瀬尾つかさ『白夢(スノーミスト) 4 雲壁の彼方へ』(富士見ファンタジア文庫)

 え、おい、ちょっと、何このエンディング。一瞬素直に「ああ、『帰ってきた』エンドか。ベタやけどええ感じや」と思ったが、良く読むと、なんか違うよ。なんで複数箇所の、しかも人口密集地を選んで出てくるんだ? まさか「帰ってきたけど、余計なやっかいごとも連れてきちゃいました」ってことか?
 というわけで、まだまだ書きたいことがいっぱいあって続けたいという作者の気持ちが痛いほどよく伝わってくる最終巻でした。うー、面白く読めたんだけど、やっぱできればこの作者なんだから、たかが東京都心部が一週間ほどだけ閉鎖なんてしょぼい事件で終わらせず、もっと豪快に風呂敷を広げまくらせてあげたかったなぁ。トナの出てる短編の文庫化も望み薄だろうなぁ、悲しい。

白夢4  雲壁の彼方へ (富士見ファンタジア文庫)

白夢4 雲壁の彼方へ (富士見ファンタジア文庫)