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小人さんの妄想 このページをアンテナに追加 RSSフィード Twitter

2009-11-07

三次元の囲碁(2)

前記事、三次元囲碁id:rikunora:20091103の続きです。

三次元囲碁は、こんな風に進むのだよ、という一例です。

[5x5x5]の碁盤(碁体?)で試してみました。

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まず先手の黒番ですが、とにかく隅に地を作ることを目指して、[2x2x2]の点に初手を打ってみます。

2次元の囲碁であれば、[3x3]の点に打てば、隅に地ができると言われています。

今回は3次元なので、もう1路隅に近い点に置きました。これで隅が確保できるのか?

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次の白番。隅に黒地を作らせないように邪魔してみます。

手前の壁にくっついた、[1x2x2]の点に打ち込みました。

2次元の碁盤であれば、こんな場所に打ったら逆に黒に囲まれて、つぶされてしまうところです。

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黒は白を、手前側の面に押しやることを考えて、[2x3x2]の点に打ちました。

2次元で言えば、辺に押しやる感じです。

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白は閉じこめられないように、[1x3x3]の点に打ちました。

2次元であれば、すぐ隣に「のびる」ところですが、3次元であれば、斜めに離しても大丈夫です。

黒がどちらかを切ってきても、もう一方の側をつなぐことができますから。

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黒は、とにかく白を手前の面から出さないように押さえます、[2x3x3]。

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白は、手前の面から脱出を図るため、1つ奥の面に打ちました、[2x4x3]。

2次元だったら、こんな逃げ方は無理なところですが・・・

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黒は、逃げた石とさっきの石を分断しました、[1x4x3]。

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白は、分断された石を連絡するように、斜めに石を置きました、[1x4x2]

すると分断した黒石は3方を囲まれることになるので、取られないようにのびておきます、[1x4x4]。

(それでも黒にはあと1方の空きがあるので、ここでのびなくても構わないのですけれど)

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黒が下がったおかげで、白には1手つなぐチャンスができました、[2x4x2]。

これで白は、手前側の壁から脱出できたわけです。

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今度は黒が分断されないように、[2x3x4]に打って連絡します。

ここまでで、黒白共に、蛇のように絡み合っている一丸ずつの塊になったわけです。

結局のところ、黒が[2x2x2]の点からスタートしたのに、隅を確保することができませんでした。

こうして見ると、3次元で地を確保するのがとても難しいように思えませんか?

もちろん囲碁の進行は千変万化なので、あっと驚くような手筋があるのかもしれませんが・・・


仮に3次元以上の、4次元とか、5次元といった囲碁があったとしたら、

おそらく3次元よりもつまらないものになると思えます。

次元が高いほど石の逃げ出す方向が増えるので、逃げ出すことはますます容易になって、

地を確保することはますます難しくなると予想されるからです。

どうやら囲碁というものは、2次元が一番おもしろくて、1次元だとゲームにならず、

3次元以上であっても、2次元ほどはおもしろいゲームにならないようです。


2次元だけが特異的におもしろい・・・

唐突ですが、このことは「なぜ宇宙は3次元空間なのか」という問いかけのヒントにならないでしょうか。

宇宙は3次元だと「いちばんおもしろくて」、2次元以下でも、4次元以上でも「つまらないものになってしまう」。

もちろん囲碁と宇宙は全くの別物ですが、神様が素粒子の碁石で打っているのだとすれば、まあ、そんな感じかなぁと。

なぜ宇宙は3次元空間なのか、いろいろな考えがあるようです。

* なぜ4次元か

>> http://www.edu.kobe-u.ac.jp/fsci-astro/members/matsuda/review/4jigen.html

このページのタイトルは「4次元」となっていますが、これは「3次元空間+1次元の時間=4次元」ということです。

物理の世界では、時間と空間をいっしょくたにして4次元時空として扱うことが、よくあるんですね。

数学的に見ると、4次元というのは非常に特殊な性質を持っているようです。

* 薫日記 -- エキゾチックな4次元

>> http://kaoru.txt-nifty.com/diary/2005/11/post_5421.html

* 4次元の特殊性

>> http://www.geocities.jp/ikuro_kotaro/koramu/4jigen.htm

R^4 には無限個の微分構造がある、、、らしい。

ゲームのおもしろさ=振る舞いの複雑さが、空間の次元数に依存しているということ自体が、

とてもおもしろいことのように思えます。


とねとね 2009/11/13 10:37 3次元で実際にゲームするとこんな感じになるのですね。記事を「R^4 には無限個の微分構造がある」と深遠な内容でしめくくっているのがいい感じです。

fkfk 2009/11/13 15:23 これ人間にはできないですね・・・。
4次元人ならできるかもしれませんが。

3次元オセロくらいなら可能かもしれません。

そういえば4次元ルービックキューブがあるらしいですよ。群論使ってやればイメージできなくても解けるみたいです。

rikunorarikunora 2009/11/17 02:11 こんばんわ、とねさん、最近お忙しそうですね。
私のところにも少しは多忙の波が襲ってきました。

さて、書いてはみたものの「無限個の微分構造がある」とはいかなることか、よくわかっていません。
でも、私たちの居る4次元空間は、きっと特別な理由があっておもしろい場所になっているんじゃないかな、
などと想像しています。

fkさん、4次元ルービックキューブとは、これまた人間にできそうもないですなー。
ええと、表面ならぬ「表体」が8個あるのかな? 形すら思い浮かばない。
3次元への投影図をたくさん並べて、なんとなく想像するしかないですね。

rikunorarikunora 2009/11/17 02:44 ここにあった、うおー、なんじゃこりゃ。
http://www.superliminal.com/cube/applet.html

とねとね 2009/11/18 00:17 こんばんは。そうなんです。かなり忙しくなってきてブログ更新のペースがだいぶ落ちてます。
年末が近づくにつれてお互い忙しくなってきそうですね。インフルエンザに気をつけながら頑張りましょう。

近いうちに「プリンキピア」ネタで記事書きます。力学についての記事ではなく古本事情的な記事になりますが。。。

とねとね 2009/11/18 22:09 「プリンキピア」についての記事書きました!
rikunoraさんはチャンドラセカール先生の本お持ちでしたよね。

rikunorarikunora 2009/11/19 14:40 プリンキピア、現在入手すると2万5千円也ですか!
いや、それだけの価値は充分にある。
それにしてもこの出版事情は、大げさに言えば
日本に何が足りないかを端的に示しているようですね。

とねとね 2009/11/20 12:23 > いや、それだけの価値は充分にある。
同感です。買うときは「もったいないかなぁ」という気がしていましたが、家でじっくり読んでみたら「やっぱり買ってよかったなぁ。」と思いましたよ。

> それにしてもこの出版事情は、大げさに言えば
> 日本に何が足りないかを端的に示しているようですね。

カネとは直接関係をもたない種類の「知」のニーズが大幅に下落しているわけですね。科学書にかぎらず全体的な意味で。

小さな力でしかありませんが、お互いブログ活動を通じて少しでもこの傾向に(楽しく)抵抗していきましょう!

ヒルネスキーヒルネスキー 2012/01/30 20:22 囲碁(二次元):盤面は二次元(面) 石は一次元(点)
とすると、

囲碁(三次元):盤面は三次元(体) 石は二次元(面)
となる気がしました。
立方体の盤面ならば隣接する4つの座標に一度に4つの点を置いて一手につき1マスの正方形を設けていく様にすればゲームになるんじゃないでしょうか。

rikunorarikunora 2012/02/07 10:33 なるほど、3次元の空間を、2次元の壁で囲えばゲームになりそうですね。
ちょっと考えてみましたが、頭の中だけで想像するのはすぐにあきらめました。
やはり立体は難しい。まずは立体をうまいこと把握できるような盤面(盤体?)を工夫しないと。

名無し名無し 2013/06/10 15:52 単純に1回で3個くらい石を置けるようにすれば成り立つかも?

名無し名無し 2013/06/10 21:59 すいません、やはり上の様にしても、根本的な解決にはなりませんでした。
むしろ、「なぜ二次元の囲碁はおもしろいのか」について考えるべきでした。

rikunorarikunora 2013/06/11 09:14 普通の二次元の囲碁でも、2手同時に置けたらいいな、という時が多々ありますよね。
試しに2手ずつ置くルールでやってみたら、やはり1手ずつよりも面白みに欠けました。
現状の囲碁のルールの完成度は非常に高い。

数学すき数学すき 2013/08/29 15:51 >>2次元だけが特異的におもしろい・・・
>>唐突ですが、このことは「なぜ宇宙は3次元空間なのか」という
>>問いかけのヒントにならないでしょうか。
>>宇宙は3次元だと「いちばんおもしろくて」、
>>2次元以下でも、4次元以上でも「つまらないものになってしまう」。

こういう発想大好きです!
読んでいてワクワクしました。

rikunorarikunora 2013/09/06 09:25 最近、超弦理論なるもののお話を聞いたところ、
次元の数は理論的な必然性をもって決まるらしいです。
問題はその次元の数が、我々が普通に思っている(空間3+時間1)ではなくて、
もっと多いということなのですが。。。確かに、ワクワクしますね。

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