2008-07-01から1ヶ月間の記事一覧

グリング / ピース-短編集のような・・・・・

2008年7月31日19:30 ザ・スズナリ 仕事増えパワーダウン著しい青木豪新作はまたも低調。佐藤真弓、鬼頭典子ら客演抑え目に「花火の約束」「僕の好きな先生」「朝顔」「北向きの女」「ピース」並べるも全体弱い。ラスト元小学校教師の出産独白は流石。

村上春樹 / 走ることについて語るときに僕の語ること

2007年10月15日初版 文藝春秋 書き下ろし新作は作家デビュー間もない82年の走り始め時から25年のランナー人生を振り返る意欲作。マラソン&トライアスロンへの挑戦詳細だが小説家人生の変遷も盛り込み自伝的要素多い巧みな文体の9章+2に感嘆。

@@ has a headphone / 1st LIVE「いつでもここは夏である」

2008年7月27日14:00 STスポット 35人限定オールスタンディングのシノダ企画は、動員ともかく映像とダンスの融合で大成功。フィッシュマンズやキリンジ使いクラブ風。山縣太一&松島誠に快快の野上&山崎のパフォーマンスが会場一体感抜群に奏功。

三条会 / 真夏の夜の夢

2008年7月26日19:00 千葉公園内 特設野外劇場(護国神社脇広場) 野外劇シリーズ第三弾は翻訳ものに挑戦。シェークスピア作に忠実な恋愛喜劇で充実客演陣が機能。ハーミア役のク・ナウカ桜内結う魅力的。第七劇場の山田裕子「ニャっ」もいい。劇伴でエヴァン…

reset-N / 閃光

2008年7月26日15:30 王子小劇場 私小説ならぬ私演劇は意外なほど赤裸々感出す意欲作で興奮。夏井孝裕も出演し「書けない」現実を朗読。離婚しフランスから帰国の劇作家と隣人のスリリングな関係をベッドのみの赤部屋で見せスタイリッシュさも健在。

d.v.d、岡田利規×本谷有希子×佐々木敦、フルカワヒデオプラス、他 / エクス・ポナイトvol.2

2008年7月25日18:00 渋谷O-nest 佐々木敦主宰イベントはライブとトークを交互に入れる構成が大当たり。本谷×岡田バトル最高で、句点の置き方、休憩入れた意味など舌戦に爆笑。恥タイトルを役者に言わす快感も披露。ゲームなポップ感のd.v.d、も躍動。

揚逸 / 時が滲む朝

2008年7月10日初版 文藝春秋 中国人初の芥川賞受賞作は実験作受賞続いた選考姿勢を一変、直球文体で懐かしさも。民主化運動に身を投じた青年の大学入学から日本へ来て働き出す日々がリアル。仲間が現前の利益優先する現実に打たれる展開は流石。

椿組(08年夏・花園神社野外劇) / 新宿番外地

2008年7月22日19:00 新宿花園神社境内特設ステージ 水谷龍二の戯曲と演出は貧弱陳腐でも毛皮族の大胆起用は効果あり。江本純子を振り付けに起用し、町田マリーをヒロイン役に抜擢、団扇あおいでも汗噴き出す野外テントで最底辺のパワー見せた。山崎ハコの生…

バウハウス・デッサウ展

ART

2008年4月26日―7月21日 東京藝術大学大学美術館 デッサウ時代(1925〜1932年)に注目した興味深い展示最終日は入場制限する大入り。絵画、建築、ダンスなどの膨大な資料紹介して意義深い。建築家のグロピウス校長設計による校舎や校長室も再現。パウル・クレ…

マキノ雅弘―あるカツドウ屋の生涯

TV

2008年7月20日22:00 NHK教育 マキノ生誕100年記念ドキュメンタリーは撮影時のエピソード豊富に盛り込み出色。18歳から261本監督した生涯を戦前戦中戦後の苦悩を、歴史と作品絡め辿った。藤の花使った演出マジック、脚本にふくらみ出す号外も注目。

ペンギンプルペイルパイルズ / 審判員は来なかった

2008年7月20日14:00 シアタートラム 新独立国の国技育成の日々をシニカルな笑い満載で描き成功。大統領、農家、国技練習場、修道院の4場を回転舞台使いシベ少的なセンス。片桐仁、安藤聖ら各自複数役こなし巧いコメディだがケラ演出でリメイクも希望。

青年団若手自主企画(作・演出:大久保亜美) / World’s Dutch―虚実の境い目は、わたしのビニールより薄い。−

2008年7月19日15:00 アトリエ春風舎 世界のダッチワイフとの表題どおり女の性欲を大胆露骨に描き強烈。青年団本公演からすぐ登板の辻美奈子が逆ナン連発するヒロイン=姉役を体当たりで演じた。中村真生演じる奔放な妹のバイト先がマックな日常感よし。

岡崎京子 / 東方見聞録 市中恋愛観察学講座

2008年2月20日初版 小学館クリエイティブ 嬉しい初単行本化の87年ヤンサン連載作は貴重な80年代東京名所案内。ハワイ少女キミドリが祖母の元恋人の孫と東京中をデートする筋立てで、原宿ホコ天、銀座に中野ブロードウェイ、国会議事堂、国立と渋い選択。

ミクニヤナイハラプロジェクト / 五人姉妹 準備公演

2008年7月13日18:00 こまばアゴラ劇場 楽日追加公演は春子夏子秋子冬子桜子の姉妹と執事のスピード抜群の会話劇&ダンスが大成功。眠り続ける長女に笠木泉、結婚間近の四女で三坂知絵子ら遊園地系女優揃え、細かな家族関係、エピソード巧みに挿入し効果。

城戸久枝 / あの戦争から遠く離れて

2007年9月10日初版 情報センター出版局 大宅賞受賞作は中国残留孤児だった父の半生と、私の中国滞在&ルーツをたどる旅の2部構成。参考文献に偏り満州軍など歴史資料の読み込み弱く感情論も多め。前半の読みやすさが難だが、後半での筆者の行動力は見事。

smartball / Kiss me, deadly

2008年7月9日19:30 王子小劇場 3作目で解散公演は湘南在住3姉妹の父の通夜と関連挿話展開し奏効。長女役遠藤留奈が麻薬売買もさらり流す演技よく青姦狩りのラスト出色。深谷由梨香も体張り三女好演。石澤彩美&河西裕介&尾倉ケントも脇固めた。

望月峯太郎 / 万祝

2003-2008年 講談社ヤンマガKC 元気少女フナコが大活躍する海賊冒険譚が10巻&11巻同時刊行で完結。とくに三崎あたり髣髴の港町の描写が抜群。海賊次々倒すフナコの格闘パワーも魅力。バミューダの謎も巧く活用し宝探しにリアリティ出し成功。

あひるなんちゃら / 父親がずっと新聞を読んでいる家庭の風景

2008年7月7日19:30 サンモールスタジオ ホームドラマに挑戦し新境地。いつもの脱力ギャグ満載も、末娘の収入に頼り、ひたすら家で新聞やテレビ見て過ごすニートな父と兄と姉の家族が新鮮。五輪目指す居候も強烈だが、社会ネタだけに暗めの背景美術は裏目。

Noism08 / Nameless Hands 〜人形の家

2008年7月6日16:00 シアタートラム 見せ物小屋コンセプトに人形と黒子たちが舞う異形の世界を凝った演出で2幕展開し成功。プロット鮮やかな1幕が秀逸。自ら人形と化すみゆきが歌うは「時代」、そしてラストに「狼になりたい」使い興奮のフィナーレ。

青年団 / 眠れない夜なんてない

2008年7月6日13:00 吉祥寺シアター マレーシアの日本人向けリゾート地舞台の実情を描き大成功。 情報満載で「そとこもり」実態も紹介。娘から帰国説得されても断る老人たちの思いにリアリティ。皆で怪傑ハリマオを歌うシーン出色で感涙。役者陣も充実。

ミツスイの逃走団 / 脈拍

2008年7月5日19:30 アルテリオ小劇場(川崎市アートセンター) 芸大卒業したての期待の新星の酒井幸菜の新ユニット公演は、前半生演奏が仇となった感あるが、見事な酒井独舞からラストにかけての展開は圧巻。登場の仕方から動きのアイデアも多彩で、若いなが…

鉄割アルバトロスケット / 鉄割のアルバトロスが

2008年7月5日15:00 ザ・スズナリ 前後半2時間半超でファンキーな40本のコントが炸裂。嬉しいゲスト参加の康本雅子がそば頬ばって踊るダンス炸裂で最高の満足感。「鳥のエサ売り」「密談」などに加え定番「ごくつぶしのど自慢」もクスリネタ満載。

イキウメ / 表と裏と、その向こう

2008年7月4日19:30 紀伊国屋ホール 勢いで中規模ホールへ進出の彼らの新作は、人の生命を時間単位で売り買いする近未来のユビキタス特区を描くという無謀な設定についていけず撃沈。出番多く輝くストリートファイター役内田慈も負担重く、終盤ダレも。

東京タンバリン / 華燭

2008年7月3日19:30 三鷹市芸術文化センター 星のホール 太宰治をモチーフに作家たちの群像劇は直球の本筋部分が弱く失敗。作家実名出してもよかったか。場面転換時のアイデアはよく成功、和風な敷居を自由自在に組み直す仕掛け見事。ここ数年きわめた抽象的…