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風雲童話城ブログ

2016-12-13

[][][]『翼もつ者』著/みおちづる

「大戦争」後、人類は三百年の時を耐え地下シェルターから開放の時を迎える。大陸の東にはオルテシア共和国、西には中小シェルターの共同体であるカザール自治連邦が。地下資源「ソリド・マグマ」の発見により、所有権をめぐって両国は……。オルテシアの少年・ノニの願いは一つ。自らの翼で大空を飛び回ることだった――。

日本児童文学者協会70周年記念出版の「文学のピースウォーク」の一冊。ハイファンタジーの旗手、みおちづるさんの新刊なので早く読みたかったのに、仕事に追われ、ぎりぎり年内のご紹介になりました。

この物語はハイファンタジーですが、今の日本や世界の有様を彷彿としてしまいます。

たった一人、飛べるとはいえ、微力な少年に何ができるのか……世の権力、悪徳にどう立ち向かえばいいのかを、ハイファンタジーという物語の力を借りて、少年少女たちに伝えられる言葉は、哲学的であり、一方で、とても真摯で、現実的です。

この物語で、翼人らが敵地を攻撃しようとするソリド・マグマの爆弾は、核爆弾を連想してしまいます。文明を作ったと権力者が言うそのパワーは、むしろ、原子力なのかもしれません。

そして、命をかけて、爆撃を阻止しようとする少年、ノニの姿は、かつて私が書いた『忍剣花百姫伝』の美女郎の姿にも重なるような気がしました……そうなのです。どう書けば、少年少女の無垢な心に届くのか、書き手は様々な物語を構築し続けているのです。(↓にそれらをご紹介致します)。それこそが、文学の仕事だと、この物語は教えてくれます。大人にも子供にも、文学は、物語は、大きな力になってくれるはずです。

この物語は、考える力をこそ、与えてくれる物語なのです。押し付けるのではなく、あなた自身の心と頭で考えてみて……と。

私が思ったのは、「新しい戦争」とも呼ばれる原発の事故もまた、戦争と同じだということでした。世界に恐怖を与えた大人災に遭った日本という国が、今は、経済だの、便利だのといって危険な原発再稼働を押し進めていますが、この問題も又、この物語のテーマ、「命を尊ぶ」とは、どういうことかを考えれば答えは出ます。つまらぬ推進論議が、いかに人の暮らしから隔離した暴論なのかがわかるはずです。皆さんも、この物語を読んで、自分の心と頭で考えてみて下さい。戦争とは何か?人の暮らしの幸せとは何か?……と。

2016-12-10

[][][][]『あなたのとなりにある不思議 ぞくぞく編』著/那須正幹/佐々木ひとみ/工藤純子/越水利江子/緑川聖司/他

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まもなく発売。見本が届きました〜

われらの大兄貴、那須正幹さんを筆頭に、売れっ子作家がぞろぞろ登場するアンソロジーです。面白い!

むしろ、ぞろぞろ編!?(^▽^)

日本児童文学者協会70周年共同企画。人気児童作家40人が、"身近な不思議"を執筆。公募入選者10名を加え、怖い話だけど、最後にはくすっと笑える話、または楽しいお話だと思って読んでいると、最後にぞくっとしたり、感動したりする話など、短いけど、インパクトがあり、結末に驚きのあるような〈怖不思議面白い〉短編を集めたアンソロジーシリーズです。作◎大山きいろ/川北亮司/工藤純子/越水利江子/佐々木ひとみ/那須正幹/緑川聖司/村山早紀/最上一平/よねむらけいこ/絵◎アカツキウォーカー/柴田純代/タカタカヲリ/細川貂々

2016-11-09

[][]「日本児童文学」2016年、11月、12月号に、創作短編「洋平」を書きました。

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「洋平」は、創作の巻頭に掲載して頂きました!

今は戦前?と思えるような昨今の社会情勢の中なので、特集座談会「現代児童文学の終焉とその未来」でも、作家の危機感、矜持といったものを感じる一冊になっています。

拙作「洋平」は、ある方々をモデルにした物語です。

限られた枚数なので、書かねばならないテーマに、いかにユーモアをくみこめるか…というかろやかな挑戦作です。

楽しく読んで尚、心に残るものがあってほしいです〜

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日本児童文学 2016年 12 月号 [雑誌]

日本児童文学 2016年 12 月号 [雑誌]

2015-05-09

[][]『タイムストーリー 3日間の物語』

末吉暁子、小西洋平、小森香折、笹原月子、柏葉幸子、五人の作家による「3日間」にまつわる物語集。日本児童文学者協会との共同企画(BOOKデ−タより)

「電車のカメレオン」末吉暁子

「死者からの電話」小西洋平

「宇宙人図鑑」小森香折

「ゆきとよる」笹原月子

「三人の杖殿」柏葉幸子

以上五編。末吉暁子さん、柏葉幸子さんなどベテラン作家さんにまじって、我が同人季節風の小西洋平さんの「死者からの電話」が入っています。

この作品は、季節風大会、愛の物語分科会に提出された作品でした。それが、見事に選考で選ばれ、本になりました! しかも、表紙絵は「死者からの電話」のワンシーンのよう。

このシリーズは、1時間の物語、1日の物語、3日間の物語、1週間の物語などのタイムストーリー・シリーズなんです。面白いコンセプトですね。

いい作品になって、おめでとう〜洋平にいさん♪

「死者からの電話」は、死後、三日後によみがえると遺言して死んだおじいちゃんの物語。おじいちゃんは、本当によみがえるのか? 三日の期限を待つ家族のドキドキが伝わってきます。

落としどころを固めての改編、さすがでした〜