俺と「LEGO(R) ムービー」

 「LEGO(R) ムービー」を2D吹替版で見てきました。正直、あんまりレゴで遊んだ事もなければ、監督が「21ジャンプストリート」の人だっていうのも知ったのが公開直前だったりして、周りの評判が良くなければ多分見に行ってなかった映画でした。でも、実際に見に行った帰りには「何この映画。全てが最高!というかレゴスゲー、マジスゲー、キ○ガイすぎる!」などという訳の分からない事を口走っちゃうほどに凄い映画でした。
 とにかくOPのワーナーのロゴから世界のつくり込みが凄すぎて、私みたいなボンクラは「コレマジで全部レゴで作ってんじゃないのか…」と勘違いするくらい(実際に他の人に指摘されるまでは、レゴでストップモーションアニメを作ってると思ってた)、まさにレゴの世界だったんですよ!
 ただ、この映画に凄くグッと来た部分は、そんなレゴの世界の作りこみや、人形なのに凄く生き生きとしたキャラクターたちもモチロンあるのですが、それらも含めてこの映画を作っている人たちが持ってるであろう「好きだ!」っていう思いが、世界観やキャラクターだけじゃなくて、ストーリーの端々からもビシビシと伝わってきたからだと思うので、そんな「好き」っていう思いについてちょっと書いてみようかなと思います。


このキャラクター大好き!


 この映画の製作者のレゴへの思い入れほどじゃないにせよ、私も大好きだ!と思う(もしくは思ってた)ものがあったりします。例えば学生のころは私はハードロックとかへヴィメタルという音楽が大好きで(今も好きですよ!)、「メタルさえあれば生きていける!」なんて事を口走る、今思い返してみると頭を抱えたくなるような痛い学生だったし、それこそ今やってる好きな映画の感想をブログに書くなんて行為そのものも、まあ凄く小さなスケールとは言えある意味好きの発現みたいなもんだよな…と思ったりするのです。
 さて、モチロン映画の感想をブログに書くぐらいですから、そりゃ映画を見ることが好きなのは言うまでもないですが、好きな映画のことについて「あの映画のココが良かった」とかをアレコレ考えちゃうのも同じくらい好きって言う事もちょくちょく書いております。モチロン他の人が「ココが良かった」って感想を読んだりするのも好きで、そうやって映画について(もちろん映画だけに限らずだけども)繰り返し色々考えたりしていくと、最終的に「自分にとってあの映画はこんな映画だった」っていう形が出来てくる気がするんですよ。
 ただ私自身が結構やっちゃうなと思うのが、あまりに思い入れが強くなりすぎるとその出来上がった形(たとえば映画の見方とか)以外のものを否定しがちになるなと。別に自分自身が否定されてる訳でもその映画自身を否定されてる訳でもないのに、形が出来上がってしまってからは他人がするちょっと違った見方や考え方を受け入れなくなる時が結構、いやかなりあったりします。しかもややこしい事にこれは、良いよねこの映画程度に好きって言う作品じゃなくて、「この映画に出会えて良かった…」っていう作品だから余計にややこしい訳ですな。傍から見ればたかが(なんて言っちゃいけないけど)映画なのに、それこそ自分の存在意義を否定されたかのように強烈に反応したりしちゃったりして、もうね…。

 同じ「好き」っていう感情なのにその中身は年齢が経ったり色々経験を詰んだりする事で微妙に変質してるような気がするし、多分コレは後戻りする事は出来ないんだろうなと思う。モチロン、過去に持ってたシンプルな「好き」って感情が良くて、今のちょっと複雑な「好き」って感情が良くない訳じゃないけど、ちょっと複雑になった「好き」の持つある種のめんどくささと向き合わなきゃいけないよな…、なんて事を思ったりする映画でしたね。
 だからこそ、この映画の持つポジティブなメッセージに心打たれたんだとも思うな。