天使はなぜマーボー豆腐が好物だと言うことを忘れていたのか?〜Angel Beats!第六話 考察

 要素を詰め込みまくって不評だった第六話が終わりました。色々と興味深くもあり、また直井の超駆け足のネタばらしなどに「一話でやるネタじゃないだろww」とかツッコミしつつも楽しく見てました。
 さて個人的には、直井がどういうキャラなのかとか、裏で何やってたのかってことには、半分当たり半分ハズレな考察を以前に書いた通りで、それ以上の存在では無いということもわかりましたが、やはり天使についてはまだまだ謎を秘めていそうです。
 今回は、なぜ天使は、マーボー豆腐が好物だと言うことを音無から言われて思い出したのか、ということについて考えてみようと思います。
 天使がマーボー豆腐好きだということは、第五話から考えても明らかなわけです。なのに「知らなかった」なのです。おかしいと思いませんか?
 天使はその後、校則のことも忘れているわけですが、これはマーボー豆腐に目がくらんだからかもしれません。ただ、そのマーボー豆腐のことも天使は忘れていたわけです。もちろん、その前にマーボー豆腐という言葉に天使は反応して、校則違反にも関わらず、音無と食堂に行くことになったわけですが。
 
 個人的に考えているのは、天使は音無が来る以前の記憶を持っていないんじゃないか? ということです。もしくは、過去(生前)の記憶が無いということの示唆なのかもしれません。
 天使がこの世界での以前の出来事を覚えられない……という可能性は低いと思います。ガードスキルの開発にしても、開発した記憶があるからこそ発動できるのでしょうし。そして音無を刺したことやその理由についても覚えています。
 が、天使はこの世界でずっとマーボー豆腐を食べていたはずです。それはおそらく、好きだからでしょう。それをなぜ忘れているのかと考えると、好きだから食べているという自覚がない、と言うことでしょうし、もしくはマーボー豆腐を食べるということがルーチンワークになっているという可能性もあります。
 というのも、天使は機械的な存在でした。ゆりっぺがNPCなのかどうなのかわからない、と言うことを第一話でしていたように、感情というものが見えないキャラだったようです。ゆりたちSSSメンバーの攻撃を自衛するだけでしか攻撃もしなかったようですしね。
 ただどうでしょう? 第六話で出てきた天使、感情がないように見えたでしょうか? とてもそうは思えませんよね。第五話でも若干そうでしたが。むしろ、やっと素のキャラが出てきたようにも見えます。音無が話しかけてもちゃんと答えますし、「ウマイわ」などの感想を言うくらいにどんどん人間らしさを見せるようになってます。
 こうして考えてみると、やはりキッカケは音無にあるものと思われます。何せ、最初に天使に話しかけてますからね。ただし、音無が来たから天使が変わったのかと言うことには、半分はイエスで半分はノーでしょう。確かに天使は、音無がこの世界に来たときにいきなり刺すなどしています。これは以前の考察でも書いた通り、自衛の手段としてしか攻撃をしなかった天使にとっては非常にイレギュラーなことをしていたことになるわけです。
 ただし、第二話で天使は非常に機械的な動きをしていたことを思い出すと、音無がこの世界に来た、と言うだけでは天使は変わっていないものと考えられます。ではキッカケは何だったんでしょう?
 それは、音無が天使に話しかけたことだったんじゃないかと思います。話しかけたと言うよりは、第五話で音無が自分の名前を言い、そしてそれに応えるかのように天使が名前を教えたこと……、このことがキッカケだったのでは無いでしょうか?
 何せ、それまで天使は、名前も知られておらず「天使」と言う職業というか属性的な名で呼ばれていたに過ぎなかったわけで、また天使のことを呼ぶ人間もいなかったものと考えられます。特にSSSメンバーから呼ばれることは無かったでしょう。
 それが、音無が天使の名前を聞き出し、そして天使を「たちばな(一説によると立華奏という漢字らしいのですが)」と呼ぶようになってから、一気に天使が人間らしい感情を見せるようになったのではないのかと思うわけです。つまり、音無に名前を呼ばれることで、この世界での人間(PC)としての生を受けたのではないかと
 天使はつまり、音無に名前を呼ばれる以前はあくまで「天使」という役割だけを与えられたキャラなのですが、呼ばれた後は「たちばなかなで」というキャラクターと変化したのではないかと思うのです。
 くしくも直井のことを(存在・生きていたことを)認めたことが六話の最後に入ってますが、それは天使も同じだったんじゃないかと思ってます。未だにゆりたちは天使のことを「天使」としか呼ばない中で、音無だけが「たちばな」と呼んでいるのも特別扱いをしてることを示唆しているのかとも思いますし。
 要は、天使は音無に認められた、あるいは名前を呼ばれて行動してはじめて「人として生きている」ように振る舞えたのであって、それ以前にはNPCのようにルーチンワークを繰り返していただけだったのではないかと思っています。だからこそ、マーボー豆腐のことも校則のことも忘れていたのかと。六話の天使は、やっと人間としてこの世界に生まれたことを自覚し始めた存在なんじゃないかと考えられます。
 そんなわけなので、天使ちゃんはマジ天使……なのはともかく、これからの天使は、もしかしたら過去の記憶や自分の存在についてを自覚し認識し始めるのかもしれません。楽しみですが、悲しいことになりそうで怖いですね。
 

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