祈りの幕が下りる時

監督:福澤克雄

途中まではまあ良かったのだが、終盤の過剰な泣かせが延々と続き、どうにも辟易した。押し付けがましくて、逆に泣けなかった。あと一か所非常に無理のある展開があり、そこがどうにも納得できず、気持ちよく謎解きを味わえなかった。序盤のテロップ表示もいただけない。まあでも阿部寛の佇まいや意外と溝端淳平がイケメンで好演していて、いいコンビではあった。

スリー・ビルボード

監督:マーティン・マクドナー

いろいろな問題を複合的に提示して、観てる間圧迫感があった。ひとつの火種が負の連鎖のように広がり、負の感情が町を覆い、映画を覆い居心地の悪さが半端ない。そして反転する構造が巧い。被害者の母がとたん悪者になったり、糞野郎が善に目覚めたりと行ったり来たり感情を揺さぶる。サム・ロックウェルの胸をすくような演技にちょっと興奮した。西部劇のようなテイストもあり、ラストふたりはどういう答えを出したのだろうか。