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はてな読み

2009-12-02

TOEICのこと




これ、某所で見かけたキャッチフレーズなんですが。




「TOEICで900点突破しました!」

「TOEIC 850点突破しました!」

「TOEICで文法問題が全問正解できました!」

「TOEICが1年弱で200点以上もアップしました!」

「TOEICで150点もアップしました!」

「TOEICリーディングセクションだけで100点も上がりました!」

「TOEICが一気に100点近くアップしました!」

「質問しても、丁寧に回答してくれるので本当に助かります!」

「これほど分かりやすい英文法教材は初めて!」

「もっと早く知っていれば!」

「英文がパズルのように見えるのが本当に面白い!」




スコアが気になるのは人情としてわかるんですが、TOEICの成績分布ってほとんどベルカーブですよね。


TOEICというテストは広く人口に膾炙しているので、次々に新規受験者が参入しています。そういった新規参加の受験者の多くはまだ基礎的な知識が足りないし、また、日本で生活している限り、英語はそうそう必要ないので、それほど英語学習が進んでない段階でTOEICを受ければスコアは出ないのでしょう。


ただ、忘れてはいけないのは、TOEICのスコアは点数ではなく、すべての受験者のなかでどれくらいの位置に属しているのか、を表わすということ。


その仕組みを考えれば、「1年弱で200点以上もアップしました!」は当たり前のことかもしれません。1年間も勉強してきて、まだ何もやっていない新規参加者たちの集団に埋もれているとすれば、それはサボっていたことに他ならないわけで。


ただ、本当の問題点はスコアが上がってきた後じゃないかな、と個人的には思ったりします。どこを目標にすべきなのか、はっきりわからない部分があります。


わたしが例題を見る限りにおいては、TOEICにはボキャブラリー重視の傾向があるように感じられます。言い換えるならば、問題そのものはそれほど難しくないのに、その単語を知らないために正答を導くことが出来ないということ。


その対策としてはボキャビルをすることが一番なのでしょうが、果たしてその語彙は自分自身の英語能力にとって必要なものなんでしょうか。TOEICでハイスコアを取るためだけに覚えているとしたら、それは果たして英語学習としてどうなんでしょう。


どの試験においてもボキャブラリー不足がネックになって解けなかった問題というのはあるでしょう。ただ、それを確認する手段がTOEICにはないんですよね。問題も非公開、解答結果も非公開、おまけに個人レベルでの解答速報まで禁止するわけですから。




TOEICからの申し入れ 日向清人のビジネス英語雑記帳:スペースアルク

ご存じの方も多いことでしょうが、上の二つの人気ブログで受験者の復習の便宜を考えてTOEICの解答速報を掲載していたところ、TOEIC側から止めろと申し入れてきたそうです。「TOEIC連続満点サラリーマンのブログ」のTEX加藤さんによるブログ上での説明によると「TOEICは非公開の試験ですから、解答の漏えいがあると試験自体に影響が出る恐れがあり、また、問題を製作しているETSの著作権保護の観点からも解答速報はご遠慮頂きたい」という趣旨の申し入れがあったとのこと。


いやあ、驚きます。非営利の個人ブログを相手に、英検やケンブリッジ英検がこんなことをするとはまず考えられないだけに、なおさらです。経産省所管の公益法人だというのに、ライセンス元のETSの指示にしたがって、なりふりかまわず米国流の法律論をふりまわしているのでしょうか。




これでは確かめようがありません。


TOEICのすべてが悪いとは思ってないのですが、果たしてスコアはどこまで意味を持つのか、それについては受験者がそれぞれに考えたほうが安全じゃないでしょうか。大学受験のように合格という具体的な目標がないぶん、TOEICのゴールは曖昧に見えます。


おそらく、900オーバーのスコアはボキャビルが必要になるはずです。普段は見たことも聞いたこともない単語を覚えなければいけません。でも、その前にまだまだ勉強しないといけないことがたくさんあるような気がします。それぞれの目的に応じて目標スコアは変動して構わないし、また、そうであるべきでしょう。


今回の解答速報の禁止という措置は、そういった個人単位での「TOEICの使い方」を封じてしまうんじゃないですかねー。



参考リンク


TOEIC好きのTOEIC知らず:TOEICのスコアに対する認識不足と誤解 日向清人のビジネス英語雑記帳:スペースアルク


TOEICを大学で教える人たち:英語教師のTOEIC談義 日向清人のビジネス英語雑記帳:スペースアルク


TOEICの正体はベルカーブ 日向清人のビジネス英語雑記帳:スペースアルク


TOEICは絶対評価なのか相対評価なのか:TOEIC界の権威は絶対評価説 日向清人のビジネス英語雑記帳:スペースアルク


(続)TOEICスコアは絶対評価なのか相対評価なのか 日向清人のビジネス英語雑記帳:スペースアルク


(上)TOEICなどの択一形式テストの限界 日向清人のビジネス英語雑記帳:スペースアルク


(下)TOEICなどの択一形式テストの限界 日向清人のビジネス英語雑記帳:スペースアルク


(上)TOEICブームの虚実:社会的責任という見方 日向清人のビジネス英語雑記帳:スペースアルク


(下)TOEICブームの虚実 日向清人のビジネス英語雑記帳:スペースアルク


韓国TOEIC事情:平均スコア日本以上の国で進むTOEIC見直しの動き 日向清人のビジネス英語雑記帳:スペースアルク


大学の4割がTOEICで単位認定:問われる大学の見識 日向清人のビジネス英語雑記帳:スペースアルク


TOEICで英語教育の効果を測定できるのか:教育再生懇の中間報告に疑問 日向清人のビジネス英語雑記帳:スペースアルク


TOEICを活かしたコミュニカティブ英語の学習法 日向清人のビジネス英語雑記帳:スペースアルク


TOEICこぼれ話 日向清人のビジネス英語雑記帳:スペースアルク


(続)TOEICこぼれ話 日向清人のビジネス英語雑記帳:スペースアルク