古田ラジオの日記「Welcome To Madchester」

フリーライター・婚活ライター・婚活アナリスト、古田ラジオのブログです。

はてな村博物誌10「インターネット上京物語」

天は何も語らず歴史をして語らしむ*1


この辺を読んでみるとより面白いと思われるます。
コトリコ
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「真面目に取り組んで小説を書けば、おそらく芥川賞ぐらいは簡単に取れるだろう」
「真面目に取り組んでゲームを作れば、おそらく300万本RPG*2ぐらいは簡単に作れるだろう」
「真面目に取り組んで脱オタすれば、おそらくネゲットぐらいは簡単にできるだろう」
「真面目に取り組んで論壇政治を行えば、おそらく更科修一郎の取り巻きぐらいは簡単になれるだろう」
「真面目に取り組んで社会派ブログを書けば、おそらく小倉弁護士ぐらいの論客には簡単になれるだろう」
「真面目に取り組んで彼氏(彼女)との愛の日々を綴れば、おそらく簡単に非モテ論客のヒットリスト入りするだろう」


大都会・インターネットに住むほとんどの人がこういった想いをもってインターネットにやってきます。
その大都会・インターネットの中でももっとも殺伐とした街、それがはてなです。はてなは「はてな砂漠」もしくは「サザンクロスシティ」と呼ばれます。
今日も多くの自意識過剰たちがはてなに向います。「おら東京さ行くだ」ならぬ、「おらはてなさ行くだ」です。


番組では、「真面目に取り組んでブログを書けば、おそらくBlog Of The Yaeh!の大賞ぐらいは簡単に取れるだろう」と語った慶応大生に密着します。


「ネットデビューする前は、『自分が何者でもない可能性など、あり得ない』って思っていたんです」
と語る伊藤さん(仮名)。
「自分より明らかに才能も知能もない連中がアルファブロガーとしてデビューしていることに悶々としていました。」
「だから私がブログを書き始めたらすぐにホッテントリ入りしてブクマが300ぐらいつくと確信していました」
「初めて一月もあれば加野瀬未友*3越えだと。少なくとも池田信夫*4は超えられると思っていました。」
伊藤さんの顔には涙が浮かんでいる。
「でも、ネットデビューしてわかったんです。田舎(オフラインの事ね)では「変人」だった私も上京して驚きました。だってブログのエントリに「イッパツやらせろ」とか、「非モテヒットリスト」とか、きんのくわがた社の北澤強機記者だとか、そんなのばっかりなんですから。私はどれだけ普通の人間なんだと思い知りました。」
「むしろ私の自意識は一山いくらで売られているような至極一般的なもので、何一つ面白い事をかけないということに気づきました。私の自傷癖とか、ポエムとか、自殺願望とか、ぜつぼうとか、はてな砂漠の人たちにしてみれば「ああ、またね」って感じなんです。」
番組のインタビューに答えながら涙にむせぶ伊藤さん。


「それでも私の名誉欲は変わりませんでした。むしろ前よりもずっとちやほやされたい、ブクマされたい、と思うようになりました」
「そのうちに自分の写真を晒すようになりました。眼鏡をかけて、読みもしない岩波文庫の青ラベルを持って。そして、他のブロガーに難癖をつけるようになりました。「差別だ!」「中核派だ!」「脅迫だ!」と。その上で、裏では某アルファブロガーネゲットされました。彼は私のブログに定期的にトラバをしてくれるようになりました。笑ったのが、私がある日「Sound Horizonにまんま影響*5を受けたポエム」を書いたらそれに彼が「クリエイターの未来!」っていってトラバしてきたことです。」


そういって笑う伊藤さん。そんな伊藤さんの幸せは長くは続きません。
「ばれちゃったんですよ。ネゲットが。アルファブロガーとの仲をばらされて、「サークラ」のレッテルを貼られました。それでも構わなかったんです。アクセスさえあれば。ところが、そのうちアクセスすらほとんどなくなりました。私のポエムも昔はあんなにブクマがついたのに。決定的だったのは、「はてなダイアリーを書いてる人たちって本当にどうしょうもないな」とブログに書いてしまったことです。おかげではてなの人たちからは総スカンです。」
伊藤さんはその後、大人しく慶応大学の史学科で勉強を続けているという事です。


むかしむかし、神様は偉大な王にこう問いました
「この世で最も素晴らしいことはなんですか?」
すると王はこう答えました
「毎日、何万もの魂が死のすみかに消えていくのに
誰もこの事実を信じていない・・・」


Kula Shaker「Strangefolk」


この項、了

*1:仲谷昇さん追悼

*2:飯野賢治の事は・・・恐らく言っていませんよ!

*3:敬称略

*4:敬称略

*5:つうことにしとこう