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はてな読み

2009-03-06

『もっと話せる絶対英語力!』




先週からバタバタと外出して疲れたせいか、38℃の熱などを出してしまい、ちょっと落ち着いてきたので「気晴らしにネットでもするかー」とはてな界隈の話題を眺めているうちに「いけない、このままではいけない」(田口トモロヲ風)という囁きが聞こえてきて、はてなのサービスを利用していると目にする話題に偏りが生まれることに今さら気付き、「フィードの整理をしないとダメだわ」となったのでGoogleリーダー以外のサービスをあれこれ物色したものの、いまいちどれも使い勝手が悪くて、特にライブドアリーダーが想像していた以上に使いづらく、「いけない、ライブドアリーダーではいけない」(田口トモロヲ風)という結論に至り、「このまま」Googleリーダーを使うしかないとなったのだけど、フィードの整理そのものはやっぱりクセがあって「なんだかなー」と呆れつつも忘れていたOperaのアップデートを行い、とりあえず標準のニュースフィードであれこれイジってみたらけっこう便利だったので、「まぁ、しばらくこれでいいかな」なんてほっと一息ついて海外の英文記事を読んでいたら、




「あ、やべ、英語の勉強を1週間もしてないわ。」




という最も大事なことを思い出しました。無意味に長い前置きですね、すみません。でも、英語の本は持ち歩いて読んではいました。古本屋さんでこれを買ったもので。




もっと話せる絶対英語力! (角川oneテーマ21)

もっと話せる絶対英語力! (角川oneテーマ21)




タイトルは「いかにも」な感じですが中身は硬派です。T・D・ミントンやマーク・ピーターセンの本と似て「英語ではこう表現したほうが良い」というヒントを与えてくれる本です。著者は岡本浩一という学者さん。




岡本浩一

(おかもと・こういち)


1955年大阪府生まれ。社会心理学者。東京大学文学部社会心理学専修課程卒業。同大学院社会学研究科社会心理学専門課程を経て社会学博士。現在、東洋英和女学院大学人間科学部教授。この間、オレゴン大学フルブライト助教授、カーネギーメロン大学大学院博士学位審査委員など。JCO事故、東電シュラウド傷不報告事案、JR西日本脱線事故など多くの事案で政府の調査委員などを務めたほか、科学技術振興事業機構・社会技術研究開発センターで社会心理学研究の指揮をとり、わが国の社会技術研究の萌芽と確立に努めた。現在、内閣府原子力委員会専門委員。

主な著書に『無責任の構造』『権威主義の正体』(以上、PHP新書)『組織の社会技術』(全5巻・新曜社)『リスク心理学入門』(サイエンス社)など多数。


http://www.php.co.jp/fun/people/person.php?name=%B2%AC%CB%DC%B9%C0%B0%EC




英語ではなく心理学の先生のようです。案外、こういう専門外のかたがストレートな方法論を示してくれることがあります。英語関連ではこちらの本も有名らしい。




最強の英語上達法 (PHP新書)

最強の英語上達法 (PHP新書)


Amazon.co.jp: 最強の英語上達法 (PHP新書)のdinkydorothyさんのレビュー

結論から言いますと、真摯な姿勢で英語学習に取り組むべく考えている人には、英語学習の羅針盤として優れて有用な本の一つだと思います。ところで様々な英会話本がこれほど書店の店頭に溢れるのは、多くの学習者が「何のために英語を学びたいのか無自覚、即ち目標が不明確だから」でしょう。本書では、冒頭で、英語を学習する目的と姿勢を明確にするべく説かれています。




なかなか良さそうです。スパルタ的な勉強法を説く学習指南本は多いですが、たいていは「量は質を凌駕する」という間違った方向性を押しつけるものです。「量が質を凌駕する」ケースというのは同等の質を持っている場合に限られるわけで、そもそも質が悪い勉強法をいくらごり押ししたところで上質な1時間の学習には及ばないと思うんですよね。


その点で『もっと話せる絶対英語力!』で紹介されている考え方は非常にしなやかで好感が持てます。例えば、発音コンプレックスについての記述などは明快すぎるくらいに明快です。




私たちは国際コミュニケーションの道具として英語を使うのである。その文脈では発音コンプレックスが無用の長物だと考えていただきたい。


                       『もっと話せる絶対英語力!』P.220




クリティカルピリオド(臨界期)については言及してないものの、やはり発音に関してはセカンドランゲージとして学習を始めた外国人ではネイティブ並のそれは獲得できないと割り切って、そのうえできちんとした英文法、正しい言い回しを学ぶべきだと提案されています。ここらへんは先日読んだ『外国語学習の科学 - 第二言語習得論とは何か』においても同様の主張が為されていました。(もちろん、発音の重要性は変わらないのですが、もしかしたら、日本人にとってはリスニング力を上げるため、という意味合いのほうが大事なのかもしれません。)


また、実際に他者とのコミュニケーションにおいて「どう言えばいいのか」という例がたくさん取り上げられています。例えば、パンプスを履いている女性がデコボコ道で歩きにくそうにしている場合に男性がちょっと手を添えてあげようと申し出るときは・・・




May I offer my support?




と言って手を差し出すのが良いとのこと。また、タクシーなどに乗る場合、「お先にどうぞ」は・・・




Please go ahead.


After you.




で、オッケーなわけですが、「お先に乗られますか? それとも、わたしが先に乗ったほうがいいですか?」と相手に尋ねる場合はこう言うらしい。




Would you like to get in, or would you rather want me to get in first?




なるほど。"rather"を使うのですね。また、こういう例を読むことで欧米のレディファーストの文化を知ることも出来ます。日本はあんまりレディファーストってないですしね。




Amazon.co.jp: もっと話せる絶対英語力! (角川oneテーマ21)の即天去私さんのレビュー

日本語で同じことを表現するのに色々なレベルがあるように、

英語にも当然そういったレベルがあるという、いわば英語の

background ともいえるものを解説している。英語の敬語表現

の解説も多い。

海外に出かけて英語を少し話す日本人が、如何に恥をかいて

いるかがわかって、読んでて赤面してしまうところも...

しっかり英語を勉強しなきゃ、て気持ちにさせてくれます。




最近考えていることなんですが、「英語の時代」と言ってるわりには「英語で相手にどう伝えるか」というコミュニケーションの本質についてあまり触れられませんよね。ほとんど外国人のかたと話す機会のない自分が言うのはおこがましいのですが、「英語で話す」ということは「相手の外国人はそれを聞いてくれている」ということなわけで、そう考えていけば失礼にならないように正確な英文法や語彙、言い回しの習得というのは大事なのではないか、と思います。


でも、日本の英語学習モノを眺めていると「こうやったら英語が上達する」みたいな自己中心的な発想のほうが圧倒的に強くて、「相手がどう感じているか」についてはあまりケアされてないのかもしれません。(もちろん、上級者のかたはご存じでしょうし実践されているとは思います)


思うに「敬語は日本語にしかない美徳」というのは間違った思い込みではないでしょうか。英語はひたすらにシステマティックで、情緒的な点においては劣っているという考えは「だから日本語は素晴らしい」という自己満足と「英語は伝わればいいんだ」みたいな乱暴さが混在しているのでは。


日本人の英語教育は方法論のブラッシュアップだけでなく、そこらへんの意識について再考することも大事なのではないでしょうか。自分たちで思っている以上に、日本人って大雑把なのかもしれないわけで。もちろん、それは自分も含めての話ですが。




ということで、こんなことを考えるきっかけを与えてくれますし、なかなか硬派で骨太な良い本です。他の著作についても読んでみようと思っています。

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