2007-02-01から1ヶ月間の記事一覧

ク・ナウカ / 奥州安達原

2007年2月27日19:30 文化学園体育館 最終公演は歌舞伎の人気作、凄惨な前九年の役の悲劇に挑戦しク・ナウカの集大成。様式美も極みへ。話者兼ねたパーカッション隊も魅力全開で、クライマックスは奇跡的盛り上がりで一体感保ちつつ驚異的高揚感で有終。(や…

モモンガ・コンプレックス / どこまでいってもあなたのせい。

2007年2月25日15:00 ZAIM別館401号室 注目第3弾は低い天井の1室でアイデア豊富に笑い満載なダンス展開。狭い座席に詰めて座る動きなど白神ももこの人間観察の鋭さ、感覚の面白さが全開。やや暗い場内で階上ライブ音量大きく残念。やぶくみこ等生演奏。(や…

ほうほう堂×チェルフィッチュ / 耳かき

2007年2月24日20:00 STスポット 注目組み合わせ新作は読み手と踊り手を分けた挑戦作。福留麻里→新鋪美佳とソロ踊るが、デュオ場面ない点は残念。交互に読み上げる岡田利規作成のテキストは抽象的でやや難解も靴下の写真など映像の使い方は効果的。(やま)

身体表現サークル / しんぱい少年

2007年2月24日17:00 BankART 1929ホール 初の単独公演はアート志向で常樂泰の挑戦続く。闇のなか電飾まとい登場もやはり褌姿。ブルーシート上で定番の叩き合い。褌に映像入れる凝り方で満載感。石膏ぶつけ人間彫像創り自由撮影休憩。広島カープ流し大団円。…

青山七恵 / ひとり日和

2007年2月28日初版 河出書房新社 芥川賞受賞作は若き女性フリーターの親離れの日々を淡々と描いて会心。東京へ引っ越し、京王線沿線の地味めな日常。遠縁の老女との2人暮らし、笹塚でのアルバイト、盗癖、失恋の仕方も情景描写巧みに丁寧にリアル。(やま)

黒テント / 籠釣瓶花街酔醒

2006年2月18日14:00 theatre iwato 吉原百人斬りに山元清多が挑戦。同作公演劇団の人間関係ダブらせ展開も強引さ。愛想尽かし等肝心場面でも稽古着姿は興醒め。場内往時芝居小屋風でラスト迫力十分なだけに惜しい。タイガー&ドラゴンなど全編CKB奏功。(や…

こまつ座 / 私はだれでしょう

2006年2月17日18:30 紀伊國屋サザンシアター 終戦直後の愛宕NHK舞台に「尋ね人」制作者の苦闘描く井上ひさし新作は2度の遅延もあり浅野ゆう子、川平慈英、前田亜季ら豪華キャスト生きず演出不十分。現NHK問題も想起できず残念。歌シーン面白いが味付け不足痛…

星野博美 / のりたまと煙突

2006年5月15日初版 文藝春秋 傑作香港本で大宅賞受賞した彼女の新作は、拾った猫にまつわる長編小説的エッセイ集。帰国後住み始めた中央線沿線の描写もよく、自身の家族史も詳述し昭和的エピソード満載。のりとたまの往来描写も愛情豊かに好感。(やま)

あひるなんちゃら / UFOcm

2006年2月12日14:00 王子小劇場 生見司織の不在重く、力不足の男優陣が美味しいはずのギャグ場面で空振り連発し低調。それでも黒岩ら女優陣のつっこみ入る場面はうまく、人間関係の不条理な力学も巧み。UFOを呼ぶ人たちの間抜けな駄弁は持ち味発揮。(やま)

MONO / 地獄でございます

2006年2月11日14:00 三鷹市芸術文化センター星ホール 温泉と思ったら地獄だったという設定で男5人によるコメディは心地よいユルさ全開。何故に地獄という疑問も次々明らかにされる展開鮮やか。間抜けなやり取りで笑い満載だが現代人が日々犯す罪の数々訴え…

黒色綺譚カナリア派 / 繭文〜放蕩ノ吊ラレ作家〜

2006年2月10日14:00 ザムザ阿佐ヶ谷 大正期的な懐古調の舞台は圧巻の美術筆頭にしっかり。前半もたつき眠気爆発の時間浪費は残念だが、7人兄弟の居所が逆転する終盤は見事。演出力に課題残るが次女が育ててきた雛壇の上の家族を残酷に壊す展開は秀逸。(や…

須田慎一郎 / 下流喰い―消費者金融の実態

2006年9月10日初版 ちくま新書 ヤミ金融含めた高利貸しを網羅的に描き秀逸。生々しい取り立て、一家心中の顛末など強烈エピソード満載。とくに新宿「おんな市」潜入ルポが衝撃的で、多重債務者となった女性が風俗店の本番対応に売られる様に驚愕。(やま)

流山児★事務所 / 浮世混浴鼠小僧次郎吉

2007年2月5日19:00 Space早稲田 天野天街演出で佐藤信の伝説的70年岸田戯曲賞受賞作が復活。銭湯を舞台に革命歌使い当時のアングラ風味も残しつつ流山児若手陣が夕沈ダンスもきっちり。鼠たちのカブ奪い合うやり取りが最高に可笑しく反復も効果的。(やま)

本谷有希子、内野儀、大久保聖子、長島確、ポリー・カール、他 / 海外戯曲の「翻訳」と「リーディング」を巡って

2007年2月4日17:30 にしすがも創造舎 注目シンポジウムは昨年7月に米国に派遣され現地人の手で上演「絶望と待機」詳細報告。通訳手間取り内野儀の興味深い議論も半端感。本谷自身が急遽ホテル缶詰で戯曲中の全ての「・・・」に意味明記した事実に驚く。(やま)

クリスティーナ・ハム×中野成樹 / アダムの後に

2007年2月4日14:00 にしすがも創造舎 黒人女性の複雑難解戯曲に挑戦。翻訳劇名手も得意の誤意訳手法使えず苦戦。各場の前に解説加える中野の名進行光るも崩壊家庭劇の中身は伝わらず厳しい1時間弱。ポストパフォーマンストークも通訳通して地味に展開。(や…

月蝕歌劇団 / 花と蛇

2007年2月3日19:20 本多劇場 団鬼六代表作2作組み合わせ圧倒的SM大作完成。初の舞台化は映画を遥かに上回る出来栄え。遊園地、ニブロールでも露出目立った三坂知絵子が静子夫人役を演じきり見事な輝き。有末剛の縄で花道に吊るされ圧巻の幕。(やま)

ITOプロジェクト(糸あやつり人形芝居) / 平太郎化物日記

2007年2月3日14:00 ザ・スズナリ 天野天街の脚本・演出で魔法。怪談「稲生物怪録」で人形芝居に新たな可能性。ペコちゃんポコちゃん首チョンパ等凝りまくりの仕掛けが抜群。東京初上演に快哉。トークゲストに宮城聰迎え情報豊富にうにた名司会ぶり。(やま)

サンプル / シフト

2006年2月2日20:00 アトリエ春風舎 青年団リンクでの劇団旗揚げ公演は新郎が直面する新婦の実家の怪しい性の因習を描くが、好評前作なぞる調子は残念。NOVAな古舘寛治がエキセントリックに再び。天井から小道具ぶら下げ都市化過程の宙ぶらりんを象徴か。(や…

ジョセフ・ナジ / 遊*ASOBU

2006年2月1日19:30 世田谷パブリックシアター ユーゴ人の振付家らしくバルカン風味。生オケに欧州的モノクロのシックな映像も効果的にバリエーション。外国人ダンサーの中でも黒田育世が抜群の存在感。前半散漫な印象も黒田の独舞場面素晴らしく終盤に向け充…