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風雲童話城ブログ

2016-12-02

[][]葛飾北斎 世界を驚かせた浮世絵師』著/芝田勝茂

七十二歳にして「富嶽三十六景」をかいて江戸っ子の度肝をぬき、すべてのものを「絵」というわくのなかにうつしとろうとした北斎。アメリカの有名な雑誌は「この一千年間で、世界の人びとに影響をあたえた百人」の中に、日本人からただひとり、葛飾北斎を選びました。かれこそは、今、世界中の若者に愛されている、日本のマンガ文化の先駆けでもあったのです。(BOOKデータより)

北斎は凄い〜と、日本人なら皆知っているけれど、どれほど凄いのかは、それほどわかっていなかったのかもしれない…と、この本を読んで思いました。

北斎の人生を、幼少時代から丁寧に追ったこの物語は、北斎の凄味を、面白く愉快に、如何なく語り尽くしてくれた気がします。

一方で、ある意味、一種の推理小説のようでもあり、これを読み終えた人は、きっと「あ、そうだったんだ!」と手を打つことでしょう。謎の浮世絵師といえば、思い至るあの人、あの人はいったい……と。

それを知りたかったら、ぜひ読んで下さい。

芸術家として、世界的に有名な北斎ですが、実はそれだけじゃないのです。お上に逆らえば、首が飛ぶ江戸時代に、百姓や町人など、市井の人々にこそ、愛と敬意を注いで生きたこんな凄い日本人がいたことは、今の日本人の誇りでもあります。

どの時代でもえらそうにする政治家、官僚たち(江戸時代は武士ですが…)より、どれほど市井の人々が見事だったかも、この物語で、再発見できると思います。

さすが、私が常々、敬意をこめて、「兄上」とお呼びしている芝田勝茂さんです。子ども向きの伝記だとなめてかかってはいけません。