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小人さんの妄想 このページをアンテナに追加 RSSフィード Twitter

2011-11-07

ローレンツ変換の導出

特殊相対性理論のキモである、ローレンツ変換の導出を、できるだけ短くまとめてみた。


■ 必要なもの

1.光速度不変の原理

光は常に真空中を一定の速さcで伝搬し、この速さは光源の運動状態には無関係である。

2.(特殊)相対性原理

お互いに等速度で運動しているすべての慣性系において、すべての基本的物理法則は、まったく同じ形で表される。

それらの慣性系のなかから、なにか特別なものを選び出すことはできない。

光速度不変のグラフ

縦軸に時刻t、横軸に位置xをとったグラフ上に、光が速度cで飛翔する様子を描いてみます。

f:id:rikunora:20111108002852p:image

光はとても速いので、このグラフはものすごく横長になります。

これでは見にくいので、横軸を光速度cで割って、横軸の単位を x/c としましょう。

こうすれば、光の軌跡は、グラフ上で縦に1単位進むと、横にも1単位進むことになり、

結果として傾き45度のラインに位置付られることになるでしょう。

f:id:rikunora:20111108002913p:image

このままでも良いのですが、慣例的には横軸xをcで割る代わりに、縦軸のtにcを掛けてグラフの縦横比を合わせます。

このとき縦軸の長さ1単位は「光が1メートル進むのにかかる時間」と読めます。

また、ctの単位は「秒(時間)」ではなく「メートル(長さ)」になるので、グラフの縦横の単位が揃うことになります。

f:id:rikunora:20111108002947p:image

このグラフ上で「光速度不変の原理」は、

 「いかなる等速運動している人から見ても、光の45度ラインを動かさないようにせよ」

という要請になります。


■ グラフを歪める

いま、このグラフの上に、秒速10万kmのスピードで光を追いかけているロケットの線を書き加えてみます。

常識的には(古典物理学の考えでは)こうなるでしょう。

f:id:rikunora:20111108003015p:image

秒速30万kmで飛んでゆく光を、秒速10万kmで追いかけているロケットから見れば、

光は差し引き 30万 - 10万 = 20万kmで遠ざかっているように見えるはず・・・

ところが実際にはロケットの中から見ても、光はやはり秒速30万kmで遠ざかっているのです!

そうなるように、時空のグラフを歪めてつじつまを合わせなさい、というのが相対性理論の考え方なのです。

やってみましょう。

f:id:rikunora:20111108003037p:image

こんな風に、45度ラインを中心にグラフ全体を歪めてしまえば、光の線は動かさずとも済むわけです。

つまり、このグラフのような形でロケット内の時間と長さを調整すれば、

光の速度はロケットから見ても一定に見える、ということです。


■ お互いさまの相対性原理

ところで、グラフの歪め方は、上に描いた1通りだけなのでしょうか?

例えば以下の図は全て、45度ラインを動かしません。

f:id:rikunora:20111108003108p:image

要は、45度ラインで対称でありさえすれば、どんな歪め方だって構わないわけです。

こういった無数の歪め方の中から、現実に起こり得る1通りを見出したいのですが・・・

ここでものを言うのが「相対性原理」なのです。

静止している人と、ロケット中の人の立場は同等であり、どちらかを特別にえこひいきしない、という要請です。

f:id:rikunora:20111108003139p:image

ロケットの方を基準として、当初の「静止している人」を見た場合、

「静止している人」は光とは反対方向に秒速10万kmで遠ざかっています。

その「静止している人」から見ても、光はやはり同じ秒速30万kmで見えているはずです。

静止している人 -> ロケットの歪みと、ロケット -> 静止している人の歪みは、

ちょうど逆の関係でなければなりません。


■ 行列で解くローレンツ変換

1.光速度不変の原理 ->「45度ラインは不動」

2.相対性原理 ->「互いの立場を入れ替えれば、逆の歪みが起こる」

この2点から、グラフの歪め方を定めることができます。

グラフの歪め方を、一次変換の行列で表してみましょう。

f:id:rikunora:20111108003220p:image

変換行列Lは、次のように考えて定めています。

・(1,0) は、傾きv/cの直線上のどこかに移る => この点を(α, (v/c)α) としよう。

・(0,1) は、傾き1/(v/c)の直線上のどこかに移る => この点を((v/c)α, α) しよう。

ここで登場した α は未知数で、このαを決定することが最終目標です。

次に、この変換行列Lの逆行列L^-1を計算してみます。

f:id:rikunora:20111108003241p:image

この逆行列L^-1は「互いの立場を入れ替えたときの、逆の歪み」、

つまり「ロケットから見た静止した人」になっているはずです。

ということは、逆行列L^-1 は、行列Lの速度vを、速度-vに入れ替えたものになっていなければなりません。

そこで2つの行列を見比べると、行列式 1 / ( α^2・{1 - (v/c)^2} ) = 1 だということがわかります。

f:id:rikunora:20111108003302p:image

こうして、α = 1 / ±√( 1 - (v/c)^2 ) という答が得られました。

これがローレンツ変換です。


行列式が1の意味

行列式が1ということは、基底ベクトルで生成した平行四辺形の面積が、変換の前と後で変化しないことを意味します。

f:id:rikunora:20111108003332p:image

このことから、速度 v を変化させて変換Lを施したベクトルを並べてゆけば、それは双曲線になることがわかります。

f:id:rikunora:20111108003407p:image

この双曲線の式は x^2 - (ct)^2 = (一定値) ですから、

ローレンツ変換によって x^2 - (ct)^2 という量は変わらない、ということになります。


線型変換でいいの?

ところで、上ではグラフの歪みをいきなり線型変換行列に置き換えたのですが、これは良いのでしょうか。

これ以外にも歪みの方法は考えられないのでしょうか。

アインシュタインは次のように述べています。

第一にこれらの方程式は1次でなければならない。

なぜならば、空間と時間は斉一という性質を持つと仮定したからである。

つまるところ線型という性質も、相対性原理から導かれる帰結なのです。

例えば、速度 v1 のロケットから、さらに速度 v2 のミサイルを発射したことを考えてみてください。

静止している人から見たミサイルの変換L(x1+x2, t1+t2)は、

静止->ロケットの変換L(x1,t1)と、ロケット->ミサイルの変換L(x2,t2)を合わせたものになるはずです。

 1.L(x1+x2, t1+t2) = L(x1,t1) ○ L(x2,t2)。

また、ここで扱っている運動は全て等速直線運動なので、時間と距離をλ倍すれば、変換後の結果もλ倍になります。

 2.λL(x,t) = L(λx, λt)

この1.と2.の性質が即ち線型性ということであり、

線型な変換なのだから、線型な行列によって表せるということになるでしょう。


(参考) なぜ E = mc^2 なのか? >> id:rikunora:20080703

せいたかのっぽせいたかのっぽ 2011/11/08 23:54 こんばんは!
行列で解くローレンツ変換の説明、とてもシンプルで、アイデアが凝縮されていて、とても感動しました。
相対論の本を見かけたら、ローレンツ変換をどう説明しているか、必ず見ます。よくある、線型関係から係数を連立方程式で解く方法、それはそれで正しいと思うのですが、途中の見通しが悪いというか、計算したらこうなったというのは、イメージがしっくりしないというか、そう思うので、今回の記事は、私にはとても斬新なものでした。
途中の式も省略せずにうんぬん・・・、って親切な本というより、だらだらと計算が長いと結局、イメージがつかめない、ブラックボックス化してると思うのです。
説明は、シンプルで、イメージが明確で、そして斬新なアイデアが感じられるのがいいと思うのですよね。それを今回の記事から感じました。
もうひとつ別の例でいうと、シュレーディンガー方程式を球座標に変換するの、結果があんなに規則的なら、長々と計算せずになんかシンプルに説明するのってないのかなといつも思ってます。

ボルンの本は私も好きです。
E=mc2の証明は、高校物理のチャートにも載ってて、当時、すごいとおもいました。今のにも載ってたと思います。
元はそのまま『アインシュタイン選集1』にもあって、とにかく、シンプルで、なるほどそんな説明があったのかーって感じる時が一番感動します。

rikunorarikunora 2011/11/10 12:45 説明がシンプルなところに着目してもらえて、とても嬉しいです。
上の説明の中に、私が自分で考えた部分は実は1つもありません。
相対論の説明は、本にもWebにもたくさんありますが、
「ならば、そのたくさんの説明の中から一番いいとこを取ってつなげてみよう」
と思ってできたのがこれです。

ブラックボックス化は、相対論に限らずあらゆる分野に感じます。
物事って、時間が経つにつれて、だんだん厳密に、複雑化してゆくのではないかな、と。
なので、ときどきシンプルにまとめる必要が出てくると思うのです。

極座標変換は・・・あれはめげますねー、私はほとんどまともにやったことがない(^^;)
たぶん、式の上で美しくまとめる方法はあると思うのですが、直観からは程遠いですね。

catbirdcatbird 2012/01/07 02:38 光は、観測する者がどの様に運動しながら観測しても、秒速299,790.2?と計れます。その理由は、運動する慣性系においては、時間及び空間3次元の長さが変換されるからです。xyz=3次元の空間・t=時間 θ=観測者の進行方向と光の進行方向との角度とします。 速度Vで運動する慣性系では、時空間は下記の様に変換されます。CATBIRD変換と名付けます。(2乗を^2と表わす)
t’=t*(√(C^2−2VCcosθ+V^2)/C )/(√(1−V^2/C^2))
x’= (x−(V/C))/√(1−(V^2/C^2))
y’= y/√(1−(V^2/C^2))
z’= z/√(1−(V^2/C^2))
この変換により、光速は常に一定速度で計れます。ローレンツ変換は、一部正確ではない点がありました。
詳しくは、
http://www42.tok2.com/home/catbird/
を参照ください。
正しいと思うのですが、誤りがあれば教えてください。

tmcatbirdtmcatbird 2012/03/17 23:57 相対性理論において、時間と空間とが変化する仕組みが、解明出来ました。この仕組みによって、ローレンツ変換が導かれ、光速度不変の原則を証明することが出来ました。

高速運動により、物質の質量が増加することにより、物質時間が遅れます。そうなると、物質を動かす4種類の力は同じ時間内でも、遠くまで届きます。空間はそれだけ伸び、逆に大きさを変えない剛体は縮みます。

 又、高速移動に伴い、前方から来る4種類の物質を動かす力(重力・電磁力・強い力・弱い力)は速く伝わり、後方から来る物質を動かす力は遅く伝わる様になります。そうなると、方向により物質時間の経過が異なって来ます。

この2つ変化を数式にしたのが、CATBIRD変換式
t’=t*(√(C^2−2VCcosθ+V^2)/C )/(√(1−V^2/C^2))
x’=(x−Vt)/√(1−(V^2/C^2))
y’= y/√(1−(V^2/C^2))
z’= z/√(1−(V^2/C^2))
「※又は、C*t*cosθ=x なので、t’=t*(√(C^2−(2Vx)/t +V^2)/C )/(√(1−V^2/C^2))としても良いでしょう。」
です。

 例えば、高速移動により、前方から来る物質を動かす4つの力が速く到達する様になっても、物質を構成する基本粒子の質量が増加するので、物質反応の速度は速くなるのか、遅くなるのかは一概には言えません。2つの変換式を統合した下記のCATBIRD変換式で、時間の変化を確かめることになります。

 この変換式により、観測者がどの様な速度で動きながら、どちらの方向へ向かう光の速度を観測しても、その速度は常に299,792.5?/秒で計れます。
 試しに、(x,y,z,t)=(cosθ,sinθ,0,1)を、√(x'^2+y'^2+z'^2)=c*t'に代入して見て下さい。計算を簡単にする為、z=0の平面上で、1秒間に移動した光を想定していますが、3次元でも、何秒間でも同じ理論です。
詳細は
http://d.hatena.ne.jp/tmcatbird/
をご参照ください。CATBIRD変換よりローレンツ変換が導かれ、光速度不変の原則が証明されています。

小物小物 2017/04/06 14:29 catbird変換でもアインシュタイン変換でも何でもいいですからローレンツ変換によって、運動系の時間t’を導出してください。

小物小物 2017/04/06 15:10 これって、「光速度不変の原理は絶対に正しい」という仮定の上で奇妙な数式展開をされてるものです。本当に「光速度不変の原理」って正しいの?
上述の「観測者がどの様な速度で動きながら、どちらの方向へ向かう光の速度を観測しても、その速度は常に299,792.5?/秒で計れます。」などはウソっぱちだと思いますよ。

師子乃師子乃 2017/09/17 23:16 自分の目で観測している景色とはずいぶん違うので、なかなか難しいですね。

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