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風雲童話城ブログ

2017-05-03

[][][][]このシリーズは傑作です。読めば読むほど、更に知りたくなる『文豪ノ怪談ジュニア・セレクション 呪』#汐文社 

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まずは、怪談本としての豪華さを、著者名でご覧ください!

岡本綺堂三遊亭圓朝小泉八雲田中貢太郎柳田國男久生十蘭小松左京三島由紀夫吉屋信子郡虎彦日夏耿之介

何より、私は冒頭の「笛塚」(岡本綺堂)の妖しさと美しさに、心を掴まれました。さすが、時代小説、捕り物帖の神様です。主人公が通りすがる月下の薄野が目に浮かび、聞こえるはずのない笛の音が響いたような気がしました。

 

さらに、「因果ばなし」(小泉八雲)。この恐怖は、女性なら誰もがゾクリとするはずです。

読者が男性の場合と、女性の場合では、皮膚感覚が違うのかもしれません。

そして、お馴染み、柳田國男の「遠野物語」は、こうして読めば、あっけないほど短い1話1話なのに、その印象は深く濃く悲しいのです。それが遠野物語そのものだと良く知っているはずの私が、改めて、強くそう感じたのは、やはり「オシラサマ」でした。馬と娘の間に生まれた愛が生んだ「オシラサマ」。民話とは、こうでなければ!と感じました。語り過ぎる必要はなく、文体にも情愛を込めず語るからこそ、更に強い情愛が伝わってくるという魔法のような作品が遠野物語なんですね。

「復讐」(三島由紀夫)は、最後の行がなんとも怖くて、吉屋信子の「鬼火」もまた、「帯はなかったのだ…」という最後から6行目の描写に、震えが来ます。

他の作品も、我が師匠と仰ぐ(押しかけ弟子ですが…)、怪談文芸の目利き、東雅夫先生が選びに選び抜いた一冊です。このシリーズ、どの本も一読の価値あり!です。