刊本作品 −武井武雄が創った奇跡の美書たち−(再訪その1) @イルフ童画館

前回の感動が忘れられず、こんどは、一泊二日のプチひとり旅。日帰りだと、せわしないんだもん。前回イルフ童画館来訪時にいただいた、「童画のまち おかや 武井武雄マップ(web版*1」に行ってみたい場所がいっぱい紹介されていたためというのもあります。イルフ、おそろしい子‥!
前回高速バスで岡谷まで行ったとき、窓から見える諏訪の町並みが素敵だったので、今回も行きは高速バス*2。さいきん気がついたのだけど、町の景色が近くに見えるバスの旅はわたし好みだ。窓から外を眺めているとたのしくて、退屈なんて全然しない。新宿から岡谷市役所まで約3時間半、持参した本を読むまもなく到着。
終点岡谷駅のひとつ手前の停留所・岡谷市役所で降りたのは、武井武雄のお墓参りに行くため。お墓参りって、身動きできない人の家をぶしつけに訪ねるみたいで、もうしわけない。だから、せめてお花をたむけよう*3。途中花屋さんに寄り、雪の残る道をえっちらおっちら。墓地まではすぐたどりつけたものの、墓地のなかから武井武雄のお墓を探すのが一苦労だった。武井家のお墓ばかりだし、雪がたんまり残っているし、四苦八苦‥ 途中背中からころび、雪にまみれてようやく対面。自分の粘着気質に感謝だわ。かるくお墓をみがいたのち、お花をたむけ、くちのなかでむにゃむにゃお祈りをするはずが、どうにも。この世に素敵なものをたくさん作り出してくれてありがとうございます‥!などとひたすら感謝の念仏に終始した。 だってほかに言うことないんだよ。

その後、岡谷マップを手に、武井武雄生家があったあたりをぐるぐる歩いたり‥(もうないんですよね?地図に載ってるのもイラストだったし、ないんだよなあ、と思いつつ、でも見落としてたら悔しすぎる、そもそもこの道であってるの?とめぼしき道を2度3度)、 固形重要文化財の建物を眺めたり、極寒の道でアイス食べ歩きしたりした後*4イルフ童画館へ。岡谷駅周辺のなかで、いちばん高い建物は、イルフ童画館のとなりにあるイルフプラザの突起部分。どんなに方向音痴の人でも、あのでっぱりを目印にすれば、イルフ童画館のふもとまでたどりつけます。なんてスバラシイ!

ほくほくとイルフ童画館にはいり、刊本作品と夢の再開*5。よくぞまた!お元気で、ご機嫌うるわしゅう。2回目だけど、ちっとも落ち着いていらんない。ハァ、素敵‥とか、なんでまた!?とか、ううっ?もっとよく見せてー(ジタバタ)とか、展示物に翻弄されっぱなし。しあわせな煩悶とでも(疲れました‥)。ガラス越しに見たあとには、3階の、触らせてもらえる刊本コーナーへ。展示の顔ぶれが、前回(先月)と変わっていたので(冊数も変わって、6冊?から4冊になっていた)、ほくほく愛でさせてもらう*6。にしゃにしゃ。学芸員さんのご厚意に甘え、ほかにもリクエストして愛でさせていただく。図々しく、寄木細工の「木魂の伝記」とひたすらにかわいいようでソー・クールな「かなりやABC」。寄木細工の神業のような職人技。あの薄さ!本が出来てもう50年は経とうというのに、くずれることなく当然のようにおさまっているその不思議。見ているあいだは蜜月時間。
そうこうしているうちに閉館時間が来るけれど、明日も来るのさと思うと余裕のこころもち。ほてほて歩いて念願の「うなぎ白焼定食(と肝焼)」をたいらげ(個人的観測としては、「やっぱり鰻はタレね!」と結論を出したかったのに、「白焼きも美味しい!!」。甲乙つけがたく、次回はタレを‥)、喫茶店でコーヒー。岡谷の夜はたのしくふけていくのでした。

*1:あれっ‥。これを見るかぎり長屋門現在してますね‥。雪が溶けてから行かなきゃだめかな‥

*2:帰りも高速バスにしたかったんだけど、日曜日は翌日の会社があるからそう優雅にもしてられないのでおとなしくあずさにしました

*3:憧れの方へのお墓参りは、セルジュ・ゲンズブール内田百けんに続いて3回目

*4:なぜならそこにサーティワンがあったから

*5:展示の詳細については、前回日記をご参照ください(→☆

*6:前回の「鳥遣いの乙女」にもう一度逢いたかった‥。でも今回の「雪の讃頒」←難しい漢字出ない‥のつやつや情緒的なSF感すごいな!とか、ここでも感動と消耗が