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小人さんの妄想 このページをアンテナに追加 RSSフィード Twitter

2009-08-23

納豆を2度目に食べた人

* 人類で最初に食べた人を尊敬したい食べ物ランキング

>> http://ranking.goo.ne.jp/ranking/013/challenge_food/

 1位.くさや

 2位.納豆

 3位.なまこ。

だそうです。

確かに、最初に納豆だの、なまこだのを口にした人は、すごいチャレンジャーですよね。

ただ、初回のインパクトに押されて忘れられがちですが、

2回目以降に続けて食べた人たちも、初回に劣らぬ勇気の持ち主だと思うのです。


納豆を例に挙げると、最初は偶然にできてしまった、ということがあり得るでしょう。

納豆は、茹でた大豆を藁にくるんでおくと自然に出来上がります。

おそらくそうしたことが、昔、誰かの食料貯蔵庫の片隅で起こったのでしょう。

第一の難関は、そうして自然に出来上がった納豆を、捨てずに食べるかどうかということ。

「腐った豆」を食べなければならない状況というのは、十分にあり得ますよね。

食料が少なくなって、これを食べるか、さもなくば死か、といった状況。

そうなったら、見てくれが悪かろうが、臭かろうが、ダメもとで食べてみる人はきっといます。

ここで「食べてみたら、案外おいしかった」のであれば、納豆は一気に普及するのでしょうが、

私が想像するに、初回で「案外おいしかった」というケースは、まずあり得ないと思うのです。

最初の納豆には、ダシ付きのタレや、ネギやからし、ごはんにかけるといった、おいしい食べ方はありません。

試しに、納豆に何も付けずに、そのまま食べてみて下さい。

ただの苦い豆ですよ、群を抜いて美味しい食品とは思えない。

また、最初の納豆は、現代のように雑菌をコントロールした衛生的な食品だとも思えない。

半分くらいは納豆菌以外の雑菌が入り交じっていたんじゃないかな。

食べて害の無い納豆か、食べたらおなかを壊す腐った豆かの違いを見分けるのは、かなり難しい。

ひょっとすると最初の納豆は、半分おなかを壊しつつ、なんとか飢えを凌いだ程度のものだったかもしれません。

たまたま一度、偶然にできた納豆で飢えを凌いだからといって、

もう一度、わざわざ同じものを作って食べてみようとするでしょうか?

2回目以降が初回に劣らぬ勇気の持ち主、というのは、そういう意味なんです。


夏の暑い日に、お弁当の米の表面が「ぺとぺとする」ことってありませんか。

下手をすると午前中の半日くらいで、ぺとぺと状態になってしまう。

神経質な人だったら食べずに捨ててしまうでしょうけれど、

私は「腹が丈夫なんじゃー」という妙な自信があって、構わずに食べています。

食べてみると、案外大丈夫なんですね・・・いまのところ。

(最近はクーラーも効いていて、ぺとぺと状態をほとんど見かけなくなりました。

昔、お弁当を持っていたときには、けっこう頻繁にあった。

ただし、この記事を真似しておなかを壊しても、当方一切関知しません。)

この「ぺとぺと弁当」を見て、あるいはぺとぺと弁当を平気で食べてしまう人を見て、あなただったらどう感じますか。

「うわっ、気持ち悪ぃ〜」というのが普通の感覚ではないでしょうか。

でも、これこそが最初の「なれ寿司」の置かれた状況であり、同じ嫌悪感が最初の納豆にも向けられていたはずです。


では、最初の頃の納豆は、どのような扱いを受けていたのでしょうか。

* 納豆の歴史について

>> http://www.nattou.com/topics/history.html

この記事によると、「糸引納豆の起源はいまだ謎とされてい」るとのこと。

・・・糸引納豆がでてくる最初の文献は室町時代の『精進魚類物語』になります。・・・

もし、『新猿楽記』の「納豆」が糸引納豆であったとすれば、当時の感覚では既にゲテモノとされて、塩辛納豆ほどに好まれず、この頃に既に塩辛納豆を食べていた関西地方では、それ以後糸引納豆は受け入れられなかったと予想できます(いささか強引ですが・・・)。

やはり最初の頃の納豆は「ゲテモノ」だったのではないかと思うのです。


当初の「ゲテモノ」が、いったいどのようにして正当な食品の地位を確立していったのか。

そこには幾つかの要因があったことでしょう。

1つには、ゲテモノを受け容れて、こよなく食べ支えていた人たちが居たはずです。

彼らはきっと変人扱いされていたのでしょうが、それでも納豆が好きだったんです。

日の目を見ない「迫害の時代」が、きっと納豆にもあったことでしょう。

でも、それだけだと納豆は絶えることはなくても、ブレークするには至らない。

晴れて正当な地位を得るには、何らかのきっかけが必要です。

納豆の場合、それは「八幡太郎義家」という権威の裏付けだったようです。

・・・ある時、八幡太郎義家は、馬糧の豆俵を兵士たちが捨てているのを目撃します。兵士たちは、糸引き納豆に変化した煮豆を、腐っているものと思い、捨てていました。八幡太郎義家は、捨てられた糸引き納豆を拾い上げて口にした所、充分食べられる食料である事に気がつきました。この時より、八幡太郎義家は、糸引き納豆を兵糧に採用することにしたのです。

* 納豆研究 -- 3.納豆伝説から生まれた糸引き納豆

>> http://www.shufu2.jp/dic/natto/03.html

* 納豆の歴史は

>> http://www.nattoukin.co.jp/yume_nato_r.html

伝説なので、正確な真偽の程は定かではありませんが、これを機に納豆が世に認められたと思うと、何だかおもしろいではありませんか。


もし、体に良い、栄養価の高い食品ほど素直においしいと感じられるのであれば、納豆は出現当初から高い地位を得ていたはずです。

でも実際の味覚は、それほど単純ではありません。

現に納豆を始めとする一部の食品は、栄養があるにも関わらず長らくゲテモノの地位にあり、

どう見ても栄養の無さそうなジャンクフードが案外美味しかったりします。

味覚は体が欲するものを、必ずしも100%忠実に反映してはいません。

なぜ、栄養と味覚はずれるのか。

それは、味覚の進化スピード(あるいは味覚が馴染むまでの文化の進むスピード)が、新しい食品が登場するスピードよりもずっと遅いからだと思います。

長い時間が経てば、体に良い食品は必ずや受け容れられるはずだし、体に悪いジャンクフードはいずれ駆除されるはずです。

ただ、受け容れにも、駆除にも時間がかかるので、世の中には常に受け容れ途中にある食品と、駆除されかかっている食品が一定数出回っていることになります。


納豆なんて奇妙な食べ物は、きっと日本にしか無いだろう・・・

当初私はそう思っていたのですが、調べてみると、似たような大豆発酵食品は日本以外にもあるのだそうです。

-- wikipedia:納豆 より

以下の地域では、納豆と似た大豆発酵食品が製造されている

* ヒマラヤ麓のネパールなど南アジア中国雲南省から東南アジアにかけた地域。

* 朝鮮半島:清麹醤。

* インドネシアなど東南アジア諸国:テンペ大豆などをテンペ菌で発酵させる醗酵食品。

* 世界の納豆

>> http://www.yamadafoods.co.jp/siryou/world.htm


納豆が世界多発であるとは、何を意味するか。

・勇気あるチャレンジャーは、世界に1人だけではない。

・良いものは、最終的には必ず受け容れられる。

それでは、未来に向けて良いものを残すには、何ができるか。

八幡太郎義家のような権威者になれない私たちであっても、納豆を食べ支える人にはなれると思うのです。

最初の納豆を食べ支えた人は、「誰が何と言おうと、これは美味しいのだ」という本能の声に忠実に従っていたのでしょう。

そう言われてみると、現代にも思い当たるものがありませんか。

誰が何と言おうと、良いものは良いのです。

もっと素直になろうよ。


※8/24追記

ジャンクフードがどれだけ食品の中に含まれているか、

というのは、1つの文化の尺度なのだと思います。

この点からすると、間違いなく世界一なのが中国

アメリカはお世辞にも進んでいるとは言えない。

日本は、、、うーん、微妙なところかな。


さば缶さば缶 2010/04/15 23:24 納豆って確かにくさいけど、おいしいにおいとおもえるのは食べなれてるせいか。

今では、ありとあらゆる全ての物が食べられるものなのか、食べられないもの(毒入り)なのかやおいしいものか、まずいものなのかわかってますね。毒入りのものですらおそらくだれかが食べて確認してるんですから、納豆を食べることになったことはそんなに不思議なことではないかと。

rikunorarikunora 2010/04/20 12:46 食べ物って、とにかく入手できるあらゆるものが一度は試されているという気がします。
たとえば、キノコの図鑑に(毒)の1文字を入れるために、少なくとも1人の犠牲者がいたはず。
はっきりとしたメッセージを残してくれればまだ良いのですが、
何を食べて死んだのかわからない状況だったとしたら、さらに犠牲者は多くなるでしょう。
納豆はたまたま問題無かったけれど、他の似たようなものを口にして死ぬ思いをした人もいるでしょう。
そう思うと、(毒入り)という知識は何にも増して貴重ですね。

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