働者の労働時間の状況をみると、1日の平均時間は最長の者は12時間16分、平均的な者は9時間24分、専門業務型では、1日の平均時間は最長の者は12時間38分、平均的な者は9時間19分となっている。調査は、11,670事業場の原則として2005年4月1日時点の実態を、同年4月から7月に全国の労働基準監督署の労働基準監督官が事業場を訪問する方法により行われた。
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(2006) "裁量労働制適用労働者数 企画業務型は1事業場あたり平均27.8人: 専門業務型裁量労働制は49.1人/厚生労働省「労働時間等総合実態調査」". 労働法令通信 2074: 28-32. (p. 28)

http://id.tsigeto.info/naid/40007191884

 厚生労働省は,3月15日の労働政策審議会労働条件部会に検討用資料として本調査結果を配布・公表した。本調査は行政の政策立案・推進のためのデータとして利用することを目的としているため,かなり詳細なものとなっている。以下に,調査結果の主だった部分を紹介する。
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(2006) "2005年度 労働時間等総合実態調査: 一般労働者の法定時間外労働 月平均15時間 最長の者で25.5時間/裁量労働制適用者の1日の労働時間は専門業務型で9時間19分 最長の者で12時間38分". 賃金事情 2504: 41-49. (p. 41)

http://id.tsigeto.info/naid/40007387034

この『賃金事情』記事はタイトル部分に「一般労働者の法定時間外労働」の月平均と「裁量労働制適用者の1日の労働時間」(専門業務型) をならべて標記しており、これらの数値の対比が印象付けられる紙面になっている。

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(2006) "2005年度 労働時間等総合実態調査: 一般労働者の法定時間外労働 月平均15時間 最長の者で25.5時間/裁量労働制適用者の1日の労働時間は専門業務型で9時間19分 最長の者で12時間38分". 賃金事情 2504: 41-49. (p. 41 タイトル部分)

http://id.tsigeto.info/naid/40007387034

『労政時報』記事では、対象事業場のサンプリングに関して、他の資料にはない記述がある:

1. 調査対象:業種・規模・地域別事業場数を勘案して対象事業場数(1万1670事業場)を決定。ただし裁量労働制に係る事業場数を一定数確保するため、専門業務型裁量労働制導入事業場および企画業務型裁量労働制導入事業場を優先的に選定した。
2. 調査方法:2005年4月から7月に全国の労働基準監督署の労働基準監督官が事業場を訪問する方法により実施し、原則として2005年4月1日時点の実態を調査。
3. 利用上の注意:本調査では、調査対象事業場の規模別(1〜9人/10〜30人/31〜100人/101〜300人/301人以上)構成割合がおおむね同じになるように選定されている。このため、平均値算定等では、相対的に中小規模企業のウエートが高くなっている点に留意していただきたい。
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(2006) "2005年度労働時間等総合実態調査: 特別条項付き労使協定を締結している事業場は27.7%" (主要調査にみる労働時間管理の現状). 労政時報 3688: 99-107. (p. 99)

http://id.tsigeto.info/naid/40007458453

「中小規模企業のウエートが高くなっている点に留意していただきたい」という注釈は不可解である。この調査の結果はウェイト付けして母集団を復元した形で数値を出しているので、「留意」して読む必要はなく、そのまま母集団の値を推定しているものと考えてよいはず (裁量労働制に関する結果をのぞく)。

2013年度労働時間等総合実態調査

2013年度調査の結果は、2013年10月30日の 第104回労働政策審議会労働条件分科会 の際に 配布資料 2-1 として検討されている。調査方法などの説明は 2005年度調査 の資料と同様である。

議事録によると、説明はつぎのとおり:

○村山労働条件政策課長 それでは、本日の議題についてでございます。前回、労働時間法制の検討要請に合わせまして、論点、具体的には労働基準法改正の3年の見直し規定の内容ですとか、「日本再興戦略」等に盛り込まれました企画業務型裁量労働制等、各種労働時間制度、その他さまざまな事項につきまして御検討をお願いしたいということを申し上げました。労使からさまざまな御意見を頂戴したところです。
 あわせて、その際に検討のベースとして調査的監督と一般に言われるもの、すなわち労働基準監督官が全国の無作為抽出した事業場に足を運び、労働時間の実態調査をやっているので、第2回目の調査審議の際、事務局からとりあえずの集計結果を御報告申し上げたいということを申し上げたところでございます。
 その結果が取りまとまりましたので、本日は、まずその結果について御説明をしたいと思います。
 お手元の資料No.2−1「平成25年度労働時間等総合実態調査結果」です。
 1ページからです。
 最初に書いていますように、今回の検討の射程が、時間外労働や休日労働、あるいは割増賃金率、企業規模別も含めたそうしたものの状況実態、あるいはまた裁量労働制の実態等でございますので、そうしたことを把握することを目的としてこの調査を実施したということでございます。
 その概要について順次御説明をします。
 まず、「調査の概要」です。
 「1 調査の対象」は、6号の農林と7号の畜産・水産等を除いた労働基準法上の適用対象となる民営事業場ですので、地方公共団体等は対象にしておりませんが、それらのうちから、業種・規模・地域別事業場数を勘案して、対象事業場数を局ごとにどのように割り振るかを本省において決め、さらに具体的な事業場は各地方局において無作為に選定したということでございます。
 ただし、このやり方ですべての調査を行いますと、裁量労働制の実施事業場はそもそも限られておりますので、その数を一定確保するために、専門業務型裁量労働制と企画業務型裁量労働制を導入されている事業場に関しては優先的に選定している経緯がございます。
 「2 調査方法」です。
 調査は、1万1,575事業場を対象に、本年の4月から6月に、全国の労働基準監督署の労働基準監督官が実際に事業場を訪問し、臨検監督する手法によって実施しております。調査時点は、原則として平成25年4月の実態を把握しているものでございます。
 なお書きのところです。
 調査結果は母集団に復元したものを表章しておりますが、先ほど申しましたように、裁量労働制に係る調査に関しましては標本数が限られておりますので、実数に基づく調査結果ということになっております。
 また、企業規模分類の結果でございますが、1つの企業に複数の事業場が存在する場合には、複数の事業場調査結果を企業単位で加重平均は行わずに、そのまま集計・復元しております。
 あわせて、今回、労働基準法の月60時間超の法定の割増賃金率が、大企業と中小企業で分かれる形になりましたので、大企業、中小企業別の集計というのを相当数の項目において行っているところでございます。
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第104回労働政策審議会労働条件分科会 (2013年10月30日) 議事録。

http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/0000035473.html

このあと、調査結果について 資料2-1 に基づいて説明がおこなわれる。裁量労働制が適用される労働者の「労働時間の状況」の測定に関しては、つぎのような説明である。

 「3)労働時間の状況」で違和感を持たれる委員もいらっしゃるかもしれませんが、※印にも書いていますように、「労働時間の状況として把握した時間」は、指針等に書かれております健康・福祉確保措置等を講ずる観点から、入退室の時刻等を把握していただいておりますけれども、そうした形で把握した時間も含めた把握できる範囲の数字ということで見ていただければと存じます。
 その上で、「1 専門業務型裁量労働制(最長の者及び平均的な者)」でございますが、ここで言う「最長の者」というのは、1日の平均時間が最長の方の最長の日ということで見ていただければと思います。それが12時間38分。平均的な者の平均値のほうは9時間20分ということです。
 「2 企画業務型裁量制」は、最長の者は前回より34分減少して11時間42分。平均的な者が前回より8分減少して9時間16分ということでございます。
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第104回労働政策審議会労働条件分科会 (2013年10月30日) 議事録。村山労働条件政策課長による説明。

http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/0000035473.html

資料2-1 を最後まで説明したあと、「あわせて、資料No.2−2で少しポイントを絞ったポンチ絵風なものも配らせていただいております。」という村山労働条件政策課長の発言がある。この資料は調査結果をつぎのようなかたちに整理したものであり、法定時間外労働などについては平均値がまず表示される様式になっている。

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"平成25年度労働時間等総合実態調査 (主な結果)". 第104回労働政策審議会労働条件分科会 (2013年10月30日) 資料2-2。(p. 1)

http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12602000-Seisakutoukatsukan-Sanjikanshitsu_Roudouseisakutantou/shiryo2.2.pdf

この第104回の会議での委員からの質問について、次回の 第105回労働政策審議会労働条件分科会 (2013年11月18日) において 資料2-1「委員からの質問事項について」 が配布されている。議事録での説明はつぎのとおり。

○村山労働条件政策課長 それでは、ただいま御指示のありました資料No.2−1から御説明します。前回、多数の御質問、御意見を頂戴いたしましたけれども、クロス集計でお求めいただいたもののうち、割増賃金率関係は集計に時間を要するものですから、それ以外の回答・報告をこの資料に基づき、さしあげたいと思います。
 まず、調査対象事業場数です。前回は、裁量労働制の実施事業場以外に関しては、事業場センサスによって現実の産業別の雇用者数の分布等に復元して集計してデータを御報告したところです。その際に、そもそも調査対象事業場数自体の業種別の分布がどうなっているのかという点の御照会をいただきました。これについて、事業場数、あわせて実数の構成比についてお示ししているのが1ページ目ということです。
 各労働局等におきまして無作為に選んでおりますので、どこかに際立って偏っているわけではないということを御確認いただければと存じます。
〔……〕
 最後に、14ページでございます。調査それ自体の信頼性に関しまして御指摘がございました。これは、最初に申しましたように、ほとんどの調査項目に関しては、事業所サンサスを使って産業構造等が現実のものと平仄をとったものになるように復元しているわけでございますが、裁量労働制に関しましては、導入事業場数が僅少であるということもあって、管内の導入事業場を優先的に選定して実数調査し、その結果をそのまま掲出していることに関する御意見でございました。
 下の参考2にもございますように、そもそも専門業務型裁量労働制を導入している企業は、そういった業務があるという中ですので、全体の2.3%、企画業務型の裁量労働制が0.7%ということです。そうした中で、専門業務型裁量に関する協定届出が7,805件、企画業務型裁量に関する労使委員会の決議届が2,295件ということでして、それに対して調査事業場数がどのようになっているかが一番上の数字です。
 具体的には、専門業務型裁量労働制は1,016事業場、届出事業場数の約13%を網羅している。また、企画業務型裁量労働制について決議届が2,295件出ているうちで、756事業場に関しまして、今回の調査で臨検調査している。届出事業場の約33%であるということで、実施している事業場の相当のところを調べた上でのデータであるということは、御理解いただければありがたいと思いますし、この点を出発点として議論を深めていただければありがたいと考えております。
 雑駁でございますが、資料2−1の説明は以上でございます。
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第105回労働政策審議会労働条件部会 (2013年11月18日) 議事録。村山労働条件政策課長による資料説明。

http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/0000038159.html

「クロス集計でお求めいただいたもののうち、割増賃金率関係は集計に時間を要するものですから」という発言から、資料にふくまれていない集計表を委員からの要請に応じて出力することはできる体制にあること、しかし18日間で準備できるほどには迅速でないことがわかる。この「割増賃金率関係」の集計は、この次回 (第106回) の会議 で資料2-1として提供されている。

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第106回労働政策審議会労働条件部会 (2013年12月17日) 資料2-1. (p. 7)

http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12602000-Seisakutoukatsukan-Sanjikanshitsu_Roudouseisakutantou/shiryo2-1_4.pdf

2013年度調査の情報は『賃金事情』2667号 (2014年2月5日) にも載っている。タイトルのすぐ下につぎのような要約がある。

■■□法定時間外労働の実態は月平均8時間5分
■■□時間外労働に関する労使協定ありは49.7%
■■□割増賃金の代替休暇制度ありは11.7%、取得者数0.2人
■■□裁量労働制適用者の労働時間の実態は専門業務型で9時間20分
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(2014) "2013年度 労働時間等総合実態調査: 厚生労働省". 賃金事情. 2667: 24-33. (p. 24)

http://id.tsigeto.info/naid/40019956268

調査目的や方法等についての解説のあと、結果が報告される。項目別にポイントを整理した表が掲示されるが、これも平均時間に注意がいくような作りかたになっている。

f:id:remcat:20180302163637j:image:medium f:id:remcat:20180319172239j:image:medium
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(2014) "2013年度 労働時間等総合実態調査: 厚生労働省". 賃金事情. 2667: 24-33. (pp. 25, 26)

http://id.tsigeto.info/naid/40019956268

労働時間等総合実態調査1995-2013の変遷

[2018-03-20 1995年度調査の情報を加えたのでエントリ表題変更、文章を修正]

以上の情報 を総合して、労働時間等総合実態調査の過去8回の調査 (1995, 1996, 1997, 1998, 2000, 2002, 2005, 2013年度) の変遷をまとめておこう。

年度調査期間基準時点標本規模回収率審議会での使用
1995 5-6月 不明 不明 不明 不明
1996 4-5月 不明 不明 不明 不明
19975-6月原則として調査実施時点16,932100%不明
19984-5月原則として4月1日20,930不明不明
20005-6月原則として4月1日21,079不明中央労働基準審議会 (2000年10月)
20024-5月原則として4月1日14,931不明労働政策審議会労働条件分科会 (35回)
20054-7月原則として4月1日11,670不明労働政策審議会労働条件分科会 (52回)
20134-6月原則として4月1日11,575100%※労働政策審議会労働条件分科会 (104-106回)

(※2013年度については、素データ のケース数が標本規模と一致するので、回収率100%と推定)

1997年度以降については、労働基準監督官が事業場を訪問して調査をおこなう方法であることがわかっている。対象となる事業場は、地域・規模・業種の層別に抽出したようである。抽出確率が同一でない模様だが、詳細は不明。調査結果は、ウェイト付けして母集団を復元したものを%で表示している。ウェイト付けのない実数の表が出た例は、2018年2月の国会質疑に関わる資料 以外には確認できない。事業場においてどのような調査票等を使って聞きとったのか、根拠資料をどのように確認したのか (または確認しなかったのか)、情報が得られなかったケースがどの程度あるのかなどは一切報告されていない。

1998年度調査2000年度調査 では、一部の項目については、男性労働者に限定して調査したようであるが、詳細は不明。

月間の法定時間外労働の時間数については、 1997年度調査 において、「最長の者」「平均の者」の値が報告されている。「平均の者」について「調査月において最も多くの労働者が属すると思われる所定外労働時間の層に属する」という定義は 2000年度調査 ではじめてみられた。この2000年度調査では「1週」「月間」「年間」の値が報告されており、その後の調査でこれが踏襲されている。「調査月」とは4月のことを指すのか調査時点の直前1箇月なのか、「平均の者」を具体的にどのように選んだか、「1週」の法定時間外労働を記録する際の対象となる週をどのように選んだのかなどは不明。「1日」の法定時間外労働を調査したという報告は、いずれの調査についてもみあたらない。