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りきおの雑記・ブログ このページをアンテナに追加 RSSフィード Twitter


冬コミ(C89)お疲れ様でした。
いくつか寄稿していますので、寄稿先はこの記事を参照してください。

2016-05-10

『ガールズ&パンツァー劇場版』は、何故テレビシリーズの焼き直しのような話だったのか?

 『ガールズ&パンツァー劇場版』(以下ガルパン劇場版)は通常版を2回、4DX版を1回観に行きました。ガルパンおじさんたちの足元にも及ばない回数でしたが毎回すごく楽しませてもらいました。通常版でも映画館で観るのに最適化された内容だったのですが、4DX版がまた面白かったです。お金を出す価値のある内容になっていると思いますので、機会がある方は是非試してみてください。

 さてそんなガルパン劇場版ですが、特に公開直後あたりにはこんな感想がしばしば流れてきました。

「劇場版ってストーリー的にはテレビ版と同じことやってるんじゃない?」

 確かに、エキシビションマッチからの試合だったり、廃校危機再燃に大洗女子側が勝つところまで、物語の構成上はテレビシリーズも劇場版もほぼ同じと言っていいと思います。なので、ストーリー的にはあまり見どころはない、戦車戦を楽しむためのおまけみたいなものだ、という感想も見かけました。それは極端なものかもしれませんが、そう思われても致し方無いのかなとも思っていました。

 ただ、ストーリー的に見せたいのであればそうすることも出来たでしょうし、予想に反するような展開(例えば大洗女子側が負ける、だとか)を持ってきて、観に来たファンを驚かせるようなものにも出来たとは思います。ただ、それを制作陣は敢えてやらずに、テレビシリーズと同じような構成に敢えてやった、のだろうと考えています。恐らくは、こうした「テレビシリーズと話的には一緒」という感想というか批判が出るのも織り込み済みだったのではないかとも考えられます。

 では、劇場版のストーリーをテレビシリーズの焼き直しのようにした理由や狙いは一体何処にあったのでしょうか。インタビューではあまり語られているのを観たことはありませんが、自分なりに考えてみたいと思います。

  • ガルパンというアニメの面白さとは? の追求から

 ガルパンというアニメって結局のところ、どう面白かったのか、という部分について追求した結果なのかな、と考えています。

 テレビシリーズのBD各巻についていたOVAのような内容でも、アンツィオ戦OVAのような形でも、ごくごく一部でしかなかったと思います。エキシビジョンに本戦の戦い、日常風景に国際色豊かな描写、様々なミリタリー要素に聖地・大洗の風景……。それらを一通り全て描いてこそ、ガルパンなのではないか、という感じで制作されたのだろうと思っています。

 廃校危機の再燃……はちょっと安直かなとも思うわけですが、「『ガルパン』ミリタリー生コメンタリー上映会」で言われてたという、

大洗の女の子たちは強くなるために戦っているわけではないので、モチベーションを持たせるために再度学校を困難に陥れた。

『ガルパン』ミリタリー生コメンタリー上映会で判明したこととは? 笑いと驚きの連続だった2時間をレポート」(「電撃オンライン」記事より)

 以上のような理由なら納得が行くかもしれません。

 ただ、同じく廃校危機でも、テレビシリーズではあまり表立った動きは描かれなかった会長が、裏でどれだけ尽力していたのかという部分を劇場版では描けましたし、そこから、主人公である西住みほの母親のしほが、戦車道の家元としてどのような立ち位置なのかという部分にも踏み込めましたし、ガルパンの世界観をより立体的に描くことに繋がったような気がします。

 エキシビジョンにしてもそうです。知波単学園や継続高校という新キャラも出せましたし、ダージリンとカチューシャがタッグを組んで大洗女子と戦うのも、テレビシリーズで個別に会って話をしていたというエピソードを利用したものでしたし、ちゃんと繋がっているんですよね。

 大洗の色々な場所を登場させてより派手に市街戦をやったり、他にも色々とありましたが、テレビシリーズで面白かったことを再度描いていても、より膨らみのあるものとして描き出した、というのがガルパン劇場版だったのではないかと思っています。

  • テレビシリーズと違うことを描きたくなかった〜ファン向けムービーとしての劇場版

 テレビシリーズからの劇場版アニメといえば色々とありますが、中にはテレビシリーズとは毛色の違う劇場版に仕立てていた作品もありました(『魔法少女まどか☆マギカ』なんかは、流れとしては近いようであっても、ややバッドエンド的な結末だったあたりが随分と違うのかなと)し、京都アニメーションの山田尚子監督作品『たまこまーけっと』は、劇場版では『たまこラブストーリー』とタイトルすら変えた、テレビシリーズとはジャンルからして異なる内容のものでした。水島努監督が手がけた『クレヨンしんちゃん』の映画版なんかも、本編とは全く毛色の違う内容になっていました。

 個人的には、ガルパンではそうはしたくなかったのではないかと考えています。理由は上記(「ガルパンというアニメの面白さとは? の追求から」の項)の通りなんですが、あくまでも、テレビシリーズのファンに向けて作るものなんだ、という方針みたいなものが見えてきます。要は、これがガルパン初見な人にはどう見えるのか、面白いのか、という部分については全く考慮されていないというか、それを映画冒頭の「3分でわかる……」に丸投げしてしまった感が満載だと思うわけです。その代わり、先ほどの項でも触れた、テレビシリーズで触れていたネタの数々を伏線としたような内容を、いくつも劇場版に取り入れているのだろうと思います。

 当初は、テレビシリーズやアンツィオ戦OVAを観てきた、コアなファンに観てもらえたら良い、くらいの感じで作られていたと思いますし、実際に公開されてから何週かは特典を付けて、特典目当てで観に来てくれたら良い、という、いわゆるオタクアニメ映画という位置づけだったのだろうと思っています。

 ここまで興行収入が伸びるとは、誰も想像すらしていなかったと思っていますが……。

  • スペシャル感を出したかった

 最初の項と被りますが、テレビシリーズのパワーアップ版というか、全てにおいてスペシャル感を出したかったのだろうと考えています。

 内容についてもそうなんですが、例えばこのキャラクター数。テレビシリーズのほとんどのキャラを登場させるだけではなく、出てきたキャラはセリフも喋っています。しかしそれだけにとどまらず、新しく登場した知波単学園や継続高校、そして大学選抜チームのメンバーたちが新キャラとして登場してきます。テレビシリーズのキャラ数でも、1クールアニメとしてはかなり多いくらいの数だったにも関わらず、映画というわずか2時間くらいのボリュームの中に、あれだけのキャラクターを登場させることで、ある種のスペシャル感というか「オールスター」的な映画になったのではないかと感じるのです。『プリキュア』シリーズであれば過去に何作もあった中から登場してオールスターになるわけですが、ガルパンの場合だと所詮1クール+OVAというボリュームに新キャラを加えただけでオールスター感を出しているわけです。結構凄いことだと思います。ガルパンキャラは劇場版公開後に様々な二次創作が出てきましたが、キャラクターの濃さがそのオールスターさを際立たせてくれているようにも感じました。

 戦車の数や種類もさらに増えました。超大型戦車が出てきたり、それもう戦車ちゃう……というヤツも出てきたりと、こちらもオールスターのような様相を呈していたと思います(ミリタリー関係には疎いのであまり触れません)。戦車のディテールも細かくなったと聴いています。

 他にも、音響関係がとんでもなく作り込まれていたということで、立川シネマシティなど音響自慢の映画館が聖地化するというのも、結果的にはスペシャル感を生み出したことになると思いますし、戦車の挙動の細かさや戦車戦のシーンを極限まで増やしたことにより、後日4DX上映が決定してかつ、その良さを存分に引き出すことにも繋がっていきました。その4DX上映も話題になりました、奇しくもアニメファンに4DXの面白さを伝播することにもなるのも興味深いことだと思いました。

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 劇場版で、とことんまでスペシャル感を追求した結果として、ファン向けムービーを目指して作られていたものが、初見を取り込んでファン拡大に繋がったのですから、何がどう転ぶのか本当にわからないなと思いました。

【関連記事】

劇場版ガールズ&パンツァーで、西住まほが実家近くで犬を散歩させていたことに対する考察

(当ブログの過去記事)

2016-03-22

2016年春期オリジナルアニメ、6本の展望と予想

 3月も終わりに近づいてきて、そろそろ来期アニメが気になり始める頃ではないでしょうか。このブログでもその来期アニメの1つ「迷家-マヨイガ-」を真っ先に取り上げましたが、他にもいくつか気になるタイトルがありますし、さすがに年度替わりでもあり、各社とも力の入った作品をスタンバイさせているようです。

 原作もののアニメは、原作を知らないこともあって何とも言い難いところがありますが、オリジナルアニメであればスタッフ構成とかジャンルである程度見通せるんじゃないかと勝手に考えています。なので、原作もののアニメは他の方に任せるとして、ここでは気になっている来期のオリジナルアニメについての展望とかを書いていきたいと思います。

  • 迷家-マヨイガ-

 以前にも展望とかを書きましたが、改めて。

 個人的には、水島努監督×シリーズ構成岡田麿里というタッグがどうというよりは、アイドルでもない、スポーツものでもロボットものでもない、あまり被るものが無さそうな内容という点が強みになるような気がしています。というのも、例えば「ガールズ&パンツァー」や「SHIROBAKO」がヒットした理由の1つとして挙げられるのは、「他にはない内容(ジャンル)だった」ことではないでしょうか。その意味では、この迷家も十二分に差別化されているのではないか、と現時点で既に感じています。

 もちろん、内容が面白いかどうかについては全くわかりませんし、いくら水島努監督といえどダメかもしれません。でもまあ、観ておいて損は無さそうな気がしています。

 キャラデザの井出直美さんは「艦これ」アニメでもキャラデザをされていましたが、色んな絵師さんの絵を取り込んで、かなり可愛いキャラに仕上げていたように感じました。「迷家」ではもちろん可愛いだけのデザインでもなくなってますが、パッと観た感じでは良さそうなキャラデになっているような気がしています。そこから動いてどうなるか、楽しみです。

■迷家 公式HP>http://mayoiga.tv/

■関連記事「水島努×岡田麿里の新作アニメ『迷家』の展望とか期待とか」

  • クロムクロ

 「SHIROBAKO」や「ハルチカ」などを制作したP.A.WORKSが、満を持して送り出すロボットもののオリジナルアニメです。監督は、PA作品で頻繁に絵コンテとして参加している岡村天斎さんということで、PAのファンの方からするとようやっと監督作が来たか、という感じなのでしょうか。個人的に岡村天斎監督といえば「世界征服〜謀略のズヴィズダー」にかなりがっかりした記憶しかないので不安は不安です。それに今さら、ここ最近ではヒット作を観ないロボットものをわざわざ作るという企画意図も、ちょっと時流を読めてない感じがしてしまいます。この作品のシリーズ構成である檜垣亮さんは、オリジナルアニメの脚本家としては未知数な点も不安視しています。

 ただし楽しみな点もあります。それは、PAの社長でもありアイデアマンとしても有名な堀川憲司さんがロボットものをやろうとしている、というところです。堀川さんといえばかつて「エヴァンゲリオン」の制作進行として修羅場をくぐってきた経験もありますが、PAで制作してきた「Angel Beats!」や「花咲くいろは」「TARI TARI」そして「SHIROBAKO」など、さまざまなオリジナルアニメも企画段階から関わり続けています。特に「SHIROBAKO」などは、やろうと言う人はいても、それを本当に制作するところまでは行かないような企画を通し、そしてヒット作にしてしまうのですから、アイデアマンとしてもプロデューサーとしても非常に優れているのだろうと思います。

 そんな堀川さんが満を持してロボットアニメを作るというのですから、ただのロボットアニメではないのではないか? と考えてしまいます。大本のアイデアを出したのは堀川さんではないかもしれませんが、最近のロボットアニメに対する何かしらのメッセージ的なものも込められるような作品になるんじゃないかと、ロボットものに飽き飽きしている自分みたいな人間は期待してしまうのです。どっちに転ぶのでしょうか。

■クロムクロ 公式HP>http://kuromukuro.com/

  • はいふり

 ガルパンの軍事考証をやっている鈴木貴昭さんが原案で、吉田玲子さんがシリーズ構成、キャラクター原案を「のんのんびより」のあっと先生が担当するオリジナルアニメです。監督があまり経験の多くない人なのがどうなのか、とは思ってしまいますが、日常系っぽく見せる外見と、どことなく海系のミリタリーものの匂いがするような気がするあたりから、ポストガルパンを意識したアニメになるんじゃないかという感じで観ています。CGもガルパンと同じグラフィニカですからね。「艦これ」のような戦争的なものが含まれるのか、ガルパンのようにあくまでもスポーツ的なものなのか、あるいは日常系なのかで大きく観られ方が変わりそうな気がしています。

 個人的には、OPの「Try Sail」が気になっています。これが受け入れられるのかどうか。キャストにも3人ともに入っているので、ゴリ押し感みたいなもので敬遠されないかどうか、です。ただ、Try Sailの「Sail」って舟の帆って意味でもあるんですよね……。その意味では、上手くハマる可能性もありそうですから、ブレイクする可能性もあるのかもしれません。

■はいふり 公式HP>http://www.hai-furi.com/

  • キズナイーバー

 「岡田麿里×TRIGGER」を前面に出すオリジナルアニメです。岡田麿里さんがシリーズ構成だけではなく原作にもクレジットがあるため、相当にマリー節全開の作品になりそうなのが、吉と出るかどうかってところなのかもしれません。CM観た感じではどんなアニメになるか全くわからないんですけどね。

 監督は小林寛さん。これがアニメ初監督ということで監督の手腕としては未知数なのですが、岡田麿里さんとは「ブラック★ロックシューター」のTVアニメ版で脚本と絵コンテ・演出として組んだことがありました。BRSもだったと思いますが、「キルラキル」でも非常に素晴らしい演出をしていた回を担当していたりしたので、TRIGGERとの相性も良さそうですし、演出面ではかなり期待できそうです。あとはストーリー面でマリーがしっかりしたものを書いていてくれさえすれば……(そこが肝心なのですけど)。

■キズナイーバー 公式HP>http://kiznaiver.jp/

■関連記事「ブラックロックシューター4話のスマホのバックライトの演出が素晴らしい」

  • 甲鉄城のカバネリ

 「進撃の巨人」の荒木哲郎監督が「ギルティクラウン」に続いて送り出すオリジナルアニメです。進撃の巨人の立体機動装置みたいなものが出てきているあたりがどうなのでしょうか……。

 個人的には、キャラクター原案に美樹本晴彦さんを起用したあたりがやや微妙です。PV観る限り、男性キャラに関しては悪くないものの、女性キャラに関してはやや古くさいという印象を持ちました。何となく目が小さすぎる感じがして……。ただここに関しては、作品的に今風のアニメの女キャラでは違和感が出る点かもしれませんし、癖の強い感じのキャラデザにもなっていませんから、そう気になるようなところではないのかもしれません。

 問題は、進撃っぽいと言われそうな最大のポイントである、澤野弘之さんの音楽かなあと思っています。何というか、だいたいどれも同じイメージになってしまうというか、あまり引き出しが多いように聞こえないんですよね。新鮮なうちは良いのですが、作品数を重ねるごとに新鮮味がどんどん失われてしまうとも思います。そこで、進撃っぽいところとどう差別化していくのか、という部分で荒木監督がこれから羽ばたいていくのか、あるいはオリジナルは微妙なままなのかって分かれていくと思っています。

 大型企画だとは思うのですが、WIT STUDIOのオリジナルアニメ企画のプロデュース力も問われそうな気がしていますがどうなりますか。

■甲鉄城のカバネリ 公式HP>http://kabaneri.com/

  • マクロスΔ (デルタ)

 期待している方も多いのかもしれませんが、河森正治関連企画×アイドルものってところで割とどうでも良くなっています。

 ガンダムものも頭打ちになっている世の中ですから、マクロスシリーズだから! というのもなかなか通用しなくなっているんじゃないんですかね。

■マクロスΔ (デルタ) 公式HP(マクロスシリーズのポータルサイトです)>http://macross.jp/

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 事前予想としては、個人的には、

◎迷家-マヨイガ-

○キズナイーバー

▲甲鉄城のカバネリ

△はいふり

注クロムクロ

 ですね。

 マリー案件のワンツーとなってしまいましたが、前者は企画やストーリー面で期待できそうな点と、後者は映像面のパワーも期待できそうなところで推しています。

 カバネリは、覇権も爆死もあるような怖い企画ですね。かっちり噛み合えば王道アニメにもなりそうですが。

 はいふりがわからないんですよね。このアニメにどういう期待をすれば良いのかどうか、という点まで。ガルパンはあくまでも水島努監督のタクトがあってこそのヒットだったと思うので、鈴木貴昭さんと吉田玲子さんだと「マジェスティックプリンス」みたいなものもあったわけで(それなりには面白かったですけどね)。

 クロムクロは今のところ、期待よりは不安のほうが大きいということで。

 僕の展望とか予想が当たるとも思えませんが、1つ来期のオリジナルアニメの視聴の参考になれば幸いです。

※参考

【2016春アニメ】 から7作品。気になった作品を紹介します(その2)

(ひそかブログ)

原作付きアニメの紹介が詳しいですので参考までに。

2016-02-23

恋愛関係を描かない、ハーレムっぽいのにハーレムじゃない『この素晴らしい世界に祝福を!』

 原作未読ですが、今期アニメの「このすば」こと「この素晴らしい世界に祝福を!」が面白いですね。当初は全く期待していなかったのですが、1話の変なテンションと妙な感覚が面白くって、今期は「昭和元禄落語心中」とともに最も楽しみにしているくらいのアニメになっていました。雨宮天さん演じる、女神アクアの喜怒哀楽とかテンション(ともちろんお尻)を眺めているだけで飽きないというのもありますが、ぽんこつな4人のパーティーの仲の良さみたいなものも観ていてほっとするなあ、と思っています。アニメの円盤はまだどうなるかわかりませんが、原作は相当な勢いで売れているようですし、今期を代表するアニメと言っても過言ではないのでしょう。

 そんな4人パーティーですが、ちょっと特徴的なんじゃないかって思う部分があります。それは、キャラの性別的な配置だけからすると、男が主人公1人だけの、女は3人という典型的なハーレムものだと思うのですが、そうはなっていないという点です。つまるところ、パーティーを組んでいる他の3人の女キャラが、主人公に恋愛感情を抱いていないどころか、フラグすら立っていないのです。男として観られているかどうかも、馬小屋で主人公と寝泊まりしているアクアを観ていると疑問ですよね。

 原作のこの先の展開がどうなっているのか、あるいは主人公へ何かしらフラグが立つことがあるのか、それはちょっとわかりませんが、このパーティーが恋愛感情が無いまま進行することそのものが、この「このすば」というアニメの人気を生み出しているのではないかと考えています。

  • テンプレ的なハーレムものと一線を画している

 さきほども書きましたが、主人公の取り合いだとか女キャラ同士が恋敵になる展開だとか、そういうよくあるハーレムもののラノベ原作アニメにはなっていない、というところは素直に良い点なんだろうと思います。もちろん、これまでにそういう作品が無かったわけではなく、斬新な設定なわけでもないのでしょうが、こういったRPGモチーフの冒険もの(?)では珍しい設定だったのかもしれません。

  • ヒロインキャラがデレて魅力半減するのを防止できる

 以前にとある友人から持論として聴いたことなのですが、「ヒロインキャラが主人公にデレた瞬間から一気に魅力を感じなくなる」ということが防げる、と思います。

 この持論(?)ついても反論等あるかと思いますが、でも確かにデレるまでの関係性のほうが魅力的なケースは数多く挙げられるような気がしますし、あの堕ちるまでの関係性の緊張感みたいなものが面白かったりすることもあると思います。

 要は、例えば日常もののように、変わらない関係性をのんびりと楽しむことが出来るとも言い換えられるのではないでしょうか。

  • 恋人同士や誰が好きだとかっていう内容よりも、男女の友人関係が楽しい

 恋人同士になってしまう作品がそれほど多いとも思えませんが、恋愛感情を持ったり、そういう描写があったりしないほうが友人関係のままでいられるということで、より楽しいと感じる視聴者が少なくないのではないか、と考えています。

 日常系と呼ばれるアニメでは、同性同士(女の子同士)の友情がメインで描かれるわけですが、男女でだとどうしても恋愛だとか片思い展開を描きがちです。そこを、このすばでは誰にも片思いなどをさせず、更に言えば主人公が女性キャラに対してキョドったり照れたりせず、何よりあまり女の子扱いをしていないことで、より恋愛関係からは遠く、でも仲間としての距離の近さを描けていると思います。友情とは違うかもしれませんが、仲の良さはしっかり描けていますし、それが妙な心地よさを生み出しているのではないかと考えています。

  • 恋愛と食い合わせの悪いギャグを思う存分描ける

 これは持論なのですが、恋愛展開とギャグって相性が悪いと思っています。ギャグアニメといえばで名前が出てくる水島努監督の『よんでますよ、アザゼルさん。』や『監獄学園』などは、男女ともに出てくるアニメではありますが、メインキャラ間に恋愛関係だとか片思い的な描写はほとんど無かったと記憶しています。

 個人的には恋愛とギャグは食い合わせの悪さを感じてしまいます。具体的なタイトルは伏せますが、恋愛とか片思いみたいなものが入ってしまうと、笑わせるためだけのネタを入れる展開になりにくいと思っています。あっても勘違いネタとか鈍感主人公みたいなもの止まりになってしまうように思います。

 このすばではそうはなってないですよね。恋愛関係みたいなものは描いていないので、思う存分笑いの方向にも振り切った展開になっていると思います。1話の労働のところとか、まさにそんな感じでしたよね。

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 とまあ色々と書いてみましたが、原作やアニメのこの先の展開で、恋愛的なものが描かれるのかどうかはわかりません。ただ『これはゾンビですか?』でも男女の家族的な関係性を描いていた金崎貴臣監督なので、意識的に男女が同時に出てくるけどそこに色恋的なものは描かないようにしたい、という意識もあるような気がします。このすばエンディングは完全に家族ですからね。なので敢えて薄めているような気がしなくもありません。

 もう少し笑える展開が欲しいなあと思いつつも、この先もこのすばには注目していきたいと思います。

2016-01-27

劇場版ガールズ&パンツァーで、西住まほが実家近くで犬を散歩させていたことに対する考察

 2度目の『劇場版ガールズ&パンツァー』観てきました。そして、先日発売になった「ガルパンFebri」買ってきて読んでるんですが面白いですね。スタッフインタビューではほぼ全員が「監督が……」ってことを言ってますし、恐らくは水島努監督の意向がかなり反映されたんだろうなあと思っています。

ガルパンFebri

ガルパンFebri

 その中でも、音響監督の岩浪美和さんのインタビュー記事が非常に興味深くて面白かったのですが、そこで語られていた以下の部分に「おっ」となってしまいました。

(劇場版でみほが実家に帰ったときに……)まほの横にすごくうれしそうにしている犬がいるじゃないですか。尻尾をブンブン振って、ハァハァしている性格のよさそうな犬。何も考えないと、あそこに「ハァハァ」って犬の息をつけてしまうのですが、それをしてしまうと、視聴者がまほじゃなくて犬を見てしまう。見せたいのは、あくまで妹が帰ってきたときの姉の表情なので、それを理解している小山さん(音響効果の小山恭正さんのこと)は犬に音をつけてこない。「何を見せたいか?」というのを映像からきちんと読み取って音に変換する工夫は、そういうところにもあります。

<ガルパンFebri043ページより>

 ちょっと長々と引用してしまいましたが、音響チームというのがここまでコンテなどを理解して音をつけたりつけなかったりという取捨選択をしているのか、と感心してしまいました。

 そこでふと思ったのですが、なぜ「西住まほは犬を連れていた(散歩させていた)」のか、という部分です。あるいはなぜ「犬」だったのか、という部分でもあります。ということで、劇場版のこの、みほが帰省してきた時に姉であるまほが犬を散歩させていたこの1カットの意味について考えてみたいと思います。

  • 何故、西住まほは「犬」を散歩させていたのか?

 まずは何故、まほが犬を散歩させていたのか、について考えてみたいと思います。

 というか、統率の取れたチームを率いていて、基本的には忠犬みたいな人間しかいない黒森峰女学園を観ていると、そんな西住家が犬を飼っているというのは非常に納得がいきます。というか、西住家で猫を飼っているというのはあまり想像が出来ません。ついでに言うと、この犬は子犬という風には見えないので、つい数カ月前に大洗女子に転校してきたみほが、実家にいた頃からいた可能性が高いとも考えられます。となると、久々の再開に喜んで飛びかかってくる……というシーンがあっても良さそうなものでしょうが、ここはあくまでも岩浪さんのインタビューの引用部分の通り、姉妹の再会のほうがメインになるわけですし、だからここでの犬はまるで置物のようにアクションを起こさなかったのだろうと思います(そもそもみほが実家で犬を飼っていたエピソードなんてテレビシリーズでは1度も出てきてなかったはずですしね)。

 西住家で飼われている犬が、柴犬風な感じだったのは意外でした。ママンや黒森峰のイメージからするとドーベルマンくらい飼っていたほうが似合っているように思うからです。が、ここは西住家は西住流の家元ではあるけど、島田流の島田家のようなお金持ちではない、という設定が生かされている部分なんだろうと思います。さすがに一般家庭でドーベルマンみたいな犬はなかなか飼わないでしょうしね。普通の家庭であることの1つの象徴が、この普通の犬に表れているのだろうと思っています(戦車道でやらかしたから娘を勘当するような家庭の何処が普通なんだ、というツッコミも当然あるでしょうが)。

 また、みほが正面から家に帰りづらいという事情をまほは知っていて、外で散歩でもしながら妹の帰りを待っていた可能性も高いと思います。結局のところ、この帰省中にみほは母親とは顔を合わせていないんですが、そのくらい避けているような状態なんですよね。なのでまほは、大洗女子の会長あたりからみほがいつくらいに帰省してくるかを予め聞いていて、頃合いに犬の散歩をしつつ、みほが家の中に入れるように待っていたのではないか、という妄想をしています(実際にはどうかわかりませんが)。

  • まほが「犬」を散歩させる必要性があったのか?

 犬の考察についてはともかく、まほが犬を散歩させている途中でみほと再会する、というシーンで本当に「犬」は必要だったのでしょうか? そもそも、姉妹の再会がメインで、アクションというか音すらつけないような犬がそもそもいなくても良かったのではないか? という疑問が湧いてきます。そこで、犬の散歩ではない、外で偶然落ち合うシチュエーションを考えてみました。

 まず、犬なしで1人で散歩しているケース。おばちゃんかっ! 女子高生が1人でウォーキングしているのは微妙な気がします。

 ジョギングをしているケース。黒森峰のエースですしストイックさもあると思いますから、トレーニングを欠かさないという描写を込みで良いんじゃないかと思うわけですが……。ただテレビシリーズや劇場版を通して、ガルパンでトレーニングをしているといえば、アリクイさんチーム(ネトゲ)くらいだと思うんですよね。しかも、引きこもりのゲーマーだったのが一念発起してトレーニングを始めるという、ギャグ寄りの描写になっていましたし、まほがトレーニングをしているシーンを入れるとそっち寄りの印象を持たれてしまう可能性があるような気がします。よって、ジョギング中に再会する、というのも使いにくいと思います。

 自転車で出かけているケース。買い物などで出かけているという意味では自然なのですが、自転車という「乗りもの」が出てきているところが微妙です。戦車を始め、作中で出てきてる乗りものはほとんどエンジンのついてる乗りものなんですよね。なのでここでまほが自転車に乗っているシチュエーションというのも、敢えて入れる必要がないと考えられます。

 そう考えると、犬の散歩をしている、というシチュエーションであれば、西住家なら犬を飼っていそうだとか、犬種からして普通な家なのかな、とか色んな意味付けもしつつ、想像も広がるようなものになるでしょうから、一石二鳥にも三鳥にもなる非常に効果的なものだった、ということなのだろうと推測しています。

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 色々と見ていきましたが、以上のような理由から、まほは犬を散歩させていたのだろうと考えられます。というか、このくらいはきっと考えて犬を出したのだろうとも思います。

 この犬のくだりだけでこれだけ色々と考えられるんですから、ガルパンの、それも劇場版の各エピソードは色んなネタを仕込んでいるのだろうと思うんですよね。なので、早く円盤が発売してくれないかなあ……とも思ってます。

これはサントラですね。

taida5656taida5656 2016/02/07 21:39 西住家は島田家と異なり全体的にデザインが和風ですし、実家近辺の日本の古き良き田舎の雰囲気を出すには、ドーベルマンみたいな洋犬は向かないのではないかなと私は思いました。

rikio0505rikio0505 2016/03/01 22:21 >taida5656 さん
まあお母さん(しほさん)のイメージと黒森峰のイメージからだけの連想ですけどね>ドーベルマン
西住家は関係ないんでしょうね。

2016-01-13

水島努×岡田麿里の新作アニメ『迷家』の展望とか期待とか

 2016年になりました。今年もよろしくお願いします。

 ちょうど冬コミの準備をしていた2015年末にビッグニュースが飛び込んできました。『迷家-マヨヒガ-』というアニメが発表されてました。しかもそのスタッフが個人的には驚きでした。

『迷家-マヨヒガ-』

監督:水島努

シリーズ構成:岡田麿里

キャラクターデザイン:井出直美

音楽:横山克

制作:ディオメディア

製作:ポニーキャニオン

 何とあの水島努監督が、あの岡田麿里さんと組んでオリジナルアニメを作るというのです。もちろん、水島努監督は大好きなのですが、岡田麿里さんも『花咲くいろは』とか『心が叫びたがっているんだ。(以下ここさけ)』『selector』など好きなアニメが多いので、いずれ組んだアニメも観てみたいなあ……と思っていたのですが、それが特に前触れもなくいきなり出てきた感じでひっくり返りそうになりました。

 組んでくれたのは嬉しいですし、とても楽しみなのですが、反面、個性の強い2人なだけに、相乗効果よりも水と油になりやしないのかとか、ちょっと余計な心配もしてしまいます。

 とは言え楽しみのほうが大きいので、何でこのタッグが実現したのかとかを考えてみたいと思います。

  • 水島努と岡田麿里の接点とは?

 まずは水島努と岡田麿里の接点がどうなっているのかが気になるところでしょうか。過去の水島努監督作品を色々と調べていましたが、岡田麿里シリーズ構成どころか1話だけの脚本の参加さえ確認できませんでした。つまり、直接一緒に仕事をしたことのないのです。とはいえ、岡田麿里シリーズ構成アニメで言えば、昨年の「幸腹グラフィティ」は新房昭之監督(総監督)と初めて一緒に仕事した作品になりましたし、脚本家が今まで組んだことのない監督と仕事をすること自体は珍しいことではありません。

 とは言え、全く接点のない2人が一緒に仕事をすることになるわけですから、何かしらの繋がりがあるのだろうと考えるのが普通かなと思います。もちろん、「アニプレックス」だの「ポニーキャニオン」だのといった製作会社単位であれば、どちらも多作傾向にもあることから同じところと仕事をしたことはあるのでしょうけど、制作会社であるディオメディアとの繋がりから考えてみましょう。

 ディオメディアと水島努監督とで言えば、ご存知『侵略!イカ娘』が容易に思いつくかと思います。今回の『迷家』と同じポニーキャニオン製作でしたし、むしろ繋がりはそこだけだろうと思います。

 しかしながら、ディオメディアの前身であるスタジオバルセロナ時代にまで遡れば、水島努監督のフリー転向後初期の問題作OVAである『大魔法峠』がありました。10年でようやく3作目……ではありますが、普通のアニメ監督でいえば1年に1〜2作あれば良いほうだと考えると、割と頻繁に組んでいるのかもしれません。さすがにイカ娘の後からと考えると時間がかかりすぎなので、直接話が行ったような感じではないかなと思いますが。

 そして岡田麿里とディオメディアとの繋がりですが、ディオメディアになってからでは1度も仕事したことがないかと思います。が、前述のスタジオバルセロナ時代には、小学生女児と教師との危ない関係を描いたマンガ原作の『こどものじかん』でシリーズ構成を手がけています。非常に話題にもなりましたから、むしろそこからご無沙汰だったのが不思議にも思えるくらいです。

 となると、やはり接点はディオメディアだということになるのでしょうか。企画は、ディオメディアのプロデューサーがどちらかに話を持って行って進んだ話なのでしょうか? そういえば、何となく雰囲気がディオメディア制作の『悪魔のリドル』と遠からずという感じもしないでもないというか……。製作も同じくポニーキャニオンですから、ポニーキャニオンのプロデューサーという線ももちろんあるかと思いますが。

  • 『迷家』はどんなアニメになるのか?

 さて、そんな2人が作る『迷家』はどんなアニメになるのでしょう? まあ内容についてはまだ語るほどのものは無いのかもしれませんが、この2人が作ってきたアニメの傾向から何か見えてこないでしょうか?

 水島努監督のオリジナルアニメといえば、これまで『ガールズ&パンツァー』と『SHIROBAKO』があったわけですが、それらと今回の『迷家』では雰囲気がかなり異なるように思います。近いといえば、最初から多数のキャラクターが登場するというところでしょうか。水島努監督作品はオリジナルでも原作ものでも、登場するキャラクターが多いアニメが目立ちます。予算が付いているから出来るというのもあるのでしょうが、たくさんのキャラを登場させることでそれぞれのキャラの登場シーン自体は非常に短いのに、それぞれのキャラの印象を強くさせていると感じます。

 『迷家』は何だか雰囲気が『Another』っぽいですよね。もちろんホラーとかミステリとか一辺倒にはならなさそうな感じが監督のツイート からは伝わってきますが。

 岡田麿里シリーズ構成のオリジナルアニメといえば枚挙にいとまがないですが、1つ傾向があるとしたら「ディスコミュニケーション」なのではないかと勝手に考えています。『ここさけ』でもそうでしたし、何となく本心とは違うように相手に伝わってしまったり、そこがキッカケでわかりあえなかったりトラブルが起きてしまったり、という感じです。境遇の全く異なるキャラが多数集まって何かしら起こりそうな『迷家』にも何処か通じそうな感じがします。それが恋愛関係(のもつれ)なのか、あるいはいざこざ(がもつれての傷害事件的なもの)なのかはわかりませんけども。

 『鉄血のオルフェンズ』など、やや多数のキャラを動かすのは得意じゃないんじゃないかと思ってる岡田麿里と、『SHIROBAKO』キャラクターの恋愛関係の描写を避ける傾向のある水島努監督……と考えると、やはり水と油というか合わないんじゃないかとも思うわけですが、両者の不得手な部分を補い合えるのであれば、これ以上ないタッグになるような気もします。その結果、どんな作品が生まれてくるのかは想像もつかないのですけど、楽しみですね。

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 僕としては、多数のBDを購入したアニメの作り手でもあるので期待しかしていません。ジャンルを決めたらそれに忠実なアニメを作る水島努監督ですから、若干ジャンル分けしにくいという部分には不安を感じていますが、そういう作り方をした時にどんなアニメが出てくるのか、という楽しみでもあります。

 もう一つ不安なのは、ポニーキャニオン製作の冴えないオリジナルアニメということでしょうか。まあプラスが勝つかマイナスが勝つか、という感じもしますけど、期待して待ちたいと思います。

■迷家-マヨヒガ- 公式ホームページ

http://mayoiga.tv/