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副長日誌 - 私的記録

2009-01-09

クルーグマン:恒星間貿易の理論 - P.E.S.

 経済学的な面について考察できる素地はないんで、もっぱらSF的な面について。ブクマでも「何」の貿易なら恒星間でも引き合うか、は考察の外か、残念*とコメントしたけど、実際、恒星間を移動するエネルギー(にかかるコスト)に見合う交易品って、ちょっと思いつかないんだよな。*1 商業レベルで恒星間飛行を行える技術水準でそれだけのエネルギーを使えば、設計図さえあれば複製できないものはないように思える。可能性があるとすれば「複製では意味がない」「オリジナルであることに価値がある」芸術作品の類ぐらいだろう。

 で、もう一つだけ可能性があるのは、d-ffさんが唯一価値ある積荷は情報*とコメントされているように、その「設計図」そのもの、つまり情報だろう。が、これも考えてみると悩ましい。もちろん想定している舞台の設定次第なんだけど、元のクルーグマン論文が想定している宇宙では、情報のやりとりは光速で自由に行え、宇宙船は亜光速でしか飛行できないらしい。だとすると情報は通信でやりとりすれば済んじゃうんだよな。

 情報を宇宙船で運びたいような状況があり得るとすると、通信の傍受と暗号解読の技術が非常に進んでいて、貿易のネタになる、つまり金になるような情報を通信でやりとりしては他人に儲けをかすめ取られるような状況かな。しかしその場合でも通信で送ることには情報の鮮度というアドバンテージがあるよなぁ。お、そうか、じゃあ宇宙船で運ぶものは、送りたい情報に比べて充分に長い乱数表だけにして、情報自体は使い捨ての乱数、つまり事実上無限長の鍵で暗号化して送信すれば良いんだ。*2 

 というわけで、クルーグマン宇宙では芸術品と乱数表を積んだ交易船が飛び交う、ということになりました。とか言いつつ、惑星間、恒星間貿易について考えるスレあたりとネタが被ってないか、戦々恐々。

水森サトリ『星のひと』(集英社)

 リアル世界のちょっと心温まるいい話か、はたまた草太・草一郎ペアのような謎存在が実在するファンタジー世界での奇人変人大集合か。どっちにせよ、青春小説だねぇ。おっさんはモゾモゾしながら読みましたよ。

星のひと

星のひと

*1:というかそもそも、FTL航法による所要時間とエネルギーの劇的な削減がない限り、科学探査と移民以外の恒星間移動って割に合わないんじゃなかろうか。

*2:無限長の鍵での暗号化が解読できないってのは技術的な制約じゃなく数学的なもんだから、たとえ恒星間文明でも解読できはせんだろう。

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