赤朽葉家の伝説q

amazonのレビューを覗いたら、これはミステリではない、という意見がちらほらあって驚いた。
えええ、これがミステリじゃなかったら何がミステリなのか!私は序盤で思わず、これはすごいー!3世代で問題編と解決編をやってのけるやつですねー!と狂喜乱舞したのだが。

千里眼の祖母と、漫画家の母、そして何者でもない私。

あらすじからは全く内容の予想がつかない、意味不明・・・と思いながら読み始めてすぐ、幻想的で不穏な空気漂う万葉の物語に引き込まれた。
すごい、と浮かれながら2代目毛毬の物語に進むも、不良少女になりぱらりらぱらりら暴走を始めるその突飛さに大混乱。この話はどこに向かっているのか!?

期待値高めで読み始めましたが、大御の字で幕を閉じました。
・・・ですが、2代目が、欲を言うともっと謎に絡んでいて欲しかった。1代目と3代目の私だけで謎解きしちゃった感じなので。
3代目の彼氏以上に、2代目の助言が後々ピリリと効くと良かったかもしれない。

夜の光

夜の光 (新潮文庫)

夜の光 (新潮文庫)

ささやかな謎たちは秀逸というほどではなく、けど不可もなく、ほどほどで良い読み心地でした。それぞれのキャラクターがスパイを自認する気持ちは、やや取って付けたようで、いまいち好きになれずでした。

ふがいない僕は空を見た

ふがいない僕は空を見た

ふがいない僕は空を見た

R-18文学賞とか内容とか何も知らずに読んだら、ストーリーが好みじゃなかった。心地良いものではなくて、モヤモヤ…無力な…、そう、タイトルの「ふがいない」がしっくりくるかんじ。
ただ、人物ごとの一人称の語り口は自然で、それぞれの思いを抱いた生きた人間という感じはしました。

ピスタチオ

ピスタチオ (ちくま文庫)

ピスタチオ (ちくま文庫)

梨木香歩さんの小説の盛り上がり方は本当に良いなと思います。静かに深いところから揺り動かされるかんじがします。棚が叫ぶ場面。『裏庭』では、お父さんが泣く場面とか。

世界は二人組ではできあがらない

この世は二人組ではできあがらない (新潮文庫)

この世は二人組ではできあがらない (新潮文庫)