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小人さんの妄想 このページをアンテナに追加 RSSフィード Twitter

2009-04-24

封筒のパラドックス

前回id:rikunora:20090423に続いて、kashiさんからおもしろい確率の問題をいただきました。

テレビのバラエティーショーで優勝したあなたは、

賞金がもらえることになりました。

2つの箱があり、片方には他方の2倍の額の賞金が

入っていることが分かっています。

あなたが片方を選んだところ、司会者がその中を

覗いて、「こちらには100万円入っています。

もう一方に変えてもいいですがどうしますか?」と

聞かれました。

A. 選んだ箱が高い方である確率は1/2なので、もう一方の

箱に入っている金額の期待値は、

50万*1/2 + 200万*1/2 = 125万

従って、もう一方に変えた方がよい。

B. 元々無作為に選んだので、どっちでも同じ。

C. (理由は知らんが)初志貫徹、元の箱のままがよい。

さて、どれが正しい?


うーむ、かなり悩みましたよ、これは。

まず考えたのは、「片方には他方の2倍」というルールを変えたらどうなるか、ということ。

たとえば「片方は他方より50万円多い」だったらどうなるか。

 50万*1/2 + 150万*1/2 = 100万

これだと、どっちでも同じになる。

ということは、2倍というルールが指数的というか、下に凸になっているのが問題なのではないか。

もし上に凸になるようなルールだったら、逆の結果が出るに違いない。

そこで、こんなルールを考えてみました。

「一方の金額を表す数字の、万の位にある“1”を“0”に置き換えたものが、他方の金額になっている」

これなら、もう一方の箱に入っているのは、110万か、101万か、0、ってことになる。

この場合の期待値はどうなるんだろう?

 110万*1/3 + 101万*1/3 + 0*1/3 = 70.3333万 でいいのかな?

それとも

 (110万*1/2 + 101万*1/2)/2 + 0*1/2 = 52.75万 なのだろうか。。。

いずれにせよ、ルールを変えれば、期待値を下げることもできるわけだ。

だが待てよ、数字を1個だけ置き換えるのなら、1100万、というパターンがあるのを忘れていた。

そこでさらに、上のルールから「万の位にある」を取り払って、こんなルールを考えてみた。

「一方の金額を表す数字の“1”を“0”に置き換えたものが、他方の金額になっている」

これだと、もう一方の箱に入っている金額が

1100万の場合も、10000100万の場合も、100000000100万の場合も、、、

つまり、期待値は無限大!ということになる。

ならばいっそ、ルールなんてものは全く無くて「いくら入っているか分からない」だったら、

やはり期待値は無限大!

もしこれが正しかったら、運良く道ばたで100万円入っている箱を拾っても、

それを捨てて、まだ開けていない次の箱と取り替えた方が必ず儲かる、ということになってしまう。。。

だから、やっぱり期待値の理屈はどこか変だ。

ということで、上の問題の答は B.どっちでも同じ。

でも、もし確実に100万円もらえるのだったら、心理的には C. かな。


さて、とりあえず答は決めたのですが、ならば期待値の計算のどこがおかしいのでしょうか?

あれこれ考えましたが、別に計算自体が間違っているわけではなさそうです。

この問題のミソは、当たりハズレの確率と、期待値がずれている所にあるのだと思います。

こんな状況に置き換えると分かりやすい。

 A,B2つの選択子があって、当たりハズレの確率はあくまでも1/2。

 もし当たった場合はプラス100万円、外れた場合はマイナス50万円。

確かに期待値はプラスですが、だからといって当たりハズレの確率が変化するわけではない。

ここでA,Bの金額を変えてみれば、期待値は如何様にでも変えることができるでしょう。

でも、当たりハズレ自体には何の影響も及びません。

もっと極端にして、A,B2つの選択子の内容がこんな風だったら、

 A:当たる確率 0.000001%、当たればプラス1億円

 B:当たる確率99.999999%、当たればマイナス10円

これだと10万人に1人が当たる宝くじのようなもので、期待値は確かにプラスなのですが、

実際にはほとんどの人が10円ずつ損することになるでしょう。


以上で大体納得できたのですが、1つだけ、妙な難問が残った。

「中身が全く未知のブラックボックスがあった場合、その期待値は?」

無限大、になるのかな?


kashikashi 2009/04/26 10:01 これ、自分も明確な解答を持ってなかったりするんですが、一応の解答としては、
「金額の確率分布が示されていないから答えられない」
でいいのではないかと思っています。例えば、
(1,2)
(2,4)
(3,6)

(10000, 20000)
のペアの確率がそれぞれ1/10000とか与えられていれば、
選んだ箱の金額に応じて、他方の箱の期待値は計算できます。この場合、10000円以上なら取り替える意味は無いとか、奇数なら絶対取り替えた方がいいとかなります。

入試なんかによく出てくるサイコロを使った確率の問題でも、出る目の確率がそれぞれ1/6とか与えられていなければ解きようが無い、という話ですね。

自然な仮定は全ての金額が等確率なのでは、という反論が考えられますが、全ての自然数(無限集合)に等しい確率を与えることは不可能です。
収束する数列なんかを使って合計が1になるように全ての自然数に確率を与えることは可能だと思いますが、その場合はそれに応じて最適な行動を決定できると思います。

うーん、どうもうまく言えない(笑

rikunorarikunora 2009/04/27 16:13 なるほど、
「中身が全く未知のブラックボックスがあった場合、その期待値は?」
定義できないですね。つきつめると、元凶はこのあたりから発していたのか。
常識的には100円くらいならありそうだとか、100万円入っていることは滅多にないだろうとか、
合計すると1になるような、そこそこの分布を無意識に仮定しているのでしょう。
この問題だと、「全ての金額が等確率」は一見ごく自然なようですが、確たる根拠は無いですね。
だとすればやはり「確率分布が示されていないから答えられない」はなっとくです。
自然数は離散的なのに、確率が定まらないというのは不思議な気がします。

とくもとくも 2012/07/14 23:10 古い記事にコメントさせていただきますが、

片方には他方の3倍の額の賞金が入っている ことにして、
3^(n-1)と3^n のペアに 1/(2^n) の確率を与えると、
片方を選んだあと、選ばなかったほうの期待値が常に高くなります。 期待値が無限であるような確率分布の与え方をするとそういうことが可能のようですね。

hirotahirota 2012/07/15 12:03 最初の問題は、高い方を選んだ場合のみ司会者が再選択させて残念がらせると言う可能性を考えると、変えたくないですね。
前もって、どんな場合でも必ず再選択させると分かってるなら違いますが。

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