100字レヴュー

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2018-09-20

[] 早稲田小劇場どらま館×遊園地再生事業団 / 14歳の国

2018年9月20日19:00 早稲田小劇場どらま館

98年作再演は女性中心の布陣でシリアス感アップ。時代設定そのままに筋立てくっきりの仕上がり。美術教師役で踊り子あり好演。持ち物検査に真剣の大場みなみも存在感。笑い部分はやついいちろうとのトークで挽回。

2018-09-16

[] パルTAMAフェス(モモンガコンプレックス「勘違いの庭。」)

2018年9月16日14:05 十字路ステージ

異色スタンプラリーなど用意の注目イベントに登場のモモコン野外公演は2月異色作再演。あいにくの炎天下でも北川、内海、土路生の3人という「番外・勘違いメンバー」編成で大人土下座三連など変な動き満載で圧倒。

[] 森見登美彦 / 太陽と乙女

2017年11月20日初版 新潮社

デビューから14年の決定版エッセイ全集書評まで入れ蛇足感も。小説書けずスランプに陥った日々綴ったものが興味深く、京都→東京→奈良と居を変え退職する作者の経歴も見え興奮。台湾誌で連載のコラムも新鮮。

2018-09-07

[] 水素74% / ロマン

2018年9月7日19:30 こまばアゴラ劇場

駅前劇場キャンセルの幻公演が早くも実現。マザコン家庭の密かな欲望リアルで、シニカルな笑いも切れ味抜群で見事な仕上がり。息子ラブな母役で兵藤公美が好演。息子の小遣い騙し取る日高ボブ美の怪優ぶりも衝撃的。

2018-08-26

[] mum & gypsy × trippen / BEACH

2018年8月26日14:00 VACANT

マームとジプシーがドイツ系シューズと組んだコラボ企画は、リゾート地に集まった者たちを軽快に丁寧に描いて持ち味発揮。見送る側の心理さらりと見せ流石。成田亜佑美が抜群の安定感、川崎ゆり子がマーム魂を体現。

[] 川上未映子 / ウィステリアと三人の女たち

2018年3月30日初版 新潮社

14〜17年発表の4つの短編収録の新作は村上春樹の影響見える表題作出色。空き家の隣家に深夜潜入する女性と、老女の記憶辿る展開鮮やか。田舎の中学校の同窓会に参加する芸能人の心理を大胆に描く冒頭作も興奮。

2018-08-25

[] 無隣館若手自主企画升味企画 / あの子にあたらしいあさなんて二度とこなきゃいいのに

2018年8月25日14:00 アトリエ春風舎

ドイツ帰りの升味加耀による新作は静かな演劇フォーマットで描く演劇部の夏合宿。ふざける女子3人の日常会話など面白く、毒のある恋愛ネタ散りばめるも、重要人物の不在、不良教師の存在も違和感あり若さ目立った。

[] ホエイ / スマートコミュニティアンドメンタルヘルスケア

2018年8月25日18:00 こまばアゴラ劇場

中学校教室舞台に狂気の注目作再演は日教組へのシニカルな笑い炸裂。複式学級の複雑な上下関係も面白い。朝日新聞大好きの暴走教師役で永宝千晶の怪演光る。同時上演「ずんだクエスト」の菊池佳南のヲタ芸にも拍手。

2018-08-11

[] イデビアン・クルー / 排気口

2018年8月11日14:00 シアタートラム

08年作再演が安藤洋子招き実現。料亭風の舞台で和テースト巧みにBGMの大胆なミックス度合い強烈。未就学児可公演の要素薄いが、酒井幸菜の片思い眼鏡女子キャラ新鮮。終盤の井手&安藤のコミカルなデュオ最高。

2018-08-09

[] 鉄割アルバトロスケット / 無題です。

2018年8月9日19:30 ザ・スズナリ

会場を鉄割空間に変える恒例企画は怒濤の36本に圧倒。カルメンやウエストサイド地区ミゼラブルら有名作のパロディに冴え。奥村勲の名人芸光り出演パートのクオリティ高め。戊井ギター効果的、山本ロザ存在感増す。

2018-07-31

[] 玉田企画 / バカンス

2018年7月31日19:30 アトリエヘリコプター

満員人気の新作は小金持の娘夫婦と息子夫婦集うリゾート地の一軒家を舞台に家族崩壊を描きらしさ発揮。甘ったれたブルジョア子弟の都合よく生きる様がリアル。島田桃子がSキャラ好演。小日向雪の娘役も雰囲気出た。

[] 高橋弘希 / 送り火

2018年7月25日初版 文藝春秋

芥川賞受賞作は北地へ転校した中学3年生を主人公に残酷な遊び、苛めに遭遇しながら過ごす日々描いて刺激的。人付き合い巧く上手にやり過ごす歩が直面する晃の暴力性の数々にひりひり感。硬質な文体マッチし成功。

2018-07-30

[] 是枝裕和 / 万引き家族

2018年7月30日18:40 TOHOシネマズ日本橋

カンヌ映画祭パルムドール獲得も納得の東京の底辺に生きる者たちが健気に少しずる賢く生きる様を描いて会心。血縁関係ない者同士の絆の強さ鮮やか。安藤サクラ&リリー、松岡茉優らいいが、子役が反則的に愛らしさ。

2018-07-29

[] omu-tone、ザ・ぷー、空中キャンプ / KAAT KIDS SUMMER in KAAT 高原キャンプ

2018年7月29日14:00 KAAT神奈川芸術劇場<大スタジオ>

場内にキャンプ場設けた不思議イベントは子供走り回る異空間。空中キャンプやや厳しいが、omu-toneは見事な技量。最も人気集めたのは川島さる太郎。マチオのハエたたき体操奏功、保護者を寿司ネタにし圧巻。

2018-07-26

[] DULL-COLORED POP / 1961年:夜に昇る太陽

2018年7月26日19:00 こまばアゴラ劇場

谷賢一が生まれ故郷描く福島三部作第一弾は、原発導入決めた時代の浜通りの空気感にリアリティ。身分隠し調査する者登場させ3兄弟立ち位置の違い面白く、当時の流行歌散りばめ昭和な街灯を効果的に使った演出見事。

2018-06-28

[] 庭劇団ペニノ / 蛸入道 忘却ノ儀

2018年6月28日19:00 森下スタジオCスタジオ

待望の新作は演劇のジャンル超えた異色作。スタジオ内に寺堂用意し、観客の出す鈴の音も効果的にお経唱え音鳴らす展開が現代のライブ演奏と重なり、往時の熱狂を追体験でき圧倒。案内書読み進行理解する手法も新鮮。

[] 横田増生 / ユニクロ潜入一年

2017年10月25日初版 文藝春秋

決算説明会出禁きっかけに名前変え潜入取材試みた筆者の覚悟に拍手。15〜16年に幕張ビックロなど3店の実態興味深く、柳井社長の部長会議コメントへのツッコミ面白いが、店舗作業にハマる展開もリアルで見事。

2018-06-14

[] 青年団 / 日本文学盛衰史(原作:高橋源一郎、作・演出:平田オリザ

2018年6月14日19:30 吉祥寺シアター

北村透谷正岡子規二葉亭四迷夏目漱石の各葬儀に集まった鴎外や藤村ら文化人の交流描いて、日本文学の実情、何に取り組んでいたのかを明らかにして興奮。現代口語や平成の時事ネタも大胆に盛り込む冒険楽しい。

[] 森功 / 悪だくみ 「加計学園」の悲願を叶えた総理の欺瞞

2017年12月15日初版 文藝春秋

バブルの実像描き冴えた仕事見せた筆者が加計孝太郎ら安倍人脈の暗躍追いかけた新作は大宅賞受賞も納得の迫力。米国留学時代の接触から千葉科大での無謀な取り組みも明らかにし興奮。森友も触れるも加計部分が最高。

2018-06-08

[] 日本のラジオ / ツヤマジケン

2018年6月8日20:00 こまばアゴラ劇場

女子校演劇部の夏合宿描く好評作再演は「津山三十人殺し」を巧みに使い「さわやかな惨劇」が奏功。十代の危うさ、対立し上下関係もある微妙な人間関係、行方不明の1年生、始まらない稽古と宙ぶらりんな時間に興奮。

[] 前田司郎 / 愛が挟み撃ち

2018年1月25日初版 文藝春秋

久しぶり芥川賞候補作は不妊に悩む夫婦の突飛な解決策が三角関係もあり違和感抜群も最近の荒れ気味な作風から一変、文章のきめ細かさに感嘆。俊介の打算的心理面白く、才能あっても伸び悩む水口との交流も興味深い。

2018-06-02

[] 五反田団 / うん、さようなら

2018年6月2日14:30 アトリエヘリコプター

久しぶり本格劇団公演は望月志津子や後藤飛鳥、端田新菜ら劇団お馴染みの女優を多く揃えて、お婆ちゃんたちの小旅行を笑い満載に面白く描いて出色。東海道線乗って熱海へ向かう最後の旅を2つ用意し喪失感じんわり。

2018-04-29

[] SAF×マームとジプシー / めにみえない みみにしたい

2018年4月29日15:00 彩の国さいたま芸術劇場小ホール

舞台上に芝生の子供用スペース設け夜に森に行く話をイメージ豊かに展開し成功。マームのお馴染み女優陣が機能、おねしょのエピソード巧く、舞台装置の細やかな味付けも持ち味。女性が戦争に行く近未来も暗示し迫力。

2018-03-28

[] ミナモザ / Ten Commandments

2018年3月28日19:00 こまばアゴラ劇場

原子力学ぶ者を取材した新作は伏せた部分多いのか、言葉話さなくなった劇作家の生活を中心に描く70分。ユダヤ人物理学者レオシラードの十戒軸にマンハッタン計画に絡む話面白く、この部分膨らましたもの見たい。

[] 藤田貴大 / おんなのこはもりのなか

2017年4月13日初版 マガジンハウス

「an an」連載の女子への偏執愛綴ったエッセイ軸に「口内炎を見たい」「鼻水に取り憑かれる」変態エピソード満載。劇団公演の最中も続いた連載に臨場感も。劇団関係者を実名で登場、欧州ツアーの様子も興味深い。

2018-03-25

[] タイムライン(作・演出:藤田貴大、音楽大友良英振付酒井幸菜、写真:石川直樹

2018年3月25日13:00 白河文化交流館コミネス大ホール

豪華メンツ揃った注目公演の再演はふくしまのフツーの中高生によるミュージカル。素朴でややバタバタ感あるも、朝、授業、白昼夢、午後、帰り道、翌朝の6章のイメージ豊か。ラスト日常風景の映像入れた構成も見事。

2018-03-17

[] ミロコマチコ / いきものたちの音がきこえる

2018年1月20日-4月8日 世田谷文学館

若手絵本作家の勢い出た展示で大成功。大作「ヘラジカの森」はじめ動物たちが色彩豊かに体感抜群に描かれ圧倒。文学館入り口含め会場全体作り込む気持ち入ったインスタレーションで、制作途上の空間用意も嬉しい。

2018-03-08

[] 範宙遊泳 / もうはなしたくない

2018年3月8日14:00 早稲田どらま館

待望新作は友人3人が集うドールハウスな部屋舞台の意欲作。勤務先で目撃した妻と不倫女の修羅場を熊川ふみのバービーと島田桃子のリカちゃんで再現も他人事でなくなる展開巧み。ただ消化不十分で策に溺れた印象も。

[] 阿部共実 / 月曜日の友達

2017年9月-18年2月初版 小学館ビッグコミックスピリッツ

2巻で完結の意欲作は中学1年生の男女の恋愛に至らない月曜夜の秘密の交流描き成功。大人びたモノローグに違和感あるが、姉妹や兄弟の微妙な関係の挿入もうまく、海辺の町で黒と白の巧みなコントラストの絵も見事。