ルナ 満月の夜に

昨夜、我が家の愛猫・ルナが息を引きとりました。だいぶ前から体調が悪


そうで、動物病院へ連れて行ったりしてたのですが、一向に良くなる気配は


無く、昨日別の動物病院へ連れていったら、食中毒が原因らしく、毒が脳の


方へ回ってしまっていたようです。解毒剤の影響か、何回も吐き、呼吸も早


く苦しそうでした。息を引き取る間際の、一生懸命に僕をみたルナの眼が忘


れられません。


 ルナは、4年前の満月の夜に、友達2人と出かけた先で、出会いました。


真白なふかふかの毛で、片眼が黄色、片眼が青の小さな子猫でした。捨て猫


なのか、その場にいた人たちで、誰か飼ってあげたらという事になりまし


た。成り行きで僕が引き取る事になりました。本当は過去に、ペットが死ん


だ時何度かつらい思いをしているので、飼いたくはなかったのですが。その


時一緒にいた友達は、猫のトイレや、エサ、おもちゃなどを買ってきてくれ


て、とてもたすかりました。


 飼ってみると、なかなか人懐っこく、ペットを飼う事に反対の頑固者の祖


父のハートまで掴みました。頭がよく、凛々しい容姿で、ふてぶてしい所も


あり、家族、友達、彼女、みんなに可愛がられました。


 ルナは、満月の夜に僕の前に現れ、たくさんの幸せを運んで来てくれ、満


月の夜に去って行きました。動物は赤ちゃんと同じで、言葉を喋る事ができ


ないので、もっと体調を気遣ってやるべきでした。その点が悔やまれます。


 昨夜、苦しむルナをさすっている時、断末魔の力か、指が貫通するくらい


噛まれました。今となっては、それが最後の思い出です。この傷も癒えるに


従って、ルナの記憶が薄れていくと思うとつらいです。