新テニスの王子様感想(ジャンプSQ 6月号)

ジャンプ SQ. (スクエア) 2009年 06月号 [雑誌]

ジャンプ SQ. (スクエア) 2009年 06月号 [雑誌]

 ついに明らかになる高校生の実力! 5番コート・鬼十次郎は一撃の下に相手の手首を粉砕する『ブラックジャックナイフ』の使い手、ガチガチの「テニスは格闘技」派であった! の巻。思えば前回リョーマちんにやられた人もマグナムサーブとか言って顔面狙い専門だったし、今のところ出てくる高校生全員殺人テニス使いだよ! やはり中学生よりも筋力が上がってくる分、殺人テニス道の方に進む選手が増えてくるのかな。
 鬼先輩のタチの悪いところは、一見、技の破壊力自体は地味に思わせつつ(あれで地味と言ってしまう辺り我ながら許斐先生に訓練されすぎだと思うが)、その実一撃で相手の試合能力を奪っているところだと思います。相手に何もさせずに勝つ。これならば石田銀にだって勝てるってことです。特に石田師範は、何かの制約なのか、エンジンが温まってくるまで打てないということなのか、すぐには百八式を打ってこないわけで、その間に先に手首を破壊してしまえば良いわけですからね。そう考えると、必要最小限の破壊というか、高校生にもなると殺人テニスも洗練されてくるなあと思いました。ことテニスにおいて、都市を破壊し戦艦を沈めるような破壊力は無用なんですよ。人ひとりを戦闘不能に追い込めば十二分なわけで。
 あと、鬼先輩の十字ラケット(ガットが縦と横に一本づつしか張られてない)について、「中学生相手にはこれで十分だぜ」みたいな台詞が一切ないのが許斐先生だよなーと思いました。あれがハンデなのか鬼先輩のいつものプレイスタイルなのかさっぱりわからん。
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 柳「ジャックナイフを得意技とする桃城が──」には、違うでしょ! 桃城の得意技は読心術と環境利用闘法でしょ! と言いたいところなのですが、うーむ。前々から懸念はしていたが、許斐先生、桃城のサトリ能力については本格的になかったことにしようとしてるんじゃあ……。そうだとしたらちょっと悲しいなあ……。許斐先生はいっつも唐突に意味わかんないこと言い出すけど、少なくとも一度言ったことはごまかさない人だと思っているので。
 これを解決する手段として、「心が読める云々は“曲者”桃城一流のハッタリ」説を思いついたけど、本当に読めるんだったらそっちの方が良いなあ。青学のレギュラーとして、桃城にだってそれくらいの人外スキルはあって良いと思うもの。
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 ところで今月号の表紙なんですが、書店でちらっと見たときにSUGD大車輪山嵐の予備動作に入る遠山金太郎を幻視しました。


 女の子3人が同一人物に見えたので。我ながらテニス脳もいい加減にしろと思いました。