100字レヴュー

100字レヴューご投稿はこちらまで。

2008-10-31

[] 劇団鹿殺し / 電車は血で走る

2008年10月31日19:30 青山円形劇場

丸尾丸一郎の故郷モチーフの意欲作は阪急宝塚舞台に菜月チョビが気合の演出。劇中で宝塚奇人歌劇団は派手も好楽曲とオレノ&丸尾に客演今奈良孝行が機能。人列で電車表現した場面美しい。おまけチョビ手紙も感涙。

2008-10-30

[] ハイバイ / オムニ出す(常/仏)「ヒッキー・カンクーントルネード」「コンビニュ〜または謝罪について〜」

2008年10月30日19:30 リトルモア

自伝的代表作は、引きこもり男役を岩井自身が演じ、妹も名人芸の端田新菜の黄金組み合わせで完成度最高。テレビもないシンプル舞台でも感涙。快快篠田千明招いた新作はコンビニ舞台に岩井の私憤作品化で実験性抜群。

2008-10-29

[] 田中慎弥 / 切れた鎖

2008年2月25日初版 新潮社

連続受賞の注目作品集は拙くても物語に力。三島賞の表題作は女系家族3代の苦難を時間往来し描くも読ませる技術欠落は課題。川端賞「蛹」はカブトムシが成虫になることを拒否する様描き現代の若者の姿と重なる傑作。

2008-10-28

[] 猫☆魂 / アロマ

2008年10月28日19:30 駅前劇場

女優解禁なった新作は直球トレンディドラマ路線が奏功。婚約直後の2人が交通事故に遭う展開で鈴木麻衣花が健闘。人気出ずVシネマ出演のアイドル役で秋澤弥里が嬉しい復活。恒例の生演奏路上ライブの設定で貢献。

2008-10-26

[] 甘もの会 / 炬燵電車

2008年10月26日15:00 ギャラリ・カタカタ

謎の劇団第一弾は狭い空間で炬燵を3方客席が囲む定員20名公演。野津あおいが少女役好演。アンパンマン登場のファンタジーも西村みゆきと従兄弟同士の子供会話が機微伝え絶妙の味わい。立蔵葉子がメガネ姿で母役。

2008-10-25

[] アイサツ / ぼくのおうさま

2008年10月25日14:00 早稲田どらま館

06年12月以来となる期待の第3回公演は前半見事で世界が終末迎えるミュージカル場面が見事で震撼。が、崩壊後の世界が長く退屈。スナック菓子で暮らす日常も説得力に欠け残念。山本美緒ら役者陣は魅力的で健闘。

[] 唐組 / ジャガーの眼・2008

2008年10月25日19:00 鬼子母神内紅テント

移植した角膜から生まれる非日常な冒険描く唐組の代表作再演は久しぶりの3幕構成で見事な完成度。2幕が秀逸で丸山&久保井が機能し赤松由美の好調続く。扉7つ並べ「一つ開け〜」と歌う場面のアンサンブルが圧巻。

2008-10-24

[] バクシーシ山下 / ひとはみな、ハダカになる。

2007年10月25日初版 理論社よりみちパン!セ

十代向けシリーズに登場の異色作は、AV業界の内情を詳細に伝え圧倒的。自身のドキュメンタリースタイルの狙いもクリアに具体的に説明。現場で起きていることが生々しく丁寧だが、これが学生向けという勇気に驚く。

2008-10-23

[] メタリック農家 / 氷

2008年10月23日19:30 OFFOFFシアター

前作成功で期待の新作は雪男の恋愛描く冷蔵庫ファンタジーも空回り再び低調残念。最大の見せ場である葛木英の恐妻妊婦が楽しく男にビンタ浴びせてエキセントリックな魅力爆発も出番少なすぎ。古市海見子に重荷感。

2008-10-21

[] ハイバイ / オムニ出す(星/落)「輪廻TM」「男の旅〜なつこ編」

2008年10月21日19:30 リトルモア地下

新旧4本立て興行SF落語編は小品2本立て。前田知大作タイムマシーンものは岩井中心に哲学語って宙吊り感。期待の石澤彩美出演作はハイバイ版「3人いる」。風俗店舞台に各1人2役で間の悪さ追求も下品度抜群。

2008-10-20

[] 地点 / 桜の園

2008年10月20日19:30 吉祥寺シアター

期待のチェーホフ4大戯曲連続公演は東京2作のみで本作当地初上演。三方映像見せ中央に斜陽家族を縛りつけ硬質な配置が奏功。安部聡子筆頭に台詞を音節単位でぶつ切る技は名人の域。切ない運命確実に表現し大成功。

2008-10-19

[] ナイロン100℃ / シャープさんフラットさん(ブラックチーム)

2008年10月19日13:00 本多劇場

2時間半のWキャスト公演大倉孝二版楽日は、犬山イヌ子&みのすけ機能しこれぞナイロンホワイトと異なり主人公の元恋人が事故死する結末も納得感。大詰めの過去作品の登場キャラクター揃い戯れる名場面にも感涙。

2008-10-18

[] 渡辺源四郎商店 / どんとゆけ

2008年10月18日14:00 こまばアゴラ劇場`

死刑制度が江戸時代の仇討ち的に変化した近未来描く新作は切れ味戻り傑作。殺された男の父が人間味出す一方、鬼のように憎しみ前面に妻役工藤静香が怖さ抜群。獄中結婚した死刑囚の妻役で工藤由紀子が怪しい存在感。

2008-10-17

[] 平田オリザ宮沢章夫岡田利規 / パネルディスカッション「現在から見た60年代演劇」(アングラの真話・反神話―「国際研究集会・60年代演劇再考」)

2008年10月17日19:00 早稲田大学小野記念講堂

劇場リーダーが揃い通路観客が埋める大盛況も段取り悪く1時間半は議論低調で終了。映像など資料なく中途半端な話題終始も、平田オリザが独り安定感。本当の悪に立ち向かえない現状への厳しい認識共有化は意義。

2008-10-16

[] Hula-Hooper / 光る女

2008年10月16日19:30 OFFOFFシアター

新生Hula-Hooper新作はオンリー砂漠な宇宙の星舞台にSF挑戦で女優5人が躍動。菊川朝子と上田遥の入れ替わり面白く、劇場出口の大胆出入りも新鮮。ラストのダンス場面が最高で、感動のPerfume。

2008-10-15

[] 金原ひとみ / 星に落ちる

2007年12月10日初版 集英社

私小説短編連作は5編使って三角関係に陥った者たちの不安と絶望描き出色。作家になった女と、新しい恋人編集者の同棲相手、過去の底辺系男の日常リアル。煌く文体で心情の痛み生々しく著者の成長ぶりに感嘆。

2008-10-13

[] 熱帯 / Backstage A Go Go!

2008年10月13日15:00 THEATER/TOPS

オッホから改名第2弾は、天井低く圧迫感あふれる奈落舞台に、公演の舞台裏を描く作品で小劇場の内情伝えて興味深い内容。劇団員と客演陣、OBとの人間関係や温度差、公演期間が始まり終わる展開が素直でしたたか。

2008-10-12

[] ARICA / キオスク・リストラ

2008年10月12日16:00 テルプシコール

傑作再演は猿山修&高橋永二郎生演奏つくも鉄割2人いない安藤朋子独り舞台版。仕事を始める前のガム噛む音だけ続く動きない時間刺激的。一転段ボール動かしペットボトル並べる手さばきに唸る。女の歴史もクリア。

2008-10-11

[] 近代能楽集「綾の鼓(演出:前田司郎)」「弱法師(演出:深津篤史)」

2008年10月11日13:00 新国立劇場劇場

企画力の悪さ目立つ新国立が再び大失敗。岸田戯曲作家前田と深津が三島作品の演出に取り組むも相性悪く持ち味出ず面白みのない仕上がり。十朱幸代綿引勝彦、多岐川裕美、国広富之ら豪華すぎるキャストも裏目。

2008-10-10

[] 快快、おやつテーブル、康本雅子、ボクデス、Line京急、他 / 吾妻橋ダンスクロッシング

2008年10月10日19:00 アサヒアートスクエア

1年半ぶり復活の人気コンピ企画は定番メンバーに安定感&新規枠で新鮮さ維持。期待の快快はフルキャストで行列の美学。山縣大谷ユニットは音と台詞の楽しい応答で京急魂。おやつテーブルのラスト手洗い場面が最高。

2008-10-08

[] 桐野夏生 / 東京

2008年5月25日初版 新潮社

谷崎賞受賞作は無人島漂着者たちが作る不気味なコミュニティ描く長編。40代ながら唯一の女性として君臨するヒロイン中心に展開も人間の本性丸出しのどぎついエピソード満載で辟易。作者の妄想がしんどくなる長さ。

2008-10-05

[] 世界マンガ事情―サミット・オブ・マンガ

2008年9月6日-10月13日 京都国際マンガミュージアム2階メインギャラリー

米国や欧州、アジアなど世界各国のマンガ事情が充実資料で紹介され意義深い展示。膨大な「スーパーマン」コレクションなどアメコミ特性もクリア。欧州の絵本的なバンド・デシネの高価で販売部数少ない作品群も披露。

[] 悪い芝居 / 東京はアイドル

2008年10月5日14:00 アートコンプレックス1928

注目劇団新作は舞台中央に4世帯の部屋つくり、清掃員仲間の生活が残酷で怖さも。東京へのコンプレックスも前面に、演劇好きが見せる約束事破壊も面白い。元アイドル役の吉川莉早の存在に悶絶。次回公演で東京進出。

[] 維新派 / 呼吸機械―《彼》と旅する20世紀の三部作 #2

2008年10月5日19:00 滋賀県長浜市さいかち浜野外特設劇場<びわ湖水上舞台

20世紀三部作の第2弾は東欧史モチーフにナチスやソ連も侵入する歴史が音楽ともどもイメージ豊かに展開。湖にせり出した奥行きの深い舞台が画期的。都市名連呼楽しく水飛沫見事も、雨で暗い湖面境界不明で惜しい。

2008-10-04

[] コマツ企画 / 動転

2008年10月4日14:00 シアターモリエール

舞台と楽屋、リアル客席使い究極のメタ演劇は脱線の連続の問題作。舞台上で相次ぐハプニングをその場しのぎでこなす様みせるも、最も面白かったのは役者の母親役こまつみちる。最前列でビデオ回し超主観映像が爆笑。

[] 高木正勝、softpad / Dual Points(デュアル・ポインツ)展

2008年9月13日-10月13日 京都芸術センター

注目の2人展は会場内の北と南で展開。ともに映像と音響を組み合わせた作品空間は、境界あいまいに揺れるような動きの中、メディアテクノロジー用いた表現が新鮮。テーブル上に置かれた物たちが儚くもチャーミング。