ブリッジ・オブ・スパイ

監督:スティーヴン・スピルバーグ

スピルバーグの職人というか円熟味というか、そういった熟練の技を噛みしめた気分。正直ハラハラするようなスパイ戦とかそういうのはない。どっちかといえば地味。でも本当のスパイ戦なんてこんなものなのかもしれない。マーク・ライランスよりもむしろトム・ハンクスの安定感、ザ・アメリカと言える演技が地味だけど最後まで引きつけられた部分が大きい。そして終盤がやはりいい。橋での友情のようなやりとりから帰国、帰宅後に家族に知られるとこ、バスの中の視線のやりとり、塀を越える少年たちに思いを寄せるカット。とても余韻のある一連の流れが深い味わいを醸し出す。