災害時の無線について聞いてきた

秋葉原の無線屋さんで聞いてきました。災害時などに携帯電話が不通になってしまいます。通話はもちろん、メールやインターネットでの連絡もできなくなる可能性があります。その場合に、家族とかと連絡をとる手段として、無線が活用できないか興味を持ちました。


現在、無線機としては、下記のようなものを購入することができます。


A)特定小電力      免許不要 500m〜2km      5千〜1万円
B)アマチュア無線    免許必要 1km〜∞ (出力による)2万円代〜
C)登録機        免許不要 1km〜8km       4〜5万円
D)ワイドバンドレシーバー免許不要 -(相手の出力による) 1万円〜


Aはいわゆる「トランシーバー」というやつで、スキーとか現場仕事とかで使われているものです。2個セットで1万円ぐらいから売ってます。当然免許不要。一番普及しているタイプですが、到達距離はとても短いです。2kmというのは海岸線とかスキー場だけで、市街地では500メートルとか。


Bは「アマチュア無線」とか「ハム」といわれてるやつです。これは出力とアンテナの長さによってとてつもなく遠い距離まで到達できます。地球一周とか。ただ、普通に売られてるのはハンディで5Wぐらいですから、アンテナ交換なしだと見通しが良くて4kmぐらい、市街地なら1km。車載器なら20Wのものがあり、それで高台とか見通しのいいところに行くと10〜15kmは飛ぶみたい。(もちろん世界中と通信する人はいます。これはあくまで緊急時を想定です)ちなみに、アナログ回線なので、会話は他の人から丸聞こえです。


Cは最近出てきたもので、機械を総務省に登録することで、免許不要で5Wのものを使えるようにしよう、というものです。デジタルなので、他の人には声が聞こえません。ちらはコンサート会場とかのスタッフ連絡にも使えます。Bは「アマチュア」のためのものなので営利目的や業務に使ってると文句を言われます。5Wなので、届く範囲はアマチュア無線のハンディ機と同じぐらい。アマチュア無線との相互通話は出来ません。


Dは「聞くだけ」専用のもの。こちらから話すことは出来ません。アマチュア無線からテレビラジオまであらゆる電波を「聞く」ことができます。僕が大学生ぐらいの時は携帯電話もアナログだったのでコレで聞くことができました。当然、消防無線とかも聞こえるので、災害時にはどこで火事が起こってるかなどの把握をすることができます。届く範囲は相手がどれぐらい強い電波を発しているかによって変動します。


さて、携帯電話が通じないときに家族と連絡を取るのに使う目的として、適しているのはどれでしょう、という質問を店員さんにしたところ「Bアマチュア無線機」であるとの答えが帰ってきました。理由は「アナログだから、緊急メッセージを出していれば、たとえ家族が見つからなくても誰かがあなたをみつけてくれる」ということでした。アナログなので、みんなが一斉に使えば混信してしまいそうですが、そのあたりは実際どうだったのか知りたいところです。


Cの登録機も悪くないと思っていたのですが、僕の職場(渋谷区)と家(中央区)では通信できなさそうです。家族間においては、1キロぐらいの範囲で離れて話をする必然性。というのは極めて限定的です。それほど離れていない避難所同士の通信などにメリットが生きてくると思います。。


意外に便利そうだと思ったのがDのワイドバンドレシーバー。ワンセグテレビやラジオで大まかな情報を拾いつつ、もっと細かい地域の情報を消防無線や防災無線で知る。というのに役立ちそうです。と、いうことで、ワイドバンドレシーバーを買うことにしました。航空無線も聞こえるしね。発信することはできませんが、避難経路の推定には役立つかもしれません。


結論としては
・家族の無事を確認するには無線では難しい。「災害伝言ダイヤル」を利用するのがいい
・テレビ・ラジオで得られない情報を獲得するのに『ワイドバンドレシーバー』は有効そう
・避難所同士の通信に「登録機」は使えそう
・免許を持っていれば、アマチュア無線機でSOSを出すと緊急時に助かる可能性があがるかもしれない


という感じです。ご参考まで。


※上記の距離はあくまで、都心・市街地を想定しています。アンテナの準備、電源供給等が十分ではない状態で、「ほぼ毎回通話できる」距離で考えています。アマチュア無線家の方々のチャレンジとは状況が異なりますのでご理解ください。間違いがあればご指摘ください。