2012-04-01から1ヶ月間の記事一覧

サンプル / 自慢の息子

2012年4月29日14:00 こまばアゴラ劇場 岸田賞作再演は古舘寛治演じるマザコン男のグロテスクをコミカルに転化し笑い増量で奏功。兵藤公美の隣の女もさばけた魅力倍増。野津あおいら兄妹も脆弱な王国にマッチ。変態度抜群に露骨な行為も笑え進化くっきり。

PLAY PARK 2012(ホナガヨウコ企画×d.v.d「リアル感電!!」、動物電気「ハッピーホーム」、中村有志「着物芸」「ベルサイユのバラ」、珍しいキノコ舞踊団「キノコース」、鳥肌実「玉砕演説」他)

2012年4月28日15:00 CBGKシブゲキ!! 短編フェスは充実布陣も日替わり組み合わせ微妙。12年版感電は映像&演奏とダンス融合が圧巻。動物電気も小林らタバスコ&酢飲む体張った笑い拍手。中村名人芸で笠智衆最高。キノコは既視感強いが終盤面白く流石。

星野博美 / コンニャク屋漂流記

2011年7月20日初版 文藝春秋 戸越在住の著者が祖父の手記手掛かりに自身のルーツ辿り五反田の町工場、房総の岩和田、紀州加太ら訪ねて意外な歴史明らかにして興奮。親族の細かな描写も楽しいが、小林多喜二との遭遇、鰯・金肥を巡る冒険が圧巻。

大谷能生 / Jazz Abstractions

2012年3月14日リリース BLACK SMOKER RECORDS 3曲で自らラップも披露した新作はジャズ音源たっぷり混ぜた圧巻アブストラクト。ミンガス作サンプリング豪快。黒い音源ループ格好よく、韻踏む朗読ラップで「奇妙な果実に蠅がたかーる」Bホリディのラスト美し…

ポかリン記憶舎 / 茶室 こなし庵 「宙の色-sora no iro-」

2012年4月22日16:00 ギャラリーKINGYO 窓外に谷根千望む好空間で陶芸個展に集う者たち描き奏功。笠井里美が作家役ハマり、山森信太郎と陶芸好き夫婦演じた中島美紀もさすがの安定感。外国人や芸大生もいいアクセント。オーナー役桜井昭子の茶会も嬉しい。

岡崎藝術座 / アンティゴネ/寝盗られ宗介

2012年4月21日18:00 STスポット ギリシャ悲劇×つかこうへいの見事なミックスで大成功。稲継美保や山縣太一らセリフ関係ない動きが面白く最高。つか節炸裂の旅一座を描いてエディプスの子どもたちの残酷な運命もしっかり。集団維持する非情さ鮮烈。

チェルフィッチュ / 現在地

2012年4月21日14:00 KAAT神奈川芸術劇場 大スタジオ フィクション挑戦は女性キャスト7人で淡々と「わ」語尾セリフ強烈な異空間。熊本生活の成果か村舞台の静けさ。姉妹のエピソード面白く、姉が連れてくる女性を嫌いラストで殺す展開に衝撃。カスミを青柳い…

平田オリザ演劇展vol.2 銀河鉄道の夜(原作=宮沢賢治、作・演出=平田オリザ)

2012年4月16日16:00 こまばアゴラ劇場 欧州で作成の児童劇は意外に直球でベタ気味。星たち映像をバックにシンプルながらカラフルなステージ。女優5人の3班設けた効果は微妙だが、友人の死を乗り越えるテーマがしっかり伝わり感涙。想稿な笑い欲しいか。

青☆組 / 青色文庫(A「青ずきんちゃん」「夕焼けの名前」「幸福の王子」 )

2012年4月14日18:00 古民家ギャラリーゆうど 過去作リーディング企画は目白の空間活用奏功。大人の絵本を開く13〜34歳の10年ごとの小夏世界味わう。特に13歳作を吉田が全役読むパロディ楽しい。4人の女優生きたOワイルド作の王子は切なく完成度抜群。

川上未映子 / すべて真夜中の恋人たち

2011年10月12日初版 講談社 再度正常文体な新作は年の差純愛もので奏功。フリー校正士のヒロインの冬子の地味キャラぶり圧巻。同じ30代女性の仕事パートナー聖とのコントラスト見事。教師名乗る50代男の三束の謎さ巧みで意外なほどの傑作。

毛皮族の軽演劇 演劇の耐えられない軽さだネッ(演目X オシッコ猶予中)

2012年4月13日19:30 軽演劇仮設シアター(スタジオイワト) 高野ゆらこ&町田マリー演じるアチャコ&チーコのロードムービー的異常旅行が素舞台でも雰囲気抜群。潮風な海岸想起鮮やか。おしっこ垂れ流しなアナーキーな展開さすが。暴走ヤクルト販売員潮崎を…

DULL-COLORED POP / くろねこちゃんとベージュねこちゃん

2012年4月7日14:00 アトリエ春風舎 全国ツアーから凱旋公演は家族テーマで怖さ十分。父の事故死で暴走する母を男優が演じ重い展開。劇作家で新婚の息子、受験勉強の邪魔される娘など関係性ずしり。遺言状のオチ残酷。母の化身な猫たちの軽妙さが救い。

春日太一 / 仁義なき日本沈没 東宝v.s.東映の戦後サバイバル

2012年3月20日初版 新潮新書 東宝と東映の戦後を描き見事な日本映画史。73年境に昔と今くっきり。東宝争議や東横映画期から60年代の斜陽期など経営や現場の苦労が切実。テレビ時代劇シフトの東映と配給・興行中心に移行した東宝と明暗鮮明。

平田オリザ演劇展vol.2 阿房列車(原作=内田百聞、作=平田オリザ、演出=木崎友紀子)

2012年4月5日19:30 こまばアゴラ劇場 元祖演劇乃素いき座へ書き下ろし作リメイクは山内健司&松田弘子が老夫婦演じ列車の中での無駄なダべり愉快。菊池佳南の謎な女も楽しい。クラシカルな舞台美術に花を使い新味。トークの平田自作語る思い出話も興奮。