先月買った『LONG SEASON '96〜7 96.12.26 赤坂BLITZ』を聴いている。これは僕の能力の問題だと思うけど、フィッシュマンズのような馴染みのあるものでも、音楽は聴いてすぐそれがどの程度のものか分かるということはなく、何度も聴くうちに自分のなかでの位置が定まっていく。これが本や映画の場合は、たとえ最初の数ページや数シーンでも、それなりに「すぐ分かる」という感じがある(もちろん時間による変化もあるけれど)。考えてみれば、本や映画と比べて音楽こそ本来は一回性の芸術なのだから、これは妙なことに思える。