RFF無線日記(リスタート版)

アマチュア無線局JR7RFFの無線日記 各地の移動記録や天文・星なども

柳家さん喬落語会in気仙沼


今年も柳家さん喬師匠をお迎えして落語会を開催しました。
今年の開口一番は10番目のお弟子さんの柳家小んぶ(やなぎやこんぶ)さんです。
小んぶ(こんぶ)さんは相撲取りに間違われるほどの大柄。
その巨体を利用して迫力ある演技です。
しかし,実際は甘いものが大好きだそうです。
差し入れにいただいた大福餅多数とくるみゆべしが大いに喜ばれました。
小んぶという名前ですが,北海道利尻,羅臼,日高等の出身ではありません。(あいさつでうけたのでブログにも書いておきます。)
さて,今回の落語会はこれまでとはやや雰囲気が違いました。
まず,なんと,東京からもお客さんがきました。まったくの想定外です。
チケット販売担当である,ファミリー歯科医院に「東京から参加したい」という電話があったということです。
小生のブログをご覧になったようです。
集客に役に立ったのは本当に良かった。
他にも山形県,一関等の県外からのお客様も見られました。
さすがさん喬師匠,人気は全国区です。
また,師匠は最近2冊立て続けに本を出版されています。
というわけで,会場で本の販売も行いました。
柳家さん喬 「大人の落語」と「噺家の卵 煮ても焼いても」
の2冊です。
「煮ても焼いても」の方は,ななななんと!
何日か前に私が書いたブログの記事を師匠がご覧になったようで,
「なんで俺のことはさらっと書いてあるくせに,さん助のことはやたら詳しく書いてある。なんで書いた人ではなく,弟子のさん助をほめるんだ。」と話していました。
ま,笑顔でしたけど。
「もう二度と見ない」と言ってましたが,また読んでくれないかなぁ。
落語会の方に話を戻します。
今回の開場は午後2時半でしたが,皆さん出足が早い早い。
しかも,今回は前の席から座っていきます。
2回に渡って椅子を追加しました。
さらに,今回は音響関係もプロの方にお願いしました。
というわけで,ちょっと本格的な落語会になってきました。
ところで,さん喬師匠の落語は超本格派です。
禁酒番屋」は
酒の席のトラブルで侍が二人亡くなったので酒を禁止した藩の話。最近聞いたようなタイムリーな噺です。
酔っ払いの様子が絶妙で,かなり笑えます。音声だけでは分からない仕草・表情もさすが名人技でした。
特に,間合いが素晴らしいという評判でした。
私はこれだけでも大満足だったのですが,最後の「柳田格之進」は,さらに輪をかけてすごかったです。
房州浪人の柳田格之進はあまりに杓子定規過ぎて暇を出されたのです。
本ばかり読んでいるのを心配した,娘綾乃の助言で囲碁に通うようになり,よろずやという良き囲碁仲間に出会います。
十五夜の宴会の後,離れにあった50両の大金が行方不明になります。
よろずやの主人が止めたにもかかわらず番頭が格之進に50両がなくなったことを伝えます。
疑われていると知った格之進は切腹して無実を訴えようとしますが,娘に止められます。
娘が吉原に身を売って用意した50両を番頭に渡して格之進は行方が知れなくなります。
50両を受け取るときに番頭は,「もし,50両が出てきたら
私と主人の首を差し上げます」と約束します。
それから何ヶ月か過ぎて,年末の大掃除の時に離れから50両が出てきます。
そして,新年の挨拶に歩いているときに,番頭は彦根藩に仕官した格之進とバッタリ出会います。
よろずやに行くと,主人が,「番頭を使いに出したのは自分だ。だから自分だけを切れ」と言います。
すると,番頭が「いえ,主人は『50両のことは二度と口にするな』と言ったのです。切るなら私を」と言います。
「私を,私を」とかばい合う二人に格之進は言います。
娘綾乃は彦根藩からの支度金で身請けをされたが明るい表情は消え去り,髪は白髪となり老人のようになっていました。
「綾乃にかける言葉を教えてくれ」
と言って刀を振り下ろします。
そして,二人の首が飛んで辺りには真っ赤な血が・・・というのではこれで噺がおしまい。
格之進は二人を切れず,碁盤をまっぷたつに。
その後,番頭が誠心誠意,綾乃を看病し,1年後には笑顔が戻り,やがて恋に落ちた二人に3年後には子供が生まれ,末永く幸せに暮らしました。
文字で書くとこんなものですが,
実際は頭の中で映画のように画像が流れます。
これは,実際に目の前で見ないと味わえません。
私は途中から涙涙で頭がぼうっとしてしまいました。
終わりの挨拶という大役があるので席を立たなければならなかったのですが,
気持ちを切り替えるのがたいへんでした。
本当にすごいものを見せていただきました。
あまりの素晴らしさについ長文になってしまいました。
師匠,今年もわざわざ気仙沼までおいで下さりありがとうございます。
そして,素晴らしい落語をありがとうございました。