『七人のイヴ』Ⅰ ニール・スティーヴンスン 著 日暮雅通 訳 新☆ハヤカワ・SF・シリーズ

七人のイヴ ? (新☆ハヤカワ・SF・シリーズ)

長い間待ったよ。
ついに我らの、いや俺の。
ニール・スティーヴンスンが帰ってきた(邦訳で)。



スノウ・クラッシュ〈上〉 (ハヤカワ文庫SF)スノウ・クラッシュ〈下〉 (ハヤカワ文庫SF)

スノウ・クラッシュ


ダイヤモンド・エイジ〈上〉 (ハヤカワ文庫SF)ダイヤモンド・エイジ〈下〉 (ハヤカワ文庫SF)

『ダイヤモンド・エイジ』


クリプトノミコン〈1〉チューリング (ハヤカワ文庫SF)クリプトノミコン〈2〉エニグマ (ハヤカワ文庫SF)クリプトノミコン〈3〉アレトゥサ (ハヤカワ文庫SF)クリプトノミコン〈4〉データヘブン (ハヤカワ文庫SF)

『クリプトノミコン』


全部大好き。

もちろん「ユリイカ」の特集号も愛している。
ユリイカ2002年10月号 特集=ニール・スティーヴンスン 暗号化するフィクション


期待を込めまくって読み始めた『七人のイヴ』。
邦訳では三分冊ですが、原書では一巻本。
なので、この本ではまだほんの一部分。
そして「本筋からの脱線大王」「ディテール凝りまくり」という印象のスティーヴンスンが今回はどんな
感じかというと、「あまり脱線しない」「相変わらずディテール細かすぎ(←褒めてる)」。
謎の力(存在?現象?)で月が破壊され、その破片が地球に降り注ぐことが予想された。
そのため地球の人類文明が滅んでしまうことも。
その期限まであと2年。
この条件下、人類はその文明を可能な限り宇宙へ送ることを選択。
国際宇宙ステーション(イズィ)がその活動の中心となる。

現在の科学技術の範囲内で、(滅びを避けるために)全力宇宙開発。
そう、ゲームオーバー目前だから全額投入してきます。
そこで描かれるディテールの緻密さ(宇宙服の脱ぎ方とかね)とギーク的な知恵と工夫(水の集め方とか)
が楽しい。
お金とか気にしなければ(今の技術で)そこまでできるのか人類!という感動を
(破滅がすぐ目の前にあるのにという)罪悪感を持ちつつ抱く。
そういう読み味って珍しいな、と思いながら、この後どうなるのか、と期待して読了。
次も楽しみだ。
(何とか1か月以内に読み始めたいぞ)