TechCrunch StartupMeeting
iPhone入門的なわりかし誰でも知ってるような話からはじまり、市場データ、アプリ紹介、スタートアップ企業のリアルな開発話などなどものすごく密度濃かった。
以下、自分メモ。
- 日本のメーカーはAndroidを使ってビジネスモデルまで含めたクローズドなプラットフォームをつくるべき
- アプリマーケット、課金、広告の仕組みを自前で揃える
- プラットフォームとアプリの間に入る中間サービスが狙い目
- キャリアの上層部もいずれiモードモデルは崩壊してスマートフォンが主流になると見ており、ソフトランディングの道を模索している
- freemium課金
- 無料版をシームレスにフル機能Verに移行させる
- 再度アップストアでダウンロードさせずにアプリ内課金の仕組みでアップグレードさせる
- 広告にもおなじ考え方を適用する
- facebook/iPhone/ケータイキャリア間などのクロスプラットフォーム技術が今後伸びてきそう
忙しい人のための「iPhoneの本質 Androidの真価」
- 作者: 日経コミュニケーション編集
- 出版社/メーカー: 日経BP社
- 発売日: 2008/12/18
- メディア: 単行本
- 購入: 24人 クリック: 279回
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今、何か新しいテクノロジーを使って人々のライフスタイルを変えるようなことをしたいと思ったときに、Argumented RealityとかInternet of Thingsっていうキーワードに辿り着く。で、それらを乗せるプラットフォームとしてiPhoneやAndroidが存在するんだよなー。ここらへんのテクノロジーを発端にして、去年ぐらいから何かものすごい新しいことが始まろうとしている予感がするのです。
クラウドとして提供されるWebアプリケーションと、アクセス端末としてのモバイルを効果的に組み合わせたアーキテクチャみたいなことを今、世界中で考えてるわけで、ちょっと調べると面白いネタがガンガンひっかかる。今年は仕事でこういったテクノロジーに関われるチャンスがありそうなのでしれないので、常に情報に敏感になっておきたい。
P22
これまでお話したライフスタイルとテクノロジのギャップが生じたときに何かを起こして、テクノロジやインフラの恩恵をユーザーが受けられるようにする。これがベンチャー企業の役割だと思っているんですよ。
(中略)
テクノロジとかインフラをうまくまとめてあげて、スイッチング・コストをぐっと下げて、人々のライフスタイルを変えることこそが、僕のようなエンジニアやベンチャー企業ができることです。
P87
私は、今後Webアプリケーションが主流になると思います。ユーザーを囲い込んだ者勝ちになると、iPhoneユーザーだけでは足りない。パソコンでもiPhoneでもAndroidでも、誰でも見られるようなサービスによって会員を集めたところが勝つと思います。その意味でWebがいい。
P125
これを見ると、「Apps without borders」というキーワードは、グーグルとしてはリアルとバーチャルの融合という思想ではないかと思います。目の前に広がるリアル空間と、Web上にあるバーチャル空間との境界線をいかに取り払うかという思想です。
P207
つまりプラットフォーム競争は、一つひとつのデバイスごとではなく、いかに多くの製品群に対して共通のプラットフォームを取れるかが鍵になってきます。より広くプラットフォームを取った方が、主力になっていくと思います。
最近、紙っぽい素材でできたスクリーン見たことあるけどすごいよ。個人的には薄いシート状のスクリーンで必要に応じて広げて使うみたいな感じのが普及すんじゃないかと思ってる。手帳型って開いてるページの画面しか見えないじゃん。まあ、デュアルディスプレイ何がいいのか分からんので、今度あまってるモニター使って試してみるか。
P51
手帳型iPhoneは、まず画面が狭いという問題を解決するためには画面を広くしなければいけないというところから発想しました。携帯電話の画面はこれ以上広げられない。それなら数を増やせばよい、という結論に達しました。画面が動機しているので一枚のように扱えます。実際に手帳のような形状なので違和感はないでしょう。
僕はこれが未来のパソコンの形、もしくは未来の携帯電話の形になると思っています。最終的には十六ページぐらいの手帳型コンピュータが登場するのではないでしょうか。つまり十六枚のディスプレイがあるのと同じです。
こういうデジタルコンテンツの流通基盤は、キャリアの公式サイトだったりAppStore、Android Marketなんかだけでは全然需要を満たせないわけで、色んな事業者が参入してきて乱立状態になるのが目に見えてる。ユーザを集められて、コンテンツプロバイダの要望にはまるインフラを組み上げられれば純正のマーケットに対抗できるようなものが作れると思う。多分今年中には検索機能とかコミュニティ機能が充実してきて、SNSと境界線が曖昧になるんだろうな。
P62
App Storeのアプリはデベロッパがある程度自由に値付けして、その売り上げの三十%をアップルが徴収します。つまり、七十%がデベロッパに入る仕組みです。最初の一ヶ月の六〇〇〇万本分の売り上げは三〇〇〇万ドルですから、デベロッパに二一〇〇万ドル、アップルに九〇〇万ドルが入ったことになります。アナリストの中には、App Storeは年間約三億六〇〇〇万ドル規模の市場になると言う方もいます。
P64
ただ、サミーネットワークスという公式CP(コンテンツ・プロバイダ)からすると、これまでの携帯コンテンツのような月額固定課金が魅力的です。月額固定課金の場合は、アクティブに使うわけではないが、まだやめるほどではないという方がCPの利益率を押し上げています。ですから、App Storeの都度課金モデルには入りづらい面が若干あります。
キャリアが意外とこれまで自分達で積み上げてきたものを信頼してないこと、海外からの現時点での機能の充実度も実績もはるかに劣るプラットフォームにどうやら負けると思っていることがひしひしと感じられて、何だかなーと思う。
P112
日本の携帯電話は、いずれ滅びるように思います。モバイルの世界が過去と同じ歴史を繰り返しているように見えるからです。
(中略)
日本の携帯電話も、ワープロ専用機と同じではないでしょうか。非常に多くの機能を持ち、特に日本に適した機能が豊富ですが、非常に極端な特殊性を持っている。生物としての強度みたいなものに少し疑問を持たざるを得ません。
P174
もう一つの方向性が、家電的な進化です。必ずしも通信を使わない機能に特化するといった方向です。私どもの例でいうと、カメラケータイの「EXILIM」、ウォークマンケータイ、スポーツケータイというように、機能を間引いていくようなアプローチを進めています。カメラに近づけたり、ワンセグ端末に近づけたり、あるいはウォークマンに近づけたりということです。
(中略)
むしろ、シンプルな環境、オープンな環境の方がよいかもしれないという点も、オープン・プラットフォーム活用の適用範囲であろうと期待しています。
P174
期待としては、Webアプリケーションとの親和性に尽きます。多重に積み重なってきたモバイル・インターネットとは一線を画した、別領域の全く新しいプラットフォームが必要になります。Webアプリケーションに最適な環境を考えると、これまで作り上げてきたEZWebの世界と決別をしなくてはいけません。逆に言うと、オープン・プラットフォームが最適なので、Androidをはじめとしたオープン・プラットフォームのモデルに積極的に取り組んでいるというのが今のスタンスです。
P189
今回は非連続なものにしたいと思っています。モバイル・インターネットとPCインターネットの共存は考えていないので、EZwebとは全く切り離したいと思っています。ただし、音楽機能やテレビ機能などは共存する可能性が十分あると思っています。日本的でよいものは取り入れつつ、ネット的でオープンな環境は解き放っていきたいと思っているので、何らかのカスタマイズはあってよいと思っています。
P201
同じことは、私が以前いたパソコン業界でも起こりました。NECのPC-9800というプラットフォームがあり、日本ではPC-9800が圧倒的なアーキテクチャのシェアを持っていました。ところが海外ではIBM PC互換機が標準になり、PC互換機がDOS/Vという形で日本に入ってきました。その後、あっという間に日本でもPC互換機が標準的になりました。同じ動きが形態電話でも起こるだろうと思います。
これものすごい驚いた。Apple IDがあればどこでも買い物できますみたいな決済サービスを展開できそうだ。そのうちクレジットカード会社と同列みたいな感じになるのかもね。
P207
二〇〇八年九月上旬ぐらいだと思いますが、アップルのApple IDのアカウント数が六五〇〇万を超えました。Apple IDとは、アップルが発行するIDです。そのIDはクレジットカード番号をひも付けられています。iPhoneでアプリケーションや音楽を買うとき、オンライン・ショッピングの「Amazon.com」のワンクリックを使えば、パスワードを入れるだけで個人を認証して購入できます。
アップルがIDとして六五〇〇万人の決済機能を持っているというのは、驚異的なことです。この流れは、コンピュータ業界と通信業界とのいろいろな意味での融合だと思います。
多分今年最後のエントリーなのでリアルな話
しばらく仕事が肉体的にも精神的にもきつかったんだけど落ち着いてきたんで、久しぶりの更新。
なんできつかったかというと、SIerからインターネット事業会社に転職したからです、はい。
前の会社を辞めたときに次が決まってたわけじゃなくて、結構周りに相談して、色んな人に会って色んな話を聞いたりして最終的に今の会社に決めた。
退職した後は、目の前の仕事がないから普段あまり読まないような本を読みまくったりとか、違う業界の友人と飲みに行って話しを聞いたりとか結構楽しかったりしたんだけど、金融恐慌と時期的にかぶったりとかして親が焦りだしたのと、生活のリズムが狂い始めてグダグダになってきたりとかして結局ニートは2ヶ月も続けらなかった。
ニートやってる奴らってすごい根性あるよなあとものすごく思う。
で、新しい職場だけど、開発環境とか激変するかなと思ってたんだけどそうでもなかったりする。ていうか元SIerめっちゃ多い。
ま、ネタになるようなこととか色々あるんで、SIerとインターネット事業会社の違いとか、そのうちblogに書きたいなーと思う。
とりあえず一番変わったこと書いとくと、担当するサービスごとに一部署みたいになってるんで、営業とかカスタマーサポートとの距離がものすごく近くなったこと。事業計画とかサービスに関係する人全員で集まってディスカッションして決めていくんでそれはものすごく楽しい。
現状で転職してよかったと思うし、この先も絶対に転職したことを後悔することはないと断言できる。ちなみに前に転職したときもそうだった。逆に環境を変えずにずっと同じことをやっていたとしたら絶対後悔していたと思う。
今の職場に不満があって、こういうことがやりたいってことが具体的にあるんだったら、愚痴とか上司の悪口とか言ってないで今すぐ行動するべきだと思う。
「フラット革命」読んだ。
- 作者: 佐々木俊尚
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2007/08/07
- メディア: 単行本
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今さらだけど佐々木俊尚さんのFlat革命を読んだ。この人の本は読んでいて本当に色んなインスピレーションが沸いてくる。
以下、ひっかかったところをピックアップ。メモの抜粋なんで原文は多少違うかも。
著名人でもなければ、実名が信頼の担保とならない。
実名で発言すると、今度は発言の内容の質とは違う判断をされてしまう。
発言する側も、実名だとどうしても発言を自主規制しがちになる。
言う側も聞く側も、本音で語りあうことは難しくなる。
匿名のほうが発言の中身で判断しやすい。
実名の開示を要求されることによる自主規制。
匿名における個人属性からの解放。
リアル世界でのコミュニケーションよりWeb上でやる方が容易にできる場合っていうのがあるわけで、それは上で言っている匿名性であったり、Web人格(アバター)というクッションを自己と他者の間に設けたりってことなんかだと思う。
Web上でのユーザ同士のコミュニケーションの在り方は、いかにリアルに近づけるかって方向じゃなくて、Web上だからこそできる(リアルではできない)コミュニケーションの形が少しずつ生まれてくるんだろうな。
戦前の農村共同体(ムラ)が終戦とその後の高度成長によって崩壊し、共同体を喪失して行き場を失った人たちが、最終的に企業に対して、ムラの代替としての意義を求めるようになった。
はてな村や2ちゃんねらーやニコ厨のように、集まるユーザを「われわれ」としてひとくくりにできるサービスっていうのは求心力があるよね。
すでに崩壊した農村共同体や日本企業の代替としてのサービス。
ムラを形成するサービス。サービスを軍隊 or 国家 or 学校であると位置づけてみる。
すぐれたロックバンドがティーンエイジャーをひきつける理由。日常よりもずっとリアルだから。
アバターによるチャットサービスweblin
このサービス、マイブームなんでちょっと紹介。
weblin
http://www.weblin.com/
weblinは、ブラウザ下部に現在表示中のWebサイト(ドメイン単位)を閲覧しているユーザのアバターが表示され、チャットを楽しむサービス。
誰でも参加できるパブリックなチャットルームと自分でアクセスユーザを設定できるラウンジと呼ばれるチャットルーム、あとは1対1のプライベートチャットが可能。
アバターは豊富に用意されているものから選択もできるし、自分で作成することも可能。デフォルトで用意されているアバターは8頭身のが多いけど、慣れるといい感じ。
何人くらいユーザいるのか知らないけど、他のユーザに出会えるサイトは限られていて、GoogleとGMailとWeblinのサイトでしか見かけない。あとはYouTubeとかニコ動にたまにいるくらい。
リアルタイム性と偶発性(偶然の出会い)を持っていて、もう少しユーザ数が増えて発展していくと面白くなってきそうな気配がものすごくある。
日本のユーザは今のところ少なく、話しかけてもあんまり反応してくれない。逆に外人はやたら積極的で、女の子のアバターにでもしようものなら、もうどこかのサイトに入った途端にやばいくらい声かけられまくる。hi honeyじゃねーよ!
Android勉強会(第9回)に行ってきたぜ
勉強会/第九回 - Android勉強会
http://android.siprop.org/index.php?%CA%D9%B6%AF%B2%F1%2F%C2%E8%B6%E5%B2%F3
第八回は風邪がひどくて寝込んでたので、家でuStream見てたけど途中でうまく動かなくなってダメだった。
http://www.adamrocker.com/blog/の人の話聴きたかったんだけどなー。
今回も、ADCファイナリストの登壇にくわえて日本Androidの会の発足発表があって面白かったです!
以下、琴線に触れたとこをピックアップ。
ADCファイナリストの渡嘉敷さん - MyClosetの人
Androidを使ってみて、iモード、iアプリの世界と比較すると、これはかなり期待できそうと思ったそう。
MyClosetには、ラウンド2用に位置情報からお天気情報を取得して表示する機能を追加した。→機能の絞込みが重要
画像のエフェクト効果をカメラで撮影時に付加している。
ジッパーに開閉による画面遷移はFrameをスライドさせている。アニメーションはタイミングが難しいので使っていない。
UIデザインに全体の工数の半分を使うほどUIを重視している。
AndroidはUIデザインがしやすい。→iアプリではCanvasとViewの混合はできない
丸山先生 - 日本Androidの会の設立趣旨
OSSコミュニティだが、Android関連ビジネスの活性化にも尽力したい。
ワーキンググループをいくつか発足させ、毎週何かしらイベントをやる予定でいる。
9/12に富士ソフト秋葉原ビルで講演をやる。
→http://android.siprop.org/index.php?%B9%D6%B1%E9%2F%C8%AF%C2%AD%BC%B0%C5%B5
250人入る会場ですでに200人の応募がある。
三井ベンチャーズ i*deal Competitionの芳川さん
i*deal Competitionはあえて賞金に上限を設けない。
すでに受付を開始していて、高校生の応募があるそうだ。
iPhone、Symbian OSのオープン化、Androidなどモバイルプラットフォームの世界規模でのオープン化が進んでいく。
日本のベンチャーの課題はベンチャー企業およびベンチャーキャピタルに人材が集まらないこと。
日本にはアイデアも技術も資金あるのだからベンチャーが軌道にのる土壌は存在する。
今は産みの苦しみの時期(USもこういう時期を経て今がある)。