アイヌ語の入門本を買ってみました
昨日は病院に行く関係で広島市内に行ったついでに、いくつか本を買いました。
ますは「CDエクスプレス アイヌ語」
- 作者: 中川裕,中本ムツ子
- 出版社/メーカー: 白水社
- 発売日: 2004/01
- メディア: 単行本
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以前からアイヌ語については、
- 子音の数が少ない。母音の数は標準(5個)程度。
- 音節はCVかCVC。
- 文法が日本語とかなり異なる。英語とかとも違ってるっぽい。
- 日本語とは別系統っぽい。*1
とりあえずパラパラめくってみた&最初のほうをやや詳しく見てみた結果、新たに
- 語順はSOV。
- 後置詞を使うっぽい。
- 動詞に人称接辞がつき、一種の人称変化をする。
- 時制等は無し?
といった感じっぽいです。
まずは語順がSOVということについて。これは日本語と同じですが、SOVという語順は世界で最も多い語順だとされており、アイヌ語もこの点ではごく標準的な言語ということになります。なお、二番目に多いのはSVO(英語、中国語等)だとされており、SOVとSVOとで世界の言語の9割くらい(95%くらいだったかも)を占めているらしいです。なお、三番目に多いのはVSOで、それ以外の語順は極めて少ないようです。
次に後置詞を使うという点について。SOV型言語は後置詞を使う場合が多いとされていますが、SOV型言語は今まで「ウラル・アルタイ語族*2」に属するという説のある言語と、インド・ヨーロッパ語族に属する言語(ラテン語、ペルシア語等。但しこれらの言語は前置詞を使ってたハズ。)しか見ていなかったので、その両者にも属さず且つ後置詞を使う言語を見れて、微妙に感動。
動詞に人称接辞がつき、一種の人称変化をする点について。人称変化する言語は今まで、西アジアとかヨーロッパとか西方の言語しか知らなかったので、極東の言語でそれと似たような特徴を持った言語があることに微妙に感動。しかし、動詞に何らかの人称を表す何かがつく言語としては、確か一部で日本語と同系統だと言われているトルコ語についてもそういうのがあったような。日本語や中国語や現代英語みたいに動詞が人称を原則表さない言語は、実は少数派なのかも、という気がふとしました。ついでにアイヌ語の人称変化は、印欧語の人称変化とアイヌ語の人称変化を足して2で割るとセム語(アラビア語、ヘブライ語等)の人称変化っぽくなる、といった感じの人称変化な気がします。
時制無しという点について。日本語や英語等から見ると異常なように見えますが、要するに文脈から判断すれば良いことです。昔どこかの新聞の書評欄か何かで「○○人の言語には時制が無い。つまり○○人には過去・現在・未来といった時間の概念が無いのだ」といったことが書いてあるのを見たことがある気がしますが(○○人が何人だったかは忘れたけど、アイヌ人じゃなかったハズ)、文法に無いだけで時間の概念そのものを持ってないことにはなりません。なお、日本人には馴染みの深い、そしてかつては少なからずの人が日本語より優れた言語だと思っていた*3漢文にも時制は無いようです。聖書ヘブライ語にも、完了・不完了の相(アスペクト)はあっても現在・過去・未来の時制はありません。時制の無い(文脈から判断する)言語ってけっこう一般的なのかもですね。日本語・英語・中国語等で動詞の人称を、動詞そのものではなく原則として文脈から判断するのと、ある意味似たノリなのかもしれません。
ともかくもアイヌ語は日本語・朝鮮語・アルタイ諸語のような諸言語とも、印欧語族とも、アフロアジア語族(セム語等)ともかなり雰囲気の違うようなので、詳しく勉強してみたいです。「CDエクスプレス」はけっこう薄くて、文法解説についても不十分である旨が断ってありますが、まずは「CDエクスプレス」を極めてから次のステップへGOですね。(極められるのはいつになることやら。。。)
で、次にゴーゴリの「外套」の対訳本。
- 作者: ゴーゴリ,吉原武安
- 出版社/メーカー: 大学書林
- 発売日: 1963/11/01
- メディア: 単行本
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この対訳シリーズ、欲しいと思いつつも以前の自分のロシア語力ではレベル高すぎて&本当に欲しい作品がイマイチ見当たらなくて、今まで買えてませんでしたが、昔に比べればロシア語力も少しはついてきて、また今回ゴーゴリの「外套」があったので入手ということにしました。で、さっそく少し読んでみましたが、8ページ(ロシア語本文2ページ目)にさっそく誤植発見。恐らくは1963年に初版本が出て以来、多くの方がこの誤植を指摘され、そのたびに出版社は「次の改版で直します」と言ってきたことでしょう。しかし恐らくは40年以上にわたり、その「次の改版」が行われる機会は現れていないものと思われます。。。「平成16年10月20日 第6版」となってはいますが。。。
ともかくも、誤植探しを楽しみつつ、ちょくちょく読んでいきたいと思います。
その次はNHKラジオ「ロシア語講座」の9月号。最近ラジオ聴けてないけど、9月中に再開できるか!?(汗
最後に「NANA 16巻」。
- 作者: 矢沢あい
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2006/09/15
- メディア: ペーパーバック
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漫画もっと本格的に買いたいけど本棚が足りん。。。15巻以前のNANAは西条越してきて以来未だ袋の中です。。。