永野のりこ『電波オデッセイ』

電波オデッセイ(1) (fukkan.com)

電波オデッセイ(1) (fukkan.com)

電波オデッセイ(2) (fukkan.com)

電波オデッセイ(2) (fukkan.com)

電波オデッセイ(3)(完) (fukkan.com)

電波オデッセイ(3)(完) (fukkan.com)

ASCIIコミックスで全部持っているのでどうしようかなあと思っていたが、復刊ドットコムの中の人がTwitterで、作者本人がとても乗り気なので乞うご期待、というようなことを書いていたので買うことに。1巻と2巻にはオマケがつくというので、復刊ドットコムから直接買った。
そのオマケだけれども、確かに作者の魂がこめられた素晴らしいもので、直筆のカラー挿絵、プリンタで印刷したカラーのポストカード、そして直筆カラー色紙。それらのすべてにサインと「ひとこと」が書かれている。なんかこんなにいいモンもらっちゃっていいのかなーなんて思ってしまうくらい。
3月から、2ヶ月に1冊ペースで発売されるということだったけど、途中で震災があったりしてどうなるかと思ったが、予定通りに刊行された。だからそれぞれの巻は発売と同時に入手していたのだけど、3冊まとめて読もうと決めていた。
久しぶりに一気に全部読み直したわけだけど、内容はちっとも古びていない。ギャグもとてもキレがあるし、登場人物それぞれの思春期特有の感情表現も瑞々しい。彼らが中学校を卒業した後もしばらく話が進むというのは当時ちょっと驚いたのだけど、これはやはり必要なエピソードだったんだな。というのも、卒業してめでたしめでたし、で済むようには世の中はなっていないから。ということを描き続けた作品だから。そして、このエピソードがあってこそ、主人公の解放が、赦しが、そして希望が得られる。
さらにこの復刻版の各巻の巻末には、この物語から十数年後の、つまり今現在の登場人物たち(一部だけれど)の姿が描かれる。これがまた、単なる後日談にとどまらない、いい話なのだ。つい先日読んだR・C・ウィルスンの『クロノリス』を連想した。
ところで2巻には、みなもと太郎による解説が載っている。さすがに今でも現役で漫画を描き続けているだけあって、重みがある。また、「クケダイちゃん」のネーミングの元ネタが「くけ台」だなんて、ちっとも知らなかった。というか、「くけ台」そのものを実際に見たことがあるかどうかすらも記憶があやふやだ。ただ、「安全かけ針」は見たことがある。たぶん祖母が使っていたのだろう。言われてみれば、くけ台の柱のところが、クケダイちゃんの人中のあたりに似ているかもしれない。
とにかく、また読めてよかった。復刊されたからといってすぐ新しい読者が大量に出現するというわけではないかもしれないけれど、未読の人が永野のりこという漫画家に巡りあう機会は増えたはずで、少しでも新しい読者が増えればいいな。『すげこまくん』すら本屋で滅多に見かけなくなってしまっているが、どの作品もずっと後まで読み続けられるだけの力を持っているのだから。

今日買ったCD

Go With Me

Go With Me

最近こういうのばかり聴いてる気がする。それにしても演奏がヘタ。でも曲がとてもいいので、大きく化ける可能性あり。
Smiley Nation(初回限定盤)(DVD付)

Smiley Nation(初回限定盤)(DVD付)

実はGARNET CROWのライブDVDを買ったのだけど、それにはこのシングルとの連動企画があって、応募するためにはムニャムニャ。