高橋昌一郎『東大生の論理』

東大生の論理― 「理性」をめぐる教室

東大生の論理― 「理性」をめぐる教室

題名で敬遠していたのだけど、読んでよかった。この著者の本はハズレがない。
冒頭にあるように、東大生はおそらく例外なく、妥協することなく望んでこの大学に来た学生ばかりなわけで、そりゃあ学生生活も楽しかろう。そんな東大生の生態を面白おかしく読んでいるうちに、いつの間にか論理学の基礎に接することができ、興味も持てるように書かれている。
しかし、大学1年でしかも理系なのにこんなに楽しい授業を受けられるなんて、心底うらやましい。といいつつこのオレも、大学の授業で一番印象に残っているのは、(なぜか)社会学でやったウィトゲンシュタインだった。この本に出てくる東大生じゃないけど、実験や演習を除けば授業でやる内容は教科書を読めばわかるし、三流大学の先生方は明らかにやる気がなかったので、哲学や法学、外国語のほうが楽しかったものなあ。
それにしても、一番楽しんでいるのは著者でもあるこの先生自身だったりして。と思わせるような人柄がにじみ出ている。以前この先生の本を読んだことをTwitterに書いたら本人からリプライが飛んできて、面白そうなのでフォローしたらすぐにフォローを返された。その後も読書メーター経由でTweetしたり、他の読書家の方に進めたりするたびに丁寧にコメントを返してくれるという、非常に懐の深い方でもある。ほとんど毎朝、他の読者へのコメントも欠かさないしそれがまたイチイチ面白いので、毎朝の楽しみなのだ。