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風雲童話城ブログ

2018-07-07

[][][][]『結び蝶物語』#あかね書房

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結び蝶物語

結び蝶物語

私と同じ年に新人賞を得てデビューされた横山充男さんの新刊です。これまで、歴史ファンタジーシリーズの数々を世に送り出してきた作家だからこそ、現代と過ぎ去りし世の人々の魂をめぐり合わせ、さらに、つないでゆく物語を書いてくれました。殺伐とした現代でも、ロマンと出逢わせてくれる断片は、そこここに落ちていると気付かせてくれる一冊です。

中学生のあかりは、祖母の家で「二ツ蝶」の家紋に出会い、自分のルーツに興味を抱く。残っていた資料を調べたあかりは、滋賀の高宮神社、兵庫の生石神社、京都の下御霊神社を訪ね、その場でスケッチをしながら先祖に思いをはせると……。戦国時代の徳川家康と少女、古墳時代の石工職人と巫女、幕末から明治にかけての坂本龍馬と菓子屋の孫娘と、時空を超えた先祖たちの三つの物語を、子孫である主人公のあかりがつなげていく。 (BOOKデータより)

2018-04-28

[][][]『伝記を読もう 荻野吟子 日本で初めての女性医師』著/加藤純子 #あかね書房 

f:id:rieko-k:20180428150014j:image:left〆切に追われて読みたいのに読めなかった加藤純子さんの伝記、映画化されると聞いて、今こそと、読みました。

胸が詰まりました。明治という男尊女卑の世界で、女性として恥ずかしい病に侵され、悲しく苦しい経験と思いの中から立ち上がった荻野吟子。そのひたむきさに感動すると同時に勇気を貰いました。「人生万事塞翁が馬」とでもいいましょうか、不幸は不幸を呼ぶだけではなく、不幸を乗り越える勇気を与えてくれるものでもあるのだと、吟子は…この本は、教えてくれます。ぜひご一読を。そして、完成したら、映画も観て下さいませ〜

こちらは映画化情報も含む加藤純子さんのブログです↓

https://blog.goo.ne.jp/junko_blog/e/235f7782f59eb7c388528af89186a044

2018-02-28

[][][][][][]黒おとめ会の新刊紹介『夢見の占い師』と『赤毛のアン

〆切に追われてできなかった新刊紹介その1です。

f:id:rieko-k:20180228083325j:image:w360:left夢見の占い師』#あかね書房

まぼろしの薬売りシリーズ。今回は、主人公薬売りの時雨、その弟子の小雨のさらにその師匠、雷雨も登場。明治の世になっても、閉ざされた村を訪ねる時雨と小雨。

伝説と不思議の物語に、なんと、意外なラス・ボスが……!

一つの命を無残に踏み台にしてゆく古き慣習、旧来の大きな組織……ならばこそ、新しい薬を見つけ、人々を救おうとする時雨と小雨を応援したくなります。

夢見の占い師

夢見の占い師


f:id:rieko-k:20180228083319j:image:w360:left赤毛のアン』#KADOKAWA

100年後も読まれる名作シリーズ。おなじみの赤毛のアンが、小学低学年でも読める楽しい一作になっています。編訳の宮下恵茉ちゃんに描かせると、アンの可愛さにきゅんとなる子どもたちも多いかも。アンとギルバートのそれからを読みたくなることうけあいです〜さらに孤児のアンを引き取るマシュウとマリラの老いた兄妹も魅力的で、好きになっちゃいます。

2016-12-02

[][]『葛飾北斎 世界を驚かせた浮世絵師』著/芝田勝茂

七十二歳にして「富嶽三十六景」をかいて江戸っ子の度肝をぬき、すべてのものを「絵」というわくのなかにうつしとろうとした北斎。アメリカの有名な雑誌は「この一千年間で、世界の人びとに影響をあたえた百人」の中に、日本人からただひとり、葛飾北斎を選びました。かれこそは、今、世界中の若者に愛されている、日本のマンガ文化の先駆けでもあったのです。(BOOKデータより)

北斎は凄い〜と、日本人なら皆知っているけれど、どれほど凄いのかは、それほどわかっていなかったのかもしれない…と、この本を読んで思いました。

北斎の人生を、幼少時代から丁寧に追ったこの物語は、北斎の凄味を、面白く愉快に、如何なく語り尽くしてくれた気がします。

一方で、ある意味、一種の推理小説のようでもあり、これを読み終えた人は、きっと「あ、そうだったんだ!」と手を打つことでしょう。謎の浮世絵師といえば、思い至るあの人、あの人はいったい……と。

それを知りたかったら、ぜひ読んで下さい。

芸術家として、世界的に有名な北斎ですが、実はそれだけじゃないのです。お上に逆らえば、首が飛ぶ江戸時代に、百姓や町人など、市井の人々にこそ、愛と敬意を注いで生きたこんな凄い日本人がいたことは、今の日本人の誇りでもあります。

どの時代でもえらそうにする政治家、官僚たち(江戸時代は武士ですが…)より、どれほど市井の人々が見事だったかも、この物語で、再発見できると思います。

さすが、私が常々、敬意をこめて、「兄上」とお呼びしている芝田勝茂さんです。子ども向きの伝記だとなめてかかってはいけません。