RFF無線日記(リスタート版)

アマチュア無線局JR7RFFの無線日記 各地の移動記録や天文・星なども

星を見よう2…8「ふたご座流星群が極大」

 ふたご座流星群は,夏のペルセウス座流星群,1月4日のしぶんぎ座流星群と並んで三大流星群の一つに挙げられている流星群です。しかも,この中でも流星数が最多と言われています。このふたご座流星群が,12月14日に極大を迎えます。残念ながら予報では,極大時刻は14日の午後,まだ空が明るい状態なので,日本での見頃は12月13日(水)の夜だと思われます。ただ,ふたご座流星群の活動は12月7日前後から始まると言われており,極大を過ぎても数日間は活動が続きます。ですから,12月13日だけでなく,その前後には流星を多く見られることになります。予報では,極大日で1時間に60個前後ということですから,1分間に1個くらいの流れ星が見られることになります。何にもない夜だと,1時間平均で5〜6個ですので,かなり多めですね。どの流星群でも言えることなのですが,放射点が見えていないと流星群の活動は表れません。その点,ふたご座流星群のいいところは,日が沈んでから日が昇るまでの間,つまり夜の間はずうっとふたご座を見ることができます。この期間内であれば,夜になればいつでもふたご座流星群が活動していることになります。ただ,放射点が高い方が流星の数は多くなる傾向にありますので,ふたご座が空高くに見える深夜がいいことは間違いありません。
 さて,ふたご座流星群は他の流星群と比べて,ちょっと違う特徴があります。それは,見られる年数が限られているということです。19世紀にはほとんど活動が見られませんでした。20世紀後半には活発な活動を見せていたのですが,その頃は21世紀になったら見られなくなると言われていました。しかし,今でもふたご座流星群の流星を見ることができます。その後の研究で,ふたご座流星群の母天体は小惑星フェアトンであることが分かっています。小惑星フェアトンはもともとは彗星であり,雪や氷のように太陽の熱で溶けるものはとけて出てしまい,岩石成分だけが残った天体だと想像されています。フェアトンの周期は1.6年です。これは,太陽からの距離が平均で地球よりちょっと遠い位置にあることを意味しています。太陽からの熱はたっぷり浴びているんでしょうね。そのために,流星のもとになる物質をたくさん軌道上にばらまいたのでしょう。おかげで,私たちはふたご座流星群を楽しむことができます。やはり,以前から言われていたとおり,軌道は少しずつずれていてあと百年くらい後には地球の軌道と交差しなくなると言われています。ということはその後はふたご座流星群の活動は見られなくなるということです。偶然とは言え,ちょっとラッキーです。
 12月13日の深夜は月明かりもなく,流星だけでなく,豪華な冬の星空を楽しむことができます。オリオン座を筆頭に,シリウスは青白く天狼星という呼び名通りの輝きを放っていますし,ふたご座,こいぬ座の星々も見えています。M42オリオン大星雲は肉眼でも見ることができます。流れ星が流れていなくてもきれいな星空を楽しめるのもふたご座流星群の魅力の一つです。
 流星群の時はどの方向の空を見ればいいのかよく聞かれますが,流星群は全天で活動が見られます。ですから,どの方向の空を見てもいいのです。ただ,おすすめは,視野いっぱいに星空が広がる天頂付近を見ることです。ごろんと横になってみると首も疲れなくていいです。ただし,12月の夜中はかなり寒いのできちんとした防寒対策が必要です。