木ノ歌詠(瑞智士記)×2

木ノ歌詠『カラっぽの僕に、君はうたう。―フォルマント・ブルー』(富士見ミステリー文庫)

 しもた、世間様でボーカリストとやらがブームになる前に読んでおくのであった。ネタor色物臭を勝手に読む側が嗅ぎ取ってしまって、素直に楽しめないではないか。しかしこのエンディング、これがオリジナルバージョンなのかそれとも編集サイドの指示による改稿の結果なのか、ひじょーに気になる。もちろん本の形になって世に出た以上はこれが唯一のバージョンだとも言えるし、*1 これはこれでよい読後感ではあるんだけど、この作者のこれ以降の作品を読む限りは、奇跡→ハッピーエンドを素直に書くタイプには思えないんだよなぁ。もちろん、《Ⅰ》パウゼと《Ⅳ》ガルバの命運は充分に無惨だけど。

木之歌詠『熾天使たちの5分後』(富士見ミステリー文庫)

 ああ、このモチーフを元にもうちょっと高い年齢層を想定してリメイクすると『ライラプス』になるのかな。いろいろと一冊では出し切れない設定とかバックボーンとかあったみたいだけど、この続きを書くよりも、野郎が出てこなくてもLOVE寄せにこだわらなくてもOK、な方向へ転身したのは、結果的に正解な気はするな。

熾天使たちの5分後 (富士見ミステリー文庫)

熾天使たちの5分後 (富士見ミステリー文庫)

*1:と思ってたら『フォルマント・ブルー リミックス (仮)』なんてものが予告されてた……