理系東大院生のブックレビューの説明

このブログでは、読書好きな東大生である著者が読んだ本のレビューをしていきます。興味のある分野・ジャンルはビジネス・ライフハック自己啓発・サイエンス・IT・小説・新書・エッセイなどです。つまりほとんどすべてのジャンルの本に興味があるということです。

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超★ライフハック聖典  迷えるアダルトのための最終☆自己啓発バイブル

超★ライフハック聖典  〜 迷えるアダルトのための最終☆自己啓発バイブル

超★ライフハック聖典 〜 迷えるアダルトのための最終☆自己啓発バイブル

ライフハックを風刺したネタのようなライフハック本。個人的には非常に好きな類の本。小飼弾さんのブログ404 Blog Not Foundの書評を見て購入を決めた本。

ライフハックの大原則】
・あるライフハックを実行しないという選択をした場合でも、次に用意されたライフハックを実行しなければならなくなる。そして後で実行するライフハック
前に実行するライフハックよりも効力が低い。


また、本書では本当に役立つ最低限の人生のコツが紹介されている

情けは人のためならず
人のふり見てわがふり直せ
善は急げ

この3つのライフハックを意識して実行するだけで、なんと素晴らしい人生になるか。

人生において大事なことを百個のことわざで表してみたり、百のQで表してしまうと、覚えきれないですし、つまみ食いで実行したとしても効果は薄いです。

そして本書の最後の章が秀逸。

「〜究極の自由、超★ライフハックの主役は・・・「生きることそのもの」なのです。」

結局ライフハックとして何が大事かというと、
・1つのことを貫徹することが全てであり、
ライフハックを実行するためのライフハックを実行することが必要である

後者のために、ライフハックを実行しなかったらどうなるかをリアルに想像し、ライフハックを実行して得られるものを想像する。

そしてライフハックの先に行き着くものは・・・生きることそのもの。人生の効率化の果てに訪れるのは生そのもの。

どんなに人生の目的をでっちあげても、自分探しの旅をしても、何も見つからない状態になり、ただ見えてくるものは「生きること」そのものなのです。

要はあれこれと人生の法則を試しては放り投げ・・・という暮らしをするのではく、「これと決めて筋を通せば良い」ということ。

もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら

表紙は若干アレだが、中身は非常に良い本。(個人的に表紙はマーケティング戦略の一環かなとか思う)
発想力が素晴らしい。スポーツ競技のマネージャーとドラッカーのマネジメントを絡めると、こんなに面白くなるんだとびっくりした。

本書では高校野球部のマネージャーのみなみが、ドラッカーの教えを元にチームをマネジメントしていく様子が書かれている。
特に面白かったのが、みなみがイノベーションに取り組んだという章。南はドラッカーの教えをヒントに、高校野球界の常識の変革に取り組んだ。

イノベーションの戦略は、既存のものは全て陳腐化すると仮定する。しがたがって既存事業についての戦略の指針が、よりよくより多くのものであるとすれば、イノベーションについての戦略の指針は、より新しくより違ったものでなければならない。
イノベーションの戦略の一歩は、古いもの、死につつあるもの、陳腐化したものを計画的かつ体系的に捨てることである。イノベーションを行う組織は、昨日を守るために時間と組織と資源を使わない。昨日を捨ててこそ、資源、特に人材という貴重な資源を新しいもののために解放出来る。(P296)


高校野球の何が古いかを考えた時に、みなみは『送りバント』と『ボール球を打たせる投球術』だと考えた。前者は打高投低が著しい現代野球にそぐわずに、打者の創造性が失われることを危惧し、後者はボール球を打たせることに拘るあまりキレや勢いというものが疎かにされる可能性が考えられた。そしてみなみは両者を捨てる決断して、全く新しいパラダイム「ノーバント」「ノーボール作戦」を打ち出した。

最後のシーンはしてやられたという感じで、非常にうまく伏線が張られており、物語としても非常に面白かった。是非一読を。

仕事をするのにオフィスはいらない ノマドワーキングのすすめ

仕事するのにオフィスはいらない (光文社新書)

仕事するのにオフィスはいらない (光文社新書)

ノマドとは遊牧民のことで、ノマドワーキングとはある特定の組織には属さずフリーランスで場所を変えて働くスタイルを指す。ノマドワーカーは仕事に必要な道具(PCやiPhone)を常に携帯し、どこでもオフィスに変えてしまう。本書は今後の働き方としてノマドスタイルを提唱している。

一定の場に定着して閉じこもっている「定住者」ではなく、自由に働き、意外な場所で意外なものと出会い、結びつき、新たなものを生み出す。
それは卑屈な言い方をすれば、会社の呪縛から解き放たれた自由な生活の実現でもあります。出世や社内政治、上司へのへつらい、中間管理職の板挟み、そしてラッシュ通勤や出たくもない社内宴会などでウンザリする日々は終わり、自分の努力次第で様々な人と繋がり、新たな出会いに感謝しながら刺激的な仕事を続けていく−そうしたノマド的な人生を開いていくことが出来るのです。

本書では、ノマドに必要な各種ウェブサービスクラウドを利用したもの、有用なiPhoneアプリも紹介されており、非常に価値の高い1冊。

また最後には今後の世界観に関する洞察もあって、非常に興味深い。知識の量は7年で倍になり、最も希少性の高いものは「時間」となる。そして今後は会社というシステムは姿を消し、もっと違う形で人と人とが繋がり、コラボレーションして仕事をするような社会が現れてくるだろう。

ヘッテルとフエーテル 本当に残酷なマネー版グリム童話

ヘッテルとフエーテル 本当に残酷なマネー版グリム童話

ヘッテルとフエーテル 本当に残酷なマネー版グリム童話

詐欺の構造を童話形式で優しく解説している。本当に簡単なからくりなのだ。
「投資予測が5回連続で当たることはなぜか?」ー考えてみたら本当に簡単なからくりであって、確率論なのである。

本文中には勝間さんや某メガバンクを揶揄する内容もある。カツマーと自称する人は是非一度読んでみてほしい。

ちなみに僕は勝間さんの本は嫌いではない。あんな風に行きたいと思わないが、うまく自分の生活に取り入れられる部分があって参考になった。
最近の著作はもうつまらなくなってしまったが・・・

メガバンクや大手の保険なんて汚いこといっぱいやってることは知っている。銀行や保険を志望する学生には、是非読んでもらいたい本。

大人げない大人になれ!

大人げない大人になれ!

大人げない大人になれ!

マイクロソフトの成毛さんの書いた本。就活してるこのタイミングでこの本に出会えたのは幸運としか言いようがない。こんな面白い大人、普通のことは言わないような大人がいて、それでいて本当に大きな成果をだしている。

自己の欲求を殺して、我慢して企業につとめることも1つの美徳だろうし、そういう人間も必要とされてきた。けれどもこれだけ選択の自由が増した現代において自分のやりたいこと、ワクワクすることをやらないのは絶対に勿体ないし、ここで言う「大人げなさ」は絶対に僕もなくしたくない。

ノーベル賞受賞者の2人に1人は可愛い:PCRを思いついたキャリーマリスはサーファー・無類の女好き・自らのマリファナLSDの使用経験を公言したとんでもない人物

・多くの大人は、たとえ興味が引かれる物事を見つけても、自分で言い訳を並べて立てて手をださないものだ。もう少し仕事が落ち着いたら、とか、何かきっかけがあればと考える。しかしいつまで経っても仕事は落ち着くことはないし、そう都合良くきっかけが訪れることもない。

・自らの無知から自然と湧いてくる疑問に従えば、常識とはまた違った答えに到達出来ることがある

・今では大学生のくせに何でも知っている人が増えて、やる前からこの仕事はつまらないだとか、これは面白いと判断しようとしてしまう。どんな仕事でも突き詰めれば、どこかで単調な部分が出てくるものである。

・クリエイティビティの源泉は「おばか」であること。

・やはりこの人は自分の感覚に正直に生きているのだな、ということだ。

・新しいことにチャレンジしない、他人と同じであることに安心する、知らないことに対して嫌悪感を持つ。これらは全て保守的な人間の特徴である。こうした特徴は無意識のうちに現れてくるため気づきにくいものだ。

・それまでに努力して手に入れた知識や経験ほど、否定しにくくなるのだ。

・人と違うこと、他者がしないことに価値を見いだす私としては、敢えて古くさい手法を取ることが、効果的で新しくもあると感じたのである。

・このように形式的な話し方(意味不明なカタカナ語や形式張ったメール)ばかりしていると、思考や発想までが型にはまり、つまらないものになってくる。話し方は、常にその人の考え方に大きく影響しているのだ。

・短い人生のなかで無用な我慢をしている暇はなく、やりたいことをやると決意したのだと思う。

・先に目標を設定してからやり方を考えるのでは、どうしても可能性の取りこぼしを生むことになるのだ。スポーツ選手は目の前の1つ1つの積み重ねを大事にする。ところがビジネスの世界では途端に誰もが最終ゴールを決めようとする。不確定な要素が多いのに、目標によって自分たちを縛り付けようとするのである。

・最近の若い人は正しいことばかり言うように感じる。

・他人の成功法をまねした所で結果は出ない。

・平日は好きになれない仕事に忙殺され、あとは休息を取るだけ、という人生には全く共感は出来ない。好きなことに夢中になっている時間こそが、人生を豊かなものにし、創造性の土壌を肥やしてくれるのだ。

・大人達は普段は冷静を装っているが、自分に取って致命的なことになると突然怒りだす。だから大人や既存勢力を相手に戦おうとすれば、相手を怒らせるところまでやるのが丁度いい。

・「Planned Happened Stance」世界を不確実なものととらえ、柔軟性を重視するキャリア構築の考え方。

・外国のエリートと話ていて恥をかくのは、自国の歴史や文化を知らなかったときだ。彼等はシェークスピアはもちろんのこと、ローマ史まで熟知している。日本人としては、源氏物語や歌舞伎についてだけでも語れるようにしておくと良いだろう。

・もし、ビジネスの世界でお金を稼ぎたいと考えるのであれば、1人だけ違うことを目指さなければならない。人と違う経験をし、人と違う考え方をする。

就活の法則

就活の法則 適職探しと会社選びの10ヵ条 (講談社BIZ)

就活の法則 適職探しと会社選びの10ヵ条 (講談社BIZ)

マッキンゼーで、戦略系コンサルタントとして著名な波頭さんによる就活本。僕と恐ろしく考え方が近しい本。今の就活生に1冊オススメするとしたら間違えなくこの本をするだろう。★が4つなのは、あまりにも考えが近く目から鱗が落ちるような新しい発見がなかったから敢えて4つにした。

【目次】
1. 「タテ軸指向」から脱却する
2. 「相対エリート」のポジションを狙う
3. 現在の企業人気ランキングは逆に読む
4. 「ランキングよりも業種」「業種よりも職種」で選ぶ
5. HPもOBも本当のことは語らない
6. 受けるのは5社で十分
7. 「当たり前のこと」は言わない
8. 人の評価は、10人中8人は同じである
9. 「入社後の就活」はハードワーキングである
10. 入社後5年間は転職しない

「やりたいこと」と「できること」のギャップ
・昨今の多くの就活学生は、「自分がやりたいこと」についてはあれこれと憧れ、高い望みを持っているようだが、「自分の能力や資質を客観的に評価すること」については疎かにしている傾向があるように思える(P16)

・目指す会社を選ぶ際に参考にすべきなのは、その会社の人気が高いか低いかではなく、「自分にはどういう能力があり、自分は仕事において何を求めるのか」という適性と動機である。大切なのは(企業人気という)縦軸ではなく横軸なのだ。

・企業の将来性を見るための3つの観点「インテリジェンス、規制、グローバル」の3点である。

・面接官がうんざりする話題3つ。「学生時代頑張ったこと」について、アルバイトかサークルかボランティアの経験。特に副代表という役職が以上に多い。(P111)

・勉強は有効なアピールポイントとなる。

・ブレることなく磨き上げた自己イメージを提示し、「こういう自分だからこそ、御社で仕事がしたいのです」と語ることが出来れば、必ず面接官への強いアピールとなる(P119)

・欠点を聞かれた時に、正々堂々と欠点に聞こえる欠点を表明した方が返って得である。何かプラスのことを言いたげな欠点を言うのではマイナス評価になる。(P121)

・合格者のイメージ
 1、明るく、謙虚で、落ち着いていること
 2、野心があり、負けず嫌いなこと
 3、賢い上に、努力家であること

・弱さを感じさせない謙虚さが大事(P133)

・結論とその結論を必然的なものにする根拠を明快に示して相手に伝える習慣を身につけるのだ。

・就活学生が面接に臨む際の最も合理的なスタンスはたった1つである。「真摯に、真面目に、全力で」である。

・(入社後に)「どんな状況でもどんな仕事でも黙々と取り組み、着実にやり遂げる姿勢」の方がインパクトが大きいのだ。

・努力する能力は何よりも貴重。入社後三年間のハードワーキングでこれを身につける。

・就活に臨むにあたって、「お金を払う立場」と「お金を貰う立場」の違いは学生が想像するよりもはるかに重いものであることを肝に銘じておかなければならない。

・職業人になることの意味の重さをまずきちんと認識しておいて欲しい。もし、この重さと大変さを十分に認識していれば、「とりあえず人気度ランキングの上位から順番に受けてみる」とか「面接の場で、あることないことを適当にアピールしておく」といった本書が批判した就活スタイルは自ずと姿を消すだろう。

・社会人として適職につき、仕事で成果をだして会社と社会に貢献し、自己成長を遂げることの喜びと充実感は、学生がそれまでの人生では経験したことがないほど大きなものである。