2007-08-01から1ヶ月間の記事一覧

ジェットラグ+東憲司(桟敷童子) / 夢顔

2007年8月30日19:30 THEATER/TOPS 九州の養蜂場舞台に、こじんまりした舞台でやや退屈。浮気歴ある主人公の妻役で桑原裕子が好演。国産蜜蜂に魅了された男たちの負け組人生の輝き描き持ち味発揮。九州を捨てた男とその兄、旧友が生み出す空気もよし。(やま)

生田武志 / ルポ最底辺−不安定就労と野宿

2007年8月10日初版 ちくま新書 ホームレスならぬ野宿者の現実を真剣に見つめ圧倒的な報告。大学時代から釜ケ崎で支援活動続ける著者の体験も具体的で迫力。野宿者の旺盛な勤務意欲や日雇い派遣の危険性も紹介。構造的問題も切り込み意義深い提言。(やま)

競泳水着 / なだれる

2007年8月26日14:30 王子小劇場 トレンディドラマに本気で取り組み高品質エンタメ完成。「めぞん一刻」モチーフに結末の巧みな書き換え。かつて恋した元教師を思い続ける文子=響子役を川村紗也が好演。妹役もよく女優陣充実。本格ブレイク間近か。(やま)

月蝕歌劇団 / 寺山修司―過激なる疾走

2007年8月25日14:30 紀伊国屋ホール 寺山の幼少時から生涯辿るも破綻多くカオスも機能せず失敗。寺山少年時代を一ノ瀬めぐみ演じたが個性的な訛りなく残念。黒蜥蜴の複数登場は面白く月蝕テーストあふれる演出は健在。シーザーも充実で寺山劇継続希望。(や…

木ノ下歌舞伎 / yotsuya-kaidan―『東海道四谷怪談』より「雑司が谷四ツ谷町浪宅の場」「同伊藤喜兵衛内の場」―

2007年8月19日15:00 こまばアゴラ劇場 役者位置固定する地点スタイルで歌舞伎へ小劇場的アプローチに成果。轟音系BGMで黒子のみ上下の動き見せる実験性は買うがまだまだ工夫でき発展途上。お岩役の山村麻由美いいが私服男優陣はもう一段の努力必要か。(やま…

黒色綺譚カナリア派 / リュウカデンドロン

2007年8月18日14:00 ザ・ポケット サーカスの解散後の姿描き意外な完成度の高さでも持ち味の偏執的なまでの懐古趣味は後退。板垣桃子の女団長役起用は奏功し話に芯通した。解散後バラバラになった団員のその後を見せ、蒸発した団長の謎も解いて明快。(やま)

諏訪哲史 / アサッテの人

2007年7月23日初版 講談社 芥川賞受賞作は遁走した叔父の話した謎の言葉と思考を他者の文章も活用し小説化する試みを記して見事な実験性。叔父の妻朋子のスケッチ素晴らしくポンパやチリパッハ使用法も明快。が、叔父の後半日記は難解、断絶。(やま)

東京デスロック / unlock♯2:ソラリス

2007年8月12日15:00 こまばアゴラ劇場 舞台プールにした大胆装置も活かせず退屈な展開。笑い生めず、実験性も感じられず残念な仕上がり。事前にあらすじ紹介も飛躍も脱線もなく直球気味に疑問。増田理降板も痛く、夏目慎也や佐山和泉ら持ち味出せず残念。(…

八月納涼歌舞伎第三部(通し狂言 裏表先代萩)

2007年8月11日18:00 歌舞伎座 伊達お家騒動を描いた「伽羅先代萩」の鶴屋南北によるリミックスは世話物を強引導入。勘三郎が下男小助、乳母政岡、仁木弾正の3役担い健闘。コミカルな悪人=勘三郎に対し、倉橋弥十郎=三津五郎の裁きぶりに貫禄。(やま)

ベターポーヅ / 4人の美容師見習い

2007年8月11日15:00 OFFOFFシアター 激狭空間に戻っての最終公演は癒し満載の西島ワールド集大成。40歳での美容師試験失敗女性を渡辺道子が好演。山崎和如が幅の広い演技で応え、松浦和香子と吉原朱美が脇を固め底上げ。山田うんの振付も見事にハマる。

岡田利規 / わたしたちに許された特別な時間の終わり

2007年2月25日初版 新潮社 イラク開戦時の東京の若者を描いた岸田賞受賞作に加え新作を収録。仕事を休んだ女性の行動と思考、その夫の仮眠姿も偏執的なまでの細やかさで描き持ち味。彼女が読むブログで登場する苦情処理係の女性の独白が秀逸。(やま)

ネルケプランニング / ウミショー ケンコー全裸系水泳部

2007年8月5日13:00 スペースゼロ 脚本・演出に動物電気の政岡泰志迎えグラドル多数揃え漂流先の南の島舞台にコミック作品演劇化。明るい沖縄娘を南明奈が好演、秦みずほ、矢吹春奈らも存在感。小林健一も飛ばしマガジン作カバーで笑いしっかり獲得。(やま)

黒田育世、若連尾理+寺田みさこ、山崎広太 / トヨタコレオグラフィーアワード ガラ 東京

2007年8月4日19:00 シアタートラム 審査お休みで過去の入選者による振付作品を集め4本公開。遅い時間のスタートながら休憩多い構成に難。黒田育世作品2本登場で貴重な旧作再演嬉しく、福岡WSの新モニカモニカも個性楽しいが、黒田本人が踊らず残念。(やま)

ハイバイ / 兄弟舟(プレビュー)

2007年8月4日15:00 アトリエヘリコプター ヤクザもの初挑戦も完成途上感でまだまだ面白くできそう。ヘタレ女ヤクザを永井若葉が怪演。頼れる弟分の山田の恋人でいつも酔っている美幸を楽しく演じた内田慈に尽きた。登場シーンのたまごっちのエピソード最高。

アタシト / ドライブイン・やまや

2007年8月3日19:30 下北沢小劇場・楽園 ほうほう堂の福留麻理が初の役者挑戦は女3人による立ち上げ公演。山間のドライブインでの姉妹の再開を描く見上げたボーイズのベタな脚本で苦戦。ムリな借金取りの場面は不要。主宰の長尾純子は体液流す覚悟の熱演。(…